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奇妙な世界

@kimyonasekai.bsky.social
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短篇小説・翻訳小説・怪奇幻想小説大好きアカウントです。ファンタスティックなものが好み。読書ブログ「奇妙な世界の片隅で」をやってます。怪奇幻想小説専門の読書会「怪奇幻想読書倶楽部」主宰。ブックガイド系同人誌も作ってます。#日本怪奇幻想読者クラブを主宰しています。

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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 1h
「全記憶再生装置」は、「ひとりの人間の全記憶」を「完全に」再生する機械。ただし正確な全記憶を再生するために、三十年分の記憶であれば再生に三十年を要するというのです。さらに使用は人生で「ただ一度限り」。まるで人生の寓意のような機械です。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 1h
クラフト・エヴィング商會『どこかに○いってしまった○ものたち』筑摩書房)より、「全記憶再生装置」の項目を再読。 『どこかに○いってしまった○ものたち』は、百年前に開業したクラフト・エヴィング商會が扱っていた商品の中から、今は存在していない品物の説明書やチラシ、パッケージなどを集めて品物の説明に変えるという、架空の品物カタログです。 架空の不思議な品物が紹介されていきますが、その品物そのものではなく、チラシや説明書など間接的な形で品物を想像させる…という洒落た演出です。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 1h
星新一「白い記憶」(『ボッコちゃん』新潮文庫 収録)を読了。 Q博士のもとに二人の急患が運び込まれてきます。それは二人の男女で、ビルの曲がり角でぶつかって意識を失ったというのです。目覚めた二人はともに記憶を失っていましたが、互いの姿を見て感じのよい人物だと感じているようなのです。やがて二人の記憶がよみがえり始めますが…。 記憶がまっさらの状態で互いに好意を感じ合っていた男女が、記憶を取り戻した途端に本当の関係性に気づく…という物語です。記憶喪失時の思いが全く反省になっていない、というところもシニカルですね。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 4h
不審なツアー参加者の他にも、やたらと体調を崩す主人公の体に何か問題のあることが示唆されます。「ぼく」の秘められた記憶とは何なのか? 旅行や参加者たちの姿が反転するラストの構図は鮮やかですね。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 4h
「冥い記憶」 叔母の由香里とボーイフレンドである刑事の松平と共にバス旅行に参加することになった「ぼく」。岩手の温泉宿に向かいますが、ドライブインのトイレに入る際に、旅行参加者たちが殺人の話をしていることを耳に挟んでしまいます。 疑念に囚われた「ぼく」は旅の途次、たびたび体調を悪くしていましたが…。 何やら犯罪に関して曰くのあるらしい人間の混じったバスツアー旅行に参加した青年が、恐ろしい体験をする…というサスペンス風味の作品です。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 4h
「私」は実際に倉本の小説を読むことになります。筆の達者さに感心するものの、そこに書かれている内容が、実際に起こったこととは微妙に違うことに気づきます…。 海外で仲の良かったグループのことを数十年ぶりに小説の形で読むことになった男を描く物語です。咲子の失踪はなぜなのか、彼女の過去に何があったのか? 小説に事実とは異なることが描かれていたことが分かり、作者はなぜその部分を変えたのか、というところから、咲子に関する過去の事実が明らかになっていきます。物哀しい結末にも味がありますね。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 4h
「霧の記憶」 「私」は、かってロンドンで知り合い、その後疎遠になっていた倉本から二十年以上ぶりに電話をもらいます。彼は早良哲也という名前で作家となっているというのですが、自作の小説にある投書をもらったというのです。その小説「霧の記憶」は、ロンドンを外遊していた若者たちを描いた作品でしたが、そこに登場する女性の一人のモデルは自分の妹ではないかというのです。 倉本によれば、件の女性・新藤咲子は失踪しているといいます。仲の良かった美千代が現地の男と結婚を決めたため、ショックで自殺をした可能性もあるのではないかと「私」は考えます。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 4h
