鈴木いづみ『女と女の世の中』(ハヤカワ文庫)読了。刊行は1978年。SFマガジンに掲載されていた頃は正直あまりおもしろいと思わなかったが、久しぶりに読んで、こんなふうだったなとだんだん思い出してきた。SFというよりは、ある種の奇妙な味の小説という感じがする。
著作よりもその壮絶な人生の方が話題に上がる気がするが、作品そのものは割ととっつきやすく読みやすい印象。開高健と同じで良くも悪くも当時の社会が持つジェンダー性に囚われているが、今読むとそれが的確に批判的な文脈で読めるのが大したものだ。無理にSFとしての体裁に拘らなくても、自由に書くほうがおもしろい人だと思う。表題作は特に好かった。