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エフムンムン

@conpilaton.bsky.social
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字書き。文ストきょうかちゃんと敦鏡激推し。腐ってませんが自衛は可。タメ苦手です。ジャンル色々。 アイコンのイラストは猪口さん(ptolemy-mocha)さんからお借りしています。 Pixiv→ www.pixiv.net/users/31251628 Xfolio→ xfolio.jp/portfolio/konpeito

PostsRepliesMedia
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 26/07/2026
喜び、夢中になってる間に逃げちゃってたの。おかしいの。体感一玉しか食べてないの。
020
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 04/06/2026
110
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 21/05/2026
「凍結されるようなことしてない」「逆に何やった?」「もうしませんごめんなさい」 は全部異議申し立てから数日置いて突っぱねられてたのに、 「オイ認証ってどこからやるんだよ」「出ないが?????」って連絡したら5分でこれ。何だったんだよ。何だったんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
110
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 05/05/2026
おしまい!
SSページメーカーで画像化された小説の5ページ目

 不意に鏡花が明かしたのは、あの当時は見えなかった彼女の本心。
 淡々と、しかし一言ずつ丁寧に紡がれた言葉の続きを、沈黙で促してやる。
「私にとって、誰かに名前を呼んでもらうことは特別な意味がある。貴方が当たり前のように私の名前を呼んでくれるのも嬉しいけど、私はまだその機会を大切にしていたい」
「……うん、そっか」
 呼びにくいわけでも、呼びたくないわけでもなく、その機会を大切にしたいという。その言葉を聞いて、ようやく少し安堵した。
 特別を普通に組み込むことも、特別を特別なままにしておくことも、あのとき一歩踏み出した僕たちの勇気を尊重した結果だ。形は違えど、考えていることにそれほどの違いはなかったらしい。
「そんな風に思ってくれてるなんて思わなかったよ。理由を知れてよかった。これからも、鏡花ちゃんが呼びたいときに呼んでくれたら嬉しいな」
 何やら少し回り道をした気はするものの、知りたいことの答えを得ることはできた。
 実のところ、鏡花に名前を呼ばれる機会の多さで芥川に劣ると判明したときは少し癪だったのだが、理由さえ分かってしまえば、以前ほどは気にならない。
 名前を呼ばれる機会は芥川に劣るとはいえ、それは僕の名前を呼ぶ機会を大切にしてくれているからだった。それだけで、少し優越感のようなものすら感じてしまう。
 芥川に知られれば一笑に付されそうな考えを転がしていると、鏡花が躊躇いがちに口を開いた。

→次ページへ続くSSページメーカーで画像化された小説の6ページ目

「……あの」
 彼女にしては珍しい態度だ。何か、勇気のいる言葉を口にしようとしているかのような。
 普段であれば答えを提示されるまで、的外れな仮説をいくつも重ねてしまうものだが、今この状況となれば、妙に信憑性の高い仮説が一つだけ持ち上がる。
 ほとんど確信に近いそれを手にしたまま、固唾を飲んで続きを見守っていると──。
「敦」
 名前を、呼ばれた。
 声の主を振り返ると──そこにいたのは、国木田。
 何ということはない。彼から名前を呼ばれることも、最初のうちは妙な感動を伴っていたものだが、今となっては多種多様な声色で呼ばれることに慣れてしまい、特別感は薄れてきている。
 国木田は僕の密かな落胆には気付いていないようで、普段の厳格な調子で続けた。
「お前も来てくれ。次の仕事は谷崎と敦、二人に組ませる。要人警護の任務だ。今のうちから配置を頭に叩き込んでおけ」
「あ、分かりました! すぐ行きます!」
 仕事の話と分かるなり、すぐに頭を切り替え、手帳を持って国木田の元へつま先を向ける。
 何やら重要そうな仕事に、気が引き締まるのを感じながら、国木田と谷崎の元へ向かおうとした、そのとき。
「頑張って──敦」
 背後から聞こえた、僕にしか聞こえないような、控えめな声。
 咄嗟に振り返っても、そこに彼女の姿はない。

