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春(にゃうも)1/12て14b

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萌えが再燃した成人腐。♡して文字を書いたり落書きしたり。ミステリ👿くん【二埋】ゴカム【尾杉】カリスマ🤍🧡等 plus.fm-p.jp/u/haru000317

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春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 12/02/2026
少しはやい
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
以下は本文の内容です。

「やるよ」
 赤信号で止まると荷台の真吾に後ろ手が伸びた。
「なに?」
 恐る恐る差し出した手のひらに少しゆがんだキャラメルの包みが転がる。
「どうしたの?」
「もう、口ん中は空っぽだろ?」
「そうだけど……」 
 呆気に取られていると、首をひねった二世が舌を出した。
 尖った先には小さくなった飴が載っている。
「貧太に貰った飴、もうねえだろ?」
「そうだけど」
 鼻先で笑って二世が前へと向き直って、ペダルを踏んだ。
「真吾って、思ってたよりせっかちだよなっ」
 勢いよく走り出したのに慌てて目の前の背中にしがみつく。
「そ、んなこと……っ」
「嘘つけ!」
 下り坂に入ってさらに加速する。
「耳元でがりがり砕かれちゃあ、煩くてかなわないぜ!」
 切る風に負けぬ声量で告げられて、文句を呑み込んだ。
「明日はちゃんと味わえよ!」
「あした……?」
「幽子と鳥乙女が張り切ってチョコレートを拵えてるって、こうもり猫が逆上せてたぜ」
「あ……バレンタインか」
 家が見えてきてゆっくりと自転車の速度が落ちる。
「味わいもせずに囓ったら、向こう一年文句を言われるぜ」
 ため息まじりのセリフにはたっぷりと後悔の苦味が混じっていた。
「肝に命じておくよ」
 苦笑混じりの答えに鈍いブレーキ音が重なった。
010
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 12/02/2026
少しはやい
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
以下は本文の内容です。

「やるよ」
 赤信号で止まると荷台の真吾に後ろ手が伸びた。
「なに?」
 恐る恐る差し出した手のひらに少しゆがんだキャラメルの包みが転がる。
「どうしたの?」
「もう、口ん中は空っぽだろ?」
「そうだけど……」 
 呆気に取られていると、首をひねった二世が舌を出した。
 尖った先には小さくなった飴が載っている。
「貧太に貰った飴、もうねえだろ?」
「そうだけど」
 鼻先で笑って二世が前へと向き直って、ペダルを踏んだ。
「真吾って、思ってたよりせっかちだよなっ」
 勢いよく走り出したのに慌てて目の前の背中にしがみつく。
「そ、んなこと……っ」
「嘘つけ!」
 下り坂に入ってさらに加速する。
「耳元でがりがり砕かれちゃあ、煩くてかなわないぜ!」
 切る風に負けぬ声量で告げられて、文句を呑み込んだ。
「明日はちゃんと味わえよ!」
「あした……?」
「幽子と鳥乙女が張り切ってチョコレートを拵えてるって、こうもり猫が逆上せてたぜ」
「あ……バレンタインか」
 家が見えてきてゆっくりと自転車の速度が落ちる。
「味わいもせずに囓ったら、向こう一年文句を言われるぜ」
 ため息まじりのセリフにはたっぷりと後悔の苦味が混じっていた。
「肝に命じておくよ」
 苦笑混じりの答えに鈍いブレーキ音が重なった。
010
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 21/01/2026
選挙がわりと仕事に影響することがあるのでその憂鬱さを吹き飛ばしたかった ※年齢操作、おとなのふたり ※リハビリ中なのでいつも以上に拙い #きまぐれにうも
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以下は本文の内容です。

「あれ……どこ行ったんだ?」
 投票所になっている体育館を出るも、待ち人はおらず。
「さすがに、校舎は鍵が掛かってるからなあ」
 数年前まで通っていたのだから配置はわかると、少し湿った土を踏んで校庭へ出た。
「あれ、もっと広くなかったっけ?」
 そう呟いて何とはなしに朝礼台へと向かう。
 そこに立って見渡しても探し人は見つからなくて。
 振り仰いだ校舎もよくみればあちらこちらに補修やら改修が入ったらしく、教室のベランダには転落防止の柵ができてこっそりかくれたこともある非常階段は使用禁止の鎖が掛かっていた。
「前に来たのは……成人式の飲み会の帰りだっけ?」
 まだ慣れないアルコールに浮かれて校門の前に来たもののしっかり施錠されていて、乗り越えようとした貧太をみんなで止めたのを思い出して晴れ渡った空を眺める。
 世界中どころか悪魔界やら地獄を飛び回っていると国民の義務がすっかり抜けてしまうのだ。
 それでも暇を作って期日前投票へ行くようにはしていたけれど。
「あーぁ……」
 なんとは無く息を吐いたところへ、思いのほか大きなチャイムが重なった。
「もう給食じゃなくって、お昼だし帰ろっかな」
 台から降りて校舎の脇を抜けて通用門へと足を向けたところで、
「おーい!」
 と、のんきな声が降ってきた。
 見上げるとすっかり大きくなった楠の枝に探し人がまたがっていた。
「メフィスト二世、何やってんだよ」
「いや、懐かしくってつい」
 枝がたわんだかと思うと、目の前に長くなった青年悪魔がすっくと立つ。
「いつもここから、二人を見てたんだよ」
 機嫌よさげにそう言って歩き出した背中へ一応、文句を投げた。
「勝手にいなくなるなよ、探したんだぞ」
「オレがどこにいるか、わかんなかったのかよ?」
「……今のなりでそんなとこから覗いてたら、通報されるぞ」
「除くったって休みで教室は空っぽじゃねえか」
「もう、ああいえばこう言う……」
 張ってきそうなこめかみを揉んでいると、二世がその手を取る。
「真吾だって懐かしそうにしてたじゃねえか?」
「……見てたの?」
「オレは目がいいもんでね」
 鼻で笑ってぐいぐいと手をひいて通用門を抜けた。
「腹減ったからなんか食っていこうぜ」
「ええ、母さんがたまにはってなんか作ってるよ」
「マジか! ラーメンだったら嬉しいなあ!」
 だらしなく緩んだ頬を抓んで、引っ張る。
「ほら、男前が台無しだって」
000
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 20/11/2025
すんごい久しぶりに書きました😢 年齢操作、いつもの出来上がってる二埋ちゃん+大学生百目ちゃん 三人は幾つになってもわちゃわちゃしてて欲しいです そして、腕落ちてるわーん、精進精進 #きまぐれにうも
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以下は本文の内容です。

