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行きずりの読書人

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過去の名著として親しまれる本を中心に読書感想を呟くだけです

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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 11h
おお!
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 05/10/2026
スーザン・バック=モース著「西暦一年」 「ユダヤ戦記」の歴史家、新プラトン派の哲学者、「黙示録」の著者3人のユダヤ人に焦点を当て、歴史の起点となった一世紀のヘレニズム、ユダヤ、キリストにより深く定着した概念を再配置。そこにはピュタゴラスからジョン・コルトレーンやキース・ジャレット、プラトンからヘーゲルの歴史観、カントの理性批判に大きく連なり、気候変動や二項対立の価値観から生まれた分断による世界不安が蔓延する現代の私たちに警鐘を鳴らす。 ギリシャ哲学やローマ史など膨大な資料に基づき、キリスト教の席巻と西洋近代によって歪められた勝者の歴史の再翻訳を試み、知の再構築を目指したワクワクする重厚な書。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 03/10/2026
ヴァージニア・ウルフ「灯台へ」読了。 ジョイスやプルーストと並び称されるモダニズム作家の珠玉の名作。 第1部と10年後の第3部はラムジー家の夏の別荘でのそれぞれの1日。それを結ぶ第2部は10年という2つの時間を家人が不在の中で語られる個人的な出来事や第一次大戦を交えた短いエピソードの中で深い悲しみとともに濃密に結びつける。 主人公一家とその知人たちの移り変わる心模様を木々や風、海や芝などと時間の流れに合わせて淡々としながらも豊かに表現された言葉の数々に心が揺り動かされ、いつのまにか心の片隅にじんわりと残る不思議な作品。 舞台となったスカイ島のスコッチウイスキー、タリスカーとともに愉しんだ一冊。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 26/09/2026
カミュ作「ペスト」三野博司訳 アルジェリアのオランという町を舞台に疫病と人間との闘いを描く。 近年はコロナ禍でよく読まれたようだけど、わざわざ読まずとも現実の世界で目の当たりにしていることだしと気が乗らず積読状態だった。 感染症の話だと思って読み進めると、そこはやはりカミュがテーマとした不条理がどっしりと腰を下ろしている。 戦後に発表されたこの作品はナチスによるフランス占領や自身のレジスタンスなどの体験を元に抑圧された不条理性をペストに置き換え、翻弄される男たち(なぜか主要人物は男性だけ)のさまざまな心理や行動を風刺的、寓話的要素を盛り込んで描かれる。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 23/09/2026
あなたは岩波茂雄の称号を獲得しました。 岩波文庫カバー・帯当てゲーム(超上級100問)100問 www.iwanami.co.jp/bunko100/game/ #岩波文庫カバー・帯当てゲーム
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 19/09/2026
加藤周一「読書術」 今日は戦後活躍した評論家である故加藤周一氏の107年目の誕生日。 読む場所、読む時間、ゆっくり読む精読やその逆の速読など本を読むスタイルはさまざまだ。 また外国語の本を読む解読術や新聞・雑誌を読む看破術も面白く、難解な専門書の類いに至っては「文章が上手くないか、書いてる本人が十分に理解してない」など他責な読破術やら、一冊を選ぶことは他の本を選ばないという読まないという法まで著者の計り知れない視野の広さに感服する。 「読書とは自由であること」が印象に残る。 本は、その時自分にとって必要とされるものを読めば良いのだろう。↓
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 13/09/2026
三島憲一著「ニーチェ」 1987年刊行の古い岩波新書ではあるが、ニーチェの「悲劇の誕生」を読み解くテキストとしてAmazonで探し出して一気に読んだ。 ぼんやりとした印象だけで理解していたニーチェ像のひとつひとつを引き剥がすように著者は丁寧に誤解を解いていく。 「力への意志」「永遠回帰」「神の死」「超人」といったパワーワードがどのような観点から生み出されたのか19世紀のヨーロッパの行き詰まり感を解き放ち、のちに狂人として世を去るまでを丁寧に解説されておりニーチェ読解の入門として最適な書だ。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 13/09/2026