→次ページへ続くSSページメーカーで画像化された小説の7ページ目

聞き間違いでなければ、おはようからおやすみまで聞く声が、僕の名前を呼んでいたような。
「おい、何をしている。早くせんか」
 国木田に急かされても、短く放たれた名前が頭の中に渦巻いて、それ以外の事柄を上手く飲み込めそうにない。
 僕が日常に取り込んだ「特別」を、鏡花は未だ大切にしてくれている。
 そのことに浮かれるあまり、忘れていたのだ。一言で「相手の名前を呼ぶ」という言葉にまとめていても、僕が鏡花の名前を呼ぶ行為と、鏡花が僕の名前を呼ぶ行為は、全く別物だということを。
 僕にとっても未だ特別なそれを、ああも大切そうに行使されるというのは、予想以上の衝撃を伴うもので。
 この特別は、少し──心臓に悪い、かもしれない。
 まるで頭に入らない国木田の話を聞きながら、そんなことを考えていた。

→おしまい!
110
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 05/05/2026
敦鏡「たそかれ」7p 宴で明かされた呼び方の話
SSページメーカーで画像化された小説の1ページ目


 ある日の夕刻──黄昏時。
 辺りが薄暗くなるこの時間帯は、人の顔が見えにくくなり、つい「誰そ彼」と尋ねてしまいそうになることから、「黄昏」と名付けられたのだという。
 昼と夜の間に当たるこの時間、谷崎は事務作業中の鏡花に対し、ある問いを投げかけた。
「鏡花ちゃん、昨日の仕事って、誰と一緒だったんだっけ」
「あの人と一緒だった」
「うん、あの人っていうと?」
 いつものように淡々とした様子で答える鏡花と、重ねて尋ねる谷崎。誘導するような物云いを訝しく思ったのか、鏡花は書類から顔を上げて首を傾げる。
「報告書に記載漏れがあったの?」
「いや……そういうわけじゃないンだけどね」
 谷崎はどこか気まずそうにそう返し、ほんの一瞬、こちらに目をやる。
 しかし、視線を送られたところで僕にできることなど何もない。申し訳ないとは思いつつ、心の中で声援を送るだけに留め、扉の隙間から二人の様子を見守る。
 気を取り直し、谷崎は別の角度から攻めてみることにしたようだ。
「昨日は探偵社に来た依頼以外にも、仕事があったんだよね? そっちはどうだったの?」
「乱歩さんから頼まれたお遣いのこと?」
「そうそう。駄菓子の買い置きがないから購ってきてって云われてたよね」

→次ページへ続くSSページメーカーで画像化された小説の2ページ目

 誘導を意識しすぎては露骨になってしまう。ひとまず何気ない会話を続けることで、契機を作ることにしたらしい。
 鏡花は今のところ谷崎の思惑には気付いていないようだ。気取られないよう、さりげなく誘導し、彼女の口から「あれ」を引き出すという目的を達成できるかどうか。
「私はひと足先に社へ戻って報告をした。駄菓子屋さんには彼が」
「彼って?」
「…………」
 昨日の流れを正確に説明した鏡花は、谷崎からの質問に沈黙を返し──不意に、こちらへ目を向けた。扉の隙間から二人の様子を覗き見ている、僕を。
「そこで聞き耳を立てている、彼」
 突き刺すような視線に射抜かれ、降参の意思を示す代わりに、大人しく姿を表す。
 思ったよりも早く見抜かれてしまい、谷崎はどこか申し訳なさそうに頭を掻いた。
「あはは……ごめんね、敦くん」
「いえ、こちらこそ無理を云ってすみませんでした」
「谷崎、少しいいか」
「はい。じゃあ敦くん、あとは頑張ってね」
 ちょうど谷崎が国木田に呼ばれたことで、僕と谷崎が入れ替わる形になる。
 今のやり取りを聞けば、谷崎から放たれた不自然な問いかけが、僕から彼への依頼によるものだということは明らかだ。
 しかしその目的までは掴めなかったのか、鏡花は怪訝な面持ちで尋ねてきた。

