RRR @kanakawakanak.bsky.social · 08/10/2026大島清昭先生 最凶の心霊実験 『最恐の幽霊屋敷』の続編。 茨城県T市の研究学園都市、九十九大学で語られている開かずの教室と白衣姿の霊の噂の調査を中心に、視点を変えつつ過去に遡って行く構成。 少しずつ真相が明かされていくのが楽しいのだけど、それ以上に大島先生の容赦なさが嬉しい。ホラーってこうじゃなきゃなって思わせてくれる様な、読んでいて高揚してくる作品でした。 架空の民俗学の論考本が出てくるのだけど、それを読むのも普通に面白くて良かった。言ってしまえばフィクションの中のフィクションなのに論考の形をとっているからやけにリアルなのが可笑しくなる。こういう遊び心が大島先生の大きな魅力の一つです。 0100
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 29/09/2026浅野いにお先生 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 完結したら読もうと思っていて、ようやく読めた。 浅野作品全般に言えるんだけど、この清濁併せ持つ日常観が好きです。 惰性で続いている関係性とか、悲観と楽観を繰り返しとか。心当たりがあり過ぎて些細な会話シーンが刺さる。 本作のSF要素も現実の心当たりを取っ掛かりにしているからか、すんなりと入ってくる。侵略者の襲来を何かに置き換えるだけで現実性を帯びてしまう事には少し危機感を覚えつつも終末を望む門出の様な不謹慎な感情も湧いてしまうな。 どうしようもない世界だからこそ貴方は私の絶対だと言える門出とおんたんの関係性が尊いと思えます。 0100
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 28/09/2026大島清昭先生 最恐の幽霊屋敷 物語を通して怪異による死者数が尋常じゃない。今まで読んだホラーの中で1番人が死んでるかも。ここまで振り切ってるといっそ清々しく思えてくるほどです。 死んでるものが生きてるものに適うわけないみたいな理論を持ち出す作品はあるけれど、それがここまで通じないのはもはや笑える。大島先生って本当に怪異とか好きなんだろうな。 本著には本格ミステリの要素もあるのだけれど、それ以上に怪異の存在が目立つから、解決編の理論立てた推理すら粗末なものに思えてしまう。 それは人間の矮小さ、現実の危うさを浮き彫りにする構図そのものであり、まさに最恐のホラーと言えそうです。 090
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 24/09/2026澤村伊智先生 さえづちの眼 audibleで。本著は3つの短編集で構成されていて、そのどれもが短編とは思えない程重厚で最高でした。ホラーだけど怖いより嬉しいが勝っちゃう。 『母と』は澤村先生の本領と言える親と子に関する作品。え?っとなる展開もあり、凄まじい完成度です。 『あの日の光は今も』はホラーであり、ミステリでもあるこれまた澤村先生らしい作品。ずうのめ人形に登場するキャラが出てくるのですが、聴いたの昔すぎて全然繋がらなかった。 表題作の『さえづちの眼』は民俗学が好きな人は嬉しいと思います。ホラーの部分も予想してたよりずっと最悪な真相があったのが良かった。 0110
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 18/09/2026アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー イラストをシライシユウコ先生が描いていて、好きな作家も多かったので買って読みました。やっぱり百合とSFって相性良すぎる。 宮澤伊織先生の『キミノスケープ』は突然生物が全て消え去った世界を、自分以外の誰かの痕跡を追って旅するという浪漫と、広い世界にたった1人きりという途方も無い孤独の両方に思いを馳せられて良かった。 伴名練先生の『彼岸花』は百合ジャンルが持つ妖艶さと蠱惑的な魅力にフォーカスした先生らしい作品でした。 所々に古めかしい話し言葉に似合わない造語が出てくるのも遊び心を感じて楽しい。嗜血機関と書いてヘマトフィリア・エンジンと読むの最高。 0151
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 12/09/2026まどマギの映画観ました。叛逆の続きが観れるというだけでも幸せです。作ってくれて本当にありがとうございます。 でも正直な感想なんですけどごめんなさい、よく分かんなかった!考察したい人は喜びそうだなぁって思いながら観てました。 絵は綺麗だし、キャラクターは可愛いし、戦闘描写も派手で楽しいんだけど、話について行けなかった。続けてもう一回観たくなりました。 それでも魔法少女達それぞれがみんな必死で頑張ってるからもうそれだけで泣けたし、大まかな展開としては熱いし観て良かった〜って思える映画だった。 なぎさが特に良かったな〜てかこんなキャラだったとは知らなかったので一気に好きなった。 080
