カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 03/10/2026読み終えて光のほうを仰ぎ見るわたしもあなたも水底の蟹 吉田帆花「銀河の色の双葉」より 何処が安住の地なのだろう。『角川短歌』2026年10月号所収の連作から 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 22/09/2026下の娘が一人でミラノへ行くというこなひだ生まれたばつかりなのに 小林瑞枝『2026年9月20日付朝日新聞歌壇』より 時間感覚のずれが、ゆかしい。佐佐木幸綱先生の選から 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 21/09/2026奥歯から先に世界に触れている閉じ込められた空気を飲むと 鈴木晴香『夜にあやまってくれ』より この世界を咀嚼出来たならば、赦せるようになるのだろうか。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 18/09/2026梨狩りへいつか行こうの記憶だけ乱反射して透明な冬へ 早月くら『あるいはまぼろしについて』より 前住んでいたところ、梨狩りの看板を沢山見たけど、ついに行くことはなかった。記憶だけはいつまでも鮮やかで。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 17/09/2026ホチキスの針つつがなくつけ終えて窓の向こうの街はふくらむ 道券はな『ひからせる』より ホチキスで、世界はつながっている。 000
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 16/09/2026木枯しにとぶたこ焼きの花がつを 村上鞆彦『踏花』より あっという間の出来事。視線も風に泳がされて、冬という季節が可視化されるようだ。 000
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 12/09/2026土間に蛸吊るして迎ふ島の盆 中野静枝『日経俳壇 2026年9月12日』より 蛸の足から霊がするすると降りてきそう。神野紗希先生の選から。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 11/09/2026いつか死後の時間は終る初夏の空に小さな雲の生まれて 加藤治郎「レモンツリー」より 再生の安らぎという可能性を思う。同時に、自分はいま誰かの死後を生きているんだと、意識させられる。『角川短歌』2026年7月号所収の連作から。 020
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 10/09/2026適温はもはや誰にも分からずに空気を清めるだけのクーラー 三田三郎『精神はもっと猫背』より ライオンが死ぬぐらいの日本の夏。クーラーの必死さが、おかしくも切ない。 000
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 08/09/2026右腿に七針縫った痕があれば多分わたしの死体はそれです 水須ゆき子『風の心臓』より テレビの戦争報道を目にしての着想だろうか。諦観と背中合わせの、反戦への希求が伝わる。平穏な世が続きますように。 030
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 07/09/2026蛇衣を脱ぐ回想はクレヨンで 中山奈々『月刊俳座 一 初号』より 蛇の抜け殻は、元々は蛇だったはず。回想も、命の抜け殻なのかも。 000
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 05/09/2026しかしながら、とちいさな傘をひろげつつあなたは星の降る都市へゆく 井上法子『すべてのひかりのために』より そこに行かなければならない、わけを知りたい。 020
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 05/09/2026鶏肉は半解凍が切れやすく別れるならば今だと思う 小松百合華「毎日歌壇 2006年8月31日号」より 一番サクサクと切りやすいタイミングが、人間関係にもあるのか。米川千嘉子先生の選から。 120
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 02/09/2026メロン掬う父の祖母への敬語かな 辻一郎『月刊俳座 一 初号』より 歴史の長み。かつてのこの国の繁栄、隆盛のことも思う。 030
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 28/08/2026冷房が効いてくるまでへたへたとサラダチキンのように並んで 寺井奈緒美『アーのようなカー』より 冷房が効いてきても、サラダチキン様なのは変わらないかも。あとは寝るだけ。 000
Reposted by カイオンなべとびすこ @nabelab00.bsky.social · 27/08/2026歌集『デデバグ』1周年記念イベント、デデバグ・リリライトのメインイベントは9月27日です。つまり、私の夢が完結するまであと1ヶ月です👊 チケット発売中です。お会いできる方はぜひ会場で、お会いできなくても配信・アーカイブでぜひご覧ください。よろしくお願いします。 lateral-osaka.com/schedule/202...lateral-osaka.comなべとびすこ短歌イベント「デデバグ・リリライト」 -【出演】 LIVE:ハルカトミユキ トーク:ツマモヨコ、なべとびすこ 〜公開歌会〜 江戸雪、門脇篤史、雲居ハルカ、谷じゃこ、なべとびすこ、藤宮若菜 司会:牛隆佑 見てる人:ツマモヨコ、ミユキ 梅田 Lateralのイベントスケジュールとなります。日々、続々とイベントと追加されてまいりますのでこまめにチェック頂き、気になるイベントがございましたら是非、ご予約下さい。 022