→次ページへ続くSSページメーカーで画像化された小説の3ページ目

「何がしたかったの?」
「えっと、改めて説明するのは、ちょっと照れ臭いんだけど」
 まっすぐに問われ、つい視線を外す。最初は、ほんの些細な気付きだったように思う。何ということはない、素通りもできる程度の、ある小さな発見。
 谷崎への依頼内容やその目的を明かす前に、まずはその発見について話しておくべきだろうと考え、いっそ洗いざらい白状してしまうことにした。
「鏡花ちゃんって、普段は僕のこと名前で呼ばないなって思って」
「名前を?」
「うん。僕がいないところで呼んでくれてたりするのかなと思ったんだけど、他の人に聞いても、ごくたまにしか呼んでないって云われてね」
「…………」
「そう云われると、つい名前を呼んでるところを聞きたくなって。谷崎さんに上手く引き出してくれないかって、無理にお願いしちゃったんだ。試すような真似してごめんね」
 改めて口にしてみると、やはり少し照れ臭い。何より多方面に申し訳なく、素直に謝罪を口にした。
 人に頼むほどのことでもないと云われてしまえばそれまでだが、しかし本人が目の前にいる──云い換えるなら、相手の呼称が二人称で完結してしまう──状況となれば、なおさら彼女は僕の名前を呼ぼうとはしないだろう。
 理由を知りたいというより、単にこの発見が正しいかを確かめたい、その程度の気持ちだったのだが、却ってあちこちに迷惑をかけてしまった気がする。

→次ページへ続くSSページメーカーで画像化された小説の4ページ目

 居た堪れない僕に対し、鏡花はさして気にした様子もなく、いつかの呼び方を振り返った。
「貴方も、最初は私のことを『君』とか『彼女』と呼んでいた」
「えっ、そうだっけ?」
「私がマフィアにいた頃。まだ味方になりきらない立場だったから。芥川が貴方を『人虎』と呼ぶように」
「それとはまた違うと思うけど……」
 芥川の名前は普通に呼ぶのか。つい口をついて出そうになった言葉を飲み込み、苦笑いと共にそんなことを云ってみる。
 しかし、云われてみれば確かに、僕も鏡花が探偵社に身を寄せるまでは、彼女のことを名前では呼んでいなかったように思う。
 あの時点ではまだ彼女がマフィア寄りの人間だった、というのもそうだろう。だが、単なる敵味方の区別というには、あの時点の僕たちは既に近付きすぎていた。
 彼女を自分の舟に乗せるか、否か。決断しきれていないうちは、名前を呼ぶという決定打になり得る行為を遠ざけていよう。そんな意図だった気もする。
 あれからそう時間を経たわけではないはずというのに、もはや云われなければ思い出せないほど、遠い昔のことのように思えているから不思議だ。
「貴方や探偵社の皆が私を名前で呼ぶようになって、仲間として受け入れてもらえたようで嬉しかった。マフィアにいた頃も呼ばれてはいたけど、探偵社は私が入りたいと望んだ場所だから、夢が叶ったことの証のような気がして」

→次ページへ続く
110
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 03/05/2026
フォロワーに便乗しておいしいものを流していくスタンス。安心と信頼のサイゼです。
042
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 03/05/2026
8p〜10p おわり!
小説ページメーカーによって画像化した小説。8ページ目。
以下本文。

 意を決してさくら団子を持ち上げ、噛み締めるように一口。すると、口の中に広がる味わいは、思い描いていたものとは少し違っていた。
 甘い、だがほんの僅かに塩気がある。淡い甘さの桜あんに、桜の塩漬けを練り込んでいるのだろう。
 桜あんそのものの味は邪魔せず、添える程度に加えられた塩気、絶妙なバランスだった。
 桜スイーツは基本的に春らしい甘さを表現したものが多いものの、和菓子となるとまた違ってくるようだ。塩漬けという形で、桜そのものを菓子に取り入れていることもあるのだろう。
 意外だったが、しかしこれも悪くない。桜色のかわいらしい見た目もさることながら、団子屋としての矜持を感じさせるクオリティだ。
 今日はどの店とも縁がなく、桜の下を彷徨い歩くことになったサロメだが、今にして思えば、桜に導かれてここへ来たのかもしれない、などと、少しロマンチックなことを考えてみる。
 あらかじめ決めていた店を訪れるのもいいが、思いもよらない縁があり、行ったことのない店に出会うというのもまた一興。
 花より団子とはよくいったもので、つい団子に舌鼓を打ってばかりいたものの、ここは桜を見るには絶好のスポット、時期も人数もごく限られた、この場限りの特等席だ。
 満開の桜を見ながら食べるさくら団子は格別で、先の不運がなければ実現しなかったもの。この出会いを演出してくれた不運に感謝したいほどである。
 お茶を挟みながらゆったりとさくら団子を食べ終えたサロメは、スマホで時間を確かめ、それからお茶をもう一口。

