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yoko

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透明と聡明

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yoko @yfmemoire.bsky.social · 8h
樅の木は鈍いビロード色のひだをなし 雲が残すおぼろな翳りの前で緑なす 黒々と立つ木々は堅固にして不動 影によって道が閉ざされることはない ただ時折、突然雲が裂け 真珠の輝きが枝々にきらめくときだけ 荷車を引く男の影が動いて 一本の殻竿がゆっくりと上下する。 クリストフ・フリードリヒ・ハインレ「無題」『ハインレ詩文集』ヨハネス・シュタイツィンガー 編 柿木伸之 訳
040
yoko @yfmemoire.bsky.social · 10/10/2026
お返事が遅れてしまい、申し訳ありません。 初めまして。コメントありがとうございます。 翻訳を通して読んでくださったのですね。フォローしたばかりであるものの、the hum of passing daysさんの投稿を、ひそかに楽しみにしていたので、とても嬉しいです。 長い間、公開することを躊躇っていましたが、こうして読んでいただけたので、公開した甲斐があったな、と思います。 あらためて、読んでくださって、ありがとうございました。 これからも、どうぞよろしくお願いします。
110
yoko @yfmemoire.bsky.social · 09/10/2026
短歌連作10首を公開しました。よろしければ、お読みください。 note.com/yk_f/n/nb307...
note.com
短歌連作10首「水際に」|yoko
短歌連作10首 水際に.pdf 51.5 KB ファイルダウンロードについて ダウンロード    水際に それは私のさびしさでなく紫木蓮さむざむと蕊をさらして どれほどの矜持、と思う硝子片ひろいあつめる夜の水際に 傘はもう帰ってこない空っぽの改札階は河岸の向こう 日覆いのわずかな街を過ぎるとき匂い出すあるはずのない暗渠 だいじそうにジュール・ヴェルヌを抱えて...
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yoko @yfmemoire.bsky.social · 07/10/2026
まだ実現にはほど遠いけれど、フランス語は映画を字幕なしで観られるくらいになりたいな
040
yoko @yfmemoire.bsky.social · 07/10/2026
昨日は眠るまえ、今日はなにもできていない、どうしよう、と落ち込んでいたけれど、そういえば映画を観に行ったし語学の勉強もしていた 読書と執筆以外のことをするのに、まだなんとなく罪悪感があるのだなあ
050
yoko @yfmemoire.bsky.social · 07/10/2026
シャインマスカットとナガノパープルのアールグレイタルトと、グァテマラ。おいしかった。葡萄は皮まで食べられたし、グァテマラには赤ワインのような香気があった。
060
Reposted by yoko
木村夏彦/文芸誌『jem』3号制作中! @natsuhiko-kimura.bsky.social · 07/10/2026
11/8(日)に行われる文学フリマ東京43に「jem編集部」で出店します!ブースは「I-60 (南1-2ホール)」です。制作中の3号の頒布はできませんが、創刊号、2号、そして間に合えば木村夏彦名義の新刊を販売いたします。売り子もいたしますので、よろしければぜひ遊びに来てください。
01416
yoko @yfmemoire.bsky.social · 06/10/2026
映画や展覧会の感想も、もっと気負わずに書けるようになりたいな あまりにも素晴らしいものに触れると、言葉が追いつかないことがしばしばある
040
yoko @yfmemoire.bsky.social · 05/10/2026
リタ・アゼヴェード・ゴメス監督の『Fuck the Polis』は、しみじみいいな、と思う作品だった。冒頭の、輪になって踊りながら歌う人々を映した場面から、なによりもまず、歌の映画だと思った。歌と、朗読が要となる映画。詩や散文作品のテクストが、手紙のように読みあげられているのがよかった。途中、登場する雛罌粟の赤が鮮やかで、しばらくの間眼に残った。穏やかな気候の土地が映されてはいるものの、この作品は、けして安閑とした旅行記ではないのだと思った。併映されたインタビュー映像もよかった。「話が終わらないわね」「私のお喋りに付き合ってくれてありがとう」と笑うリタ監督は、とてもチャーミングで素敵だった。
0122
yoko @yfmemoire.bsky.social · 05/10/2026
ああ、いかにわたしが叫んだとて、いかなる天使が はるかの高みからそれを聞こうぞ? よし天使の序列につらなるひとりが 不意にわたしを抱きしめることがあろうとも、わたしはその より烈しい存在に焼かれてほろびるであろう。なぜなら美は 怖るべきものの始めにほかならぬのだから。われわれが、かろうじてそれに堪え、 讃賞の声をあげるのも、それは美がわれわれを微塵にくだくことを とるに足らぬこととしているからだ。すべての天使はおそろしい。 リルケ「第一の悲歌」『ドゥイノの悲歌』手塚富雄訳
060
Reposted by yoko
Bookness and Thereness 本と出版と情報とその周辺のニュースまとめ @bookness.bsky.social · 04/10/2026
詩をはじめる本屋 蒼枯(東中野)「自分が詩で感じたことをベースに他のジャンルのものを引っ張ってくるみたいな」 www.nikkan-gendai.com/articles/vie...
nikkan-gendai.com
詩をはじめる本屋 蒼枯(東中野)「自分が詩で感じたことをベースに他のジャンルのものを引っ張ってくるみたいな」|本屋はワンダーランドだ!