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 25/08/2026はちがつのカレンダーには朝顔が描かれているうすむらさきの 永田愛『LICHT』より 八月自体がうす紫色に染まるような静寂がある。朝顔は、秋の季語だ。 020
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 24/08/2026暗闇に光る涙を描けるのに蛍光ペンに黒があったら 岡野大嗣『たやすみなさい』より 光る涙は気づかないほうが、より涙らしい。感情はともかく。 010
Reposted by カイオン木村夏彦/文芸誌『jem』3号制作中! @natsuhiko-kimura.bsky.social · 17/07/2026\拡散希望🌈/ 文芸誌『jem』 3号刊行のためのクラウドファンディングに挑戦中! アルメニア、タイ、台湾における日本文学受容、中国における日本SF受容についての論考(計4語圏) 「表記」から日本語に新たな光を当てる大特集 海外文学と言語教育の関係をめぐる小特集 ・シーンを牽引する詩人、歌人、俳人から、最前線で活躍中の国内外の翻訳家・研究者までが一同に集結 ・翻訳小説や詩歌など創作も多数!過去最大ボリュームの一冊 【ツリーに目次あり】 9/6(日)まで ぜひ、ご支援をお願いいたします。 greenfunding.jp/lab/projects... 1121122
Reposted by カイオンmaimair.bsky.social @maimair.bsky.social · 04/08/2026文藝別冊・KAWADEムック『中上健次 生誕80年、新しい夢の力』に、「中上健次をふんわりとグローバルにつなぐために」を寄稿しました。敢えてのふわっとしたタイトルですが久々に書いた中上論です。よろしければ。 (じつはまだちゃんと読めていないのですが、充実の1冊かと!) 053
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 08/08/2026それぞれと君が言うときブレスユー私の中に吹く風がある 富田浩代『日経歌壇2026年8月8日』より 祈りとは一途なものだけれど、風は気まぐれ。三枝昂之先生の選から。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 05/08/2026おにぎりをぎゅっと握ってこの夜から抜け出す術を考えている 初夏みどり『毎日歌壇2026年8月3日』より おにぎりに力をこめると、おにぎりからも力をもらえる気がする。加藤治郎さんの選から。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 04/08/2026ああここでメールすべきか金星と三日月くらい離れてしまう 高橋千恵『ホタルがいるよ』より メールのタイミングで、距離が左右されるつらさ。夜は長い。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 29/07/2026ちんたらしよう うだうだしよう ヨダレ垂らして うたたねしよう 恩田陸『スピン16号』より 世界が滅びる日にも、マイペースでいたい。スピン最終号の表紙の言葉から。 040
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 27/07/2026長髪のヘルパーの爪蓮の花 藤田亜未「数式」より は行音の溌剌とした韻律と裏腹に、蓮の花が堆積疲労を暗喩してるように感じる。ネットプリント『よんもじ vol.18』所収の連作から。 011
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 25/07/2026名前のある坂と名前のない坂とあつて午後から雨になる街 魚村晋太郎「間隙」より 名のある坂にもない坂にも、分け隔てなく降る雨。『角川短歌』2026年8月号の巻頭作品から。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 23/07/2026あの頃に戻りたいって言うときのきっと存在しないあの頃 中嶋港人『たんたん拍子Vol.6』より あの頃はもう戻らない上、存在もしない。記憶のなかにだけ、帰るところがあるのか。 020
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 17/07/2026夕星や橋にあふるる祭の子 竹岡一郎『蜂の巣マシンガン』より 祇園祭の喧騒が、今年も終わる。あの星は、まだあるのだろうか。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 15/07/2026終電に近きホームに灯りゐる白き時計の角砂糖の夜 上川涼子『水と自由』より 時計の白さが、異世界の物のようである。この世でそれに、一番似ているのが角砂糖なのか。 000
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 14/07/2026弁当の緑のビラビラとりはずす世界はひとつの弁当になる 戸田響子『煮汁』より 正式にはバランと言うが、ビラビラの方が良い。カタルシスを感じるのは、今の世界の終わらないビラビラに憂いているから。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 13/07/20261 2 3 5 8 13 21 四角い墓と煙の螺旋 相澤零「ピサ」より イタリア旅行にての詩作だろうか。フィレンツェ、ピサの斜塔などをモチーフとした短歌連作の中の一首。音数と数字表記の調律が、神の暗喩となっているよう。カクヨム短歌賞【ナツガタリ❜25 】佳作作品から。 041