鶴見太郎「ユダヤ人の歴史」 歴史社会学者によるユダヤ人の歴史を所謂世界史と絡めてその3000年といわれる歩みの特徴を新書サイズに納めた画期的な著作。 ユダヤ人における「主体と構造」を主軸に古代ユダヤ教の発祥からローマ帝国による離散、バビロンの捕囚を経て、異教徒かつ異国の地とい流浪の歴史を漂う信者が時代や離散したそれぞれの地域においてその構造の中でどのように生き延びるかを見出すための宗教としてユダヤ教はその主体性に特化していく。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 30/08/2026
別府陽子著「『ブッデンブローク家の人々』ー『悲劇の誕生』のパロディとして」 表題の通り、トーマス・マンの長編小説「ブッデンブローク家の人々」はニーチェの「悲劇の誕生」のパロディとしてその登場人物をアポロン的なものとディオニュソス的なものを解釈の糸口にその構造を分析した研究書である。 小説の中に出てくるショーペン・ハウアーの「意志と表彰としての世界」やワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」との関わりもニーチェその人と深く結びついていたことがよくわかり、マンが彼らに強く影響を受けていたことが非常に興味深く考察されていた。 勢いでニーチェにも手が伸びそうだ。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 24/08/2026
柄谷行人「憲法の無意識」 日本が平和国家としての所以が日本国憲法の第九条にあるが、GHQによって押し付けられたとされたこの条文が時の政権によって都合よく解釈されながらも改正されずに現在に至った理由としてフロイト提唱した無意識の構造にある「超自我」によって説明を試みる。 柄谷は意識的自発性によってではなく、外からの強制によって「無意識の罪悪感」に深く働きかけられたことによるものだと考察し、またカント「永遠の平和のために」において反社会的社会性が人間の本性で国家も同様であり、常に隣人との争いに晒されているため、互いに安全を保障する取り決めがあって初めて平和状態になるとする内容からその普遍性を説く。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 24/08/2026
木田元著「反哲学史」 常にわかりやすい文体で素人の自分にも哲学の扉を開いてくれる著者がプラトンのイデア論に端を発し、ヨーロッパにおいて近代哲学を確立したデカルト、カント、ヘーゲルなどの時代からシェリング、マルクス、ニーチェによってその形而上学を打破する19世紀に至る過程を上記の人物たちを中心にその繋がりを分かりやすく解説されていて一気に読み通せた。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 22/08/2026
エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ「自発的隷従論」 昨今の政治状況下にあって、どうにも不思議に思うことが「なぜ、為政者に対して怒りを露わにする人が少ないんだろうか?」である。 自分にとってはこうした当然の疑問を共有できる人もまた少ないというのもどうにも解せない。 こうした疑問に対して明解な論説を展開しているのが本書である。 訳者の言葉を借りれば、本書は「多数の民衆が、人間の本性の一部である自由を放棄してまで、たったひとりの暴虐な圧政者に進んで隷従するという理解しがたい逆説の理由を考察する論考である。」見事なまでの紹介文である。 ↓
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 21/08/2026
渡辺浩著『たとえば「自由」はリバティか』 映画でも書物でも海外の著作物に接する時、ぼくたちは翻訳を介して内容を理解するけど、果たして本当の意味で理解できているのだろうかといった疑問が湧くことがある。誤訳は別として、確かにその単語はそう訳すのが妥当なのかもしれないが、耳慣れない造語などは読んでいてしっくりこない感じを受けることがある。あらゆる国の言葉を生まれてからずっと知っているかのように原文で読み聞きできれば問題ないのだが、残念ながら日本語さえままならない自分としては致し方ない。本書はそんなもやもやした気分を胃薬のように爽快にさせてくれる。 ↓
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 15/08/2026
