三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 06/10/2026その水槽の水は緑に染まっていた。 この中に迷い込めば最後、濁りに視界を阻まれ、息も詰まりそう。 重苦しささえ感じさせる立方体の縁に触れ、水面を覗くと、驚くべきことに銀色の小魚が何匹も元気に泳ぎ回っていた。そして、深い部分には大きな魚影も見える。 存外、多くの生物がい気づいているらしい深海のような、樹海のような緑の水。それを覗くのは深淵を覗くのと同義かもしれない。 グラスで緑の水を掬えば、小エビも小魚も、そして色も形も整わぬ透明ないきものもいた。形のないそれだけは、掬ったことで息絶えたようだ。 きっと、この水槽は私の心の投影。 私は深海と樹海と深淵の中を彷徨っている。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 03/10/2026この世界は青いのだ、と海と空を眺める度に思うのだ。 私に色付く青は、静脈の青しかない……いや、赤い血の通る道が青く見えるのならば、青は在って然るべきなのか? 私はこんなにも、自分がこの世にいてもいいものかと、常々思っているというのに、この星の青が自分の体にも通っているというだけで、みっともなくもここにしがみついているんだ。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 02/10/2026当たり前にできていて、寝食も後回しにするほど夢中になって、楽しくて、これから先――どんな時も、老いても、きっとずっとできるしやるんだろうな。 そう思っていたことができなくて。 どんどんできなくなってきて、楽しいどころかつらくて、やらなきゃと意気込んでもやっぱりできなくなったとき、私は生き甲斐を失ったことを知る。 心が欠けたのか、力がなくなったのか、失望したのか、希望はもうないのか。 楽しいと思っていたことだったのに、いつしか誰かの反応を期待して、それが叶わずに途方に暮れて、何度も何度だって挑んでも駄目で、苦痛だと思ってしまった瞬間に多分、見放されたんだろう、書くことに。 私は何だ? 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 20/09/2026小説 ――花束みたいな文字を書きたくて。 墨汁のにおいが染み付くほど、書いてばかりの貴方は、そう言って私を外に連れ出した。 花のイメージなら花屋か花園か。そう思っていたのに着いたのは、個人の画廊である。 水彩で描かれた儚く、幻想的な花の絵に目を奪われた。 次は古民家風レストランで、窓から臨む庭園にはコスモスが、テーブルには桔梗とダリアが色を添える。 出されたお茶だって、ガラスポットの中で花が咲き、帰り道には金木犀が香った。 帰り着いた貴方は、いそいそと筆を取り、とても丁寧に私の名を書いた。 華やかかつ堂々と、白い半紙を黒に染める、花の字。 どうやら、貴方には私がこう見えているらしい。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 19/09/2026今回のクッキーがサクサクで良い感じなので分量と今回試したこと ・薄力粉100g+花見糖13g+塩0.5g+ローズマリー0.5g→混ぜる ↑ 米油28g(mlでないのは計量匙じゃなくてはかりで計量したから)→混ぜる ↑ 牛乳20g(同上)→生地を半分に切って重ねる、掌で圧を掛ける×4〜5回(生地がまとまり、端が崩れなくなるまで) ⇒麺棒を転がさずに前後左右に圧をかけて伸し、最後に転がして生地の表面をならし、好みの厚さに整える(5〜10mm) ⇒アルミホイルを敷いたオーブントースター170℃30分、焼きめを見て途中でひっくり返す(オーブンの焼きムラのクセを見て、均等に焼けるように生地を移動させる) 100
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 18/09/2026小説 雨粒窓を打ち、倦怠感をも誘う、そんな、いつまで経っても本調子になれない日。 重い頭と足取りで台所に向かい、御座なりに食パンを取り出す。 エネルギーが摂れりゃ、なんでもいい。 十字に切ったパンのひと切れに、残り物の玉子だらけのタルタルソースをたんまりと、もうひと切れには甘いチーズと頂き物のイチジクジャムを載せ、サンドイッチにした。 ダルい、とぼやきながら玉子サンドをかじる。やや甘すぎ。 次。ジャムサンド。 さして期待せず、食べた瞬間、目を剥いた。 柿だバナナだ、種の正体を疑がわす名のイチジクとスパイスのジャムのべらぼうに美味なこと。 おいしさのあまり、冴えない脳も覚醒すると知った朝。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 16/09/2026小説 コーヒーがおいしい季節になりましたね――なんて、白々しいことを言うんだ、この人は。 私好みのほろ苦くて、果実みのある酸味がおいしいコーヒーを文句なしに淹れられる人なんて、この人の他に知らない。 