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奈雲政人 | Masato Nagumo (@masatonagumo) on X
見知らぬ誰かの一杯を、先に払っておく文化がある。 ナポリのカフェ・ソスペーゾ。ソスペーゾは、宙づりの、という意味だ。コーヒーを1杯飲んで、2杯分払う。余った1杯は店に保留され、あとから来た、財布の厳しい誰かが、ソスペーゾはありますか、と尋ねて飲む。 20世紀初頭のナポリの労働者たちに根づいた習慣で、経済危機を機に復活し、いまでは保留コーヒーとして世界に広がった。日本でも取り入れるカフェが少しずつ現れている。 設計の妙は、匿名にある。払った人は、誰が飲むかを知らない。飲む人は、誰が払ったかを知らない。施す顔と、施される顔が、永遠に出会わない。だから受け取る側の尊厳が削れないし、払う側も善…