加藤周一「羊の歌」「続・羊の歌」敗戦の日に読了。 戦前の幼少から少年、戦中の青年、戦後の壮年期を通して虚実入り交じった、戦後知識人の代表格である著者自身の自伝的回想録。 東京渋谷近辺の街の風景を10代の目を通して繊細に描かれる戦前。 闇のように人々が押し黙るなかで、医局に勤め研究を続けながら日本の古典文学を貪るように読み漁った戦中。 広島での原爆症の調査を経て、フランス留学から欧州を彷徨する中で自身が京都で出会った日本の美と西洋の文化芸術との邂逅によって慧眼を身につけ、その後文学批評に於いて卓抜な視点で時代を牽引するきっかけとなった戦後。 その後の著作を読む上でも重要な作品。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 25/07/2026
スヴェン・リンドクヴィスト著「すべての野蛮人を根絶やしにせよ」 穏やかならぬタイトルでブックカバーもつけずに電車で読んでいたら周囲に奇異な目で見られるかもしれないが、副題は「『闇の奥』とヨーロッパ大量虐殺」となっていて、ますますぞっとしない。これはジョセフ・コンラッドの小説「闇の奥」にあるセリフから拝借したもので、
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 03/05/2026
渡辺浩著『たとえば「自由」はリバティか』 映画でも書物でも海外の著作物に接する時、ぼくたちは翻訳を介して内容を理解するけど、果たして本当の意味で理解できているのだろうかといった疑問が湧くことがある。誤訳は別として、確かにその単語はそう訳すのが妥当なのかもしれないが、耳慣れない造語などは読んでいてしっくりこない感じを受けることがある。あらゆる国の言葉を生まれてからずっと知っているかのように原文で読み聞きできれば問題ないのだが、残念ながら日本語さえままならない自分としては致し方ない。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 12/04/2026
ジョセフ・コンラッド作「闇の奥」 コンラッドが船乗りだった時代にアフリカのコンゴ自由国へと赴いた体験を元に描かれた。 当時ベルギーの国王の私有地として象牙やゴムなどの収奪や非人道的な圧政が他の植民地政策をしていた欧米諸国からも非難を受けるほどだったようである。 主人公マーロウが今後の奥地へと船を進ませていく中で「暗黒大陸アフリカ」を捉える目線や、目的地で周囲を啓蒙し神のように振る舞いながら象牙を手に入れるクルツという男との邂逅の中で見えてくる帝国主義と植民地、人間と自然の間に深く潜む闇がえぐられていく。 フランシス・フォード・コッポラの「地獄の黙示録」の翻案としても有名な一冊。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 05/04/2026
エドワード・W・サイード著「文化と帝国主義」 西洋列強の帝国主義による植民地支配は文化とどのように関わり合ってきたのかを前半は帝国主義側、後半は被支配側や新しく台頭したアメリカといった形で内外の小説や詩などの文学作品やオペラ、批評などを通じ、その構造を分析していく。 帝国主義は戦前の遠い遥か昔のことだと思い込んでいたことが大きな間違いであることに気付かされた。 文学や映画、音楽、絵画といった文化は彼らのアイデンティティの形成の過程でそうした概念を植え付けられ、マスメディアを通じてはあからさまにそのイデオロギーの中に組み込まれ人々の心の中に今も増殖し続けている。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 04/04/2026
エドワード・W・サイード著「オリエンタリズム」 文化・芸術の一潮流や東洋研究としてこの言葉は知っていたが、イギリス統治時代のパレスチナのエルサレムに生まれたアラブ・パレスチナ人であり米国市民である著者はそこにもっと深い意味を探り批判を展開する。 彼ら(西ヨーロッパやアメリカ)はオリエント(主にイスラムやアラブ)に対し、自分たちとは違うその特異性を自らの都合の良い解釈によって定義し形式化されたもので、東洋(オリエント)をその西洋の研究者(オリエンタリスト)が定義すること。 それが“オリエンタリズム”であり、あくまでも西洋(オクシデンタル)の、白人による支配の様式なのだと断じている。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 31/03/2026
ヤン=ヴェルナー・ミュラー著「ポピュリズムとは何か」 読み始めたタイミングで解散総選挙の報道が駆け巡り、本書の内容と現実に少し翻弄され戸惑いながらポピュリズムというものを考えてみた。 本書は2016年の第一次トランプ政権誕生直前に書かれており、まさか当選なんてするまいがちょっとこれはどうなんだといった空気が行間に溢れている。 実際、トランプは2016年に当選し、おまけに2026年の今では状況は更にひどくなっている。 本書はこうしたポピュリズム政治を欧米の事例を中心に分析を試みるが常に変容していく状況下にあって定義らしきものはなかなか見出すことが難しい。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 21/03/2026