→次ページへ続く小説ページメーカーによって画像化した小説。9ページ目。
以下本文。

 後の予定を考えると、今日はもう他の店を巡れそうもない。だが、他店を回る余裕がないというだけで、あともう少しここでゆっくりしていたとしても、夜の配信には十分に間に合う時間だ。
 ベンチ脇のポケットに入ったお品書きをそれとなく手に取り、目を走らせる。
 配信を始めてから、サロメは多くの配信者と知り合ってきた。プライベートでも遊びに出かけるような間柄の相手も多くいる。
 今日の素敵な出会いを、自分一人だけのものにしておくのはあまりにももったいない。それならば、いつか誰かと一緒に訪れるための下調べをしておくべきではないだろうか。
 サロメの周りには、インフルエンサーを目指す偏食家もいれば、小柄に似合わない食べっぷりを見せるサーカスのパフォーマーもいる。ライブやコラボなどを通じて広がった交友関係の分だけ、想定すべきケースは多いのだ。
 お嬢様たるもの、何事もスマートにこなさなくてはならない。これはそのために必要な準備なのだと結論づけてから、追加の注文を決めるべくお品書きに目を向けた。
「まぁ、いちご団子も珍しいですわ。他のお店では見ないような。ごま団子はよく見かけますけれど、みたらしと迷ったんですわよね。ああっ、三色団子! スーパーのものとどう違うのかしら。専門店のお味を確かめてみたい気もしますわ……」
 改めてお品書きを眺めてみると、団子屋というだけあって、一日では到底制覇できない種類の団子が並んでいる。
 店に入ったときはさくら団子のついでに数本頼む程度の予定だったため、あまり気にしていなかったものの、食べ終えてみるとどの団子も魅力的だ。

→次ページへ続く小説ページメーカーによって画像化した小説。10ページ目。
以下本文。

 あっという間に注文候補の団子が三本になり、ふと冷静になったサロメは、桜を見上げながら独り言をこぼす。
「さすがに食べすぎかしらね。でも、甘いものが苦手な方と一緒に来るかもしれませんし、いそべ団子や味噌団子もチェックしておいた方が……ええっ、チョコミント! チョコミント団子ですわ! あ、夏季限定ですのね。わたくしの周りはチョコミントお好きな方少ないですから……美味しいのに。夏になったらまた来ようかしら」
 期間限定メニューの予告に、まだ見ぬ夏に思いを馳せながら、サロメはお品書きを持って店内へ。
 空になった湯呑みに、桜の花びらが落ちる。
 それはまるで茶柱の如く、麗らかな春の幸運を知らせていたのだった。


→おしまい!
010
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 03/05/2026
5p〜7p
小説ページメーカーによって画像化した小説。5ページ目。
以下本文。

 思わぬお得な申し出に、一も二もなく頷いたサロメは、団子数種とお茶を注文して、代金を支払ってから外のベンチへ。
 厳しい冬と灼熱の夏に挟まれた春は、近頃主張の激しい隣人に押され気味なところがある。
 それでもなお、春が四季の中で存在感を発揮しているのは、この国における花の代名詞たる桜があってのことだろう。
 麗らかな日差しに包まれ、時折目の前をよぎる桜の花びらに風情を感じながら待っていると、やがてお盆に載った団子とお茶が到着する。
「ごゆっくりどうぞ」
 客の時間を邪魔しない、最低限の言葉だけを残し、店員は店の中へ。
 サロメが注文したのは、春限定のさくら団子の他に、スタンダードなみたらし団子とこの店の名物だという黒蜜きなこ団子の三本。
 カフェ巡りをする前提となると少し多いものの、後の予定を考えると、今日はもう他の店を巡れそうもない。それならばいっそ、この店でゆっくり落ち着いた時間を過ごすのもいいだろう。
 お盆に載せられた皿は二枚、みたらし団子と、さくら団子、黒蜜きなこ団子が別皿に分けられている気遣いがありがたい。
 さりげない配慮に心の中で感謝を述べながら数枚写真を撮り、まずはお茶を一口。春先とはいえ、時折吹き込む春一番が肌寒さを呼び起こすこともある。温かいお茶にほっと一息をついてから、サロメは黒蜜きなこ団子を手に取った。甘いものとそうでないもの、交互に食べる狙いである。
 この店の名物ということで勧められるまま注文してみたものの、皿に載っているのはどう見てもきなこをまぶしただけの団子であり、黒蜜は影も形もない。