食中りの品物が特定されたことから、かっての悲劇的事件につながっていく流れには驚かされます。さらにその悲劇的事件の後ろに自分への愛情を感じるくだりも良いですね。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 4h
「膚の記憶」 たびたび食中りになり苦しんでいた大学教師の「私」。同じ郷里出身であることから知り合い、愛人となっているママの経営する店で食事をするたび、食中毒が起きているらしいことから、特定の品物があたっているのではないかと調べ始めます。友人の高木の提案で、毎回食べているメニューから一品ずつ減らしてみて、あたっている品物を特定しようとしますが…。 食中毒を繰り返し起こしている男が、それの原因を調べようとしたことから、思わぬ過去が明らかになっていく、という物語。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 4h
「遠い記憶」 編集者と共に、幼い頃を過ごした盛岡に行くことになった「私」。母親にその話をしますが、なぜか母は郷里に嫌悪感を感じているようなのです。 かって住んでいた家を探そうとしていたところ、地元の割烹店の女主人・世里子と知り合い、彼女も協力することになります…。 幼い頃を過ごした町を再訪したところ、当時の思い出が蘇り温かさに包まれますが、そこには暗い秘密もが隠されていた…という物語。最後の一行で提示される「真実」の恐怖度が高いですね。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 4h
「言えない記憶」 「私」は、地元の講演で子供時代の記憶を語りますが、それをきっかけに旧友たちと、とある子供時代の一日の思い出話に興じることになります。なぜ皆がその一日を覚えているのかと訝しんでいると、その日に仲間だったうちの一人大城の妹が行方不明になり亡くなった日だということが分かります。彼は妹の死に「私」や家族が関わっていたのではないかと疑っているようなのですが…。 とある少女の変死事件の謎が明かされるというお話です。「私」が語るのはショッキングな事実なのですが、それを上回る残酷な事実が隠されていた…という陰惨な物語となっています。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 4h
「ねじれた記憶」 亡くなった母親と共にとある宿屋に行った記憶のある「私」は、ふとしたことからその場所が岩手の山の奥の温泉であることを知ります。その宿を訪れたところ、宿から女性を紹介されます。静子と名乗る若い女に惚れこんだ「私」は身請けまでを考えます。しかし自身の過去を話し始めた途端、静子の顔色は変わっていました…。 亡くなった母親とも似た雰囲気を持つ若い女性に惹かれる男を描いた物語です。話が進むに従い、恐ろしい事実が明らかになり…。全てが既に起こってしまっていたかのようなラストに驚かされます。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 4h
高橋克彦『緋い記憶』(文藝春秋)を読了。 記憶をテーマにした恐怖小説集です。 「緋い記憶」 画家の「私」は、旧友の加藤が趣味で子供の頃の盛岡の地図を集めていることを知り、見せてもらうことになりますが、自分がよく知っていたはずの家が地図に載っていないことを訝しみます。同窓会のため、数十年ぶりに郷里の盛岡に帰った「私」は、記憶の家を探そうと考えますが…。 住宅を網羅しているはずの昔の地図に知っているはずの家がなかったことから、その記憶を思い出そうとする男の物語です。記憶違いなのか、それとも人違いなのか…。封印していた罪の記憶が明らかになる、と同時に意外な超自然現象が登場する結末も見事ですね。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 18h
タイトルは、2015年にリリースされた心霊ホラー作品「死画像」に収録され、インターネット上で話題を呼んだエピソード「クニコ」から来ているのですが、あくまで発端のつながりだけで、内容自体はこの作品単体で完結しています。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 18h
心霊現象のようなものに遭遇してしまうという映像です。このシーンが相当に怖いのですが、同時にリミナルスペースのような空間の趣があって面白いのですよね。 内藤が行ったらしい廃墟が超自然的な場所であり、それに関わる噂や証言なども見つかり始めるのですが、肝心の廃墟がどこにあるのか、そもそも内藤と友人たちがどんな体験をしたのかも全く分かりません。 正面切った怪異現象がそんなに派手に出るわけではないのですが、常時、真相を知るのはまずいのではないか、と思わせる不穏な雰囲気が続く映像作品で、モキュメンタリーホラーとしてかなりの吸引力のある作品でした。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 18h