渡辺浩著『たとえば「自由」はリバティか』 映画でも書物でも海外の著作物に接する時、ぼくたちは翻訳を介して内容を理解するけど、果たして本当の意味で理解できているのだろうかといった疑問が湧くことがある。誤訳は別として、確かにその単語はそう訳すのが妥当なのかもしれないが、耳慣れない造語などは読んでいてしっくりこない感じを受けることがある。あらゆる国の言葉を生まれてからずっと知っているかのように原文で読み聞きできれば問題ないのだが、残念ながら日本語さえままならない自分としては致し方ない。 本書はそんなもやもやした気分を胃薬のように爽快にさせてくれる。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 18/03/2026
ルース・ベネディクト著「レイシズム」 日本人にとっては「菊と刀」が有名な著者だが、本書はその前提としてアメリカ政府が太平洋戦争当時、日本の文化を徹底的に研究するために必要な知力として彼女を選んだ大きな理由であろう。 第二次世界大戦中に書かれた本書はナチスのユダヤ人迫害が本書の中に多く見られるが、私たちがいま生きている現代にも通じることばかりで、決して昔話の古典ではなくまさに今読むべき普遍的な要素を多く含む警告の書である。 ↓
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 16/02/2026
平凡社さんには是非とも平凡社ライブラリー専用のブックカバーも常時売ってほしいなぁー。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 11/02/2026
柄谷行人「憲法の無意識」 日本が平和国家としての所以が日本国憲法の第九条にあるが、GHQによって押し付けられたとされたこの条文が時の政権によって都合よく解釈されながらも改正されずに現在に至った理由としてフロイト提唱した無意識の構造にある「超自我」によって説明を試みる。 柄谷は意識的自発性によってではなく、外からの強制によって「無意識の罪悪感」に深く働きかけられたことによるものだと考察し、またカント「永遠の平和のために」において反社会的社会性が人間の本性で国家も同様であり、常に隣人との争いに晒されているため、互いに安全を保障する取り決めがあって初めて平和状態になるとする内容からその普遍性を説く。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 30/01/2026
ミシェル・ウエルベック「服従」 2025年のニューヨーク市長選挙でイスラム教徒のゾーラン・マムダニ氏が当選し話題となったが、遡ること10年前にフランスの作家が予言的な小説を発表し話題となっていた。 物語は2022年の仏大統領選でイスラム政権が誕生するという出来事を軸に主人公である大学教授の男性の一人称によって語られていくが、どうにも村上春樹的な文体が気になって調べてみるとやはり同様の感想を持った人が多く、というのもウエルベックは村上春樹に影響を受けているのではないかといった情報も不確かではあるが散見された。 テーマである政治的な問題と過激で過剰ともいえる性的描写に関連性が見出せなかった。 ↓
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 02/01/2026
スピノザ「神学・政治論」 前回スピノザを解説した2冊を読んだときに吉田量彦氏の本で詳しく解説されていて興味を持った著書。 タイトルは硬くて難解なイメージだったが、翻訳も同じ吉田氏の新訳ということもあり挑戦してみると意外と読みやすく内容がスルスルと頭に入っていく。 上下巻合わせて3分の2は神学、つまり聖書についてその矛盾点や問題点を炙り出しモーセとヘブライ人たちとの契約や律法の中に神をどう存在させるかといった信仰と理性の自由をどう両立させるかが書かれる。 ↓
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 24/12/2025
トルストイ作「戦争と平和」読了。 19世紀初頭のロシアの貴族社会をその多様な人物描写によって重厚に、そしてナポレオンによるロシア遠征を壮大な歴史の重要な記録として壮大に描かれた岩波文庫版で6巻3000頁を超える大長編小説。 多くの登場人物に困惑しながら巻頭の人物紹介と行きつ戻りつ20日間かけてじっくり読んだ。 ロシア貴族たちはナポレオン率いるフランス軍のロシア遠征を機に彼らの平和で豪奢な生活から戦争に巻き込まれ没落していく。 トルストイはナポレオンとの戦争に結果として勝ったロシアを決して賞賛せず、その経過を膨大な歴史資料をもとに冷静に見つめ、自身も ↓
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 22/12/2025