→次ページへ続く小説ページメーカーによって画像化した小説。6ページ目。
以下本文。

 きっと団子に黒蜜が練り込んであるのだろうと自分を納得させ、店員に確認するという選択肢をそっと追いやってから、サロメは怪訝な面持ちで、上品な仕草で団子を口へ運ぶ。
 瞬間、サロメの口の中で、何かが弾けた。というより、とろけた。
 予想外の事態に、思わず口元を押さえるサロメ。一体どういうわけか、口の中で黒蜜ときなこの味がするのだ。
 噛めば噛むほど、黒蜜ときなこは混ざり合い、団子がそれを包み込む。黒蜜きなこ団子の名前に偽りはない。黒蜜は団子の中に潜んでいたのだ。
 なるほど、一口に団子といっても、店によって味付けや盛り付け方は変わるもの。この店では、きなこをまぶした団子に黒蜜をかけるのではなく、黒蜜を包んだ団子にきなこをかけているようだ。
 黒蜜きなこはわらび餅をはじめ、多くの和菓子で用いられる組み合わせだが、きなこの上から黒蜜をかけると、黒蜜を吸ったきなこが固まってしまうことも多くある。
 それもまたきなこを余さず食べられるという点ではメリットといえるが、今回は団子の味付けということもあり、それでは団子が取り残されてしまう。
 その点、これは素人目にも画期的なやり方に思えた。鋭い視点もさることながら、液体を団子に閉じ込めるにあたっては、様々な試行錯誤があったことだろう。
 いい意味で予想を裏切る結果に、つい評論家のようなことを思いながら、黒蜜きなこ団子を平らげる。上品な甘みをお茶で封じ込め、余韻を楽しんでから、続けてみたらし団子に手をつけた。

→次ページへ続く小説ページメーカーによって画像化した小説。7ページ目。
以下本文。

 みたらし団子、これまで配信やライブなど、何かと縁のある後輩を思い浮かべながら一口。こちらは団子にみたらしのタレがかかっている、定番中の定番といえるみたらし団子だった。
 とろみのある甘辛いタレは、団子との相性抜群ながら、味が強すぎるということもない、絶妙なバランスを保っている。そのまま舐めても美味しいと分かるのが悪魔的だ。
 サロメはお嬢様を目指す身、何より一人の大人として、団子屋の目の前でみたらしタレを舐めるような真似など、到底できない。
 だが、食べ物を粗末にするのはお嬢様としての流儀に反するのではないか。お嬢様たるもの、食べ終えた皿は誰よりも綺麗でなくてはならない。タレをたっぷり残すなど、あってはならないのだ。
 そう、誰にでもなく言い訳をしながら、団子でタレをできるだけ掬い取りながら、みたらし団子を口に運ぶ。
 甘辛いみたらしタレは、香ばしいお茶の風味とよく合う。程よい熱さになってきたお茶を啜るサロメの目の前には、もうさくら団子一本しか残っていない。
 食べ終えてしまうのが名残惜しいような、真打の登場に心躍るような。先延ばしにするように、さくら団子単体の写真を撮るサロメ。
 さくら団子は店先のポスターに掲示されていた写真の通り、白い団子に桜あんを盛り付けてあるもの。中央に載った桜の塩漬けが、ちょうどいいアクセントになりそうだ。

→次ページへ続く
100
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 03/05/2026
1p〜4p
小説ページメーカーによって画像化した小説。1ページ目。
以下本文。

