サミュエル様は肉体に執着がない。
サミュエル様は噂という概念そのものが本体で
肉体はさほど重要じゃないのだそうだ。
だから…だから護衛の俺を庇って肉体を簡単に捨てていく。
わかってる、すぐに新しい肉体のサミュエル様が来ることなんて。
でも、肉体も服も血溜まりも返り血さえも煙となって
最初から存在しなかったように消えていく光景は酷く残酷で恐い。
そんな事があった日は決まって…サミュエル様が死ぬ夢を見る。
新しい肉体が得られなかったら…もし、死体が煙にならなかったら。
自分が、自分を、自分を庇ったせいで…サミュエル様が、し、死んで…しまったら……!
そんな、どんな悪夢よりも恐ろしい夢を見てしまう