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 10/09/2026ハン・ガン 斎藤真理子訳 すべての、白いものたちの 詩の様な、エッセイの様な。今まで読んだ中だと『地の糧』とか『書を捨てよ』が近いかも。 美しく繊細な言葉遣いの文章に、哀愁と安寧を感じる。白の色スケールから派生するあらゆる白のイメージが思い浮かんできます。 主人公は姉、兄が生き続けていたなら、自分は生まれてこなかったと語る。 これってどんな事にも通ずるかもな。 今ある世界が代理表象の可能性はあるわけで。今自分が生きているのも、誰かの喪失があったからかもしれないし。 でも作者は存在は代理し得ると書いています。上手く説明出来ないので、読んでみて欲しい。 一つの救済になり得ると思います。 0130
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 09/09/2026澤村伊智先生 ぜんしゅの跫 audibleで。比嘉姉妹シリーズは何故か途中で配信が止まっていたのだけど急にまた配信され出したので嬉しいです。 本作は短編集でした。 『鏡』はまさに比嘉姉妹シリーズらしい残酷さのホラー。久しぶりに聴いたから澤村先生の容赦のなさにくらってしまった。『ぼぎわんが、来る』から繋がる嫌な話でした。 『鬼のうみたりければ』は単体の話としては1番好きでした。澤村先生は、人怖と怪異系との絶妙なバランス感覚が最高なんですよね〜 『ぜんしゅの跫』はこのシリーズで最も見たいと思ってたタイプの話でした。非現実的な人達の日常が垣間見える話ってそれだけで嬉しくなりますよね。 090
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 08/09/2026夕木春央先生 楽園 『方舟』『十戒』と読んできた人なら絶対に持つであろう先入観やメタ思考さえ織り込み済みと言わんばかりの構成は流石としか言いようがないです。 先生からの読者サービスの面もあるんじゃないかと受け取りました。 ネタバレになるから具体的には書けませんが、終わり方が特に良かったです。 こんな感じで終わる作品好きなんですよね〜読み終えた人が共感してくれたら嬉しいです。 楽園という言葉の甘美な響き、その性質が持つ魔性。読み終えたなら本著のタイトルは楽園以外考えられないと、改めて思う作品です。 0100
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 29/08/2026朱喜哲先生 100分de名著 偶然性・アイロニー・連帯 初めて100de名著手に取ったけどめちゃくちゃ分かりやすくて楽しかった。 原作を試しに読んだ時は何言ってるのか全く理解出来なかったので。 タイトルの一見バラバラな単語の繋がりを理解した時の気持ち良さは推理小説にも劣らないカタルシスがあります。 あと虐殺の文法についての記述が良かった。こういう小難しい解説書の中で好きな作品について語られるのは、それだけで嬉しいので。 本著には全てを鵜呑みには出来ないにしても大切にしたい考え方が多く書かれている。本質主義の危険性なんかはなるほどと思わされたし、文学の力についての解説には希望も感じました。 0133
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 20/08/2026秋吉理香子先生 聖母 audibleで聴きました。 幼児殺害を扱ったミステリなので結構胸くそ悪くなるけど面白かった。 ギミック自体は途中で気付けた。 でもあと少し、細部までは繋がらなかったな。おしい。 自分の子供のためにどれ程の事が出来るのか考えさせられる話だった。 子供のためなら自分は修羅になれるのか。危害を受けた子供を前に、自分は加害者に何もしない事を選べるのか。 そういう答えの出せそうもない問いと、現実で直面するかもしれないという恐怖が湧き上がってきた。 0100
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 20/08/2026南條範夫先生 駿河城御前試合 シグルイの原作小説。 と言いつつシグルイでじっくり描かれた藤木と伊良子の半生は、本著の11試合の内の1試合でしかない。 ここからあそこまで物語を膨らませた山口先生の凄さを改めて感じる。 短編集であり、全ての話がシグルイと同様に、手練れの侍同士が如何にして真剣による殺し合いをするにまで至ったのかが書かれている。そして全ての試合が一瞬で片が付く所も同じ。 この呆気なさこそが真剣勝負のリアリティーであり、それこそ刀の閃きの様でとても美しい。 本著には全御前試合終了後の話もある。 でも個人的にシグルイは原作のエピローグには繋がらないんじゃないかなと考えています。 040