木田元著「現代の哲学」読了。 現代の…といっても僕の生まれた年に刊行されたので半世紀以上前だけど、20世紀前半の哲学を中心に心理学や人類学、生理学などと交錯しながら著者の主な研究対象だったフランスの哲学者メルロポンティを軸に現象学や実存主義、構造主義を論じていく。 前に読んだ著者の「反哲学入門」が平易な文体でわかりやすく書かれていたので、本書も入門書だと思って読み始めたが、実は著者の処女作で、なかなか気合の入った文章でハードルの高さを感じたが、人間の存在をどのように捉えるべきかという難題に挑む哲学者たちの想いもあって、読み進めるうちにこちらも熱が入って止まらなくなり一気呵成に読み終えた。(続)
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 20/12/2025
吉田量彦「スピノザ 人間の自由の哲学」 國分功一郎「スピノザ 読む人の肖像」 ドゥルーズ生誕100年だからと今年の初めからドゥルーズに挑戦しているのだが全く歯が立たない。 元々哲学史家である彼の思想を辿ろうとするとどうしても17世紀から19世紀にかけてのドゥルーズが著した思想家を辿らないとそもそも何が書いてあるのかさっぱりわからない。 そんなひとりであるスピノザをまずは概略を知るため入門書を2冊並行して読んでいった。 なぜ2人の書を一緒に読み始めたかというと、國分氏の著作はだいぶ前に読んでいたのだが、 この期に吉田氏の書を読む際に副読本としてそれぞれ書ききれなかった部分を(続)
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 17/12/2025
戦後80年の夏に再確認しようと手にとった本① 鵜飼信成著「憲法」1956年 天皇機関説で有名な美濃部達吉の門下で戦後の憲法学を牽引した著者が一般向けに全103条に渡る日本国憲法を詳細に紐解き、その理念を交え丁寧に紹介した必読の書。 各章ごとの註釈には著者の豊富な知見が反映されていて、その条文の理解を深めてくれる。 附録には日本国憲法全文はもちろん、ポツダム宣言も掲載されている。 巻末には憲法学者の石川健治氏による解説がこの本の意義を高めてくれる。 戦後を振り返る夏が来るたびに読み返したい。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 15/12/2025
加藤典洋著「アメリカの影」 戦後80年の節目としてたまたま読み始めた加藤典洋の遺作だったが、以前から彼の村上春樹論は愛読していた。 そういえばと思い出して自宅の本棚を探すと氏のデビュー作である本書が少しカバーヤケしながらもしまい込んであった。 学生の時に読んだと思うが、当時バカ学生だったので、何も理解できなかったし、まるで覚えていない。 いい機会に読み直してみると、ここでも戦後のアメリカと日本の関係が若々しく熱量の高い筆致で戦後文学と日米安保体制下の日本を鋭く評し読み応えがあった。(続)
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 13/12/2025
モーム著「月と六ペンス」読了。 有名なタイトルではあったが未読だったため、「人間の絆」が面白かったことから続けて読んでみた。 フランス人でタヒチに移住した画家ゴーギャンをモデルとして描かれ、一人称形式で作家である「僕」が客観的な視点で主人公がこれまでの実直な生活を棄て去り画家として生きるために全てを犠牲にしていく人生を語る。 破天荒で圧倒的な存在感を放ち、周囲を不幸に巻き込んでも己の道を突き進もうとする姿に慄然としながらも美に対する純粋で崇高な生き様に憧憬を抱いた。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 05/12/2025
山下正男著「思想の中の数学的構造」読了。 古代ギリシャに端を発し、近代ヨーロッパにおいて哲学者でもあったデカルトやライプニッツによって解析幾何学や微分積分など現代の数学の重要な分野を確立し、それが後にレヴィ=ストロースの構造主義にも繋がるなど哲学と数学はとても繋がりが深いことがよく分かる一冊。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 29/11/2025
E・キューブラー・ロス著「死ぬ瞬間 死とその過程について」 12月のETV「100分de名著」で取り上げられる本書。 精神科医の著者が「死」をテーマに末期患者200人以上を対象に 彼らへのインタビューを通じて人間の尊厳を追求する。 病によって死を宣告された患者たちの反応を「否認」「孤立」「怒り」「取り引き」「抑鬱」「受容」といった5段階に分類し、患者、その家族、医療スタッフが刻々と迫る患者の死をどのように受け入れていくのかを多くの事例を言葉のやりとりを正確に紹介しながら考えていく。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 24/11/2025