 平日昼、多くの人々が仕事に追われる中、サロメは優雅な午後のひとときのために、街中にあるカフェへと繰り出していた。
 ちょうど季節は春。加えて空は快晴、あちこちに見える満開の桜を見上げながら歩くには絶好の日和である。
 夜十時からの配信を控えてはいるものの、その他の仕事はとりあえずひと段落。ここ最近の激務での疲れを労うためにと、とっておきの春服を身に纏い、春限定スイーツを嗜むべくやってきたのだ。
 スマートに仕事を済ませ、朝早くに起床、支度を済ませて街へ繰り出し、午後はカフェを巡って優雅な春のティータイム。
 これぞお嬢様たるものの日常と、理想のスタートを切れたことを喜んでいたサロメだったが──今は一転して、桜の絨毯に響く自身の足音を聞きながら、とぼとぼと歩く羽目になっていた。
 完璧な計画だった、途中まで何の問題もなかった。そのはずだというのに。
 何度目かのため息をこぼし、周りに人がいないのをいいことに、サロメはひとりごちる。
「これだけ巡ってどこにも入れないなんて……一体どうなってますの〜……」
 春限定スイーツを求めて巡り歩いたカフェ三店舗とも、三者三様の理由で入店が叶わなかったのだ。
 一店舗目は、どうやら最近テレビ番組で紹介を受けたらしく、平日昼間とは思えない賑わいぶりで、予約をしていないサロメは入店すら難しい状況だった。

→次ページへ続く小説ページメーカーによって画像化した小説。2ページ目。
以下本文。

 行きつけの店が有名になるのは、──多少寂しい気持ちも否めないものの──いいことだと思い直し、次へ。
 お嬢様は失敗を引きずったりしないのだと意気込むサロメだったが、二店舗目の扉にかかる「臨時休業」の文字はさすがに堪えるものがある。
 訪れてから休業だったと知ることがないよう、定休日をきちんと調べたとあって、落胆も大きかった。
 しかしめげないサロメ。カフェ巡りが趣味という強みを活かし、この近隣には以前訪れたことのある店があったはずと、三店舗目へ足を向けた。
 訪れてみると、店はやっている、時間帯に相応しい控えめな混み具合、表に出ているメニュー黒板には、ノーマークだった春限定スイーツまで描かれていた。
 完璧である──そう、黒板に描かれた春限定スイーツに、「本日終了」のマグネットが、通せんぼをするかの如く横たわっていなければ。
 かくして、サロメの「おゴージャスアフタヌーンティープラン」は頓挫、後に引けなくなった「春限定スイーツを食べる」という目標を引きずったまま、桜並木を歩く羽目になったというわかである。
 普段であればカフェを四、五軒は巡るところだが、今日は配信の予定があるため、帰宅が遅くなってもいけない。
 お嬢さまを目指す者として、「午後に予定が入っていると、何となく落ち着かなくなり、午前中から用事を入れられない」などという有り様を改善しなければと、あえて配信がある日に外出の用事を入れたのだ。

→次ページへ続く小説ページメーカーによって画像化した小説。3ページ目。
以下本文。

 上手くいかないときというのは、とことん上手くいかないものである。不運の連続につい肩を落としそうになったサロメだが、暗くなる思考を振り払うように頭を振った。
「いいえ、過ぎたことを悔やんでいても始まりませんわ。これを機に、行ったことのないカフェを開拓すればいいだけのこと! お嬢様は転んでもタダでは起きませんわ!」
 配信でお披露目した春物コーデも手伝って、スムーズに気持ちを切り替えることに成功したサロメ。新たな出会いを求めて、スマホで近隣のカフェを探し始めた矢先、道の向こうに、少し変わった佇まいの店が目についた。
 古風かつこぢんまりとした、カフェや喫茶店というより、甘味処という言葉が似合うような店だ。店先には赤いベンチが桜の花びらを浴びており、そのそばでは「だんご」とシンプルな言葉を刻まれたのぼりが、一列に並んではためいている。
 日々、様々な流行り物の店が建っては消えてを繰り返している現代においては珍しく、そこだけは時間の流れがゆるやかにさえ思えるような、そんな店だった。
 客の年齢層が高めなこともあるのだろう。慌ただしさとは無縁、混雑もなく、客足はまばらだが、しかし閑古鳥が鳴いているわけではない。先ほど数人の客が訪れていたのを見るに、定休日ではないようだ。
 残る懸念事項としては春限定スイーツの有無のみ。団子屋というなら「あれ」があってもおかしくはないが、流行に囚われそうもないこの店にあるかどうか──と、恐る恐る店に近づいたサロメの視界に、「期間限定 さくら団子」なるポスターの文字が。