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 08/08/2026山口貴由先生 南條範夫先生 シグルイ この間72時間だけ無料公開されてた時読み切れなかったので全巻買って読みました。名作と声高に言われてるだけあって凄まじかった。 死闘という極限をそのまま漫画へ落とし込んだみたいで、読んでいる間は常にこ胸がざわつく様な緊迫感があった。思わず目を背けたくなる程に残酷で、それでも先を読まずにはいられない。 障害、時代、身分などの様々な要因で起きる抑圧の中にあってもそれすら反動にし突き進まんとする人間の強かさ。 それが星流れや無明逆流れといったそれぞれの流派の構えに表れてると考えると、2人の構え合いにより凄みを感じます。 原作小説も読もうか迷ってる。 0120
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 06/08/2026階層都市断片集の2話の無料公開待ち切れなくてポイント購入して読みました。 こういう話好きすぎるんだけど、他に無いかな?もう次の話の公開が待ち遠しくて辛い。 本作だけでも十分情緒的で物悲しいけれど、これは少女終末旅行の前日譚ということもあり、やがて階層都市断片集の世界もあの終末に至るという点を踏まえて読むと更に増幅される様に感じます。 070
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 25/07/2026野矢茂樹先生 無限論の教室 塀先生がおすすめしてたので読んでみた。 数学は義務教育レベルのものすら殆ど理解出来てないので難しかったけど、それでもめちゃくちゃ面白かった。 可能無限と実無限なんてものがあるなんて全然知らなかった。どちらかと言うと僕は今まで可能無限の立場で無限を考えていたんだなぁ。 自分が思うよりもずっと世界は開かれているって、もっと若い頃に読んでおきたかった。 野矢先生が後書きで『こんな人たちが、こんなふうに授業をしている光景は、私にとって、手に入れる望みのない未来への感傷なのだ』と書いていて、ほんとそれとなった。 0130
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 16/07/2026パラノマサイトに脳を焼かれてずっとそのことばっかり考えてしまう。 アートブックと設定資料集どっちも買って読んでもなお、新たな供給を望んでしまっている。 本所七不思議セール来る前に買っちゃおうかな〜でも近いうちにコミックス発売のセールありそうなんだよな。 0100
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 14/07/2026周央サンゴさんの実況でパラノマサイト全部観たけど面白すぎました。 サンゴさんが全セリフを読み上げてくれるので没入感が半端じゃなくて、自分でプレイするより遥かに感情移入出来たと思う。 特に里ちゃんのCVは周央サンゴさん以外だとなんか違うな思えてくる程。 パラノマサイト自体にもめっちゃハマってる。主人公達の関係性が良過ぎてもう尊い以外の感想出てこない。 イラスト、ストーリー、そして設定の全てが好みだった。普段ゲームやらないけど自分でもやろうと思います。 あとパラノマサイト公式Xの小林元さんの描き下ろしイラスト最高すぎる。 www.youtube.com/live/ZkSutOZ...youtube.com【パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語】ネタバレ有!伊勢志摩、詳しいと思います【周央サンゴ】YouTube video by 周央 サンゴ / Suo Sango【にじさんじ】 080
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 03/07/2026野崎まど先生 タイタン やっぱ野崎まど先生の作品ってバランスが絶妙だな。程よくリアルで程よくファンタジーなのが心地良い。 人間はただ生きているだけで良くなった理想郷。全てをAIが管理する完全社会を書いたSFなのに、冷たい印象は一切受けない。 むしろ暖かな温度を感じる。SFでこんな感覚は初めてかもしれない。野崎先生って本当天才だ。 本著は仕事とは何かという哲学的なテーマ性でありながらしっかりとエンターテイメントなのも良い。特にラスト近いところなんて最高です。ナイレン好きすぎる。 めっちゃ映像で観たい。 野崎まど作品『小説』しか読んだこと無かったけど他のも読もうかな。おすすめ知りたい。 0140
