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猫田に小判 (B)

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2005年開業の陶磁器金継ぎ修理店「ほん陶」店主のアカウント。ツイッターのB面的位置付。 X : twitter.com/nekotanikoban note : note.com/kintsugi_hontou 個人ブログ : nekotani.lix.jp

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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 5h
キトサン漆の水没テスト第二弾は24時間で全部浮いた。2つは完全剥離ではないが、明らかにガラスと漆の界面に水が入り込んで塗膜がボコボコになっている感じだ。赤丸を付けた本命が完全剥離しているのを見た時は、若干、ショックであったが、前回、キトサン漆は水没に耐えられなさそうだという事は分かっていたので仕方がない。 これではっきりしたのは、酸性水にキトサンが残留しない量を入れて綺麗に溶かすと、キトサン漆にした時に耐水没性は低下するという事だ。漆はガラスに密着しない。キトサンを綺麗に溶解させて漆と化学結合させると、漆の性質が強く出るという事なのだろう。まいどまいど学びは多い。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 5h
山科砥の粉の販売中止に伴い、自分に何か出来るかなぁと考えて、陶芸フィールドからのアプローチなら可能かもしれないということで、久しぶりにnoteを書く事にした。 最初は片っ端から粉と漆を混ぜてテストしようかと思ったが、気が遠くなる分量だし、noteに纏められそうにないので、大学の時にやったゼーゲル式から原料推定するやつの方が効率的だなと気付き、久しぶりに大学の頃に使った本を出してきて読んだら単位が全然変わっていて焦った。 記事は早く書けたが、AIにレビューをしたら難解過ぎるとビシバシ校正され、AIとの問答で時間を溶かした。AIも良し悪しだ。 note.com/kintsugi_hon...
note.com
案外 書かれない金継ぎの話 Spinoff 26 錆漆の可能性|HONTOU Koba
昨今は様々な理由により、これまで使ってきた原料の入手が難しくなってきています。金継ぎで使う原料も、こうした流れの中にあります。 そこで今回は、欠けや亀裂の充填に使う錆漆の原料について考えてみたいと思います。本編第17回で、錆漆は一般的に用いられる漆芸材料以外でも作れると書きましたので、その検証も行います。 粘度の単位 液体を特徴づけるものの1つに「流れにくさ」があり、これを粘性と言います。 ...
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 13/10/2026
向こうで伝統を意見すると有象無象の遊具対象になってしまうようなので、こっちに書こうと思う。 伝統は漠然とした概念で定義が無い。変わらないもの、変えてはいけないものという見解が恐らく大多数で、だから老害と言われたりもする。 では変化が無いのかというと、そんな事は無く、時代と共に変化をする。金継ぎも歴史を調べれば、名前や必要性は時代により変化し続けてきた。 個人的には、現在よりゆっくりとした時空間に存在し、変化に時間を要する、変化の揺れが小さいものが伝統だと思う。だから立脚点を見返して確認しながら変化する事が求められる。 大きな変化にはそれ相当の確認が必要になるが、それが無いものを現代的と言う。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 09/10/2026
キトサン漆の水没第一弾は、60時間を経過して全て非定着状態になった。 最初の頃に五里霧中でやったバージョンという前提はあるにせよ、キトサンに界面の侵水を阻害する機能は無さそうだ。40時間までは定着を確認しているから、同じ六員環糖の糊漆や麦漆と比べると浸食が遅いのは確かだと言える。(糊漆やデンプンを除去していない麦漆は24時間以内に非定着状態になる。) ウルシオールの架橋で構造が強化されており、フィルムとしての耐水強度は明らかに高いので、機械的結合が効く木材や陶器においては、接着強度に寄与すると予想出来る。陶器ピースは通常環境でしっかりと接着している。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 08/10/2026
山科の砥の粉の生産終了で漆芸の砥の粉が消えると思って騒ぐ人には閉口するが、需要が一点集中していたから、山科産が使えなくなる漆芸家の方たちの心労は想像に難くない。 だが、こと金継ぎに於いては悲観的になる必要は全くない。少なくとも金継ぎの用途であれば砥の粉の代替はいくらでもある。これまで私が使っている陶芸用粉体は全て漆と混ぜて試した。結論は、木節か蛙目の粘土を添加すれば何でも大丈夫。陶芸原料は粗粒が多いので、摺ったり篩ったりする手間はあるが、長石、硅石、陶石、シャモットなど珪酸質粉体と粘土の調合で可塑性も硬度も研磨性も良好な錆になる。 有るもので何とか凌ぐ、それが修理の本義というものだ。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 07/10/2026
