上村剛『権力分立論の誕生』。難しいが、面白い。
権力分立論がいかに生まれたのか。植民地を含むブリテン帝国が成立した1763年当時、イングランド本国では混合政体論が前提。しかし、植民地においては混合政体や政体そのものが自明ではなかったことから、ブリテン人たちは腐敗と暴力沙汰が頻発するフロンティアで理想の政体を求めて権力分立論が発展した。その際、たびたび参照されたのがモンテスキュー『法の精神』。イングランド国制讃美のテクストから権力分立論のテクストへと変貌。受容側のさまざまな思惑や偶然から、歴史的なモンテスキューの姿が明らかになる。