希が手にしたグラスに甘酒代わりのロゼシャンパンを注ぐ。
テーブルには桜チップの燻製と色鮮やかな手毬寿司。ひなあられはないけど、ナッツやチーズが脇を固める。
完全な飲みメニューのそれを見て「これってひな祭りなん?」と希は言うけどいいのだ。
「年相応の祝い方よ」
イベントはアップデートしないと。そう尤もらしく返せば肩を竦める彼女。
それでも楽しんでいるのは明白で。
いつもより早いペースで空くグラスと仄かに染まった頬。解かれた髪が肩を滑る様がどうにもしどけなく映って。
なんか、ちょっとえっちかも。
そんな事を考えていれば、「背徳的な絵やなぁ」なんて聞こえた声に吹き出しつつ、お誘い合図の手招きをした。