藤丸がふと目を覚ますと、そこは真っ暗な闇の中だった。上下も左右も無いようで、しかし足の裏はしっかり地面についている。冷たい空気が足元をひやりと流れて、自覚すると寒さにぶるりと背筋が震え上がった。前後の記憶が定かでない。なぜこんなところにいるのかどうしても思い出せない。しかしこの状況にはあまりにも既視感がある。レムレムの達人である藤丸は、多分これは夢だと雑なあたりを付けた。なら、きっと来てくれるであろう迎えには何人か心当たりがある。あとはこのままここで迎えが来るまで待つかどうかだが、正解はどちらだろう? と考えたところでふくらはぎをふわっとした毛並みが撫でて思わず「うわっ」と声が出る。