この人よりも先に、この人の淹れるコーヒーを気に入った。 だって、仕方ない。この人の喫茶店が出会いなんだもの。 夏に出された、その日の気分と体調で濃淡の変わるアイスコーヒーも、秋に内緒で出されたマロンペーストを忍ばせたマキアートも、冬にビスコッティを添えたホットコーヒーも私を想って淹れてくれた。 だからコーヒーがおいしい季節なんて、この人にかかればいつものことなんだ。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 11/09/2026夢に貴方が出てきた。 最後に夢で会ったとき、貴方は切羽詰まった様子で必死に何かを訴えていたのに、肝心の内容はわからないんだもの。 何を伝えたかったのって、墓前で尋ねても答えは得られぬまま。多分、これの注意喚起だったのかって、"やらかした"後で気付いた。意味がない。 あのやらかしを皮切りに、うんざりするほど嫌なことが続いたな。 すべての困難は別の事象のようでひと繋がりなのだから因果なものだ。 その上、最悪な予兆があったら、さすがにまいるよ。 そんなときに貴方が夢に出てきた。 好物だった酒粕の甘酒を飲んで笑ってるんだもん。どう捉えればいいんだろう? 私も笑ってればいいの? ねえ、ばあちゃん。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 10/09/2026駄文 薬疹発症から1ヶ月半経過。驚くことにまだ症状が残っている。長丁場極まれり。 スネのわずかな落屑と角質の厚い足裏のツルツルは末端で肌代謝のサイクルも後回しになるから仕方ない。 問題は肘膝など関節の内側、皮膚の薄い喉だ。 ここに残暑の暑さ(ついでに入浴後のドライヤーの熱が決め手だった)と汗の影響で薬疹終盤のビニール肌と汗かぶれが併合して、今もしつこく残っている。 おまけにお腹の調子も微妙と思ったら、こちらも薬疹の影響らしい。もふたつおまけで、腰痛発症と胸にひきつれを発見。なんたるちあ。 今夏はまるごと薬疹療養に潰されてしまい、食事制限で旬もロクに味わえなかった。 なんてぇ夏だよ、今年は。 010
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 10/09/2026小説 小鉢が欲しかった。 舌と心をホッとさせる、カボチャの煮物を一切れ入れられるような。 濃い味付けのおかずの合間、口の中と気分をさっぱりさせる、酢物をさりげなく添えられるような。 疲れ果てたとき、甘味と酸味で心身を慰めてくれる梅の甘露煮をそっと載せられるような。 空の色がひとつ淡くなった頃、味醂でゆっくり炊いたお芋や、丁寧に作った栗の渋皮煮を受け止めてくれるような。 見つけたのは夜空を思わす紺の小鉢。 楕円形で、ぽってり厚みと重みのある、手に良く馴染む小鉢。 あまりにも上手に手で包めるものだから、安心してご馳走を任せられるわねと、その子を籠に入れた。 百と十円の新たなお気に入り。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 03/09/2026#一次創作小説 #短篇集 『混沌から星屑を拾う』 本日更新しました。 ncode.syosetu.com/n5779je/ 『冒険とおいしいもの』 夏の食いしん坊なお話と私の作るテキトークッキーの作り方(本当にそうとしか言えない) 注意書き添えるほどじゃないんだろうけど一応、お盆なので故人を偲ぶお話があります。 ncode.syosetu.com/n5779je/97ncode.syosetu.com 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 18/08/2026小説 うんざりするように暑い夏の日。 祖母の家の食器棚の奥深くに追いやられていた古いグラスを発掘した。 昭和レトロな橙色の花柄を見た君は、サンダル履きでキイキイうるさいチャリンコを漕ぎ、閑古鳥の鳴くスーパーへ向かう。 メロン味のかき氷シロップ、炭酸水、バニラアイスにチェリー缶。赤いストライプのストロー。 ここまで想像がダダ漏れの買い物も珍しい。 絵に描いたようなメロンソーダを拵えた君は、入道雲が浮かぶ空の下、束の間の涼を愉しむ。 エメラルドに映える橙色の花、グラスの中で踊る無数の泡、ジワリ溶けるアイスを飽くことなく覗く君。 君はこのひとひらの夏の思い出をいつまで覚えているだろう。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 15/08/2026小説 お盆の夜だ。 昨年はあなたの供養になるからと、ずっと踊り続けていた。 今年は墓参りにさえ行っていない。 白い壁と白いカーテンに囲まれ、白い布団とシーツの中から白い天井を見上げる――そんな供養もへったくれもないお盆を過ごしてる。 あなたは現世に帰ってきているのだろうか。 もし、帰ってきているのならば、夢枕にでも立ってくれない? 私を見舞いに来る人間なんていないのだもの。あなた、ちょっとこっちに足を運んでよ。 