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 26/06/2026藤野可織先生 ピエタとトランジ TLで見かけて気になったので読んだ。 不謹慎で、ニヒルで、軽薄な会話、楽観と諦念の混ざった世界観は、矢部崇先生の少女庭国と似た雰囲気があった。めっちゃ好き。 ミステリっぽいがミステリじゃない。ジャンルが定まらない感じも似てる。 2人の関係性も会話も良いんだけど、ピエタの知性と独特の感性を表す様な地の文も良い。 まるで2人の為だけに世界が存在していると言わんばかりだ。 利己的で虚無的な表現に思わずハッとさせられる瞬間が何度もあった。 ただ人が沢山死ぬだけじゃ無い。 人が死に過ぎる世界だからこそ、ただずっと一緒に居たいいう平凡な願いが際立って美しく映える。 0141
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 26/06/2026大ゴッホ展観ました。 こんなに人がいる美術館に来たのは初めて。絵画鑑賞って結構体力使うけど、人酔いも相まって余計に疲れた。 農民とか織工を描いた作品が特に良かった。食物とか織物とか、物質的なものの裏にある人間を描いている所が実にゴッホらしくて。 描かれる人達が余り生き生きとして見えないのも愚直な誠実さを感じて良い。 パリ時代の、貧乏でモデルを雇えなくて描いていた静物画にも、ゴッホが影響受けた画家の技法を通して人の息吹を感じる。 悲哀もあるが、そこには小さな救いも見出せる。 目玉展示の夜のカフェテラスは観たかったけど、行列凄過ぎて観る気が萎えてきたので観ないで帰っちゃった。でも満足。 0170
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 24/06/2026ジェイムズ・P・ホーガン 池央耿訳 星を継ぐもの マイボディ・オン・ザ・ムーンが発売される前に読み終えるつもりだったのに時間かかってしまった。海外の古典SF特有の読み難さがあったな。 と言ったもののオススメしてる人が多いだけあって面白かった。月面で発見された5万年前の人間の死体という矛盾を如何に解明するのか。 ミステリ的でかなり好みの作風。真相に近付くにつれ読む手が止まらなくなっていきました。 最後にタイトルの意味が分かった時なんてカタルシス半端じゃなかった。 これだけでもかなり良い感じに終わったのに3部作の1作目らしい。いつか続きも読みたい。 0140
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 22/06/2026再読してから知ったシライシユウコ先生のハーモニーの表紙良すぎる。 SFマガジンの企画?か何かで配られたっぽいクリアファイルのイラストも良い。想像してた解釈とめっちゃ合ってる。 しっかりとしたイラスト見てみたいけど、何処かで見れないのかな。今更だけどクリアファイル欲し過ぎる〜 シライシユウコ先生のキャラクターデザインでもう一回アニメ化してくれませんか。 060
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 20/06/2026今日は祝山を観に行きました。 原作は面白かったし楽しみにしてた。 感想としてこれが全てなのですが、主演の橋本愛さんが可愛いすぎ。 特に鹿角が祝山の鳥居をくぐるシーンがとても良かった。このシーンだけでも映画館に観に来た価値ありました。 あとスーパーの裏で鹿角が煙草を吸うシーンも最高です。 逆に不満なのは橋本愛さんが可愛いすぎた事ですね。 ファッションセンスが抜群すぎてホラー作家っぽくない。橋本さんを良く魅せようとし過ぎていて、それが作品への没入を妨げていたな。 あと橋本さんを抜きにしても全く怖くなかったのも残念。でも悪い映画じゃない。 橋本さんの美しさを観る為だけでも観る価値ありました。 091
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 08/06/2026筒井康隆先生 残像に口紅を 本作はいつか絶対読もうと思ってた作品の1つで、使える文字が減っていくという形式だけは知っていたが、実際読んでみたら最初から『あ』が使えない状態で始まって驚いた。『あ』ってそこそこ使いそうな文字なのに!って。 作中の文章に殆ど違和感を感じないのが凄い。半分消えていても全然読みにくくない。なんなら言葉遊びまでする余裕まであった。 『残像に口紅を』という作品名に感じる寂しさや物悲しさがそのまま物語になっている。終盤の文字がどんどん減っていく所なんかは特に切ない。 誰かに何かを伝える為の言葉や表現が少ないというのは、それだけで隙間風が吹くような寂しさがあるな。 0151