キトサン漆の水没40時間、予想外に結果が良好なものがある。キトサンとカテコールの結合に耐水性がある事は、ムラサキガイやキトサン接着剤の論文で知ってはいたが、それが漆のカテコールでも有効というのは、正直、信じていなかった。一番右のピースは剥離寸前なので、絶対的な耐水性を持つというわけではなく、配合比によるところが大きいとは思うが、そこまでの結果が出るとは思っていなかった。詰めていけば配合比も分かるだろう。 ただ、木材には良いと思うが、陶磁器に使用できるかどうかとなると保水率が高く乾燥工程が面倒なので、まだ汎用として書ける段階ではないと考えている。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 07/10/2026
器を割って金継ぎをする行為に対し、古田織部がやっていたからという発言をする人がいる。 だが、調べた限り、そうした話は織部没後90年を過ぎ、18世紀に入ってから『茶話指月集』『藩翰譜』『源流茶話』といった書物に登場し、織部所持の書付で十文字茶碗が世に出たのは1727年である。 実は、17世紀の書物では、織部が歪んだ茶道具を好んで使ったという記述は多いが、道具を意図して欠き継いで使ったという内容は全く見当たらない。 織部の実像がほぼ分からなくなった頃に何らかのマーケット操作があったと感じずにはいられないが、そこは置くとして、個人的に織部のこうした欠き継ぎ話は極めて信憑性の低いものと考えている。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 05/10/2026
キトサンはデンプンと同じ六員環糖に分類される。従って漆と混ぜたものは糊漆に似ている。タンパク質漆のような粘りは無いが、脱水によって固くなる。違うのは、漆と化学的結合をしないデンプンに対し、キトサンは結合して3次元の網目構造を構築する。 見方によってはキトサンはデンプンの上位互換と言える(あくまで剛性という点においてだが)。そこで気付いたのは低粘性の鉱物粉で錆漆を作る際に利用される糊漆の代替。試しに砥の粉と混ぜてみたら、高湿度でなくても2日程で硬化し研磨もできる。砥の粉とキトサンなので水を付けると吸水はするが崩れる事はない。 だから即代替出来るとは言えないが、何かのヒントにはなりそうな気がする。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 03/10/2026
キトサン漆接着剤は強接着力を有する事は分かったが、他と比較して今のところ明らかな優位性は無く、プロ志向と判断しnoteに書くには至っていない。 有効比率は確定したので、一応、こちらに書き残しておく(重量比)。 キトサン溶液(水100:醸造酢10:キトサン粉末10) キトサン漆(キトサン溶液20:生漆10) 混合は、暗色になるまで撹拌した生漆にキトサン溶液を少量ずつ添加・混練する。キトサン溶液は20を超えると物体固定の有効粘性が発現するが、開始には時間が掛かる。添加が早過ぎ、練りが足りない等で粘性が低下する。 キトサン溶液に生漆を添加すると漆が散逸して粘性が発現せず、硬化不良も起こす。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 30/09/2026
漆は塗膜表層の酵素がウルシオールをラジカル→キノン体に変える。キノン体は液中の含窒素物(糖タンパク)と結合しながら他のウルシオールを連鎖的にラジカル化し、それによって重合が塗膜内部まで進んでいく。これが最近の漆の初期硬化の理論だ。 実際に、春慶塗用の加油やキトサン漆の調合をやってみて、それは間違いなかろうと思っている。特に生漆は、添加物の混入前に空練りでキノンを増やしておくと、その後のゲル化や硬化の進みは早い。漆に添加物を入れる時は、励起の進度が非常に重要という事だ。 『クロメ』は水分を減らす作業という解説は見るが、それ以上に漆の反応性を上げるという意味合いが実は大きいのかもしれない。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 26/09/2026
キトサン漆を作っていると、どうしてもキトサン水溶液が余る。勿体ないので100均の無塗装スプーンやヘラに塗ったりしているのだが、キトサン水溶液は漆と混ぜなくても堅牢で可撓性の高い下地塗膜を作る事が出来たりする。1回の下地塗りで木地は殆ど漆を吸わなくなる。しかもキトサンは透明度が非常に高い。飛騨春慶塗は透明度や堅牢性で大豆の豆下地を使うそうだが、それ以上のポテンシャルがあると感じる。 私は修理屋で現代漆芸家が持つ漆に対するポリシーは希薄なので、安全性や堅牢さが担保されるならコストや表現の目的で漆以外の下地を使うのはアリだろうと考えている。その点でキトサン水溶液は極めて将来性のある下地剤だと思う。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 23/09/2026