不幸な事件が続いたため、資料は全て廃棄、記憶すらも曖昧になっているということで、ほとんど何の手がかりもないところから廃墟の場所を探索することになります。 調査の過程に挟まれる形で、関連があると思われる映像や資料が映されていきます。内藤の体験談のほか、ゲームをしながら餓死した青年、事故物件を撮影していたスタッフが変死した事件など、不気味な事件が語られますが、直接内藤の件と関りがあるのかははっきりしません。 明確に事件に関係があると思われる映像が現れるのが中盤、製作事務所に送られてきていたという謎の投稿映像。若い女性二人が巨大な屋敷に閉じ込められて、外に出ようと出口を探し回るのですが見つからず、
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 18h
心霊ホラー作品「死画像」を制作した事務所にテープを送り何とかしてもらおうとしたというのです。 それ以来、視界の端に幽霊のような存在がちらついているといい、テープを元の廃墟に戻せばその現象を止められるのではないかと考えているといいます。しかし、廃墟がどこにあったのかの記憶も曖昧なため、その廃墟捜索を手伝ってほしいというのです。スタッフは彼に協力することになりますが…。 霊的な害を受け続けている男性が、その原因となったテープを見つけた廃墟に戻すための調査を追っていくという心霊ドキュメンタリー風味のホラー映画です。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 18h
岩澤宏樹監督の映画 『クニコからはじまる話』(2025年 日本)を観ました。 心霊ドキュメンタリーの製作事務所に刃物をもった女が侵入し、従業員の女性が怪我をするという事件が起きます。犯人は、SNS上でとあるアカウントが唱えていた、事務所にあるビデオテープを取り戻さなければ世界が滅ぶという陰謀論を信じていたことが分かります。 件のアカウントの人物にスタッフが接触したところ、その人物・内藤は実情を語ります。10年ほど前に仲間と共に廃墟探索をしていたところ、とある廃墟でビデオテープを見つけ、それをきっかけに不幸が続いたため、
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 11/10/2026
退去も告げずに放ってあった下宿先であるとか、数十年弁当箱を入れっぱなしのロッカーなども相当に不気味ですが、最終的に鍵の行きつく先も相当に怖いですね。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 11/10/2026
それは、まだ駆け出しの頃に妻と一緒に住んでいた本来物置用の狭い部屋の鍵でした…。 様々な鍵をきっかけに、過去について段々と回想がなされていく…という作品なのですが、忘れっぽく、無責任な質の語り手が回想するたびに、放っておいた過去の事実が明らかになっていきます。 鍵によって導かれ、辿り着いた家や場所でさらに鍵を発見し、また別の場所に向かうことを繰り返す流れはどこかスラップスティックなのですが、段々と過去の記憶の暗い地層が明らかになっていく過程は、コメディどころかホラー的な様相を帯びていきます。
120
奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 11/10/2026
筒井康隆の短篇「鍵」(『鍵 筒井康隆自選恐怖小説集 新装版』星海社FICTIONS 収録)を読了。 フリーのルポ・ライターである「おれ」は、出版社の応接室でカンヅメになり、原睡眠不足になった状態で原稿を書き上げます。体を休めようと近くにある旧宅に向かおうとしますが、途中でガスを止めてしまったいたことに気づくと同時に、ポケットに鍵があることに気づきます。そもそもホテルに泊まっていたことに気づいた「おれ」は、ホテルに戻り眠りますが、置いてあった鞄の中に旧宅の家の鍵を見つけ、そちらに向かいます。家の机の抽斗の中にあった鍵について思い出そうとしますが、
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 10/10/2026
小説の概念がない人間が小説を書くことができるのか、といった発想も興味深いです。 作中作として登場する、声を奪われ監禁されるタイピストの物語が、最初は閉じ込められたR氏を象徴する物語なのかと思っていると、作品が進むにつれ、段々とそれが「わたし」を示すものともなっていく…という作りも素晴らしいです。タイピストと「わたし」がそれぞれどんな結末を迎えるのか、その運命は同一なのか…。そのあたりも作品の魅力の一つともなっていますね。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 10/10/2026
実際、記憶や知識を失っていても、その品々は故人や人々を思い出すよすがとなると、R氏は主張するのですが、それが消えている「わたし」や「おじいさん」たちは、品々に何の思いも感じられない、というところで思わぬ断絶も存在するのです。R氏が囚われている部屋には、過去の消滅した品々が集められ、R氏を含め、島で一番自由な空間がその隠し部屋である…というのも何とも皮肉です。 後半では、「小説」が消滅してしまい、「わたし」は書くこと自体を奪われてしまうことになります。R氏は自身の内部にある思いは消えず、書き続けることが可能だ、と励ます形になるのですが、
