電車を降りて駅を出ると、真っ直ぐ緩やかに伸びる下り坂の突き当たりに海が見える。
建物と建物の間に、太陽を反射してキラキラした青が広がっていて、その上を船が通り白線を引いていた。見惚れているうちに、白線はすぐに青に飲まれて消えた。
毎年来ているが、駅を出た後はいつも胸を打たれる。
物語が生まれそうな方角である緩やかな下り坂に背を向けて、逆方向の緩やかな登り坂を歩き、橋を渡って電車の線路を跨ぎました。線路沿いを歩きたかったのです。
線路沿いには桜が咲いています。
誰かを見送ったり、誰かを出迎えたりする時に、走る電車の脇で咲いている桜です。
この桜の方が重たい物語を持ってそうだ。
#写真