【文章収集】
「もし、念仏ものうく、読経まめならぬ時は、みづから休み、みづから怠る。さまたぐる人もなく、また、恥づべき人もなし。」
現代語訳は
「もし念仏をするのが億劫で、読経にも身が入らぬときは、自分で勝手に休み、勝手に怠る。それをいけないといって妨げる人もいないし、また恥ねばならぬ人もいない。」
(中野孝次『すらすら読める方丈記』講談社文庫、2012、pp.119-120)
――鴨長明は五十代半ばを過ぎて、山奥に3メートル四方の小屋をつくり一人住む。誰にも気兼ねしなくてよい生活をやっとのことで得た。ここに引用した部分を読むと、長明はぜんぜん修行者じゃないが、そこに親しみを感じる。