 ぽたり、大粒のそれが車内の暖房で曇った窓を外からたたいた。
「……あと、一駅だったのになあ」
 真吾が読みかけの本から目を上げると、次々に雫がガラスに触れては壊れていく。
 溜息に到着のアナウンスが被り、ドアが開いた。
 人の波にのって降りたホームの屋根を高く低く雨粒が鳴らす。
 階段を下りて改札へと向かうと、ひんやりと湿った空気がかすめたので思わずジャケットの襟を寄せる。
 定期を当てて出口をみるとみな傘を傾けて歩いているのをみてまた溜息ひとつ。
 出勤前に玄関まで追いかけてきた同居人に押し付けられたコートや傘を邪険に振り払ってしまい、まさに後悔先に立たずだ。
 足取りの重い真吾の脇を学生服の男子が足早に抜けると、そのまま雨の中へと飛び出した。
「ひゃあ……!」
 叫んで半ば自棄のように走る彼の後姿が見る間にずぶ濡れになるのを見て、また溜息を吐く。
 券売機のすぐ横にコンビニが併設されているのだからビニール傘を買えば良い。
 そう思った傍から、呆れた声が聞こえた。
「まあた無駄遣いをしやがって、だからオレ様が今朝……」
 頭の中で延々続く小言を振り払うも、濡れて帰って風邪などひいたらそれこそ小言ではすまないこともわかりきっている。
「背に腹は、だよなあ」
 重い足取りを引きづってコンビニ方面へ向きをかえると、券売機の傍の人影が振り返った。
「悪魔くん、おかえりなんだモン!」
「あれ、百目……大学は?」
「五限までだったから借りてた本を返しに来たらお使いをたのまれたんだモン」
 真吾の首にマフラーを巻いて傘を一本渡すと、自分も背中のバックパックを濡らさぬように傘をさして歩き出す。
「二世ったら、酷いんだモン!」
「ん、なにか言われたの?」
「靴を脱ぐ前に玄関で追い返されたんだモン!」
 追いつくと背丈は随分大きくなったのにあの頃のように、頬を膨らませるのに思わず口元が緩んだ。
「どうせタダ飯にありつこうってんだから少しは働いて来いって、悪魔くんの傘を渡されたんだモン……」
「なんか、ごめんね」
「まあ、久しぶりに二世のご飯を食べたかったからいいんだモン」
 ぺろりと舌先だけ出して笑う百目につられてゆるく笑う。
「でも本当に助かったよ、ありがとう百目」
 マンションのエレベーターを待ちながら、もう一度礼を言うと、じっと真吾を見てから百目が笑った。
「本当はボクじゃなくて……なーんだモン」
 音を立てて開いた扉を抜けて軽やかに目的の部屋へと向かう。
 インターフォンに延ばされた指を止めて、振り返ったところへ囁く。
「……こっそり入って、驚かそうか?」
 いつになく稚気を出した真吾の声に、百目が無言で頷いた。
 真吾の鍵でドアを開けて、音が出ないようにゆっくりと押していると、
「何やってんだよ、とっとと入れよ」
 ぐいと内から強く引かれてつんのめるように玄関へともつれ込む。
「濡れたか?」
 文句を言う前にあたたかいタオルが降ってきた。
「ほら、百目も」
「あったかいんだモン!」
「少し暖房を当てておいたからな」
 そう言って笑った目尻にほんのり寄った皺を見たら、言う予定だった繰り言も強がりもどっかに飛んでいってしまう。
「寒くねえか?」
「……百目が、迎えに来てくれたから濡れてないし寒くない」
「そりゃあ、重畳」
 握ったままだった傘を立てかけて、雫のついたマフラーをとりあげるとさっさと廊下を進む。
「あのさ!」
「ん?」
 揃えられたスリッパを突っかけておいかけると、リビングの入り口で足を止めた。
「えっと……今朝はごめんなさい」
 早口で言って下げた頭に呆れたような吐息が降る。
「どうせ、今朝は寝坊して気が急いてたんだろ?」
 ぽすり、とつむじに大きな手をおいてから笑う気配に目を上げた。
「たまにのことだし、百目に礼を言えよ」
 そう言って屈託なく笑う彼に百目にも同じことを言われたと告げると、目尻のそれが深くなる。
「みんな、真吾が風邪なんてひくのは嫌なのさ」
 そう言ってリビングに足を入れてから、廊下の二人に声を掛けた。
「しょうがたっぷりのつみれ汁ときのこの炊き込み、揚げ出し豆腐」
 夕飯のメニューを伝えると、目を輝かせた百目が飛んでくる。
「和食なんだモーン」
「中華は飽きたか?」
 喉を鳴らして笑いながら一言足す。
「手洗いうがいと、真吾は着替えもな」
052
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 08/07/2025
ガチャのお題 年齢操作、おそらく高校生か大学生 つきあってるのかないのかな? 七夕は昨日だけれども寝落ちたので #きまぐれにうも
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以下は本文の内容です。

「あ~あ……」
 深い深いため息を吐いて銀行の大きなガラスの前に大きくなった背を丸めてしゃがみ込む。
 どこかさみし気な曲に合わせるかのように飾られた笹がさらさらと音を立てた。
 涼し気な笹と湿気た二世の前を浴衣姿の少女が甚平姿の少年の手を引いて駆けていくのを見遣ってまたため息。
「ガキだって色気付いてんのによう……」
 うっすら浴衣を纏い頬を上気させたまだあどけない真吾に手を引かれる自分の姿を思い描く。
 
「メフィスト二世」
 今より高く細い声で名前を呼ばれる。
「お、おう」
 つやつやと紅く輝く頬からほんの少しだけ視線を逸らすと、ぐいと繋いだ手を引かれた。
「暑いから、かき氷でも食べない?」
 七夕祭りで商店街の店主がやってる出店を横目にはにかんだように笑う真吾から離れないように絡めた指に力を込めると、
「ちょっと、痛いってば」
 と、苦笑しても振りほどきはしないのに。
 