100均で買った竹の無塗装使い捨てスプーンに拭き漆をしてヨーグルトスプーンに使おうと思っている。 普通に生漆を塗るだけでは面白くないので、春慶塗りの油が浮くヒントが分かるかも知れないとスーパーで買ったアマニ油を生漆と混ぜて使うことにした。最初は全く塗膜が固まらず原因も分からなかったが、要するにアマニ油と生漆を混ぜるタイミングの問題だと気付く。ウルシオールのカテコールには強力な抗酸化作用があり、いきなりアマニ油と混ぜると硬化を阻害する。先に生漆を練って酵素でカテコールの抗酸化力を落としてからアマニ油と混ぜると塗膜は硬化するようになる。 油が浮く問題も、それと関連があるのかもしれない。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 20/09/2026
以前から合成うるしの金継ぎは漆と別物と思っており、実際、最終的に漆の金継ぎを目指すなら最初から漆でやった方が良いと言っている。だが、合成うるしを金継ぎの導入と考える風潮は大きく、私自身も金継ぎを知ったのはそっちなので全面否定は出来ないが、結果としては遠回りだったように感じている。 先日、ダイソーで500円の『漆器』と書かれた器を見付けた。材料はナツメと漆だけ(顔料の記載なしは気になるが…)なので、表記通りだと思うが、正直、天然漆を使ったとしても、これを漆器と呼ぶか迷う代物であった。漆芸家は初めて漆器を使う人に、これを導入として勧めるだろうか? 合成うるしの金継ぎの件と同じ違和感を感じた。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 14/09/2026
最近は漆にキトサンを混ぜている。塗料強化としてキトサンを用いた研究があるので、漆に混ぜる事自体は何か効果があると思われる。 塗料と接着剤は界面で作用する高分子という点では全く同じだが、塗料の主体は保護であり耐候性や美観という表面が設計思想に組み込まれるのに対し、接着剤の主体は極性や凝集性という物質密着に全振りされているため同じ添加物でも添加法や量が微妙に違ってくる。 キトサンが漆の接着剤用添加剤としても使える事は分かっているが、今のところ卵白漆やカゼイン漆にはない優位性は見付からない。もし優位性が確認出来ればnoteに書こうと思っているが、果たしてどうなるのか自分でもよく分からない。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 06/09/2026
ドラマを見て漆の扱いがおかしいと笑う事は誰にでも出来る。だが、そこで思考停止した人が多いのは実に寂しい。 漆の安全性は現代の法律による枠組みであり、更に今の金継ぎ作業は麦漆を前提とした時間感覚によるもので、継物師が居た頃と現代の作業が同じと考えるのは逆におかしい。今ほど安全を優先せず、更に違う材料の技術を使ったとしたら、昔の漆直しは今よりもずっと短期修理だったかもしれないと考える事は、むしろ失なわれた修理の再発見になる可能性すらある。 事実、特定の金属イオンと接触させたアミノ基やチオール基を有する動物性タンパク質を添加すると、漆は1時間掛からずに凝集し、器物は形状を保つ事が分かっている。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 29/08/2026
能登震災以降顕著になった、金継ぎ師という人々がクラウドファンディングで器物修理代を集めるという風潮。出資者をどうこう言うつもりはないが、お金を集めようとする人々の方には、何かモヤモヤした感がある。 器を直したい持ち主の気持ちは理解できる。それを何とかしたいというのも分かる。需要と供給に何の矛盾もないので間違いなく成立する構造なのだが、それをクラウドファンディングという耳障りの良い活動支援募金で解決するというのは、どうしても安定給料で仕事がしたいという単なる金継ぎ師の甘えのような感じがしてならない。一見して善良な活動だけに強く言えないが、成立させてはいけないファンドのような気がしている。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 25/08/2026
「案外 書かれない金継ぎの話」は難しすぎて分からないと言われることがある。説明が下手というのもあるが、敢えて難しくし書いたのではなく、世のハウツー本とは違うコンセプトだからという理由が大きいと思う。 世にあるハウツー本は、成功譚のビジネス書と同じで、こうすれば上手くいく、失敗しないという点を強調する。 だが、元来、結果というのは状況や運に左右され、短絡的な知識では限界がある。なので私のnoteは当初から上手くいくための方法ではなく、失敗した時の原因や、より的確な方法を模索する時のヒントを見付けられるよう、原理的な事に重きを置いた。その結果、どうしても話が難しくなってしまうのは致し方ないと思う。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 25/08/2026
モノリグノールは酵素重合でリグニンになりセルロースと共に樹木の骨格を作る。このモノリグノールを酵素が透過しない特殊膜で酵素有りと無しに分けた容器に入れると、酵素の無い側も重合する事が分かっている。つまり酵素活性したモノリグノールは、何らかの方法で不活なモノリグノールを活性化させる。 酵素活性したウルシオールも液中の糖タンパクを介して活性伝播が起こる事は知られている。 最近分かったのは、サランラップ密閉したカゼイン漆は硬化しないが、少し卵白漆を足して(混ぜずに)サランラップで密閉すると、カゼイン漆も卵白漆と同じ弾性ゲルになる。卵白漆は何らかの方法でカゼイン漆を活性化しゲル化が進むと思われる。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 16/08/2026
