#不明不隠
(それにしても…ステイの悲劇は他の否定者に比べると比較的軽い目。普段否定能力の発現は犠牲を伴う。否定者となった人は必ず何かを失う。それこそ死にたいほどの絶望を味わうことになる。ステイは強い精神で運良く耐え抜けてきただけ?そうかもしれないけど、何かが引っかかる…何かが…あるのか?ボクが知っている何か…)
安野雲は目を閉じ、必死で自分の記憶を遡った。
(……あ!)
そして何かを察したかのように再び目を開き、気付いた事実に震えた。
(そうか…!)
安野雲はそのまま少し離れたところに景色を楽しんでいるステイの背中を見た。
(彼女の悲劇は…彼女の本当の悲劇は…
…ここからなんだ…)
(6話)