「何やってんの?」
 がさつな音を立てて開いた自動ドアから呆れたような声が降ってきた。
 広げた手をわきわきとさせている二世を置いて歩き出す。
「まだ夏に入ったばかりなのに暑いねえ」
 ぱたぱたと手であおいで首元に風を送る真吾に、飛び上がって追いついた。
「……バイト代」
「うん、下ろしたから大きい西瓜を買って帰ろう」
 財布が入っているであろうポケットを叩く手をじっと眺める。
「何さ?」
「……なんでもっ……!」
 先程の少女がかき氷の入った器を持って目の前を通り過ぎた。
「おい、待てってば!」
 言いながら彼女の腕を掴んだ少年の手には焼きとうもろこしが。
「一緒にかき氷食べようって言ったのに!」
「わるかったけど、もろこし分けてやるから氷くれよ」
 そう言われて立ち止まった少女の手を今度は少年がひいた。
「甘いもんとしょっぱいの、交互に食おうぜ!」
 悪びれもせずにっこりと笑う彼と仲良さげにまた、歩き出すのをつい目で追っていると真吾が二世の腰を突く。
「ねえ?」
「なんだよ……?」
「どっちが食べたいの?」
 二世の視線を追った真吾の指先が左右に振れた。
「かき氷? 焼きもろこし?」
 思わずぽかんと口を開ける二世の気も知らずに真吾が言葉を続ける。
「君って本当に食いしん坊だよね、母さんが七夕の冷や麦とかおいなりさん作ってるから少しだけだよ」
 そう言って歩き出した真吾の手を強引に掴んで、指をからめた。
「な……!」
 目をまんまるにした真吾に少し背を屈めて囁く。
「オレは、こっちがいい」
 そう言ってふん、と鼻息吐いて歩きだすも、早足の真吾が一歩先に出た。
「……三丁目の角まで、だからね!」
 そう言って早足になった耳の縁が紅い。
「おう」
 鷹揚に答えたつもりの頬が緩んだ。
021
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 19/06/2025
埋さん6年生でおつきあいしてたりなかったりな感じ 獣化というよりしっぽ祭り的な話 急に始まって急におわります 真夏の夜の夢が大好きなのでパック出したいしモスも大好きなのでした #きまぐれにうも
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以下は本文の内容です。

「お礼にあまーいジュースをどうぞ」
 足つきのグラスになみなみと青いそれが注がれた。
 切株の上に三つ並んだそれにきのこの椅子に腰掛けた百目が真っ先に手を伸ばした。
「いただくんだモーン! あっまーい!」
 そう言って振り返ったのへ頷いてみせて、真吾とメフィスト二世もグラスを手に取る。
「喉がかわいてたんだありがたく頂くよ」
「今日は梅雨だってのに蒸し暑いからな」
 口をつけると僅かな酸味とともにさわやかな甘さが心地よく喉を通り過ぎた。
「よかったらおかわりをどうぞ」
 まだたっぷりとジュースの入った瓶を見て空のグラスを差し出したところへ、
「悪魔くんお待たせ、なんでかグラスがなくなってしまって……?」
 大きな葉の下から真っ赤なジュースの瓶を持ったモスが飛び出した。
「へ……わたし……?」
「モスが二人なんだモン!」
 瓶を抱えたまま立ち尽くしたモスに先にいたモスが口先を尖らせた。
「ちぇ、もうちょっとだったのに!」
 そう言ったモスがくるりと宙返りをすると、その姿が翅の生えた少年に変わる。
「パック!」
 妖精界一のいたずら者におもわず叫ぶと、
「ばれたならしょうがない、バイバイ!」
 ふわりと浮いた体がそのまま消える。
「なんだってんだよ」
 そうこぼして再びグラスに口を付けようとした二世の手首に真吾とホンモノのモスの手刀が炸裂した。
「君は馬鹿なのか!」
「パックが何を仕込んでるのかわからないのよ!」
「……でも危険な味はしなかったぜ?」
 草の上に落ちたグラスを拾ってぼやいたところへ、ぽつりと百目が呟く。
「ボク、おかわりしちゃったんだモン……」
 そういう百目の口先がだんだんと細く出っ張り、さらに全身の目が膨らんでにょっきりと尻尾が生えた。
「ひゃ、くめ……?」
「らんか、変なんだミョーン!」
 そう言った口からは細くて長い舌が飛び出す。
「なんか、カメレオンっぽいなあ……?」
 真吾がしげしげと百目の変化を観察していると、
「ひゃ……なんだなんだ!」
 きのこの椅子から飛び上がった二世のスラックスの隙間から黒くて細長い尻尾が伸びた。
「猫っぽい、カギ尻尾だ」
「こらあ! 掴むなよ……!」
 情けない声を上げる二世のシルクハットを同じく黒い三角の耳が持ち上げる。
「うわっとと……!」
 片手で尻尾を守りつつ、もう一方で浮いたハットをあたふたとおさえていると今度は真吾が小さく悲鳴を上げた。
「ちょ、うわ……おしりがもぞもぞ……!」
 半ズボンのウェストを引っ張って自身のおしりを見ると、短いけれどふさふさして尻尾がピンと上を向いている。
「これは、何の尻尾だ……?」
「どれ、ああ……鹿とかじゃねえか?」
 ひょいと覗き込んで意見を言った二世を真っ赤になって蹴り飛ばす。
「見ないでよ!」
「風呂だなんで見てるから今更だろ!」
「それでも恥ずかしいだろ!」
 そう叫んだ真吾のこめかみの上から茶色の耳が生えて鼻の頭が黒くなった。
「角はなさそうだから、バンビちゃんってとこだな」
 頬からぴんぴんと髭を生やした二世がポケットから出した鏡を向けると、映った自身の姿に真吾が絶句する。
「……ごめんなさい! 返信薬入りのジュースだわ!」
 ジュースを調べていたモスが叫んで、まだたっぷりと残った瓶を両手に掴んだ。
「お詫びに、私も飲むわ……!」
「ちょっとモス! 早まらないで!」
「おい! なんの解決にもなんねえぞ!」
 残っていたジュースを飲み干すと帽子のしたからにょっきりと耳がはみ出しスカートの下から立派な尻尾がくるりと渦をまいたかと思うと、顔や腕が毛皮に覆われてみるみるうちにモスはりすへと変貌を遂げた。
「ジュチッ?」
 瓶を抱えたりすがどうかしらと言いたそうに首を傾げるのを見て、二世が思わず膝を着く。
「責任の取り方が、間違い過ぎてるんだよ!」
「まあまあ、兎にも角にも行動しようか?」
 慰めにもならないこと真吾が言った横で、舌を伸ばしていた百目がぼそりと呟いた。
「ピクシーに言っららなおるんだミョン?」
「それだ!」
 飛び起きた二世がモスりすを担ぎ、真吾が落ちそうになったジュースの空き瓶をキャッチして駆け出す。
「ほら、百目」
 真吾に手を引かれた百目も長い尻尾を引きずりながら後を追った。
 