ついでに、この白い場所から連れ出したっていいのよ、なんて。 盆踊りの振り付けなんてもう忘れたわね、とボヤきながらヒラリヒラと手を舞わせた。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 15/08/2026駄文 薬疹発症から三週間が経とうとしている。 そのひと月前から階段を駆け足で降りるように体調は崩れていった。 胃炎も熱中症も酷い倦怠感も不調の全てが自分自身への呪いで引き起こされたもので、薬疹も結局、自業自得なんだ。 その頃に作られ、炎症でダメージを負った皮膚が今、醜く剥がれ落ちている。落屑は末端の指に行き着いた。 薬疹ピーク時、「皮膚はバリア機能ゼロの砂漠のような乾燥状態」と言われたが、そのカラカラの皮膚が表層に上がってきたようだ。乾燥で指に皺が寄り、指紋認証さえできやしない。 私が私であるとの本人確認もエラーが起こるなんて、皮肉もいいところだ。 消えろ、と自身に掛けた呪いが巡ってきた。 010
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 15/08/2026小説 お店にホオズキと松明が一番売れるであろう頃、ベランダの家庭菜園から一番大きなきゅうりとナスを採ってきた。 SNSで今年も変わり種の精霊馬を眺めて笑うも、自分でそれを拵える気は毛頭ない。精霊馬なんて地元ではしなかったもの。 きゅうりは叩いて、粉末のうどん出汁とサテトム、酢をまぶしてラップをして冷やす。 ナスは半分を焼きナス、もう半分をピーマンと一緒に甘い味噌で炒めた。 どれも家族の誰かが好きなものだ。ビールや清酒、麦焼酎があればなおよし。 ついでに薬味たっぷりの冷奴と焼おにぎりも作って、シシトウも焼いてやろう。 御霊供膳というよりも肴だけど、我が家らしくていいじゃないか。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 15/08/2026小説 八月の丁度真ん中。 こんなに蒸すのは、地獄の釜の蓋が開き、中の湯気が地上まで上がるからだろうか。 ぼくは灼熱の太陽に焼かれながら、ホオズキを一本握り、ぼくの背よりも大きなひまわりの海を進んで海が見える丘を目指す。 ここはまだきみに触れられた頃、二人でよく通った道だ。 今では一年に二回、今日という日ときみとサヨナラした日しか使わない。 歩いていると、持っているホオズキがほんの少し重くなっていくんだ。 ぼくは持っていた水を飲み、ホオズキにも一口分掛けてあげる。 きみが何度も行きたがった海はもうすぐだよ。 夏の空よりも青い水平線を見て、きみは今も大はしゃぎするのかな。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 12/08/2026駄文 日焼けして小麦色だった部分もそうでない部分も、薬疹で一気に真っ赤になった。 炎症が落ち着いてくると、落屑が始まる。 最初に二の腕と胴と太腿が粉を吹き、太腿だけは粉が面のシール状に剥がれたからわかる。剥がれた薄皮は透明でも白でもなく、薄い茶色だった。色素沈着した肌ってこんな色になるらしい。 落屑開始から数日経った今、二の腕を見ると、小麦色の肌に鳥肌様ようにポツポツと白く色抜けしたドット柄になっている。 地肌は炎症後の色素沈着した肌の色で、白抜けは真っ先に炎症を乗り越え、やっとこさ正常に戻った皮膚が出てきているってこと? 赤だの、茶色だの、白ドットだの、忙しいこと。 010
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 11/08/2026駄文 「おもしれー女」とは、物語で俺様系男がヒロインに興味を惹かれた際によく言う台詞だけど、今の私は「おもしれー体」と思っている。 薬疹を全身に発症するとなると、体自体も大混乱しているのだろう。 一見、薬疹とは関係なさそうな変化が全身の至る所で生じるものらしい。 全身から粉が吹いたり、薄皮がシールのように捲れるのは薬疹の終盤の症状なのだろうが、ヘアブラシに汚れがすぐ付いたり(炎症でボロボロになった頭皮の角質がターンオーバーで剥がれた)、抜け毛が増えたり、髪質が以前よりもしっとり柔らか艶々になったり、指先が乾燥してふやけやすかったり。 毎日何かしらあるし、少しずつ元に戻りつつあるこの奇妙さ。 010