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 02/06/2026マイボディ・オン・ザ・ムーンの試し読みが180ページもあったからめっちゃ太っ腹だなぁと喜んで読んだんだけど、大きな展開が起きないまま試し読みが終わってしまった。 先が気になりすぎる! これが全体の5分の1ってマジか。まだ主要なキャラクターの掘り下げをしていて実質何も起きてないようなものなのに、面白いの凄いです。 早く続き読みたいよ。 三体やプロジェクト・ヘイル・メアリーに比肩するSFです。と強気すぎなプロモーションに正直身構えてたけど、今はかなり期待してる。 発売までにあらすじが似てる?って感じた名作である星を継ぐ者も読もうと思ってます。 0110
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 31/05/2026伊藤計劃先生 ハーモニー 『なめらかな社会と、その敵』、『プラネタリア』を読んで読みたくなったので再読した。久しぶりに読んでも感想は変わらず、新鮮な気持ちで泣きたくなる。間違いなく日本SFの最高到達点の一つ。 病気で亡くなった伊藤先生が病気が失われた社会の気持ち悪さを書いているというのは、改めて凄まじいことだと感じる。 葛藤や、悲しみ、怒りが文章や設定、台詞から伝わってくる、気がしています。 作品全体が機械的な構成をしていながら、感情の熱を感じる。伊藤先生にしか書けないだろうな。 もう新作が読めないのがとても悲しいです。 0151
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 21/05/2026渡邉賢一先生 佐藤航陽先生 プラネタリア 地球から宇宙を見るのでなく、宇宙から地球を見るという視点と思想の転換。人間中心思想から惑星思想へ。SFの設定みたいだ。 先進的な考え方なのにアニミズム的な原始的思考への回帰を求められるのは皮肉が効いてる。 惑星思考への転換は果たして可能なのか。自分が今謳歌している安定を他人の未来の為に捨て去れる人間を全く想像出来ない。 種や個を超えて命は関係の中で存在しているという自覚は少なくともまだ僕にはない。 2部は朝井リョウ先生の『イン・ザ・メガチャーチ』にも繋がる興味深い話でした。 どちらもめちゃくちゃ面白いんだけど個人的に2部の方が実践的で好みです。 0110
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 19/05/2026米澤穂信先生 倫敦スコーンの謎 まずこの二人の掛け合いがもう一度読める事が嬉しい。ずっと眺めていたくなる様なやり取りが愛おしい。そして当然面白い。 小鳩君が『公序良俗』を上手く言えなくて『こうちょろうぞく』になっちゃうシーン可愛すぎ。 癒しの側面とは真反対に、小市民シリーズは些細な日常の謎解きの範疇を超えた、他者へのドロっとした暗い感情が書かれるのもとても好みだ。 これで終わりなんて辛いです。もっと読みたい。 こんな物語があったなら、冬季限定ボンボンショコラ事件での結末により納得感が出てくる。 経験の共有と積み重ねが小鳩君と小佐内さんを成長させていったんだなぁとしみじみ思いました。 0110
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 16/05/2026國分功一郎先生 はじめてのスピノザ 自由へのエチカ 自由意志について調べてた結果、僕の考えはスピノザの考えに近いかもということで読んでみた。 他の解説書だと全然頭に入ってこなくて辞めちゃうことがあるんだけど、國分先生の著作は本当に読みやすい。 優しい語り口が理解を促進させてくれるのもあると思います。とはいえ今回もChatGPTめちゃくちゃ使ったけど。 何事も二元論で語りがちなのやめようと改めて思いました。 スピノザは度合いで考える。素晴らしい感性だと思う。 悪にもその度合いがあると思えば、日常の些細な嫌な出来事も許せる気がしてくる。 今はホワイトヘッドのプロセス哲学が気になっています。 0150
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 13/05/2026寺山修司 書を捨てよ、町に出よう まずタイトルを『地の糧』の冒頭から引用しようと考える所がカッコいい。 本著は寺山修司から若者へのメッセージの面が強く、ナタナエルに語りかける地の糧とは殆ど同じ構造と言えそう。 何処か詩集っぽいのも、語る側の言葉に少し寂しさを感じるのも似ている。 全時代的と言えなくもないので、正直内容の共感性は薄い。僕が当時の若者だったならもっとハマれたかな? どうだろ、競馬と野球の話ばかりだし僕はどちらも全然知らないしなぁ。 でも寺山修司にもジッドにも煩わしい大人の小言の様な印象は受けない。 言葉の裏に見え隠れする孤独感が自分にも重なるからかな。 0120