某◯ムラ氏が禅と金継ぎについて長文を書いているというので読んでみたが1ピコ秒も心が動かず。漆や金継ぎを思慮している自慢を回りくどい説明で煙に巻いた非常に薄い内容である。 博識ぶってはいるが「空気中の水分と反応して硬化する」や「傷口から滲み出た樹液—それが生漆(きうるし)」など、漆に無関心なのが露呈している。水分ではなく酸素、生漆ではなく荒味漆は、基礎中の基礎だ。以前から、金継ぎに関心がある人か、利用したいだけの人かを判断するにはテクニカルな部分をみれば分かると言っているが、多分に漏れず。 漆や金継ぎに興味関心を持ち始めた人を、自慢話で洗脳して引っ掻き回すのは良い加減に止めてほしいと思っている。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 11/08/2026
今の金継ぎが麦漆を大した考えもなしに使っている事は十中八九当たっているだろうし、江戸時代中期以降も、稀に膠漆を使うことはあっても、大抵は漆器づくりの片手間として余った糊漆や麦漆を金継ぎに流用したであろう事は想像に難くない。 だが、では何故、漆器に糊漆や麦漆を使う習慣が残ったのか?というのは前から疑問だった。接着技術史という本を読んでいて気付いたのは、書物や木工具は補修して使うものという前提があったという点。つまり接合部が劣化した際、比較的簡便に水や熱で分解が可能なものとして、米や小麦のデンプンが選ばれたという事。 と考えると実は金継ぎも、いずれ再補修する前提で漆器の糊が使われたのかもしれない。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 03/08/2026
金継ぎというのは、無個性に価値や個性を与えるものではなく、既に選ばれた個としての価値を延命するための修理だというのは、ちょいちょい言っていると思うが、金継ぎをする人間はどうも自分の価値を金継ぎに転嫁したがる癖があるように思う。 例えば、時間を掛けて丁寧に直した器に対し、他の人が、なんて無個性な直し方だ、これでは直した意味がないと言って上からグリッターの絵の具をベタベタと塗り、やっと個性的になったと喜んでいたら、直した人はあまりいい気はしないと思う。金継ぎで価値が出たというのは、それと同じだ。 器というのは人に選ばれた時点で十分に一点物としての価値を持つ。金継ぎはそれを継続させる選択に過ぎない。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 29/07/2026
漆の湿度信仰は意外に根深く、いまだに水分が漆を固めると思っている人は多いようだ。湿度の高低が硬化の早さに影響するのは事実なので、水で固まると考える気持ちは分からなくもない。しかし、湿度は場の安定化の要素で硬化自体には直接は関わらない。 硬化は酵素がウルシオールの電子を奪う事に始まるが、酵素が全てのウルシオールから電子を奪うのではなく、1つの励起をきっかけに非水溶性タンパク質を介して他のウルシオールに電子不足が伝達する事で重合は加速する。更に酸素が直接、側鎖の二重結合を励起したり結合して高分子化が進む、というのが大まかな硬化のしくみだ。 これが分かっていないと、胎と工法の関係も理解できない。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 24/07/2026
ムール貝のタンパク質の接着力が凄いのは前から知っていたが、あらためて研究論文をいくつか読んでみて、カテコールの奥深さと同時に、柿渋が何故ガラスに密着しないのかも薄っすらと分かった。 柿渋は水酸基の結合を水分子から守る構造を持たない。これは何となく想像が付く。 それと、ベンゼン環に付いている水酸基の位置も、どうやら大きい。柿渋の場合、漆のような横並び2つではなく、一つ飛ばしで2つ付くもの、横並びで3つ付くものがある。一つ飛ばしは接着力を持たず、3つの場合は2つが接着し1つが余る。余った水酸基のプロトンが外れてカルボニル基になると接着力を落とす原因になる。 恐らく、そういう事だと思う。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 22/07/2026
むこうに書くと変に注目されたり、AIの解説を送ってくる人とか、スパムDMが増えたりするので、こっちだけに書く。 柿渋を2週間、卵白漆を3週間養生させて水没させても、やはり24時間以内の剥離は起こる。柿渋は1日、7日、14日で試したが養生期間との関連性は無いと思われるので、柿渋の官能基がガラスのシラノールとは反応を起こさない、あるいは水素結合しても水の極性の強さ以下なのは間違いないと思う。陶器だと状況が変わるのは、官能基の反応ではなく単に柿渋の浸透による機械的結合が生漆よりも上という事なのだろう。 柿渋は露出した官能基を多く有するが、卵白漆よりも結合しないというのはかなり興味深い。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 15/07/2026