小泉義之著「ドゥルーズの哲学 生命・自然・未来のために」読了。 「私」の同一性に固執した現代思想から脱し「差異の哲学」を問い続けたドゥルーズ思索を読み解く一冊。 そこには普遍数学や自然科学、構造主義、芸術分野に至るまでドゥルーズの希求する未来への希望を読み取ることができる。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 01/11/2025
木田元著「現代の哲学」読了。 現代の…といっても僕の生まれた年に刊行されたので半世紀以上前だけど、20世紀前半の哲学を中心に心理学や人類学、生理学などと交錯しながら著者の主な研究対象だったフランスの哲学者メルロポンティを軸に現象学や実存主義、構造主義を論じていく。 前に読んだ著者の「反哲学入門」が平易な文体でわかりやすく書かれていたので、本書も入門書だと思って読み始めたが、実は著者の処女作で、なかなか気合の入った文章でハードルの高さを感じたが、人間の存在をどのように捉えるべきかという難題に挑む哲学者たちの想いもあって、読み進めるうちにこちらも熱が入って止まらなくなり一気呵成に読み終えた。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 26/10/2025
辻田 真佐憲著『「戦前」の正体』読了。 近現代史研究者の著者が明治維新後、列強の脅威に対抗するため日本がその精神的柱として「記紀」を元に作り出した「神武天皇」や「教育勅語」「八紘一宇」はどのように構築されていったのかを考察。 そのカラクリを丁寧に紐解きながら、現代の思想的分断の背景にある安直な解釈に対し警鐘を鳴らした良書。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 18/10/2025
フィリップ・ブローム著「縫い目のほつれた世界 小氷期から現代の気候変動にいたる文明の歴史」読了。 小氷期は諸説あるが、太陽活動の減衰や火山噴火の多発による大気汚染やそれに伴う日照時間の減少などが主な原因とされている。 最近の研究ではヨーロッパ人による北米の先住民大量虐殺が彼らの農地を森林に戻してしまったためにCO2が減少し寒冷化を促進させた原因の一つという見方も出てきている。 小氷期の時期は諸説さまざまではあるが、歴史学博士でもある著者は本作の中で1570年〜1700年と設定しヨーロッパ各地において起きた様々な事象について考察しその文明の発展と衰退を独自の視点で読み解いていく。↓
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 13/10/2025
カフカの「城」を読む。 「変身」「審判」などの不条理的世界とはまた違った風味のある未完の作品。 Kという主人公は掴みどころがなく感情移入が難しいキャラクター。 他の登場人物もおかしな人がばかりで会話も今ひとつ噛み合ってないのに成立してるかのような不可思議さ。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 11/10/2025
ヘルベルト・シュネーデルバッハ著、長倉誠一訳「現代の古典カント」読了。 難解なカントの哲学の普遍性を説きながら現代の中でも息づく古典としてその業績をその後の批判と交えながら紹介していく。 カントのみならず啓蒙時代とされたドイツ観念論や近代の哲学があまり日本に馴染まない理由も今の政治状況をめぐる日本人の思考や言動を考えるとなんとなく分かるような気がする。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 11/10/2025
木田元「反哲学入門」読了。 ハイデガーを始めとした現象学や西洋哲学史の研究で知られる著者が対話形式でギリシャ哲学から現代に至る西洋哲学史をソクラテス、プラトンに始まる「哲学」とニーチェが覆す「反哲学」を易しく解説してあり面白かった。 丸山眞男とハイデガーの不思議な縁も興味深い。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 09/10/2025
タル・ベーラの「サタンタンゴ」の原作者がノーベル文学賞! 原作読みたい! ノーベル文学賞にクラスナホルカイ・ラースロー氏 ハンガリーの作家(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 06/10/2025
サマセット・モーム「人間の絆」1️⃣ 9歳で両親を亡くした主人公が30歳になるまでの成長を描いた教養小説。 足の障害を持ちイジメを受けたせいでコンプレックスを抱え、自身のその歪んでしまった精神から何をやってもうまくいかず挫折を繰り返す。 この本が原作となった映画「痴人の愛」のシーンにもあるが、ある日出会った女性に弄ばれ、相手に憎しみを持ちながらも離れられない愚かな心に長年苛まれる。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 03/10/2025