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 10/10/2026
結果的にR氏を監禁してしまうことにもなるのですが、併行して「わたし」が書いている小説の内容が、声を奪われ監禁されるタイピストの物語であるというのも、どこかシニカルです。 秘密警察が行う「記憶狩り」は人々の思い出やその品々を傷つけるものである、というのも事実なのですが、題材になっているのが「記憶」であるところから、単純なディストピアものとも解釈しきれないところも複雑です。 秘密警察、はては「消滅」をもってしても、人々の思いを奪うことはできない…というテーマを本作には見出すことができるのですが、単純にそれが素直に提出される物語でないことも独特です。
131
奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 10/10/2026
島は秘密警察が支配しており、消滅したものを持っていることが分かるとそれが徴発されてしまいます。そもそも、人々はものが消滅したとたん、進んでその品物を捨てたり焼いたりするようになっているのです。 主人公の「わたし」は、かって記憶力を保持していた母を失った過去から、担当編集のR氏が記憶を保持する力があることを知り、彼を秘密警察から守ろうと考えます。隠し部屋に隠している事実が何度もばれそうになり、それを防ごうとするシーンが繰り返されますが、そこにサスペンスも感じられるようになっていますね。
131
奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 10/10/2026
一人になった「わたし」は、かって家に仕えてくれていた「ばあや」の夫である「おじいさん」の力を借りながら生活していました。 担当編集者であるR氏が、記憶を失わない特殊な人間であることを知った「わたし」は、彼を秘密警察から守ろうと、隠し部屋にかくまうことにしますが…。 あらゆる物事が少しずつ消滅していく島で暮らす人々を描いた幻想小説です。 物質が消えるというよりは、人間の心の中にある概念自体が消滅してしまうようで、消滅した品々に関しては、その後人間がそれを見ても、その使い方や記憶すら分からなくなってしまうのです。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 10/10/2026
小川洋子『密やかな結晶 新装版』(講談社文庫)を読了。 その島では、少しずつ何かが消滅していました。定期的にあるものの消滅が起こり、島に住む人々の心の中からその概念が消え去り、該当のものに対する知識や記憶が消え去ってしまうのです。消滅したものを持ち続けようとする者、そして時折いる消滅によっても記憶を失わない者は、秘密警察によって連れ去られてしまっていました。 小説家の「わたし」は、かって彫刻家だった母親を秘密警察に連れ去られ亡くしていました。さらに野鳥の研究者だった父が亡くなり、
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 10/10/2026
それが分かったところで映像の怖さが減るのではなく、また違った怖さが発生してくる…というところも面白いです。「呪い」の新しい解釈とでもいえましょうか。 観終わると、このシリーズの謳い文句「これは心霊ドキュメンタリーではない――。」に得心が行く形になっています。
040
奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 10/10/2026
実際の調査活動のドキュメンタリーの合間に「アーカイブ」として発見された映像が挟まれていくのですが、これがどれも怖いのですよね。断片的に不条理な状況が描かれ、プツンと終わる…。説明がないので実話怪談的な怖さがあります。 「アーカイブ」の映像が、呪いや心霊的なものと関りがあるのではないか、というスタンスで話が進むのですが、その実それを裏切るような展開が待っています。 曖昧にぼかされるのではなく、後半「呪いの映像」の「真相」が明かされるのではありますが、
130
奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 10/10/2026
近藤亮太・深沢麿央・寺西涼監督のドラマシリーズ『禁忌アーカイブ』(全四話 2025年)を観ました。 ある写真家が廃墟の写真を撮影中に発見したCD-ROM。そこには不気味な映像が収録されていました。廃墟に向かった三吉と上捨石は、そこで何者かが置いていったと思しきビデオテープを発見します。そこにも不気味な映像が収録されていました。これらの映像が同じ住所、同じ人物から送られていたことが判明しますが…。 発見されたCDやテープに収録された不気味な映像の出所を探っているうちに、不可解な集団の存在に行きつくことになる…というモキュメンタリーホラードラマです。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 09/10/2026