→次ページへ続く小説ページメーカーによって画像化した小説。4ページ目。
以下本文。

 団子屋に入るなら振袖衣装で来るべきだったかと考えかけて、さすがに少し季節外れだと思い直す。着物の作法についてはさほど詳しくないサロメだが、鶴の柄が春先向きでないことは何となく察することができた。
 店先のポスターから顔を上げ、そっと引き戸を開ける。いらっしゃいませぇ、と伸びやかな声に迎えられ、サロメは人差し指を立てた。
「あの、一人なんですけれど……」
 言ってから、気付く。店内には、カウンター三席にテーブル席が二つ。そのうち、カウンターは満席だったのだ。
 テーブル席に空きはあるものの、知らない団体と相席というのは気が引ける。お互い、変に気を遣ってしまいそうだ。
「すみません、ちょうどついさっき埋まってしまって」
「ああ、いえ、大丈夫です……また今度来ますね」
「あ、ちょっとお待ちくださいね」
 和装姿で落ち着いた雰囲気の店員は、扉を開けて表に目をやり、何かを確かめると、サロメに柔らかい笑顔を向けた。
「よければ、表のベンチでいかがですか。注文の都度お支払いになるので、お手間ですけど。今ちょうど桜が見頃でね」
 案内されたのは、店先に設置されている赤いベンチだ。
 満席ではない、営業している、春限定スイーツもあり、なおかつ特等席のオプションまでついてきた。

→次ページへ続く
100
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 03/05/2026
#サロメ百万展 『春、桜道中団子旅』10p お嬢様が団子屋に出会う話ですわ〜!ツリーに続きますわよ!
中央にタイトル、周囲にツリーへ続く小説の一節が抜粋されている。

タイトル「春、桜道中団子旅」

一節抜粋
ほのま舐めても美味しいと分かるのが悪魔的だ。
日々、様々な流行り物の店が建っては消えてを繰り返している時代においては珍しく、そこだけは時間の流れがゆるやかにさえ思えるような、そんな店だった。
完璧な計画だった、途中まで何の問題もなかった。そのはずだというのに。
「お嬢様は転んでもタダでは起きませんわ!」
ちょうど季節は春、加えて空は快晴、あちこちに見える満開の桜を見上げながら歩くには絶好の日和である。
花より団子とはよくいったもので、つい団子に舌鼓を打ってばかりいたものの、ここは桜を見るには絶好のスポット。時期も人数もごく限られた、この場限りの特等席だ。
「ええっ、チョコミント! チョコミント団子ですわ!」
瞬間、サロメの口の中で、何かが弾けた。というより、とろけた。
100
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 02/05/2026
フォロワーへ こういうわけなのでよろしくお願いします。
120
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 02/05/2026
凍結されてんのはいいんだけど通知欄だけ見せてくれんかね。別垢に移動してても通知だけ生きてて気持ち悪いんだわ。
120
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 02/05/2026
ワロタ
020
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 08/03/2026
としかい6話感想ハイライトです。いつもの如く若干のネタバレが滲んでいます。 としかい走破!お付き合いいただきありがとうございました! としかい履修済みフォロワー各位、速やかにふせったーの感想をTLに再放送してください。
021
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 08/03/2026
6話感想
111
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 08/03/2026
4話と5話の感想ハイライト
121
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 07/03/2026
5話感想②
121
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 07/03/2026
5話感想①
121
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 28/02/2026
4話感想③
121
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 28/02/2026
4話感想②
121
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 28/02/2026
4話感想①
121
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 23/02/2026
3話感想
121
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 23/02/2026
2話感想
121
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 23/02/2026
スレッド見えてますかね?一応スクショ貼っておきますね。 1話感想 プレイ済みの人が見れば分かるかも?くらいにぼかしてるつもり
121
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 31/01/2026
ZA全クリしたようなので
120
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 25/12/2025
拙作、性別がややこしすぎて今これ。男と見せかけた女と、女と見せかけた男と、別に見せかけてはいないけど心が女の男と、前世が男の女がいる
010
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 19/12/2025
創作小説最新話サムネのお気に入り部分。「わーいおティー」
010
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 26/10/2024
文マヨで泉誕のピックアップが来るとお祭りみたいで楽しくなって騒ぐんですが、自分が持ってない泉はあともう正月デュエルだけ(毎年毎年復刻で外している)なので、今回も高みの見物決めさせてもらいますわ
000
エフムンムン @conpilaton.bsky.social · 20/10/2024
ナガノ先生のあれ
010