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 11/07/2026真夜中の赤信号は点滅しねむりを町におくる心臓 ぷくぷく『ここにきている』より 幻想的だが、引っ越し前夜の部屋から見た赤信号を思い出した。 030
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 10/07/2026蠍座のほとりに濡れてゐる卵 大塚凱『或』より 卵は、蠍の卵ではない気がする。なら、海亀の卵だろうか。いつまでも気になっている。 020
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 09/07/2026スーベニアショップと君を名付けよう貝のキーホルダーをください 篠原仮眠『banana flavored chewing gum』より 名付けられた君も、心持ち幸せそうだ。キーホルダーはバイクの鍵に付ける。 000
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 06/07/2026夜と窓は強くつながるその先にひとりぼっちの戦艦がある 平岡直子『みじかい髪も長い髪も炎』より 戦艦の乗組員もひとりなのだろう。星の海を、音もなく進む。 000
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 02/07/2026冷えた手だと思ふすこし濡れた手だと思ふ八瀬童子の手指を 林和清『去年マリエンバートで』より 八瀬童子とは、比叡山延暦寺の雑役や天皇家の行事に奉仕していた人々を指すらしい。鬼の子孫とも云われる。三音で編まれる韻律の妙。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 01/07/2026死の後も瞑ることなき魚の眼が夜の厨に青く濡れゐつ 河野裕子『ひるがほ』より 死んでるはずの魚の存在感。罪悪感。魚と同化し、この世の理を斜(はす)に見つめているよう。 020
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 30/06/2026初夏のわれは野に立つ杭となり君の帽子の飛びくるを受く 渡辺松男『寒気氾濫』より 映画の一シーンみたい。君は帽子をかぶり直し、遠くへと去って行くのだろう。 020
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 27/06/2026人形に針金の骨梅雨湿 若林哲哉『漱口』より 人工の存在にも、降り止まない雨の湿度は迫ってくる。それでもへたらない、針金の強度を気に留めている人間。 020
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 27/06/2026言葉より声が聴きたい初夏のひかりにさす傘、雨にさす傘 大森静佳『てのひらを燃やす』より 声には質感があるからか。何もかも、価値を量れるわけじゃなくとも。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 26/06/2026駐車場出口に光る点滅のありがとうございましたは不気味 尾崎まゆみ「漣のゆるく」より 駐車場の無人感がより引き立つようで、まばたきも出来ない。玲瓏112号所収の連作から。 030
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 24/06/2026耳たぶの小さきほくろの位置なども憶えし恋はかなしかりけり 河野裕子『森のやうに獣のやうに』より 記憶の愛しさという、逆の悦楽を思う。愛しい記憶ではなく。 020
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 24/06/2026ゆっくりの雨すきとおる心臓はさわれないけど濡れているのね 瀬戸夏子『そのなかに心臓をつくって住みなさい』より 触れたくても、触れられないものばかり。雨の勢いはしだいに強くなる。 030
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 22/06/2026次からはひとりで来れるようにって教えてもらうそばから忘れる 橋爪志保『地上絵』より おぼつかないことばかりで構成されてる日々。反省より開き直り感があって、君の確かさにかまけている。 030
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 22/06/2026泥いろの山椒魚は生きんとし見つつしをればしづかなるかも 斎藤茂吉『赤光』より 生きるのびるための、保護色の肌に心をのまれてしまう。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 20/06/2026書架の間を通路と呼べりこの夏はいづこへ至るためのくるしさ 川野芽生『Lilith』より 世界情勢の不穏さが、この歌に重なる。出来るだけ平和な世が続いてほしい。 010
カイオン @kaionjijoe.bsky.social · 19/06/2026水葵咲かせるために身をひいてゆかねばならぬ夏とおもえり 大森静佳『てのひらを燃やす』より 水葵のはかなさと美しさが際立つ。本当は、ひきたくはない。 020