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 11/08/2026ビニール袋に薄力粉七〇g、きな粉三〇g、塩は気持ち多めのひとつまみ、砂糖は二十ご…… 「手が滑った」 入れ過ぎた、砂糖三〇g。 袋の口を縛ってシャカシャカ振る。 粉が均一に混ざったら口を開け、油――太白胡麻油はない、サラダ油大さじ二を回しかけ、そぼろ状になるまで掌で生地を擦り合わせながら混ぜる。 次はヨーグルトを大体大さじ二。これは生地の硬さを見ながら適量。生地をたたむように混ぜる。 「あ、入れ過ぎた」 生地が緩い。 平らに均して好きな大きさにカットして、一七〇度のオーブントースターで焼く。 庫内の余熱もクッキーも冷めるまで放置して完成。 ガチガチに硬いきな粉クッキーの出来上がり。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 10/08/2026駄文(痛・汚要素あり) 薬疹の主犯を初めて飲んでから半月が経過した。 薬の飲み始め数時間から数日で全身炎上(炎症)焼け野原。 人間、ここまで急降下で体中の肌が襤褸になるものらしい。 数年間、全身の皮膚が爛れ、象皮のように肥厚し、爪先が触れるだけで傷付き、汁と粉をふくような襤褸皮で過ごした過去がある身としては、黒歴史の再来に震え上がる憂鬱な夏である。 落屑期の今は体の七割、色素沈着した表皮が粉だったり、ゆで卵の膜もしくは某密林の荷物に貼られた伝票の薄いシール面みたく剥がれて、文字通り脱皮中だ。 短期間でよくもまあコロコロと変化する。 本人の罷り知らぬ所で、今も体はフル稼働してる。 010
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 08/08/2026駄文 肌が発赤し、あちこちチリチリ痒くて、鳥肌みたいな丘疹や湿疹が出たり、浸出液が染み出ちゃったり、腫れたり、臭ったり。 薬に体がびっくりして、体内大炎上。アレルギー源の薬が数日かけて排出されても、その後も体の末端に向かって延焼するなんて、本当に厄介。 私の中に怪獣が侵入して火を噴きながら大暴れ、免疫防衛軍も大混乱してたんだろうな。痒くて眠れやしねえ。 皮膚はバリアを失ってボロボロの砂漠状態。石鹸も化粧水も薬も染みる始末。 なのに、気付いたら炎症のピークは越え、赤みと腫れは引き、色素沈着し、全身の皮がボロボロ剥がれてくなんてね。 人体って不思議で、変で、大変だ。 110
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 06/08/2026短篇集『混沌から星屑を拾う』 ncode.syosetu.com/n5779je/ 本日更新しました。 『瘡蓋をひたすら剥がす』 ※一部というか今回は鬱要素満載の作品が7本でございます。 ncode.syosetu.com/n5779je/96 ブルスカに投稿したショートショートを加筆編集して、基本7本をまとめているのですが、今回は精神状態ドン底なときに書いた本当にどうしようもない駄文を省いたのですが、それでもやっぱり暗いし、抽象的なお話が集まっちゃいましたね。ncode.syosetu.com 010
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 03/08/2026駄文 暑い場所、空調の風を直に受けたとき、驚いたとき、全身をまるでさざ波のようにチリチリとした痛痒さが広がる。 懐かしくも思い出したくもなかった記憶の再現。 暑気で免疫と自律神経がイカれている自覚はあった。 暑気ですっかり参った体調を立て直すべく薬を服用したところ、全身に紅斑と掻痒感と湿疹に襲われる。 遠い日、ロクに眠れず気が狂うほど悩まされた掻痒感と滲出液の臭いに再び相見えるなんて、笑い種にもなりやしない。 一ヶ月丸々、己を呪い続けた効果が、痛苦の極みたる病床の再現で、元に戻るまでまだ暫くこの状態が続くなんて、酷い夏だなぁ。 010
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 26/07/2026他人が作ってくれたごはんはとても有り難いし、おいしいと思うんだ。 ただ、心も体も不安定なときは自分の作るごはんが一番安心できると知った。 素材をテキトーに取り出して、何を作るか考える。献立を思いつかなくても取り敢えず切っていく。 今なら汁物がいい、煮物が食べたい、酸味のあるもの、苦いもの、ご飯、麺類……自分の心身と相談しながら調理する。 途中でふと手を止めて、何となくここまで調理したけど、後はどうしようかと思考してもいい。だって、誰かのためでなく、自分のために作ってるから。好みの気兼ねはいらないし、味つえの塩梅も自分の好みでいいもの。 そうしてできるごはんがつらいわけがないよ。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 23/07/2026『内なる自分と向き合いなさい』と年長者は説く。 『そうすれば、貴方は自分を救える』と続いた。 炎天下を歩いていたら思い出したので、内なる自分とやらに声を掛けることにする。初めてだから上手くいくかどうか。 「やあ」 (……) 「今日はすこぶる暑いね」 (ええ) 「今からベーカリーに行くけど、何にしようね?」 (明太フランスとレモンクリームパンとベリーデニッシュ。コーヒーも忘れずに) 内なる自分と食の趣味がすこぶる合う。 (とても暑いから帰りにパフェを食べましょう) いい提案だ、すごく。 ただ、この内なる自分とやらは単なる欲求と何が違うのか。公園の木陰でデニッシュを頬張りながら首を傾げる。 011