「悪魔くんと二世は2、3日経てば自然と元に戻るよ」
 青ピクシーがつまらなそうにそう言うと、
「大した薬効はなさそうだしね」
 瓶に残ったジュースを舐めた赤ピクシーも頷いた。
「百目とモスはこのままだと生活に支障が出そうだから入院ね」
「うん、とりあえず百目は目薬を差してあげるね」
「ありがとうなんだミョン」
 すっかり置いてけぼりの真吾が情けない声をあげる。
「このままじゃ、家に帰れないし学校も行けないよ……」
「……普段もサボってるのに?」
「見えない学校かメフィスト邸にでも泊まりなよ」
 そう言うとさっさと保健室を追い出された。
「真吾、大丈夫か?」
「……ズボンの中でしっぽが動いてくすぐったい」
「仕方ねえ、うちで休んで行けよ」
 先の曲がったしっぽをゆらして二世がそう言った。
021
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 10/06/2025
いつものおとなでできてるふたりと謎のトラブル+鳥乙女と象人とモブ? #きまぐれにうも
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「魔力……ぐえっ!」
 杖を大きく振り上げたところで背中の真吾にマントを引っ張られて思わず、仰け反った。
「なにすんだよ!」
 恋人の行動とはいえ、さすがに怒声をあげると今度はハットのてっぺんを軽く押される。
「見てよ! 右手のところ!」
 言われて小山ほどもある猩々の手元を見ると握られた拳の隙間から白っぽい布がひらひら、と。
「人間が捕まってるかもしれないわ」
 相手の攻撃を避けながら上空で観察していた鳥乙女も叫んだ。
「悪魔くん、いったいどうするんだぞう~?」
 投げようとした岩を下ろした象人も困ったように指示を待つ。
「どうしようか……って、おい!」
 思案顔の真吾を乗せたまま鳥乙女の隣まで飛んで行くとちらりと彼女を見てから杖を振り上げた。
「魔力! 竜巻ショットガン!」
 言葉通り小さな竜巻が猩々の顔の周りへと飛んで行き、燃える様な赤毛を揺らす。
「ナスカ! 鼻を狙え!」
「ピンクハリケーン!」
 二世の言葉に頷いて、柔らかな風が舞う。
「もうちょいか、竜巻ショットガン!」
 二人に合わせて象人も大きく吸い込んだ息を吹き付けた。
 猩々の動きが鈍くなり空いた左手からの反撃も散漫になったかと思うと、地震いかと思うほどのくしゃみをした。
 思わず緩んだ右手を二世の長い足が蹴りつけると、中から白い衣を纏った乙女がが落下する。
「バカ二世! なにやってんだよ!」
 背中から精一杯に腕を伸ばした真吾が彼女の腕を掴んだ。
「真吾が落ちてどうすんだよ!」
 言いながら器用に体を入れ替えると右腕に真吾、左手に乙女を抱えて猩々から距離を取る。
「他に捕まってたりしねえよな?」
 その言葉に乙女が首を横に振ると崩れかけた花冠が揺れた。
「よっしゃ、片をつけんぞ!」
 横目で伺ってから真吾を抱える腕で再び杖を振るう。
「魔力・火炎放射!」
「ピンクハリケーン!」
 呼応するかのように鳥乙女が風を送ると、被毛より赤く燃え上がった炎が猩々の巨体を包んだ。
 悲痛な雄たけびをあげつつどたどたと大地を揺らしてジャングルへと分け入る後姿を見て、象人に声を掛ける。
「奥に水場はあるかい?」
「ちょっと深い沼ががあるんだぞーう」
「火事にならないように着いて行って、火を消すのも手伝ってあげて」
 二世らと地上に降りた真吾の言葉に手を振って、象人もジャングルへと姿を消した。
「いいのかよ、恨んで戻ってくるかもしれねえぞ?」
「うーん、猩々はお祭りにさんかしたかったんだと思うよ」
「へ……?」
「お酒が大好きだからね」
 言いながら落ちていた焼き物の欠片を拾って差し出すと、そこからは強いアルコールの匂いがする。
「怖い目に会ったばかりで申し訳ないけど、後でお酒を分けてくれないかい?」
 すこし屈んでまだあどけなさの残る乙女と同じ目線で頼み込むと、こくりと頷いた。
「ありがとう」
 にっこりとわらったところで鳥乙女が彼女の手を引く。
「髪も服も乱れちゃってるから戻る前に直してあげるわ」
 その言葉にほっとしたように息を吐いて、男性陣から見えない方へと向かったかと思うと踵を返した。
 小走りに駆け戻ると飛び上がって二世の頬へ唇を押し付ける。
 反応できずに固まっていると、
「ありがとう!」
 と、真っ赤になって叫んで鳥乙女の元まで飛ぶように戻っていった。
「ええっと……良かった、ね?」
 先に口を開いたのは真吾の方で、その言葉に憮然とした声が返る。
「……一体全体、どこがだよ?」
 口をへの字に曲げたまま、取り出したハンカチで拭おうとするのを慌てて止めた。
「バカ! 見られたら悲しむだろ!」
 それでもなお拭おうとする腕を真吾が全力で引いていると、こちらを鋭い視線で射貫く鳥乙女に気づいて舌を打ってハンカチを仕舞った。
「お待たせ、きれいになったでしょう?」
 声音の温度は依然と低いものの朗らかに言って、先ほどの乙女を前に出した。
 花を足して直した花冠の下には薄化粧に整えられた顔が恥ずかし気にほころぶ。
「じゃあ、とっとと村まで戻って酒を貰って来ようぜ」
 言いながら真吾に背を向ける。
 その時、翻ったマントの端を引かれた。
「なんだ?」
 もじもじとマントの端を掴んで俯いた少女を横目に真吾と鳥乙女の口からため息が漏れる。
「乗せていってやれよ、二世」
「……やだ、ね」
「ちょっと意地悪しないでよ」
 真吾の言葉に逆らって、鳥乙女のそれにそっぽを向くとどっかりと地面にしゃがみこんだ。
「ねえ、アンタ! いい加減に……!」
「ナスカ、こうなったら二世は梃子でも動かないよ……」
「え? 悪魔くんが怒っても?」
「怒っても宥め賺してもダメなんだよねえ」
 困ったように告げてから、もっと困ったどころか泣きそうな顔の少女へ向き直る。
「ごめんね、お祭りに間に合わないといけないからナスカと行ってもらえるかい?」
 柔らかな口調でそう頼むと、ゆっくりと頷いた。
 鳥乙女に抱えられて空を行くのを見送ってから、真吾がスマホを取り出す。
「あ、ピクシー? いま、ベトナムなんだけど火傷に効く薬草を教えてくれないかい?」
 電話の向こうでピクシー達が教えてくれた薬草の特徴を頭の中でメモしつつ、空いた手で二世の肩を撫でてみた。
111
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 30/05/2025
これもたぶん、冬くらいに書いたやつ 原作軸?にうもちゃん つらーと思いついたネタをスマホでメモってオチを見失った #きまぐれにうも
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以下は本文の内容です。

