興奮で息を切らしながらその素晴らしい絵について語って聞かせると、そう母は吐き捨てた。
曰く、卑しい下等民族の出でありながら、その若い肉体でもって父に取り入り、妾の座を得た魔性の女だと。
それはおよそ幼い息子に語る内容ではなかったが、私は幼いなりに理解した…彼女のことは二度と口にしてはならないと。
あの儚げな女性に、魔性という言葉ほど似合わぬものもないと思ったりもした。
好色な父のこと、きっと彼女の心すら顧みずに無理やり手中に収めたのであろう。
この頃には私は、すでに父への信頼というものが皆無であったから、まあ母の言葉もそれほど衝撃ではなかったのである。