オンラインデータに関しては記録として残すのがデフォルトという時代であり、それらのデータの取り扱い、権利は誰が持つのか、保管のコスト、企業の動向など、様々な面から死者たちのオンライン・データが考察されています。 特にデータは主に営利企業がその権利を持っているわけで、資本主義社会においては、放っておけばそのデータが破棄されたり、封印されてしまう、という危険性については、かなり強く主張されていますね。 全般に死者と彼らが残した足跡について、残された人々が何をすべきなのか、といったことに関して、アナログ・デジタル両面から考えた真摯な内容の本でした。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 09/10/2026
定住によって「家」が生まれ、死者の埋葬が発生し、それが生者と死者の結びつきを強めた。文字を書く行為は「家の拡張」、墓を築くことと同義であった、という発想は、まるで、詩と宮殿が同義であったとするボルヘスのようですね。 後半は、オンライン上に残された「デジタル遺留物」について考察されています。それらがセルビアの作家ダニロ・キシュの名作短篇「死者の百科事典」になぞらえて「デジタル版死者の百科事典」と称されています。これは亡くなった人の日常やプライベートの情報が多方位に記録されている、ということから来る命名でしょうか。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 09/10/2026
カール・オーマン『死者たちのオンライン・データ 人類史上最大のアーカイブは何をもたらすか』(白揚社)を読了。 人が死んだ後のオンラインデータの取り扱いやそれへの向き合い方をどうすべきか? という実用的な内容かと思って読み始めました。実際そういう内容も書かれているのですが、それだけでなく、死者に対する人間の関係性の変遷を語った、かなり哲学的な読み味の本です。 前半は、人類が死者に対する記憶や記録について、どのように扱ってきたのか?といった内容。定住生活を始めるまで、人類において、死んだ人間に関する記憶はほとんど残らなかった、と言うのは、言われてみればなるほど、という感じです。
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Reposted by 奇妙な世界
線のあっち側 @gekiban0131.bsky.social · 09/10/2026
綾辻行人 著 「眼球綺譚」 読了 随分前に読んだことがあるのを途中まで読んで思い出した。 ホラーと幻想小説が合わさったような短編集。 嫌悪感というのだろうか、読んだあともちょっと気持ち悪い感じが抜けない。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 09/10/2026
ブログを更新しました。 ヤン・ハロルド・ブルンヴァン『消えるヒッチハイカー アメリカの都市伝説とその意味』(満園真木訳 東京創元社)を紹介しています。〈都市伝説〉研究の古典的名著の新訳です。 kimyo.blog50.fc2.com/blog-entry-2...
kimyo.blog50.fc2.com
都市伝説の誕生  ヤン・ハロルド・ブルンヴァン『消えるヒッチハイカー アメリカの都市伝説とその意味』
ヤン・ハロルド・ブルンヴァン『消えるヒッチハイカー アメリカの都市伝説とその意味』(満園真木訳 東京創元社)は、〈都市伝説〉研究の古典的名著の新訳。20世紀アメリカで広まった〈都市伝説〉を項目別に並べて、その起源やバリエーションの伝播を検証していくという本です。 「消えるヒッチハイカー」のパートでは、車に乗せたヒッチハイカーが消えてしまう…という都市伝説がアメリカだけでなく、世界中にあり、また国内...
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 09/10/2026
ブログを更新しました。 オクテイヴィア・E・バトラー『血を分けた子ども』(藤井光訳 河出書房新社)を収録しています。問題意識の強いSF作品を集めた短篇集です。 kimyo.blog50.fc2.com/blog-entry-2...
kimyo.blog50.fc2.com
幸福の代償  オクテイヴィア・E・バトラー『血を分けた子ども』
オクテイヴィア・E・バトラー『血を分けた子ども』(藤井光訳 河出書房新社)は、問題意識の強いSF作品を集めた短篇集です。 異星人の繁殖に利用される人類を描いた「血を分けた子ども」、遺伝性の病を抱えた男女が自分たちの未来のビジョンを見出す「夕方と、朝と、夜と」、母の死をきっかけに家族の真実を知る女性を描いた「近親者」、病により人類の言語機能が破壊されてしまった社会を描く「話す音」、薬にはまり破滅的....