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 23/07/2026夏の鮮魚コーナーでイワシを見たら、移動手段、後の予定、献立等でうーむと迷い、諦めきれなければ、カゴに入れて慌ててレジに向かうんだ。何せ、イワシは足が速い。傷むまでに疾走よ、イワシも私も。 夏らしく酢〆にしたい。茗荷をのせたら、冷酒と本当によく合う。 でも、夕方に買って鮮度が気になるし、保冷剤と氷で温度管理したとて徒歩で持ち帰るんだもの。ならば、蒲焼きにしましょう。 イワシは手開き、合わせ調味料は醤油、砂糖、味醂、料理酒、あとは酢を入れる。 イワシのギトギトの脂には、酢のさっぱり感とコクが合う。バテ気味の夏は特にいい仕事をしてくれる。 夏のイワシは傷みやすいのに美味すぎて、なんて罪なヤツ。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 20/07/2026#キミウチ(仮) あなたの潔さは美徳だと、優柔不断な自分はいつも感心させられる。 でもね……ですがね、カンカン照りで、見事なまでに雲一つない青空の下、布面積の少ない、露出度の極めて高い服を着るのは自分、流石に心配です。火傷してしまいそう。 人の多い待ち合わせ場所で自分を見つけて、諸手を挙げて飛び跳ねるのも、心臓に悪い。通り過ぎる男性の何人が、貴方の小麦色の肌を凝視したと思ってんです? 暑いのならば布を減らそうってあなたの潔さに、自分は直射日光よりも熱い、妬ける思いに茹だってしまいそうになる。 日除けに薄手のパーカーを着てきてよかったと、それを脱ぎながらあなたの下へ駆け寄った。 100
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 19/07/2026「〇メートル先、右折」だとか「この先、左から二番目の車線に入る」とか、スマホに指示されながら運転する。 この道が本当に最短ルートなのか、もっと運転しやすい道はないのかとか、超弩級の方向音痴な私にはどうでもやくて。言われるがままに走り、遭難せずに目的地に着けさえすれば御の字なのさ。 前のスマホはGPSがお粗末だったから、私はずっと海か隣町にいたものね。 今のスマホだってちょっと残念なヤツだけど、GPSだけはマシらしい。今更ながらに初めて使ったナビゲーションで、初めての道をちょっとした冒険気分で駆け抜けるのがこんなに楽しいとは知らなんだ。 おかげで、ずっと探していたパン屋さんも見つかったしね。 010
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 19/07/2026パン屋さんには抗えない魅力があるのは何故なのか。 一軒目のパン屋さんは全粒粉を使ったパン、特にバケットやドライフルーツ、ナッツを練り込んだハード系のパンが堪らなくおいしそう。 二軒目のパン屋さんはドイツのパンが並んでる。 有名どころから初めて名を聞くものまで、どれもこれも卑怯なまでに美味しそうすぎて、パンケースの前で唸ってた。 プレッツェルを買う。 だって、見事なまでに艶やかな、ムラのない焼き色とパックリとヒビ割れることで見える中の白さのコントラストとアクセントの塩粒に誘われたもの。 噛み締めたら絶対にうまいやつ。 ありがとう。無限に噛み締めながら味わうよ、いただきます。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 19/07/2026七月快晴。 蓮池を観に、仏様のお膝元を歩く。 途中、昔ながらの素朴なドーナツで知られたお店を見つけ、貼り出されたお品書きを拝見。 おはぎがある。魅力的。 かき氷も惹かれる。しかも、イマドキ三百円?! のれんを潜り、真っ先に見えたのは短冊に書かれたお品書きと完売の文字。 「今あるのはドーナツだけだよ。うちはね、朝七時には売り切れちゃう」 短冊を剥がしながら告げるご主人からドーナツを一袋買い、やれやれと歩き出したところで呼び止められた。 「暑いから飲みながら歩きな」 渡されたのはキンキンに冷えたラムネ。汗掻いた空色の瓶の中、ビー玉がカランと涼しげに鳴く。 ご店主の心遣いに歩みも軽くなる。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 18/07/2026駄文 シュレディンガーと胡蝶之夢。 あってないようであるようなないような。現実か夢か。 光と闇。善と悪。天と地。混沌と秩序。主観と客観。両極。二元。 空。色即是空。 記憶は塗り替えられる。 真実と正解は人の数だけある。 ややこしいことを考えなさる。 あなたがそれで何かを悟り、過去や未来の線でない、現在=たった今という点を確固たるものとして感じて、立っていられるのならば、ややこしいことに意味はあろうよ。 あなたが無駄と仰る思考に囚われる私は、けれども、それでも思考の海を漂い続け、時に溺れるんだろう。 この思考という混沌から星屑を拾うために。 私が浚った星屑を無駄とは決して言わせない。