noteの酵素解説は月に1ビュー以下という不人気ログだ。理由は内容が難しいからだが、ステラシアニンとか、酵素で酸化されたウルシオールは何故複雑な結合をするのかとか、実は少しずつ書き足していたりする進化系ログでもあったりする。 シュレーディンガーの猫を出すまでもなく認知されないものの存在は有無が等価だったりするので、酵素解説ログも世間的には箱の中の猫みたいなものだが、箱の中でちゃくちゃくと成長はしている(と思う。) ステラシアニンやウルシオールの結合は主題とはあまり関係がないので、詳細は書かずに読み飛ばせる長さだが、少なくとも金継ぎ解説でそこまで書いてあるのはこのログだけという自負はある。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 11/07/2026
炎上するパターンというのは大抵決まっていて、白黒付けたい人間が集まり、ひと騒ぎして散っていくだけで、関わった人間の理解が深まる事は殆ど無い。 金継ぎが炎上する場合は、漆=安全、エポキシ=危険という判断が意見の大半を占める。だが、漆も剥落や溶出に問題のある工法ならば安全ではないし、溶出基準値以下ならエポキシを使う事に法的な問題はない。 根本的な危険は「材料を扱う人間の無知」による。安全基準をどこに置き、その基準内で何をやるかを明示して、他者が判断できるようにすれば解決する話なのだが、金継ぎでは環境だ文化だという文言でそうした事を曖昧にする事が横行している。本来はそこを問題視しないといけない。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 08/07/2026
在日外国人の方々のYoutubeを見ていて、同じ民族や宗教であっても変だと思ったら自らそれを言わないと、集団は暴走するし世間の勘違いも止まらないという話をしていて非常に腑に落ちるものがあった。 自分は正義感が強いとは思わないし、むしろ全ての物事は一度疑問視するスタンスなので正義自体にも懐疑的ではあるけれど、それでも直感的に良い方向性ではないな、と思う事はある。 仕事柄、金継ぎに関する情報は出来るだけ見るようにしているが、ここのところ訪日外国人向けの金継ぎ体験の酷さは目に余るものがあると思う。金継ぎで日本理解を広めるという建前の詐欺に近い内容は、金継ぎ修理屋として問題があると声を出したい。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 01/07/2026
技法的な話はさておき、漆とはどういうものかを説明する場合、実はリグニンの知識が極めて重要だということを最近になって理解した。正直、非常に恥ずかしい話であるが、事実だから受け入れるしか無い。このところネットでリグニンに関する解説や論文を読んでいるが、今まで漆の説明でモヤっと感じていた酵素やウルシオールについての疑問点の殆どはリグニンで研究済みだったと知った。要するに学ぶ順番が逆って事だ。リグニンとウルシオールは違う構造式ではあるが、硬化反応自体は基本的に同じものと言っていい。要するに世のウルシオールの説明は、リグニンを知っている前提ありきなのだ。それを知らないからモヤっとするという事だ。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 26/06/2026
ウルシオールの酸化による架橋が水没しても耐性を獲得するには3週間以上の養生が必要そうだというのは分かったが、3週間が何を意味するのか理解出来ず調べていたら、樹木のリグニンもまた硬化に同期間を要するらしいと分かる。どちらも同じベンゼン環を持つから関連はあるのだろう。 調べている途中で、たまたまリグニンからウルシオールを生成する研究というのを知る。漆以外の植物からウルシオールを生成できる可能性も凄いが、個人的には伐採したウルシから更に漆が取れる、つまり漆200gの法則を覆す可能性として、もっとこの研究は評価されていいと感じている。 www.jst.go.jp/alca/archive...
jst.go.jp
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 24/06/2026
コンセプトは良い事している感じだけど、何かモヤモヤするのは何故だろうと考えていて、発端が『高付加価値な「金継ぎ」』という部分かなと気付く。 元来は、約束事の中で成立した物質に付随する見識や歴史という価値が有り、その価値の継続性が途絶えてしまうことを回避するための手段として金継ぎは有るわけで、総合的に「全ての価値が維持される」という事が金継ぎの価値に繋がるのではないかと思う。 元が無くて、金継ぎだから高付加価値というのは余りにも短絡的というか眉唾的で、結果として金継ぎの価値を落としているのではないだろうか。まぁ、これに限らず世界的にそういう傾向はあるから今更なのかもしれないけれども。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 23/06/2026
個人的に食器に使えない修理剤を使った切り貼り陶磁器は金色工作だと思っているが、それを金継ぎと呼んで楽しむ事を否定するつもりはない。 ただ、話を聞くところによると、食器に使えない修理剤を使えると思い込んでワークショップを開くところが増えている状況は困ったものだと思う。たちが悪いのは、修理剤に勝手な名前を付けて安全なものと思わせたり、修了証を出すのが割と横行しているようで、そうして簡易的な方法を教わった人間が新たにワークショップを立ち上げるので、修理剤に関する知識が完全に誤認または消失している状況は少なくない。 料理教室の先生が開催したりもするそうで、食の安全を預かる身として正直どうかと思う。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 20/06/2026