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 09/10/2026
箱の異物感を感じていた「彼女」は碌に睡眠も取れなくなっていました…。 架空の箱のイメージが消えなくなってしまった女性を描く不気味な短篇です。箱の存在が何なのか全く分からず不条理度が高いですね。パントマイム師の得体の知れなさも相まって、ホラー的興趣の強い作品となっています。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 09/10/2026
箱が現れた理由や目的、箱自体の性質も全く分からないうちに人々が死に始め、さらには村人たちの間でパニックや争いが起きていく、というところで非常に嫌な展開になっていくのも独特の読み味です。 ブライアン・エヴンソン「見えない箱」もどこか嫌な雰囲気を持つ作品。 酒の勢いで、ふと知り合ったパントマイム師とセックスをした「彼女」。事の最中にマイム師は架空の箱のジェスチャーを行い、その箱を彼女の上に置きます。目覚めた「彼女」は、マイム師が置いていった架空の箱の存在が残っていることに気づきます。目を閉じて眠ろうとしても、箱のイメージは見え続けているのです。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 09/10/2026
一番印象的なのが、マイケル・コリンズ「箱」です。 ステンモアの村の小さな共同緑地の真ん中に、突然、巨大な黒い箱が現れます。誰が何のために置いたのか議論が交わされますが、何も分かりません。政府の監視のためだと主張する村の重鎮グレイムの言葉に従い、箱を車で移動させようとしますが全く動かないのです。 数日後、箱を囲む場所で数百に及ぶ動物の死骸が発見されます。やがて村の人々の間で変死事件が相次ぐようになりますが…。 小村に突然現れた巨大な黒い箱の影響で、人間が次々に死んでしまうようになる…という不条理な恐怖小説です。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 09/10/2026
柴田元幸編・訳『モノの物語 箱』(スイッチ・パブリッシング)を読了。 一巻ごとに特定の「モノ」をテーマにした短篇を集めたアンソロジーシリーズの「箱」の巻です。 村に突然現れた巨大な箱が次々に死をもたらしていく「箱」(マイケル・コリンズ)、行きずりのセックスをしたパントマイム師から架空の箱のイメージを植え付けられてしまう女性を描いた「見えない箱」(ブライアン・エヴンソン)、恐慌期アメリカ、親や兄に捨てられてしまった少女の苦難を描いた「青いビロードの箱」(ルイーズ・アードリック)、祖母の屋敷に集まった子供たちが次々に姿を消してしまうという「謎」(ウォルター・デ・ラ・メア)を収録しています。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 08/10/2026
派手な演出の映画化作品が有名ですが、原作短篇も綺麗にまとまっていて面白いです。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 08/10/2026
しかもその記憶は、実際に火星に行った捜査官としての記憶でした…。 火星に行きたいという病的なまでの欲望を持つ男が、それを満足させるため、架空の記憶を注入してもらおうとしたところ、本当に火星に行っていた記憶が呼び出されてしまう…という何ともシニカルなSF作品です。 その存在が危険であるために記憶を封印されていたことが分かり、危機に陥ってしまう…というところで、俄然サスペンス味が強くなります。 「本物と偽物」というディックお得意のテーマが、記憶をモチーフに展開される名作です。さらに記憶を上書きして打開を図ろうとする、というところも諷刺的ですね。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 08/10/2026
フィリップ・K・ディックの短篇「トータル・リコール」(深町眞理子訳 大森望編『トータル・リコール』ハヤカワ文庫SF 収録)を読了。 ダグラス・クウェールは火星に行く夢を抱いていましたが、自分の経済的な状況から、それが不可能なことを知っていました。代わりにリコール株式会社の世話になろうと考えます。リコール株式会社では顧客の希望の架空の記憶を植え付けるという商売を行っていました。それは本物の記憶よりリアルなものだというのです。 火星に侵入した秘密捜査官という設定の記憶を注入してもらうことにしますが、作業中に異変が起こります。クウェールの封じられていた記憶を呼び出してしまったようなのです。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 08/10/2026