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 18/07/2026駄文 貴方を救えるのは貴方自身。 深層心理にいる自身を見つけ出して語りかけ、優しくしてあげて。 思考という名のエゴは、自身を痛めつける性質が強いから、思考に取り憑かれないこと。 他に囚われないこと、己のみを見ること。 人生という路を行く、己という名の乗り物の操縦を他に委ねないこと。 なんて、ややこしい難題を矢継ぎ早に挙げ連ねるのだろうね。 僧に成る気も悟りを開くつもりもないんだ。 不器用で超弩級の方向音痴の私では、御講説を実践しようったって一歩目を踏み違えるし、勘違いして道を違えてしまいそう。 端的にこう言やぁいいのさ。 自分の倫理の正解も模範解答も、他の人では知り得ないんだよって。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 16/07/2026駄文 見えないし、日頃は意識もしない、けれど生きている限り命綱は加減される。 私の命綱は今、何本あるんだろう? 数えられないからわからない。 でも、断たれたときはわかる。 一本目は引き千切られた。 二本目は断ち切られた。 三本目は噛み切られた。 四本目は捻じ切られた。 一日に四本の命綱がいっぺんに役立たずになり、何もかもがどうでもよくなった。 その翌日から自らで命綱を剃刀で梳いたり、熱で焼き切っている。 あと、何本の命綱が残ってるんだろう。煩わしい。 捨ておいた命綱を見た人が、ひとつ私の頭を叩き、細いけど丈夫な、呪いに近い命綱を一本繋いでいった。 繋ぎ留められた。まだいないといけないのか。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 16/07/2026#一次創作小説 短編集『混沌から星屑を拾う』 更新しました。 ncode.syosetu.com/n5779je/ 『夏と夜』 ※一部、不快な表現がありますので閲覧の際はご注意を 夏と夜(あと、前半は目が絡む)話を多めにまとめております。 ncode.syosetu.com/n5779je/95 当短篇集はブルスカで公開した短文を加筆修正してまとめているのですが、当章では都合により(主に駄文を)カットさせていただきました。ご了承ください。ncode.syosetu.com 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 12/07/2026駄文 ずっと。ずーっと、私は毒の海辺を裸足で歩いてる。 調子の良いときは浜辺に落ちてるシーグラスや貝殻なんて宝物を探してるけど、常に波のスレスレを歩いてるんだ。 どこに向かっているのかわからない。波から遠ざかろうとしても寄ってくるから、ため息をついて仕方なく波打ち際を歩く。 時期により潮は満ちるし、横殴りの風や砂利に足を取られてよろけて波に足を突っ込むこともある。 毒なんだ、この海。だから、触れると痛いし、すぐさま体の芯まで侵食する。 膝が折れ、崩れ落ち、蹲り、呻き、海の中へ倒れ、とことん苦しむ。潮が引くまで苦しむ。ずっと。 こんな苦痛、理解できない方がいい。 私だけ苦しみゃいいんだ。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 12/07/2026駄文 室温が今夏最高気温を更新することはわかっていた。だから、いっそのこと余計に暑い場所で有意義な時間を過ごしてやろう。 日がモロに当たる灼熱のベランダ。床も壁も黒ずみが気になっていた。 水を張ったバケツとデッキブラシと使い古しの歯ブラシを手に、床に這いつくばり、壁に張り付き、丹念に磨く。 水は気持ちよく、偶に吹く風は暑さと疲れを一瞬だけ忘れさせる。 しゃがんで作業すると何ともないのに、立ち上がるとたちまち目眩がする不思議。水と熱中症対策飲料を少しずつ飲む。 昼食も摂らず二時間半。しまった。掃除前の写真を撮るべきだったけど、少しはキレイになったと思う。有意義有意義。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 10/07/2026駄文 ギリギリと絞るような胃の痛みで蹲ってからというもの、胃が食べ物をうっすら拒むようになった。お粥とやわらかいうどんとクタクタに煮た野菜とほぐした鶏のスープの世話になること一週間。その間、別件で熱中症に二度罹った。 ガタガタの精神でハメを外して自棄酒をして、唐揚げと焼鳥を食べたら、胃腸はまた元通り、食事をやんわりボイコットするようになった。またやわらかいうどんからやり直す。 精神と臓腑が連携しているようで、その実、まったく噛み合ってない。涙が勝手に出て困る。 半月で二.六キロ減。頬が痩け、肋が浮き、腹はへこんだ。 なにもかも自業自得。漬けたばかりの梅酒も残りわずか。 愚かすぎて嗤う。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 10/07/2026駄文 焼けたバルコニーに面した、西日の入る部屋は、夏になると朝から晩までサウナのよう。 