窓に「本屋」「詩」と手書きした紙が張ってあるから、すぐに分かった。少々古めかしいビルの2階に、今年4月オープンし...
031
yoko @yfmemoire.bsky.social · 03/10/2026
ロビーナ・ローズ監督『ナイトシフト』を観た。とてもよかった。夜に観ることができたから、なおのこと。冒頭のサイモン・ジョフスの音楽から一気に夢の気分に誘いこまれたから、ジョーダン演じるホテルの受付係が、正面に向かって眼を見開いているズームカットが印象的だった。人々が眠る場所、夢を見る場所の入口でただひとり目醒めているのは、彼女が夢の番人だからかもしれない。夜明け前にジョーダンがフロントを清掃するシーンは、掃除機で夢の粒子を吸いこんでいるようで素敵だった。全篇におもだるい眠気が浸透していて、入眠前の夢かうつつかわからない感じ、真夜中から明け方にかけての時間の茫洋とした感じを思いだす作品だった。
091
yoko @yfmemoire.bsky.social · 03/10/2026
010
Reposted by yoko
映画ナタリー @eiga.natalie.mu · 03/10/2026
台湾の歴史に消えた詩人たちを映し出すドキュメンタリー映画リバイバル上映(予告編あり) natalie.mu/eiga/news/692230?utm_sou…
0216
yoko @yfmemoire.bsky.social · 02/10/2026
080
yoko @yfmemoire.bsky.social · 29/09/2026
ウルリケ・オッティンガー監督『アル中女の肖像』を観た。二度目の鑑賞だったけれど、初回より愉しんで観ることができた。初回同様、はじめからおわりまでタベア・ブルーメンシャインの衣裳とメーキャップの華々しさ、奇抜さに釘づけだったけれど、彼女のいでたちが際立って眼をひくものであるのは、ベルリンの街並みに生気が乏しいからだと気づいた。異邦人としてやって来て、あくまでも異物として街を闊歩する、ということ。劇中で何度か登場する、タベアが自分の映った鏡やガラスに水や酒をぶちまけるシーンにはふしぎな爽快感があったけれど、あれは嘔吐のことだろうか。全体として滑稽みがあって、喜劇を基調にした作品だという気がした。
080
yoko @yfmemoire.bsky.social · 27/09/2026
 航海者は遭難の危機に臨んで、自分の名と自分の運命を記した手紙を瓶に封じ込め海へ投じる。幾多の歳月を経て、砂浜をそぞろ歩いていて、わたしは砂に埋もれた瓶を見つけ、手紙を読んで遭難の日付けと遭難者の最後の意思を知る。わたしにはそうする権利がある。わたしは他人あての手紙を開封したりはしない。瓶に封じ込められた手紙は、瓶を見つけた者へあてて書かれているのだ。見つけたのは、わたしだ。つまり、このわたしこそ秘められた名宛人なのである。 オシップ・マンデリシュターム「対話者について」『詩集 石/エッセイ 対話者について』早川眞理訳
0111
yoko @yfmemoire.bsky.social · 26/09/2026
worksight.substack.com/p/209
worksight.substack.com
共有される沈黙のグルーヴ:チューリッヒの「サイレント・リーディング・レイヴ」を訪ねて
スイス・チューリッヒで、多くの人びとが集いつつも黙って手元の本を読むレイヴが人気を博しているという。静かな読書のレイヴ? いったい、そこでは何が起きているのだろう。WORKSIGHT編集部員が実際に現地で参加し、その体験をもとに後日、イベント主催者たちに話を聞いた。すると、都市の内部で市民たちがつくり出す沈黙のアソシエーションの意義が、静寂のなかからそっと浮かび上がってきた。
052
yoko @yfmemoire.bsky.social · 25/09/2026
050
yoko @yfmemoire.bsky.social · 24/09/2026
今年はルーブルとアルベール・マルケ、駒井哲郎を観て終わりたい
030
yoko @yfmemoire.bsky.social · 24/09/2026
うつくしい歯は樹がくれに歌った 形のいい耳は雲間にあった 玉虫色の爪は水にまじった 脱ぎすてた小石 すべてが足跡のように そよ風さえ 傾いた椅子の中に失われた 瀧口修造「妖精の距離」『瀧口修造の詩的実験1927〜1937』
030
yoko @yfmemoire.bsky.social · 24/09/2026
なにごとも気づいたら必死になって空っぽになるまでやりこんでしまうから、本当に燃費がわるい
030
yoko @yfmemoire.bsky.social · 23/09/2026
睡眠がたりていないと文章がめちゃくちゃになるようだけれど、せめてなにを言おうとしているのかわかるものだけでも残しておこうと思う
030
yoko @yfmemoire.bsky.social · 23/09/2026
誕生日当日に瀧口修造展を観ることができた巡りあわせに感謝
060
yoko @yfmemoire.bsky.social · 23/09/2026
070