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 11/05/2026寺山修司 少女詩集 TLで感想を読んでこれは僕も好きかもなと思って買って読んでみた。 詩ってあんまりピンと来ない事が多いんだけれど、本作は好きだって思えた。 まだ一作しか読んで無いし根拠もないけど、今まで触れてきた創作の多くに寺山修司の影響を感じてる。 自分の中の望郷や諦念の感傷と相性が良い。 手に入らない理想を、それでも求めてしまう気持ちは無くしたくても無くせない。 直接じゃなくても寺山修司から影響を受けた人達の創作が、自分の中に寺山修司を受け入れる土台を作っていたのかもしれない。 『サンゴ(coral)』が特にお気に入り。此処じゃない何処かを思う時、海鳴りが聞こえるって美しい感性だ。 0120
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 01/05/2026佐藤正午先生 熟柿 罪を犯しても、赦されなくても、後悔しても、裏切られても、蔑まれても、報われなくても、それでも人生は続いていく。 生きている内は小さな希望と大きな絶望の繰り返しの中で一喜一憂するしか無い、と分かっていても簡単には辞められない。 だからこそ熟柿という言葉に救われる人もいるだろう。 想像の中で送る宛の無い息子への手紙を綴るシーンは本当に辛いし、泣けてくる。 なんなら常に暗澹としていてしんどい展開が続くので元気がある時しか読み進めれなかった。 薬丸岳先生の『告解』を読んだ時にも思ったけど、一瞬の気の迷いで簡単に取り返しのつかない過ちを犯してしまえるって怖すぎるよね。 0100
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 25/04/2026スタニスワフ・レム 沼野充義訳 ソラリス 上伊那ぼたんが大切な10冊に選んでいたので読んでみた。 上伊那さんってこういうのが好きなんだぁ〜ふーん……(キモいオタク) 本作は光が頻繁に描写される。だからこそ光の当たらない時間や場所の描写が際立ち、コントラストになっている。 この作品自体がソラリスの海であり、鏡の様。 ソラリスの黒い鏡面の様な海と対峙して得られる感覚は、古代の人が鏡に映る自分と目を合わせた時に感じたであろう神秘と畏怖に近いと想像する。 それは奇跡的だが恐ろしい、が目を離さずにはいられない怪しい魅力を持つ。 だからこそソラリス学は盛んで、人を惹きつけてやまないのだろう。 0100
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 21/04/2026HIKAKINがやってたONICHAとNOPE混ぜた奴飲んでみました。 普通に不味い。 でもこれがONICHAとして発売してたら既存の麦茶より面白いって言われたかもな。 少なくともHIKAKINがプロモーションする意味になったと思う。 ちなみにONICHA単体は普通の麦茶です。 080
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 17/04/2026湊かなえ先生 暁星 湊かなえ作品は読むと毎回暴れたくなる程胸が苦しくなるが本作もそうなった。 柴田哲孝先生の『暗殺』と同じ実在の事件を取り扱っているのにまるで違う形になるのは創作の面白さだな。 普段虐げられている大人が束の間、子供の様に振る舞う描写で堪らない気持ちになる。そしてその大人が子供を虐げる側になってしまうのもしんどい。湊かなえ先生はこの辺りの描写に容赦なさ過ぎる。 シュークリームを二等分にしようとしたら2/3と1/3の大きさになってしまって2/3の方を差し出した暁生に、星賀が「これが本当の半分こだよ」と言うシーン、良すぎ。 そしてそれが後に違う意味を持つの構成として上手すぎる。 0100
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 15/04/2026朝井リョウ先生 イン・ザ・メガチャーチ ラストで思わず、凄!っと言葉が出してしまった。語彙が失われる程強烈な作品。刺さり過ぎて、もはや小説の皮を被った言葉の暴力だった。 だからこそ自分の身にあり得る現実を、小説という形で俯瞰視点で観れたのは有難い。 3人の中だと特に隅川さんに感情移入しちゃったな。救われて欲しいよ…… 物語化、ポピュリズム、陰謀論、宗教。これらに傾倒してしまう理由はよく分かる。 皆、ただ不幸を忘れ去りたいだけなんだと思うと切なくなる。 小さな子供みたいに抱き止められたい。ずっと安心出来る場所が欲しい。そういう救いを求める気持ちは僕にもあるから、全然他人事じゃない。 0140