「たっだいまーだモーン」
「百目、ちょっと」
 ランドセルを脱ぎながら廊下へ駆け出そうとしたのを、靴を脱いでいる真吾に止められた。
「なんだモン?」
「花びら、着いてるよ」
 笑いながら耳の上についていたそれを抓み取った。
「うち、ちょうど出てすぐのところに桜があるからね」
「ありがとうなんだモン」
 そんなことを話していると台所から声が掛かる。
「真吾、百目ちゃんもお昼の焼きそばできてるから手を洗ってらっしゃい」
 半ドンだったのを思い出すと急に腹の虫が鳴き出したので慌てて洗面所へ向かった。
 
 腹を膨らませて部屋に戻ると真吾のベッドに二世が転がっている。
「来てたんだモン?」
「今週から学校だって言ってあったのに」
 苦笑しながらランドセルを置いて、ベッドに寄ると健やかな寝息が聞こえた。
「ぐっすり眠ってるなあ」
「昼ごはん食べそびれたんだモン」
 そう囁きあっても起きる気配は微塵もなくて。
「ひゃーくめ! あーくまくーん!」
 呼び声に窓を確認すると、約束をしていた貧太たちが見えた。
「百目、行っといで」
 そわそわするのへそう言うと、
「悪魔くんは行かないんだモン?」
「うん、起きた時に誰もいなかったら怒りそうだし」
 と、苦笑しながら昨夜から読みかけの本を手に取る。
「貧太くんたちに謝っといてね」
「わかったんだモン」
 頷いた百目を笑顔で見送ってベッドを背に腰を下ろした。
 本を開いて目を落とした途端に、ひんやりとしたものがうなじに。
「へぐ……っ」
 体育座りのまま飛び上がり、膝で顎を打って痛がっていると驚かしたものが頬に触れる。
「ひどいよ、メフィスト二世」
 膨らませた頬と自身の手で逃げないように手袋の手を挟み込むと、笑う気配が近づいた。
「なにも笑うことはないじゃないか」
「怒んなって」
 ベッドに腹ばいのままやって来てするりと両腕を真吾の首へ巻き付ける。
「オレ、昼飯食い損ねたんだけどな」
「……いるって知らなかったんだよ」
「あーあ、かわいそうだなオレ」
 うなじでふがふがされるのがくすぐったくて払い除けようとしたとき、
「腹減った~んあ」
 そういった二世が首に嚙みついた。
「ひゃ……!」
 途端に悲鳴を上げるも唇だけのそれの内側で舌がぬるりと動く。
「ちょっと、やめ……っ」
 じたじたと動いて逃げようともがくも二世が馬鹿力でしがみついて離さなかった。
 
 
021
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 28/05/2025
いつものおとなでできてるふたり オイルマッサージチャレンジのため、ずっと裸です #きまぐれにうも
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「むう、確かピクシーに貰ったハッカ油があったはず……」
 リビングでありかを探していると、夕食の食器を洗い終えた二世がやってきた。
「どうした、救急箱なんか出して」
「虫刺されかなあ、赤くなってない?」
 伸びた後れ毛を上げて差し出したうなじの一点を二世の指が突く。
「ここ、少し腫れて熱を持ってるな」
「まだムヒとか買ってないからこれを塗ってくれない?」
 後ろ手に差し出された小さなジャーを開けると清涼感のある香りが鼻についた。
「塗るなら風呂の後のがよくねえか?」
「それはそうなんだけど」
 そう言いながら蓋を閉めつつ、半袖から見える肘を眺める。
「真吾、風呂をあがったら寝間着を着る前に呼べよ」
「なんで? 着てからでも濡れるでしょう?」
「いいから、行ってこい」
 そう言うと強引に脱衣所兼洗面所へ押し込まれた。
 
