「あ、そだ。連絡先交換しよう」
「いいんですか?」
「俺、あのアプリの通知切ってるから」
「なんでです?」
「通知来まくってうっせーのよ。ユウくんも通知多いだろ?」
「まぁ多少は来ますけど……」
多分、次元が違う。
「あ、これ。本名ですか?」
「おう。弘田満貞ってーの。間違っても他人に言うなよ?」
「もちろんです。俺は、高遠勇利です」
「ん、よろしく、勇利」
「えっと……はい。満貞さん」
お互いゲイで、AV出演歴があって、本名を交換した秘密を抱えて、居酒屋を後にした。帰りの電車で、何度も満貞さんの顔を、声を思い出す。
これが恋なのか、ただ身体が彼を覚えているだけなのか、まだ判断はつかない。