子供の健やかな成長を祝う日。彼女は柏餅を5つ取って、頬張るように口へ運んだ。前世よりも小さな足をプラプラと揺らしながら、「美味いぞ、杉元」とご満悦の表情を浮かべる彼女へ込み上げる庇護欲と、性欲。結ばれなければ良かった、と。いつもと同じ後悔が腹の中を満たす。
例えば夫婦になる前の、黄金を追いかけ血煙に薄汚れていた頃の自分は決して、相棒に女としての役割を求めなかった。それが当たり前であったのに、今はどうだ。自分は幼い彼女に、妻としての面影を重ねている。『この果実は甘い』と知ってしまった舌の根が、まだ青い柿の実を見上げてはじくじくと唾液をもらすかのように。餓鬼が憑いた自分は彼女に女の肉を求むのだ。