月村了衛『機龍警察 漆黒社会』読了。フィクションが裸足で逃げ出す勢いで悪化していく国内外の社会情勢。逆説的に、その現実を投影するだけでこの世の地獄が書き起こされる。ガザーイスラエルの相似たるウイグルー中国の植民地主義による虐殺、加速する軍拡競争と資本主義の悪魔合体、それが齎す国際的な人身売買シンジケート。世界を跨ぐ巨大ビジネスだからこそ、日本も全く無関係ではなく、東京都知事とゼネコンの癒着から入管の排外主義に至るまで、政治腐敗こそが最大のセキュリティホールであることを容赦なく書き立てる。国防というハリボテの裏で露骨に蠢く利権と保身に塗れた政権与党の近視眼的悪事に、三権分立は機能不全だ。