yoko @yfmemoire.bsky.social · 21/09/2026
彼は三つのものを愛した。キャディの結婚式とクエンティンのハーヴァードの学費のために売られてしまった草地、姉のキャディ、そして火の明かりである。彼はそのどれ一つとして失ったわけではなかった。なぜなら彼が思い出すことができるのは姉の記憶ではなく、姉を失った記憶であり、火の明かりは眠りにつくときと同じ明るい模様だったし、草地は以前よりも売られてからのほうが彼にとってずっとよかったからだ。 フォークナー「付録ーーコンプソン一族」『響きと怒り(下)』平石貴樹/新納卓也訳
030
Reposted by yoko
VOGUE JAPAN @voguejapan.bsky.social · 20/09/2026
母と娘の複雑な愛を綴ったシャンタル・アケルマンの最後の著書『母が笑う』の日本刊行を記念し、東京日仏学院エスパス・イマージュにて「シャンタル・アケルマン映画祭 2026」が開催。期間は10/2~10/24の金・土・日。 www.vogue.co.jp/article/2026...
0109
yoko @yfmemoire.bsky.social · 19/09/2026
フォークナー『響きと怒り(下)』平石貴樹/新納卓也訳
020
yoko @yfmemoire.bsky.social · 19/09/2026
 「わかりましただ!」とラスターは言った。彼は手綱を取るとその端でクイニーを打った。「起きるだ! 起きるだよ! ベンジー、お願いだからだまるだよ!」  ベンの声はとどろきにとどろいた。クイニーはふたたび動き出し、ふたたびカッポ、カッポという落ち着いた歩みをはじめ、するとベンはただちにだまった。ラスターは肩越しにちらりとうしろを振り返り、それから前をむいて馬車を進めた。折れた花はベンが握った拳の上に垂れかかり、かれの目はうつろで青く、ふたたび穏やかで、通りの建物の軒や正面が、ふたたび左から右へ滑らかに流れていき、柱も木も、窓も戸口も看板も、すべてが決められたとおりの配置にあるのだった。
140
yoko @yfmemoire.bsky.social · 18/09/2026
070
Reposted by yoko
映画ナタリー @eiga.natalie.mu · 18/09/2026
ファスビンダー特集上映で「少しの愛だけでも」「デスペア 光明への旅」公開(動画あり) natalie.mu/eiga/news/690077?utm_sou…
02216
yoko @yfmemoire.bsky.social · 17/09/2026
フォークナー『響きと怒り(上)』平石高樹/新納卓也訳
010
yoko @yfmemoire.bsky.social · 17/09/2026
やがてスイカズラの匂いがすっかり空気に混じり込んでしまい あらゆるものが夜と不安を象徴するようになってからは 僕は横になって目覚めているでも眠っているでもなく 灰色の薄明かりに満たされた長い回廊を見おろしていて そこでは安定していた一切のものが影となり 矛盾となり 僕がしてきたことすべてが影となり 僕が感じ 苦しんできたことが 目に見える滑稽でいびつな影をまとい それらの影は意味もなくあざけって 主張するはずだった存在理由をみずから否定することを本性としながら 僕はいた 僕はいなかった 誰がいなかった いなかったのは誰か と考えるばかりなのだった。
120
yoko @yfmemoire.bsky.social · 17/09/2026
そういえば、十代のおわりにはじめて古井由吉や中上健次を読んだときも、しばらく起きあがれなくなっていたな
020
yoko @yfmemoire.bsky.social · 14/09/2026
この庭園のほうに、総督が長いこと待ち望んでいた月光の道がまっすぐに伸びてきて、耳のとがった犬がまっさきにその道を走りだした。真紅の裏地のついた白いマントをはおった男は椅子から立ちあがり、しわがれた、とぎれがちな声でなにごとか叫んだ。泣いているのか笑っているのか、そして何を叫んだのかはわからなかった。見えたのは、忠実な愛犬のあとを追って、彼もまた月光の道をひたすら駆けていったことだけである。 ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ(下)』水野忠夫訳
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yoko @yfmemoire.bsky.social · 14/09/2026
 身じろぎもせずに立ちすくみ、すわっている総督をみつめていた巨匠は、すでにこの言葉を待ち受けていたかのようだった。両手をメガフォンのようにして口に当てると、人気もなく、草木もない山々にこだまがはね返るほどの大きな声で叫んだ。 「おまえは自由だ! 自由だ! 彼がおまえを待っているのだ!」  山々は巨匠の声を雷鳴に変え、雷鳴は山々を破壊した。呪わしい岩壁は崩れ落ちた。石造りの肘掛け椅子のある一角だけが残った。岩壁の転落していった暗い深淵の上、二千年のあいだに鬱蒼と草木が生い茂った庭園の上に光り輝く偶像の君臨する巨大な町が出現した。
