いつもは綺麗に割られるスコーンが、今日は大きく半分にされてふた口で消えていく。指先についたジャムやクリームも当たり前のように舐めとって。チキンや野菜がたっぷり挟まれたサンドイッチも大きく口を開けて、ごくんと飲み込んで。喉仏が大きく動いてコーヒーが流れていく。小さく焼かれたショコラもひとくちで。
……どうしよう。顔が熱いのを止められない。だって音二郎さんに教えられたから。「男の食べかたは床の様子と同じ」だって。華のある笑みで、いたずらっぽく。
八雲さんは夜の時も紳士で優しい。……けど。もしも。唇を舐める舌がちらりと赤い。……あ、目が合った。色違いの瞳は獲物を前にした獣のようにギラリと光っていた。