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 11/04/2026上伊那ぼたんのOP良すぎる。作品の空気感の解釈が一致してる。 自分の中に存在しない青春なのにノスタルジー刺激する作品は大好きだ。 というかまずアニメ化したことが最高すぎる。まさか映像で観られる日が来るなんて思いもしなかった。 オープニングテーマも非常に合っている。yonige初めて聴いたけど良いな。 youtu.be/fUU_VKLXzRQ?...youtu.beオープニングムービー完全版|TVアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』YouTube video by アニプレックス チャンネル 0151
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 04/04/2026ネヴィル・シュート 佐藤龍雄訳 渚にて 人類最後の日 誰も彼も傍観者ではいられない。殺すし死ぬ。それが残酷かつ美しく書かれている。 読みながら何度も泣いた。 放射能汚染された都市からの謎の通信の正体が判明した箇所なんて思わず溜息が出た。何処を切り取っても美しい。 人類滅亡系の作品を読む時、いつもジョージ・バークリーの『誰もいない森で倒れる木は音を立てるのか』という問いについて考えてしまう。 観念とか哲学とか抜きにして僕は誰もいない森でも木は音を立てると思う。 人類のいない渚でもきっと潮騒は鳴る。証明出来ない事は寂しいけどそうだったら良い。 これまで読んだ作品で最も良かった物の一つです。 0110
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 22/03/2026鈴木健先生 なめらかな社会とその敵 ChatGPTや解説動画を駆使して何とか読み切った。 『なめらかな世界と、その敵』のオマージュの元になった?本なので、いつか読みたいと思っていたので読めて良かった。 パラレルワールドの話とか、ここから世界観の着想を得たのかなって思えた所もあって嬉しかったし、思想書なのにSFの世界観設定を読んでるみたいで終始面白かった。 理想社会を語っていながら、現実主義的視点を失わない著者の態度に好感が持てる。 「理想が現実によって汚されることは避けようがないが,それは理想のもつ価値を決して損なうものではない.」 著書からの引用、とても良い言葉で気に入ってます。 1110
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 16/03/2026たった一つの詩が読みたいが為だけにイェイツの詩集を買った。 He wishes for the Cloths of Heaven(彼は天の布を求める) 載ってるのか不安だったけどちゃんと載ってた。 『(前略)だが貧しい私には夢しかない。私はあなたの足もとに夢を広げた。そっと歩いてくれ、私の夢の上を歩くのだから。』 なんて繊細な言葉遣い。 好きな映画で引用されていて、ずっと手に入れたかった。 紙の本を買う事に抵抗が無くなってきた今だから買えました。 これしか知らなかったのでこれから読んでいこうと思う。 0101
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 05/03/2026施川ユウキ先生 バーナード嬢曰く。 読んだ事はないけど名前だけは知っている。いつか読もうと思ってるけど読めてない。読もうとしたけど数ページでやめた。そんな本がいっぱい出て楽しい。 『渚にて』とかずっと放置してるし、『高い城の男』とか3回も途中で辞めてる。でもこの作品はそういう駄目な自分を肯定してくれてる様で救われる。 町田と神林の関係が最高なのはわざわざ言う必要さえ無い程自明なので割愛。 8巻のブレーメンの音楽隊の話が好きだな。「ブレーメンも音楽隊もここではないどこかの言い換えでしかない」 理想郷を想う時、同じ事を考えてた。 神隠しもジパングもユートピアもリミナルスペースもきっとそう。 070
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 22/02/2026アルテュール・ブラント ヒトラーの馬を奪還せよ 美術探偵、ナチ地下世界を往く 結構前にTLで見かけてからずっと気になっててようやく手に入れたので読んだ。面白すぎ。 長年破壊されたと思われていたナチドイツ時代の馬の彫像が見つかって……という話。 これが筆者の実体験なの凄すぎる。 帯には『事実は小説より奇なり』と書かれているけれど、これ以上の言葉は無いかもな。本当に。 東ドイツ秘密警察とかネオナチとか、『如何にも』な組織が絡んでいるし、作者が尾行をされている事に気付いたり、小さな違和感から閃いたりしていてアクションミステリそのものだった。 どうなっちゃうのとハラハラして読めて最高でした。 090
