「定盛喜ぶかな~」
バレンタイン当日、灯莉は手作りチョコを持って歩く。目的は勿論、意中の定盛へ渡すため。
「先輩達にも手伝って貰ったし、味も見た目も完璧!」
姫歌へチョコを手渡し、告白をする。間違いなくOKを貰える
「姫歌、好きよ」
──筈だった。
(え?)
物陰に身を潜め、声を聞く。どうやら既に悠夏が告白しているようだ。
そして、姫歌も返事を返す。
「私も好きよ、悠夏」
それを聞いた灯莉は、走り出していた。
「もう、定盛には要らないよね」
誰も居ない教室に駆け込み、渡すはずだったチョコをの封を空け、口に入れる。
「あれ、おかしいな」
口に入れたチョコは、塩の味がした。