少し観念的な話をする。今や金継ぎは独立したモノとして奉られる傾向にあるが、元来、修理に絶対的な枠や定義は存在しない。 物質が存在し、その物質が形状や機能を維持するために行う延命処置を修理と言う。つまり、物質の種類や機能の数だけ修理もまた幾重に存在するし、時には既存の方法では無理という結論を下すことも必要になる。 金継ぎで何かを直すとは、まず、対象物をよく分析し、そこから最適解を導く手順を考える事が全てだ。感情に訴える言い方をすると、物に寄り添うという思考が無いと修理にはならない。 だが今の金継ぎは、物を接着し金色に染めるという枠組みに執着し、対象を知るという根本が抜け落ちているように見える。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 18/06/2026
ガラス用漆の養生期間は3週間以上というのは各店で共通した内容だ。 前から、シランカップリング剤がガラスのシラノールをシロキサンにする化学反応は瞬時だから1時間もあれば終わるはずだし、ウルシオールとの結合も塗膜硬化時間以上にはならないから48時間もあれば十分なはずで、じゃぁ何故3週間なのかと不思議だった。 スライドガラスに接着用漆(生漆)を塗って水没させるテストをしていて分かったのは、1週間養生の塗膜はどうやっても24時間水没で反って剥離するが3週間になると反りが減る。つまり、どんな漆であってもウルシオールの塗膜は分子の安定に3週間は必要という事。 だからガラス用漆も3週間養生なのだろう。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 11/06/2026
朝、柿渋水没テストについて書いたが、水没29時間で結果に少し変化があったので改めて書き直す。 カゼイン漆はカゼイン量に関わらず、めくれと剥離が起きておりスライドガラスに密着している箇所は殆ど無く、剥がれている。 卵白漆は周辺に浮きは出ているが、めくれるほどの剥離は起こさず。卵白の量による違いも目視では感じられない。 卵白塗膜に生漆を塗ったものは、卵白層の水分溶解による凝集破壊の浮き上がりが一部に見られる。注目すべきは、卵白層は米、小麦、カゼインよりも遥かに浸水が遅く、また塗膜を押し付けると脱水してフィルム化し密着する。卵白漆の耐水性の高さはこうした特徴によるものと考えられる。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 10/06/2026
スライドガラスに柿渋を薄塗りした後、カゼイン漆と卵白漆を塗ると、カゼイン漆は明らかに硬化が早くなるようだ。理由がよく分からなかったが、恐らくカテキンのタンパク質収れん作用によるものではないかと思われる。下層の作用が表層まで及ぶとは考えにくいのだが、早まるのは事実なので上下層で何らかの関連が出るとするのが無難ではないかと思う。 ガラスの場合は、密着性も含めて、この早さがメリットなのかはもう少し考えないといけないが、少なくとも投錨効果の効く陶磁器においては、柿渋の先塗りが硬化促進剤として有用となる可能性は高いと思われる。 卵白漆では促進効果は無いので、タンパク質によって違うのは面白い。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 09/06/2026
陶磁器という材は、分かりやすく言えば多種の混ぜ物(粘土が主だが)が入ったガラスだと言っても間違いではない。鉱物粒子を繋いで形状を保つ役割をしているものが溶融長石、つまりガラス類似物になる。釉薬は長石や珪石が主体でほぼガラスと言っても良い。 従って、元来、金継ぎはガラスを接着、装飾するための漆芸分野と考えるべきものなのだが、なまじ断面の凹凸がガラスよりも強いため、木材と同じ機械的結合、つまり化学よりも物理による解決策が主流となってしまっている。だから陶磁器を削りたがる人間が多い。 修理は異なる材料の手法を無理に使うものではなく、対象材料に最適な技術を見付ける事だという原点を見失ってはいけない。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 07/06/2026
最近、体の調子が良くないので、テスト結果はこまめに出しておくことにした。というわけで、確度としては55%くらいの話になる。 ・ ガラスにあるシラノール基は柿渋のポリフェノールと強い水素結合をする。つまり柿渋はガラスと良く密着する。これは証明済事項なので確度100% ・ 柿渋と卵白もタンパク質の収れん効果で結合する。これも確度100% ・ 従って、ガラスに柿渋を薄塗りした後に卵白漆を塗布すれば、柿渋がカップリングとして働きガラスと漆層を繋げられるはず。これは確度55% で、実際に試したところ、明らかにカゼイン漆よりも卵白漆はガラスに密着する。卵白の展開が強いほどこの傾向も強いらしい。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 04/06/2026