基本、深夜に一人で事故物件に乗り込んだ調査員が、測定装置やカメラなどを家中に設定して監視していたところ、異常が起こる、というフォーマットのお話となっています。組織のルールとして、先入観を抱かせないため、調査が始まってから現場で家や元住人の情報資料を読み込む、という設定になっているのですが、危機的な状態になってから「真相」が分かるので、大抵はバッドエンドに終わってしまう、というところも楽しいですね。独創的な形の幽霊が出現する「K邸」と「昭和の家」が特に力作でした。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 08/10/2026
調査の過程で幽霊が現れても、それを空間に染み付いた残存思念みたいな解釈で物理的に調べようとします。 井戸のある古民家の恐怖が描かれる「古民家」、殺人を繰り返し増築を繰り返していた男の家をめぐる「S邸」、孤独死した家主の死亡時の状況から意外な真実が明らかになる「青い家」、成仏を目指す宗教にはまっていた家主の行為が恐ろしい現象を引き起こす「K邸」、読経し続ける幽霊が出現する家をめぐる「昭和の家」のエピソードを収録しています。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 08/10/2026
くるむあくむ『日本事故物件監視協会 調査報告書』(KADOKAWA)を読了。 「日本事故物件監視協会(JSP)」は、事故物件に対して居住者の健康や生命に実害を及ぼす「物理的な環境汚染」と認識し、監視や管理を行う団体。その調査員が特定の事故物件を調べた調査報告書の形で描かれるモキュメンタリーホラー小説です。 同名の人気ホラーゲームをノベライズした企画だそうですが、ゲーム自体を知らなくても単独で楽しめる作品となっています。 JSPは「幽霊」「呪い」等の超常現象を一切認めず、それらを全て「物理現象」として認識している…という設定が面白いですね。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 08/10/2026
その怪異の実態と、それが家族とどうかかわっているのか明確にされないまま、人が消えていってしまうところがかなり怖いですね。家族を大事にしていると自認する息子(語り手)と、家族側の認識がそもそも異なっていたことを示唆する描写も不気味です。 文芸雑誌に掲載された作品とのことで、ジャンル小説とはちょっと異なるトーンで書かれている風なのも独特でした。
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 08/10/2026
得体のしれない存在が店の郵便受けを覗き込んでいた日を境に、家族がどんどんとおかしくなってしまう「さぶら池」、ベランダに突如墓のようなものが続けて現れるという「墓」を収録しています。 一番怖かったのは「さぶら池」。両親が経営していた中華料理店「あかぎ軒」を継いだ息子は、苦心して店を盛り立てていました。店のシャッターの郵便受けから何者かが中を覗き込んでいるという知らせを常連客から聞きますが、その直後に母親が失踪してしまいます。その後も家族の失踪が続きますが…。 「池」の怪異によって家族が次々と失踪してしまう、というお話なのですが、
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 08/10/2026
澤村伊智『靴と自転車』(KADOKAWA)を読了。 ホラー短篇を集めた作品集です。 教室を覗き込む少年の霊の怪を語る「みてるよ」、死んだ弟のために行っていた靴の儀式を邪魔してしまった少年たちの恐怖を描く「靴と自転車」、砂場に出る怪異と高いプライドを抱えたまま大人になった男の物語「すなばおじさんと、としょかんおじさん」、とある少年が映った写真から不思議な過去の因縁が語られる「行かなかった遊園地と非心霊写真」、廃墟探索を行っていた心霊スポット突撃隊の三人組が自らの真実と対面する「赤い霧」、理想の土地に家を買った家族を繰り返し心霊体験が襲うという「頂戴」、
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奇妙な世界 @kimyonasekai.bsky.social · 06/10/2026
後半部分は、蓋ヶ瀬をめぐる怪異談のほか、ところどころで目撃される黒い服の女にまつわるエピソードが展開されます。この女が生きた人間でないことは予測できるのですが、彼女が何をしてまわっているのか、目的は何なのか? といったことが、複数のメディアによる資料から明らかになっていきます。 割とはっきりと「真相」が明らかになるタイプのホラーではあるのですが、旅行ガイドを模した体裁、フェイクドキュメンタリーを意識したメタな構造と、丁寧な作りのホラー作品となっていました。
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