摂氏三十度は当たり前のこの部屋で、私は"お高いらしい"エアコンも意図的につけず、扇風機と濡れタオルを命綱に過ごしてる。 昨日、西窓の片面にだけ貼った遮熱シートは役をしているのかわからないけれど、網戸よりは部屋に日陰を薄く作ってくれていた。 まったく、複層ガラスでなかったら、もう少しマシな暑気対策もできように。 暑い部屋。一昨年の夏、別の部屋にいた時は同じ、エアコンのない三十度超えの部屋でも、北向きだからもう少し日陰だったのに。 だから、うん、私は暑い部屋でいいや。もうこのままで。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 10/07/2026駄文 つまんないことで躓いて、派手に転んで立てなくて。 焼けたアスファルトを這うような心地で、嗚咽を漏らし、ベソを掻き、蹲り、まだ立てはしないけど、上体を起こすことはできたのか。 目の周りは涙で焼け、鼻の下は赤く擦れて、アスファルトで酷く擦れた手首はやっとカサブタになっていた。 気付けば、庭のブルーベリーの実が色付いている。 あれは実だけでなく茎まで染まらないと甘くならないのに、わりと大雑把な母は、鳥に盗られてなるものかと未熟なものまで収穫してた。 母らしいと、本当に久し振りに笑う。 ガラス鍋に実と砂糖とレモン果汁を雑に入れてレンジで加熱したジャムは、私の灰色の視界に鮮やかに映える。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 10/07/2026駄文 ああ、そうだ。毎年、もう少し早い時季の、雨上がりの蒸し暑い日だったから油断していた。 夏の夜、玄関扉の窓越しに見る大衆。 透ける羽根を優雅に舞わせ、番求めて光溢れる社交場に集う若き蟻たちの大群。 明るい窓、門灯、街灯、自動販売機に有象無象で群がる彼らは今まで一体どこに潜んでいたのやら。 なんて嫌な風物詩。 殺虫剤を手に、ドアノブに手を掛け、構えの体勢。ヨーイドン! で狭い隙間から滑るように外へ出て、慌ててドアを閉め、殺虫剤を撒く。 ほうきで片付けつつ来訪者を観察。寸胴でなく、くびれがある。ひとまず安心、シロアリでなくクロアリだ。 人も虫も、ウジャウジャと群がるのはよしてほしい。 010
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 08/07/2026駄文 病院にいた。一時間ちょっと前まで。 病院の駐車場で泣いたのも覚えてる。その後、どうしたんだっけ。気付けば、よく見知った海がフロントガラスに映ってた。 荒波だってるのは、潮が満ちてきているからか。沖は深い青緑なのに、岸辺は濁って、海藻やゴミが寄ってる。私の心みたいだ。 突然墓参りに来た私に、その下で眠る祖母は驚いたろうか。 数珠もないのに長々と、七月の強烈な紫外線を日傘で凌ぎながら祖母に語り続け、線香が尽きたから海に向かう。 潮騒が聞きたかった。墓の前と祖母宅の前、二ヶ所の潮騒を波飛沫を浴びながら録音し、帰った。 エンドレスで潮騒を聴く今、目はまだ涙で沁みている。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 03/07/2026駄文 深夜零時半、家を抜け出す。 真夜中の散歩は一年と三ヶ月ぶり……いや、夜散歩の長さもその目的地がコンビニなのも初めてだ。 前にいた所は最寄り店は車の距離だし、夜中に動くのは病院からの呼び出しだったし。 二十円引きの焼鳥二本とナゲット。 これも久し振り。鳥嫌いのせいで焼鳥なんてあまり食卓に出せないもの。 夜風が涼しい。雨のにおいが少しする。 焼鳥は冷たく、ナゲットはしょっぱい。 ずっとモヤモヤしていた胸の内が、ほんのちょっとだけスッと軽くなった。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 02/07/2026駄文 漬けてひと月も経たぬ梅酒を開けたのは、思考を混濁させ、あわよくば意識を落とせたらと望んだからだ。 私の漬ける梅酒は毎年、酸味をしっかりと感じるのだが、今年は特に酸っぱく尖っていた。 原因なんてわかっている。封を切るのはまだまだ早すぎるだけ。 それでも飲み干したい気分だった。 アミグダリンだろうがアルコールだろうが、私を潰せるものがあるのならば、潰してほしい。 自分がよかれと思ってした行為も思考も人格も周りの人間に揃って否定され、『俺が、俺が!』と常に自分語りをする者にまで『自分のことしか考えていない』と非難されて怒鳴られれば、この脳を潰したくもなる。 いっそ壊れりゃいいのだ。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 30/06/2026#一次創作小説 #作品紹介 『ひとりじゃなくふたり』 ncode.syosetu.com/n6529ik/ 本日更新しました。 『ホットケーキで憧れを語ったっていいじゃない 前編』 わりとサブタイトルまま。今回は朝に弱い『兄貴』の挙動不審っぷりが見所でございます。 