140
yoko @yfmemoire.bsky.social · 12/09/2026
030
yoko @yfmemoire.bsky.social · 11/09/2026
agostさん、こんばんは。 『来るべき書物』、本当におもしろかったです…!読んでいて、取りあげられている作家、作品に対する先入観が払拭されてゆくこころよさがありました。『焔の文学』も家にあるので、読み了えたらまた引用させていただきます。
010
yoko @yfmemoire.bsky.social · 10/09/2026
テクストという他なるものに魅入られて取りこまれて、自分というものが掻き消されていくことが愉しくて、どうしても書物から離れられないのだったな
060
yoko @yfmemoire.bsky.social · 10/09/2026
引用を投稿して、ようやく我にかえることができた これだけもっていかれる読書をしたのは久しぶり
110
yoko @yfmemoire.bsky.social · 10/09/2026
作品に対するこのような否定作用によって、はじめて作品は、そのもっとも大きな次元を獲得しうるのであり、このことが、作品を、一個の作品を超えたものと化している。 モーリス・ブランショ『来るべき書物』粟津則雄訳
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yoko @yfmemoire.bsky.social · 10/09/2026
オルフェウスは、エウリディケーの方をふりかえるとき、歌うことを止め、歌という能力を破壊し、儀礼を裏切り、掟を忘れ去るのだが、それと同様に、作家は、或る瞬間において、すべてを裏切り、すべてを否定しなければならないのである。そして、芸術も作品も文学も、彼がかいま見ている真理にくらべれば(あるいは彼が仕えようと思っている人々にくらべれば)、彼がとらえようと思っている未知とくらべれば、彼がそれを歌うことではなく見ることをねがっているエウリディケーとくらべれば、もはや何ものとも思われないのである。
170
yoko @yfmemoire.bsky.social · 09/09/2026
だってあなたはわたしの暗喩かもしれず手をとればだれも帰れなくなる/佐々木朔『往信』
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yoko @yfmemoire.bsky.social · 07/09/2026
さみどりにさやぐさざなみ 風は火を、火は運命をおそれず生きて/井上法子『すべてのひかりのために』
050
yoko @yfmemoire.bsky.social · 07/09/2026
恢復したら『恐怖分子』と『沈黙の女』を観に行きたい
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yoko @yfmemoire.bsky.social · 07/09/2026
連日睡眠不足のまま動きまわっていたからか、久しぶりに風邪らしい風邪をひいてしまった 雨も続くようだから、今週はおとなしくしていようと思う
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yoko @yfmemoire.bsky.social · 06/09/2026
雨が降るから読書がはかどる
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yoko @yfmemoire.bsky.social · 06/09/2026
www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2...
moma.pref.kanagawa.jp
銅版画家・駒井哲郎 掌上にひろがる星座のように | 神奈川県立近代美術館
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yoko @yfmemoire.bsky.social · 05/09/2026
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yoko @yfmemoire.bsky.social · 02/09/2026
遠い近いの差はあれ、私たちが欠如と不在からなる出会いを果たし、それを具体的な体験として埋めうるよすがになるのは、書かれた書物しか、愛し、愛された本しかない。作品を読むことだけが私たちにとっての現在であり、忘却はありえても、読書という営為があるかぎり、完全に消滅することはないのだ。それは死後の栄光だの再評価だのとは本質的に無関係の、ありきたりの人生におけるありきたりの真実であって、不在への架け橋を信じることができない者には、おそらく辛気くさいとされる「文学」のうわっ面をなぞる機会すら訪れないだろう。 堀江敏幸『魔法の石板 ジョルジュ・ペロスの方へ』
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