「出たけど、下着とか持って来てくれるのかと思ってたのに」
 腰にバスタオルのみを巻いて寝室へ向かうと二世がベッドの上へタオルを敷き詰めている。
「……なに、してるの?」
「すぐわかるから横になれって」
 返事をする前にそこへ転がされると、バスタオルを引きはがされてすっぽんぽんでタオルの上に丸まった。
「ちょっと、なにさ? 恥ずかしい!」
「見飽きることはないが、いまさら恥ずかしいも何もねえだろ」
 真っ赤になって口ごもる真吾をうつぶせに寝かせてかてから離れると、先ほどのジャーを持って来る。
「ほら、下を向いてろ」
 香りに続いてひんやりとしたものが首に触れた。
「滲みはしねえか?」
「ううん、気持ちいい」
 ありがとう、と上げた頭をぐいとおしつけられて腕を掴まれる。
「半袖の季節になると気になるからついでにケアする」
 後頭部にタオルが掛けられるとふんわり、とハッカ油とは違う優しい香りが。
「ねえ……うひゃうっ!」
 ぬちゃり、としたものが背中に触れて悲鳴をあげて仰け反った。
「動くなっていってんだろ」
 それでも抗う真吾の腰の上に体重をかけて座った二世の呆れたような声が聞こえて、首だけで振り返る。
「だって、なんか変なのがぬるっとして……」
「ベビーオイルを塗ったオレの手だから安心しろ」
「へ……?」
 溜息を吐いて顔の横に小さな透明なボトルを置いた。
「なんかで買ったのがハッカ油の横に入ってたろ?」
「うん……」
「肩凝りが頭痛になりそうな誰かさんの肌も急なエアコンに乾燥気味だったんで、マッサージしてやろうとおもってな」
「まっさーじ……?」
「オイルマッサージっての、イヤか?」
「ううん、おねがい」
「承知仕ったから、力抜いてろ」
 オイルを足して掌で温めてから首に触れると 何度も上から下へと優しくさすられる。
「ふあ……っ」
「痛いか?」
「ちょっとくすぐったいけど気持ち、いいかも」
「そりゃ、こんだけごりごりに張ってたらなあ」
 首の筋を柔らかく揉んでから右肩へと大きな手が滑る。
「腕、持ち上げるぞ」
 力の抜けたそれを後へ引きつつ、付け根から指先まで撫でるようにほぐして溜息をひとつ。
「何で手首まで凝ってんだよ」
「マウス? スマホ?」
「仕事中でもちょっと動かして予防しろ」
 言いながら左の肩かた指まで揉み上げて、肩甲骨のまわりをほぐすと真吾の口からうっとりとしたような吐息が漏れた。
 それに気を良くして脇にずれて背中から腰、臀部を揉む。
「……尻も凝るんだな」
「ずっと座ってるとねえ、足も浮腫むし」
「ああ、すげえ張ってる」
 裏腿から膝、ふくらはぎと足首まで揉んで部屋を出た。
「熱くはねえと思うが」
 絞ったほかほかのタオルで肌に残ったオイルを拭っていく。
「あー、気持ちいい……」
「リンパっていうんだっけ、流れがよくなったか?」
「うん、妖虎にでも習ったの?」
「いや、昔にやってもらったのを真吾が風呂に入ってる間に動画で学習した」
「……器用だねえ」
「オイルのおかげで肌が吸い付くな」
 掌で柔らかい尻の肉を押すと、すこしくっつくのに満足そうに口の端を上げた。
「濡らしたからだって」
 ちょっとだけ頬を膨らませてばたつかせた足を二世がぐっと握る。
「ん、なに……?」
「次は仰向けで……いでっ!」
 足を強引に奪い返してタオルの上で丸まって真吾が叫んだ。
「だめ! もうお終い!」
「は? 片手落ちじゃねえかよ!」
「親しき仲にも羞恥心があるからっ!」
「オレはちっとも恥ずかしくねえよ」
「君がよくても僕が気にするから!」
031
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 14/05/2025
ヨナルデ総選挙(お気に入り)のお礼にもなりませんがヨナルデ4変化的ななにか☺ ミコ・ブルーホは中米の全域?で見られる怪異?妖怪?です
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以下は本文の内容です。