ncode.syosetu.com/n6529ik/53ncode.syosetu.com 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 29/06/2026駄文 二十年、ずっと私はひとりで戦ってきた――そう告げたらばきっと、あなたがたは鼻で笑ってこう返すだろう。 ――何と戦ったというのだ。 ――お前よりも過酷な境遇に身を置いたり、大変な目に遭っている人はゴマンといるのに。 20年という時の中、何を理解したというのか、『何もせずにいてやっただろう』というあなたがたは知らないはずだ。 私が常に"死"と隣り合わせであったことに。 安穏を装っても、ふとした瞬間、死に脅され、脅かされて泣き、抗い、折れて己の心を精神を自らズタズタにしようとも、それでも戦い続けていていたことをあなたがたに隠し続けたのだから、だからわからないままでいられるのだ。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 27/06/2026駄文 自分がしてきた世話なんて、本当に最低限なものだった。 あちらはいなくなる直前まで自分の身のまわりのことはできていたし、できることはしなければ居ても立ってもいられない人だったから、私は楽をできた。 ……度を越す世話焼きと価値観、衛生観念の違い、あちらの無神経さにはほとほと悩まされたし、健康を考えるとどうしても口煩くなったり、一度の喧嘩が長引くなど、まあ色々あったけれど。 私はここにいる意味はあるのかと、何度も苦悩し、まだやれることはあるのではないかと、ずっと考えていた。 満足いくまでしたとしても、結局、『何もできなかった』と悔やむのだろう。 私はまだ、お墓の前で泣いている。 110
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 19/06/2026#キミウチ(仮) ● キミが動かない。両手で顔を覆って俯いて、かれこれ三十秒ほどそのままだ。 「クスミくん、大丈夫かい」 ついさっき、キミが尊敬する作家の孫だと明かしたクラスメートのみさきちが、死んでんのかってくらい動かないキミを心配そうに窺う。いや、オメーのせいだわ。 「世間は狭い」だの「なんで、お会いした時に気付かなかったんだ」だの「どんな顔してお店を訪ねればいいんだ」だのと隣からブツブツと呟きが聞こえる。完全に自分の世界に没入してんじゃん。 カラーリング知らずの黒髪の隙間、チラと覗くキミの耳は赤くて、ちょっとジェラシー。 キミさあ、作家センセーのこと、ウチより好きなワケぇ? 110
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 17/06/2026#小説 夢の中、貴方は息を引き取った。 昨日も、一昨日も、先週も、先月も、半年前も、昨年も、何年も前も、ずっと。 この世で貴方が息を引き取ったのはずっと昔のことなのに、私の夢では数え切れないほどの数、命を終えるのだ。 過去と同様に寿命の蝋燭が尽きるように眠ることもあれば、目前で唐突に逝くときもある、報せを受けることもあった。 私はいずれの終末も見届けるのみだ。 貴方を失う夢を見るのは……見せられるのはどうしてなのか。 私に伝えたいことがあるのか、実際に貴方は何処かの世界でそうなってしまった事実を知らされたのか。何ひとつわからない。 それでも私は今日も明日も、貴方の輪廻の旅を見続けるのだろう。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 14/06/2026何と言っていいのやら。 この数年から特に昨年の間はまったく筆が進まず、それどころか気の赴くままに書いていた二次創作作品も読み返したところ、まったく面白くなかったため、pixivにあった二次創作を全て非公開にしました。 一次創作はどうなんでしょうね。 後の自分が作品を読み返して失望したら、ほぼほぼを非公開にする可能性が高いです。 需要があるのか定かでないのは昔から変わらずですが、それでも創作を続けていたのは、自分には書くことが必要不可欠だったから。ですが、その自分さえもが失望したのなら、書き続ける意味はあるのかと自問すると、否になってしまいます。 創作の幕に手を掛けている状態です。 000
三山千日 @tokito3ym1oook.bsky.social · 10/06/2026小説 飴なんてただの砂糖の塊。香料と酸味料で誤魔化した味などただの虚ろだと、侮っていたこともある。……否、今もその評価は変わらない。本物を除いては。 赤い丸缶から取り出し、掌にコロリ転がす飴玉は、角の取れた三角錐で、赤く艶々と照りがある。 舌に載せれば、溶けた先から滋味深い甘さとよく練られた香ばしい風味が広がり、不思議とぬくもりを感じた。まるで、麦芽の飴や甘藷を味わっているよう。 他の飴はすぐに噛み砕くのに、これだけは誤魔化しのない純朴な味わいをいつまでも楽しみたくて、最後のひとひらが溶けて消えるまで静かに味わってしまうんだ。 これはあなたが教えてくれた本物。だから大事に食すんだ。 000