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 20/02/2026市川ヒロミ先生 二兎の除霊師 挑戦的な表現がお洒落なバトル漫画。 1コマ1コマに拘りを感じる。画力も半端ないので常に魅せられる。 光と影の表現が好きだ。緻密な線で描かれているのにスッキリして見える。 尖った作風ながらストーリーは王道って感じで飲み込みやすいのも良い。めちゃくちゃ好きです。 今4巻まで出てるんだけど、もうすぐ終わっちゃうっぽい? おすすめです。 080
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 19/02/2026辻村深月先生 冷たい校舎の時は止まる audibleで。 冬の早朝の誰ともすれ違わない静かな通学路を思い出した。寒さへの不快と不安がないまぜになったあの感じ。作品からそれが伝わって来るので、没入感が凄い。 まずタイトルが良い。おしゃれで、声に出して読みたくなる。 ピースがカチッと綺麗に嵌まるみたいに伏線が回収されていくのが気持ちいい。これがデビュー作!?? 長いんだけど、その分一人一人の掘り下げが丁寧にされてるから感情移入しやすくてあっという間だった。 ヒロインの名前が辻村深月で驚いた。最初何かの間違いかと思ったがミステリにはありがちらしい。そこそこミステリ読んでるのに知らなかった。 090
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 10/02/2026波木銅先生 万事快調 女子高生が学校の屋上で育てた大麻を使って大金を稼ごうとする話。 ここだけ聞くとただの犯罪話なんだけどそんな感じはしなくて、むしろ爽やかな青春ジュブナイルとして読めるから凄い。 年代の合わなそうなカルチャーからの引用は、若い故の背伸び感ともとれるし、軽率に軽快に物事が進んでいく展開そのものにも高校生らしいエネルギッシュさを感じ、少し懐かしい気持ちにさえなった。 当然駄目なんだけど、こういう青春を送ってみたかったと思わされてしまう凄まじいパワーを持った作品でした。 映画が公開中らしいので気になっている。絶対面白い。 080
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 08/02/2026難波優輝先生 物語化批判の哲学〈わたしの人生〉を遊びなおすために そもそも物語化って何?ってレベルから読み始めた。 物語化をナラティブと読み替えると、その危険性が少し分かりやすくなる。(合ってる?) 自身の中の「理解、共感、承認」の重要性が行き過ぎて、他人にもそれを押し付けてしまう。 他人を自身の理解の範疇に押し込めてしまうという暴力性を、物語化が持つ事は忘れないでいたい。 これは陰謀論や差別に繋がる話でもある。 けれど物語化の全てが悪いとは僕も言いたくない。毒も薬になり得る。陰謀論が心を救う事もあるだろう。差別は良くないが、無くせない。だからこそ考え続ける事が大事だと改めて思わされた。 090
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 02/02/2026米澤穂信先生 王とサーカス 実際に起きたネパール王族殺害事件を題材にした、さよなら妖精の続編。大人になった大刀洗さんが主人公。 この事件の事も全く知らなかったので調べたら、これきっかけで王権が滅んでて驚いた。 陰謀論が力持った事例の中でもかなり大きい事柄なんじゃないか。 最後の真相には驚いた。今まで読んできたミステリー感的にそうはならないだろっていうどんでん返し。 こういう種類の絶望はなかなか味わえないと思うので一周回ってこの作品に出会えた事が今は嬉しい。 大刀洗さんのキャラクターも良い。クールに見えて内心は繊細な所とか。どこまでも誠実な在り方とか。映像化は無理だろうけど見てみたいな。 070
RRR @kanakawakanak.bsky.social · 31/01/2026YouTubeにて期間限定で帰ってきたヒトラーが観れたので観た。 いつか観よう観ようと先延ばしにしてきたけど、やっぱり名作でした。 中盤で認知症の老婆がヒトラーを見て放った台詞「みんな最初は笑ってた」がこの映画を、何より史実そのものを表していると言える。 この映画は序盤から中盤までは実際笑える。だからこそ笑えないという構造が面白い。 ヒトラーの人間の部分。フレンドリーで親しみやすい側面がリアルなのも良かった。 遺っている写真とかに写ってるヒトラーはこの映画と同じ感じで笑っている。 俳優さんの演技がうますぎる。 話し方もヒトラーにめっちゃ似てるので字幕版で観るのがおすすめ。 090