「は……ミコ・ブルーホであるか?」
「さすが学者! よくわかったね!」
「中米辺りで悪さをする黒い猿と言えばわかるのだわさ」
「じゃあ、正体も知ってるよね?」
 真吾の期待の詰まった視線に溜息混じりに返す。
「人間、おおかたが呪い師の女性であるよ」
 真吾の話ではあちこちで夕方になると真っ黒な猿が現れ子供を襲ったり、畑を荒らすという事件が続いているらしい。
「スペイン語は何とか読めるけど、細かなニュアンスまでわからないから調査に着いてきて欲しいんだ」
 小学生の身で多言語を習得しているのはさすがに悪魔くんと褒めたい所だが、ヨナルデの顔色は冴えない。
「ナスカもおるんだわさ」
「鳥乙女はお年寄りの聞き取りには不向きというか……」
「……仕方ないのである、少し待つだわさ」
 そう言って教室を出ていってから、数十分後に姿を表したのは禿頭の周りに僅かに白い髪を残しよく日に焼けた肌の背の曲がった人間の老爺で。
「待たせたのである」
「ヨナルデ?」
「我輩がヨナルデパズトーリと知れたら調査どころではないのある」
 そう言われて彼の出自に気付いて、手を打つ。
「まぁ、行くのである」
 翌日は商家などを巡って聞き取りを行うと伝えると、今度はやはり禿頭と肌の色は変わらないが柔らかそうな髪の色かわ違う。
 背は曲がっておらずどちらかと言うと恰幅と気の良さげな中年の姿で現れた。
「昨日はおじいちゃんで今日はおじさんなんだモン?」
 首をずいぶんと捻った百目の肩をやんわりと押す。
「時間がもったいない、早く行くのである」
 その翌日は酒場を巡ると言うと、今度はやや長く髪を垂らしたこんがりとした肌の紳士の姿で現れる。
 昨日までより質の良さげな服の下は肉体労働者と思うほどみっしりしているのに、首元やら腕には鈍く光る金色の装飾があった。
「おい、あれは本物の金だぞ?」
「こうして身形を整えて酒を奢れば口も軽くなるんだわさ」
 そう言いながら酒場の戸に手を掛けて、振り向く。
「お子様は外で待っているのである」
「悪魔くん、今日はミコ・ブルーホの集まりかもしれねえんだろ?」
 そう言う二世の背中から降りると、今度は百目が口を開く。
「学者は危なくないんだモン?」
 普段は後方支援が多いヨナルデを心配しての言葉だ。
「うーん、でも学者も使徒のひとりだしなぁ」
「まぁ、何かあればまとめてオレが助けるけどな」
 そんなことを言いながら待ち合わせ場所へ赴くと浅黒い肌に秀でた額、簡素な衣服の下に引き締まった体を隠した青年が立っていた。
「遅かったであるな」
「学者……?」
「今日は荒事があるやも知れないのでこの格好で来たのだわさ」
 ここ数日で見慣れた緑の瞳から緊張感が伝わる。
「すでに呪い師たちは揃っているのである」
 促されて背後の天幕の隙間から除くと、昼間でも暗い中でごうごうと火が燃えていた。
 それを囲むように黒い布を被った女たちがなにやら呟きながら身をくねらせている。
「呪いも佳境にてそろそろ姿が変わりはじめるのだわさ」
 ごくり、と唾を飲むと視線の先。
 布地の下が不自然に膨らんだり縮んだかと思うと、真っ黒で巨大な猿が何匹も跳ね回る。
「行くぜ、悪魔くん!」
「行くのである!」
 二人の言葉に頷くと、百目の手を引いて天幕を捲った。
「ギャビー!」
 突然の光に恐慌を来した猿が真吾に飛びかかるも、
「魔力! 火炎放射!」
 叫んだ二世の魔力により炎に包まれる。
「二世、なるべく怪我をさせないように!」
「わかった……あっ!」
 真吾の言葉に振り返った二世の隙を着いて黒い巨大な豚が飛び掛かったのをヨナルデが重ねた両手を斧のように振り下ろして打ち倒した。
「相手は多数、油断は禁物である!」
「わぁってるって!」
「百目、光を集めて!」
「わかったんだモーン!」
「これで、全員だな」
 気を失った呪い師達をロープでひとまとめにした二世がぱんぱん、と手を払った。
「他にいないといいのだけれど」
 天幕内を調べていた真吾と百目がやって来ると、
「いやはや疲れたのである」
 呟いてへたり込んだヨナルデの姿が本来のものに戻る。
「なんだよ学者、だらしねえな」
「我輩の本分は頭脳労働なのだわさ」
「でも、強かったんだモン」
 にやにや笑う二人に苦笑しながら真吾も言う。
「たまには暴れてもいいんだよ?」
「……もう、懲り懲りなのである」
 そのまま地面に転がるヨナルデに真吾が手を差し伸べた。
111
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 30/04/2025
ガチャのお題でした セクシー要素皆無な原作軸 二世サシペレレこうもり猫の男子組が好きです そしてサシだけちょっと大人びてるけど恋愛的にはこうもり猫がリード気味なのかな? #きまぐれにうも
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以下は本文の内容です。

「ったく、その羽はなんの為についてんだよ」
「まぁ、無事でよかったよ」
「もう、沼なんぞにはまるんじゃないすよ」
 呆れ顔のメフィスト二世ににこにことサシペレレが言ったのに、親身になったこうもり猫の言葉が続いた。
 三人に見下された掌サイズの妖精は羽やらドレスやらを確かめると、ふわりと視線の高さに浮き上がる。
「皆様には本当にお世話になりました」
「いいってことよ」
「うん、困った時はお互い様ってね」
「まぁ、お礼がしたいならあっしは……いてっ」
 こうもり猫の尻を二世が蹴飛ばすのに、にっこりと笑って妖精が続けた。
「……僅かばかりのお礼です」
 そう言って手を振るとキラキラしたものが一瞬、三人を包む。
「貴方方の優しさのお礼に、一日だけ意中の方の考えが読める力を」
 そう言って再び笑うと何処からか現れた仲間の妖精達と共に大空へと飛び去って行く。
「意中の人って言ってもよう……」
「好きな子の考えって、ちょっとどうしようかな」
「……じゃあ、オレっちは行く所ができたんで!」
 
「好きな奴って言ってもなぁ……」
 サシペレレと別れてそんな事を呟きながらいつも通り、埋れ木家の窓から真吾を訪う。
「邪魔するぜ」
「いらっしゃい」
 珍しく床ではなく机に向かっている真吾に出迎えられた。
「百目は?」
「母さんに頼まれたおつかい」
 視線をノートに向けたまま、鉛筆を動かす。
「珍しく勉強かい?」
「うん、居眠りしちゃって漢字の書き取りをだされちゃった」
 覗き込むと升目の中に複雑な線が絡みあった文字が並んでいて、
「大変だな」
 と、言うと苦笑しながら真吾が応じた。
「まぁ、書けば終わるから楽と言えば楽なんだけどね」
 手伝いができないなら邪魔はするまいと、真吾のベッドへ背中を預ける。
 ││二世が来たから早く終わらせなくちゃ、ええと秩、秩と
 ふわりとそんな声が聞こえて周囲を見回す。
「悪魔くん、なんか言ったかい?」
「ううん、特には」
 ││次はなんだっけ、解か……線が多いのばっかり
 また、そんな声が聞こえて辺りを見回してからはたと手を打った。
 好きな……そりゃ、使徒なのだから悪魔くんを嫌いな訳はない。
「なんだ、そう言うことか」
 ちょっとがっかりしたような気分でいると、
「終わったからおやつ貰ってくるね」
 と、言って真吾が部屋を出てすぐに戻って来た。
 手にした皿には大福が二つ。
「百目は先に食べたみたい」
 言われて一つずつ手に取ると、
 ││もちもちして白くて丸い……二世に似てるかも?
 そんな言葉にカチンと来るも、考えが読める事をなんとなく言いがたくて黙って大福に齧り付いた。
 ││あ……丸いけど、食べる姿も二世はかっこいいなぁ……
「は……?」
 にこにこと笑顔の真吾からそんな事が伝わり、動きを止める。
「どうしたの? 喉に詰まった?」
 心配そうに言われて、
「な、な、な、なんでもない!」
 と、慌てて答えながらもっと真吾の言葉が欲しくなる自分に気づいた。
「意中……って、おい……」
 不思議そうに見つめる真吾の視線に頬が熱くなる。
 