ジェームズ・ジョイス「若い芸術家の肖像」読了。 「ユリシーズ」のもう一人の主人公、スティーヴン・ディーダラスの幼年期から青年に至るまでの成長を描く教養小説。 厳格なカトリックの家庭に育ちながら文学を志し、そこからの脱却に悩める青年の成長と葛藤をジョイス節を効かせた独特で文体を用いて生き生きと表現している。 この主人公の後の姿が描かれる「ユリシーズ」で大胆に活用された“意識の流れ”概念による“内的独白”の手法は部分的に用いられてはいるが、内容としては主人公の信仰と若さゆえの衝動の中で悶絶する姿に注力されている。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 02/10/2025
「旧約聖書がわかる本〈対話〉でひもとくその世界」読了。 旧約聖書の専門で神学者の並木浩一とその教え子で芥川賞作家の奥泉光両氏による対話形式の解説書。 他のどの民族や人種とも違う「ユダヤ人」を生み出したユダヤ教を旧約聖書を読み解きながら探っていく入門書。 教徒に厳しく試練を与え続ける物語は、なるほど国土というものを持たずに何千年も続いてきたその歴史を裏付ける説得力を持つなぁと感心。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 01/10/2025
エドワード・サイード著「知識人とは何か」読了。 パレスチナ系アメリカ人の著者が、1993年にイギリスBBCの教育番組、「リースレクチャー」で全六回に渡って放送された講義が書籍化され長く読み継がれた名著。 知識人とはその中心から外側、亡命者や移民、アマチュアリズムやマイノリティーとして権力など、できる限り遠くからその中心に向かって真実を絶やすことなく発信し続けるべきだと著者は語りかける。 個人的には丸山眞男を引用し、天皇制イデオロギーについての言及が正鵠を射ている箇所がグッときた。 代表作の「オリエンタリズム」も読まなければ!
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 03/08/2025
フッサール著「ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学」(通称:危機書)読了。 読了…とは書いてみたもののカントの「純粋理性批判」の時と同じくとにかく歯を食いしばって最後まで読み通したという体たらくで理解できたとまではなかなかいかない。 7月のNHKの100分de名著で取り上げられるといったタイミングでたまたま古本市で目に留まってしまい、番組と連動してついつい読み始めてしまった。 (続く)
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 27/07/2025
加藤周一著「日本文学史序説」上下巻+補講読了。 其の壱 一言でいえば、「文学」を日本語の限定的な意味ではなく、ラテン語の「Litteratura=書かれたもの全て」に意識を拡げて、言葉を扱う文化芸術を論じた日本精神史という印象。 多くは男女の恋を歌った「万葉集」や時間の超越と自然の描写を生み出した「古今集」に始まり、説話、俳句、詩。 本居宣長が発見した「もののあはれ」の最高潮とされる平安文学の金字塔である「源氏物語」。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 12/07/2025
(続き) 最後半部の第10部5章、主人公である3代目の当主トーマスが哲学書を読む場面で衝撃を受けるシーンがあり、作者の熱量が最高点に達し、死を幸福と捉え、その意味を見出した直後に死に至る章は心を打たれるものがあった。 非常に気になるシーンだったのでいろいろ調べると、トーマスマンはショーペンハウアーやニーチェ、ワーグナーに影響を受けていたことも分かり、文中には明記されていないが、主人公が一心不乱に読んでいた本はショーペンハウアーの「意志と表象としてと世界」だったのた。 物語の終結に向けてどうしても必要な要素で、この章はとても重要だったことを実感できた。
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行きずりの読書人 @dionysos2997.bsky.social · 12/07/2025
トーマス・マン「ブッデンブローク家の人々」読了。 19世紀半ばのドイツ北部リューベックの商家、ブッデンブローク家の4代に渡る栄華と没落を綴ったトーマス・マンの自伝的要素を含む大河小説。 「魔の山」がとても面白かったが、トーマス・マンのノーベル文学賞の受賞理由がこの本だったことを知り気になって読んでみることにした。 物語の大半はそれぞれの事情を抱えた家族のエピソードを内面奥深くまで掘り下げ精緻に語られるが、1848年革命や戦争といった当時の世相に影響も受け一族が徐々に衰退していく姿は悲しみに満ちていた。 (続く)
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