「生きろ」との言葉だけ置いて先立った主の命に背くことができず生き続ける忍の夢枕に立つ愛おしい面影
その人は夜毎穏やかに笑んで「早くこちらへ来い、共に行こう」と誘う
「そうだね、そうできるならそうしたい
ーーでもね、まだそちらには行けない」
忍はその夢が己の弱さの見せるものだと知っていた
楽になりたいがために、あの人が自分のためにと遺した言葉を蔑ろにはできない
それがどれほど甘美な誘惑でも、それを跳ね除ける度どれほど胸が軋んで悲鳴を上げても
「だから、もうちょっとだけ待っててね」
そうして忍びはまた今宵も叶えられぬ願いの夢を見る
蝶は輪廻転生の象徴でしたな〜というあれ