以前に陶芸講座で作った作品は金継ぎ保証をしており、その際に食衛法で使用可の樹脂を使うことにしていると言ったのだが、少し前から漆直しに移行することにした。 変性卵白漆の接着と、柿渋錆漆を使えば、粉蒔きまで2週間で作業自体は終わると分かり、作業期間が大差ないなら無理に合成樹脂を使うことも無いし、他の修理で漆を出した時ついでに作業可というメリットもある。 勿論、食衛法樹脂は48時間で完固するが、漆の養生時間はもっと長い。だが、金属層の漆が固化すれば取り敢えず返却は可能だし、その後は自宅養生をしてもらい、その待ち時間も漆の働きを想像しながら楽しんでもらう方が良いのではないかと思ったりしている。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 02/06/2026
ハイドロフォビンは諦めた…。新鮮なキノコを毎日買う手間と財力と、食わずに捨てる良心の呵責が限界という事もあるのだが、根本的にハイドロフォビンの効果であることを素人テストで判断するのは難し過ぎる。キノコ自体は古代から有ったはずだが、昔の人がキノコを漆に活用しようとしなかったのも、たぶん似た理由だろうという気がする。 ただ、ハイドロフォビンは諦めたにせよ、方向性としては何か掴めそうなので、何か代替物があるのではと探していて気付いたのが柿渋。だいぶ前に買って放置していたものが、よもや、此処で復活という流れになるとは。結果が出るかも未定なので、一応、柿渋でテストしている事だけは言っておく。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 31/05/2026
漆接着剤や錆漆の改良で作業効率化する話をマッドサイエンティスト思考と勘違いする人が居るのだが、本意は技術改良で漆直しを大衆化することにある。 テクノロジーやイノベーションは大なり小なり特権階級だけの文化を大衆化させることに寄与してきた。大衆文化とはそうした事の繰り返しにより形成されてきたわけだが、こと漆直しについては物流以外は特権階級の仕組みと全く変化がない。なので、漆芸家の多くは合成樹脂や合成うるしの使用をイノベーションと思い込んだ。その結果が金継ぎの大勘違いと暴走だ。 漆は、漆の技術改良の上で大衆化しないと意味がない。そのための漆接着剤や錆漆の改良なのだが、そこがどうも理解されない。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 30/05/2026
変性卵白漆が生み出す薄層接着の佇まいは、実用強度に問題がなければ、もうこれで十分じゃないか、金継ぎがどうこうと要らぬ解釈を付けた金や銀の余計な加飾は邪魔にしかならないのでは、何ならこの上に漆で線を引くこと自体が、もう世界観を壊す事ではあるまいか、と思えるほど個人的には美しい接着跡に感じる。利休が求めた一切の無駄を省くために苦心した侘びの世界、茶の湯が内包する直しというのは、こういう景色だったのではないかという想像すらしてしまう。少し過剰に持ち上げ過ぎなのは分かっているが、それでも私はこの佇まいを侘継ぎと呼びたい。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 28/05/2026
YouTube動画で日本在住の日本通の外国の方が、金継ぎは技術なのに海外で概念として語られるのはおかしいという話をしていて結構感動した。 概念変換とは、言い換えればディテールの包括と消去を意味する。 仮に金継ぎが概念変換出来るなら、その基礎となる漆芸もまた概念化が可能なはずだが、漆芸を概念として語る話はまず聞かない。理由は明確で、漆芸は技術と歴史というディテールの集合が全てであり概念化は不要だから。金継ぎも全く同様なのだが、何故か概念変換された上に、ディテールも知らずに語るので内容が薄っぺらいことこの上なく、しかもそれが真髄であるかの如くマウンティングの道具に使われる現状は実に悲しい。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 26/05/2026
ハイドロフォビンは菌糸体の表面、主に傘に多く存在する(と言われている)。なので、傘にアルコールを付けて採取可能と予想して、いろいろ試してはいるのだが、何しろ肉眼で確認することが出来ない微細なものだけに、漆と混ぜた時の結果で判断するしかない。 しかし、何分にも漆とハイドロフォビンを混ぜたという前例がないので、どういう挙動であればハイドロフォビンの影響なのか、皆目見当がつかない。スーパーで買えるキノコは全て試したが、キノコによっても結果が変わるので、他の成分の影響の方が大きい事は十分に考えられる。 そして、何よりも使ったキノコを食わずに破棄しないといけない良心の呵責が大きくなってきている。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 23/05/2026
実験室以外でシメジからハイドロフォビンを採取した人間は恐らく皆無だからAIの考えた「水に入れてシェイクし発生した泡を採取する」というのは当然失敗。AIは前例の無い事は基本嘘しか言わない。シェイクの時点でシメジが崩壊、濾した液は成分混合で泡すら立たない。仕方なくググって論文を探したら、アルコール類には溶け出すらしい。無水エタノールはタンパク質分解を起こすので消毒用エタノールにシメジを漬けてみたが、見た目には分からず。少し皿に出してエタノールを8割がた揮発させて生漆と混ぜてみたら、生漆の硬化がやたら早くなった。俄に信じ難いが、ハイドロフォビンが漆の硬化の補助をしている可能性も無くはない。のか?
