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端正な芸風そのままに〜『風まかせ十二カ月』|吉本 俊二
◆柳家三三著『風まかせ十二カ月 柳家三三の落語つれづれ』 出版社:岩波書店 発売時期:2026年3月 私が東京都民だった頃、寄席にハマっていた一時期がありました。1900年代のことです。当時、柳家三三はまだ前座で小多けを名乗っていたと記憶します。開口一番で何席か聴いたのですが、これという印象は残っていません。 しかしその後の進境は周知のとおり。真打になってから実演に接していないのは何とも申し訳ないかぎりですが、落語好きの友人知人からは三三の名を聞く機会も多く、本書を手に取ってみました。 一読して、良くも悪しくも優等生的という読後感。上方芸人のように文章でも強引に笑いを取りにいくと