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 21/05/2026
これまでは絞漆という伝統ありきでいろいろなものを漆と混ぜていたが、ハイドロフォビンは伝統に存在しない未知の領域のため、まず、どんな食材から採取できるのかという段階からよく分からない。 取り敢えずググってみるが、ハイドロフォビン自体の研究はあれど、専門過ぎて分からない上に塗料と混ぜる実用的な話は皆無。仕方なくAIに聞くと個々に全く違う事を言うのだが、ふと、AI同士で話をさせたらどうかと思い、私が仲介してチャッピーとGeminiとクロードでやってみたら、結構良い話し合いになってブナシメジを水に入れてシェイクし発生した泡を採取するという結論に。AIで鼎談させるという筋道はアリかもしれない。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 18/05/2026
漆を強力な接着剤にするためには、デンプンを排除の他に、カップリング効果を生む両親媒性材料を添加するのがキモでは、と気付き、チャッピーに両親媒性を持つタンパク質を聞いたところ絞漆で用いられる材料が列挙され、やっぱりなぁと。 しかし、その中で1つだけ異質なものがあった。界面活性が非常に高い特殊タンパク質「ハイドロフォビン」。天然タンパクでは最上位クラスの両親媒性と書かれているが、これは伝統材料には含まれない。 調べたら菌類が胞子を出す時に増えるもので、キノコの傘の裏のヒダに多いが簡単に分離は出来ないらしい。何とか入手できないかと更に調べたらエノキパウダーというのを見付けたので購入を決意した。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 16/05/2026
データ集めの時間は長短あれど、書こうと決めたら3日もあれば書けていたのだが、今回は時間が掛かった。 乾酪漆はカゼイン漆の論文があったので接着剤になる確信はあったが、卵白は正直、書き終わった今も半信半疑である。これは書いている最中からずっとで、テストした限り間違いなく強度、耐水性ともに良好なのだが、本当に接着剤になったのか、それを理解してもらえる説明が書けるのかで何度か心が折れた。 公開も迷ったが最終的にはnoteAIの興味深いという言葉で腹を括った。 案外 書かれない金継ぎの話 Spinoff 25 変性卵白漆~複合タンパク質を使った接着剤 note.com/kintsugi_hon...
note.com
案外 書かれない金継ぎの話 Spinoff 25 変性卵白漆~複合タンパク質を使った接着剤|HONTOU Koba
漆芸の変り塗という伝統技法で用いられる絞漆は、漆に粘性調整材を加えて粘度を高めた装飾用の特殊塗料です。 『案外 書かれない金継ぎの話』では、この粘性調整材を接着のための要素として捉え直し、Spinoff 7ではカッテージチーズ(ミルクカゼイン)で作る乾酪漆という漆接着剤として紹介しました。 今回は、粘性調整材に卵白を使った漆接着剤を紹介したいと思います。なお、卵白を使った漆接着剤は私的に考案したも...
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 13/05/2026
金継ぎで錆漆を作る時の加水は砥の粉が軽く湿る程度と説明するものが殆どだ。しかし理由は案外書かれない。「堅地と本堅地の違いは加水の有無で、加水しないほうが固くなる」という漆芸解説本を読んだ記憶があり、実際にやると大差ないが、プロが言うんだからそんなものだろうと個人的には思っていた。 しかし、砥の粉の飽和加水で分かったのは、加水量は錆漆の硬化の早さに比例するという事。器の欠けで試したが、やはり加水した方が芯までの硬化が早い。 つまり、錆漆の加水は硬度ではなく硬化速度の調整であり、粉体と漆の比率が同じであれば、加水量で硬化速度を調整して良いという事だ。目安だが粉体重量の半分までは加水して問題ない。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 13/05/2026
漆と卵白を混ぜると何故、陶磁器を強力に接着するのか?もしかしたら擬似的シランカップリング剤として機能しているからでは?と閃く。 当然、シラン剤は低分子で有機と無機を化学結合させる物質であり、卵白は高分子でシラン剤のような性質は持っていない。だが疑似共通項はあるかもしれない。そして卵白タンパク質の両親媒性ではないかと気付いた。 卵白がガラスに密着する理由は、双方の親水基が水素結合をするから。ウルシオールにも親水基は有るが酵素により数が減って疎水性が強くなる。この時、卵白の両新媒性がウルシオールの架橋構造に親水基を組み込み、ガラスの親水基と結合する疑似シランカップリングが発生すると推測している。
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猫田に小判 (B) @nekotanikoban.bsky.social · 12/05/2026
何かをするときに、言われた通りの事をするのは「出来た」であっても「理解した」にはならない。言われた事以外をした時にどういう結果を生じるかを知っていることが、理解したという事になるのではないかと思う。 適切な錆漆の混合比を決めるため、水の量を変えて砥の粉と混ぜてテストをする事はしてきたが、常に加水上限は砥の粉の可塑性が残る状態を目安としてきた。今回、その上限超えの加水テストをしてみて、可塑性上限を超えて加水すると錆漆の硬化は早くなるという事に気付いた。 錆漆についてはこれ以上出来ることは無いと思っていたが、それは慢心であった。私は錆漆を作ることは出来ても、理解はしていなかったと痛く反省した。
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