「ちょっと! 昨日、なんかあったの?」
 でれんでれんのぐでんぐでんになったこうもり猫を引き摺った鳥乙女が教室へ飛び込んできた。
「昨日、ねぇ……特にはなかったよ」
 すっかり目をハートにした姿に苦笑しつつ応じたサシペレレがとなの二世の肩を突く。
「キミは意中のあの子の所へ行ったんだろ?」
「い、いちゅう……っ」
 その言葉に真っ赤になった二世の顔に答えを知って、笑うと、
「そう言うお前は……好きな子のところへ行ったのかよ?」
 と、ぶっきらぼうな口調で言われて、にんまりと笑い返した。
「ご想像におまかせしまーす」
011
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 05/04/2025
なにが書きたかったかわからなくなりました 原作軸で両思いくらいかな? こう、つよつよな埋さんが書きたかったかだけなのに #きまぐれにうも
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「あっくま! くーんっ!」
 教室の窓が開いたかと思うと飛び込んできたメフィスト二世が真吾へそのまま突っ込んだ。
「ぐふ! どした、にせ……?」
 鳩尾にハットの庇が刺さると、いつものように小学校をサボって二徹目の真吾は勢いに負けて黒板下までふっ飛ぶはめに。
「悪魔くん、大丈夫なんだモーン!」
「これ、入るならちゃんと戸口から入るだわさ!」
 百目が真吾に駆け寄るのを横目に、ヨナルデが二世に拳骨を落としたところへ、
「坊ちゃん! お覚悟!」
 占い杖に乗ったベルゼブブが窓から同じように飛び込んで来たのを打ち返そうとした象人のバットが空振って室内に小さな竜巻が起こった。
「ちょっと、一体なんなのさ!」
「侵入者を逃したんだぞう」
 真吾の叫びにすまなそうに答える間に、教卓へしがみつく二世のマントをベルゼブブが引っ張る。
「象人! これ以上、闖入者は入れないように窓を閉めるのである」
「わかったぞう」
「それで一体全体、何があったんだい?」
 腰を擦りつつ真吾が問うと、
「オレ……まだ、第一使徒やりてんだ!」
 と、半泣きで二世が叫ぶ。
「まだクビにする気はないよ」
「坊ちゃん! 使徒と結婚は別問題ですよ!」
「は……結婚? 誰が?」
 真吾が呟くと室内の温度が何度か下った。
 それを感じた百目にヨナルデが教卓から距離を取る。
「結婚もなにもこれからお見合いして、婚約してって手順を踏まないと!」
「そんなん、知るか!」
 もちゃもちゃと縺れ合う二世とベルゼブブの頭を掴んだ真吾が2人を引き剥がした。
「ベルゼブブ、メフィストはなんて?」
「へ……他の悪魔大公からの断りにくい見合いなんで、坊ちゃんを連れて来いってあっしに」
「ふうん、二世は見合いしたいの?」
「ひ……っ、したくねえ! てか、しない!」
 小さくなって真吾の背中に隠れる二世を後ろ手に撫でて、一歩前に出ると、ベルゼブブが三歩下がる。
「ベルゼブブは帰ってメフィストに見合いを断って」
「でも、旦那は……」
「文句があるなら僕が聞くと伝えるように」
 そう言って真吾が微笑むと、象人がさっと窓を開けた。
「早く! 戻って!」
 声にならない悲鳴を上げてベルゼブブが飛び立つと、すぐにまた窓が閉じられる。
「で、君はなんなの?」
 振り返った真吾に見下された二世が下手くそな口笛を吹いて誤魔化そうとするも、尖った口先を小学生とは思えない力で抓り上げられた。
「いで! おやひに、まだひって……!」
「いいから、メフィストんとこへ行くよ!」
 半泣きの二世を引き摺って教室から出ていくのに胸を撫で下ろしたところへ、ひょっこりと真吾が顔を覗かせる。
「ヨナルデ、百目」
「ひ……なんだわさ?」
「例の件は任せるね、僕はやる事ができたから」
「わかったのである」
「いってらしゃいなんだモン」
 今度こそ校内から気配が消えたのを確認して胸を撫で下ろした。
「……メフィスト邸が消し飛ばないといいんだわさ」
「悪魔くん、ほんとうに怒ってたんだモン」
「これは、だいぶ尻に敷かれるんだぞう」
032
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 01/04/2025
⚠️年齢操作注意⚠️ 春なので! 我が家は大雨ですが! 別で重めの話を書いておりまして反動で埋さんに甘やかして頂きました。 いつものおとなでできてるふたり #きまぐれにうも #新書ページメーカー
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以下は本文の内容です。

「わーがままは、おとこのーつみー」
 歌いながら泡だらけのスポンジを動かすと、グラスがみるみる透明感を取り戻す。
「へへ……」
 流すとぴかぴかになったグラスを水切りカゴへ置いて、難敵である茶渋のついた湯呑とカップに挑む。
「あーの、スニーカーはもおすーてたかいー」
 腕に力が入ったせいで歌の調子が外れたけれど、沁みついた汚れが落ちたのに口元が緩んだ。
「帰って来ないと思ったら、こんな所にいやがった」
 勝手知ったるなんとやらで、いつの間にやって来たのか戸口で二世が呆れ顔。
「こんな所って、実家だよ」
「違えよ、家でだってキッチンに立たない癖に」
「縄張り意識の強い誰かさんが入れてくれないだけだって」
 そう言い返すと、右眉と口の端だけ跳ね上がった。
「……今日、寄って来るって言ってねえぞ?」
「メールはしたよ」
 そう澄まして言うと慌ててデニムの尻ポケットからスマホを取り出す。
「ね?」
「……悪かったよ」
「お茶でも飲む?」
 きれいになった茶碗を布巾で拭ってそう言うと小さくなった椅子に二世が腰掛けた。
「ん」
「はいはい」
 やかんを火にかけて、真吾も向かい座る。
「今朝ね」
「おう」
「公園の桜がほころんでたから、うちのはどうかなあって」
 そう言うのをじっとみつめていると言った本人がほころぶように笑った。
「まあ、まだ二分咲きってところだったけど」
 言いながら鳴き出したやかんを手に振り返るといつの間にやら急須と茶筒を用意していた二世が手を伸ばした。
「寄越せ」
「火傷しないでね」
「誰だと思ってんだよ」
 手際よく茶を注いで茶碗を真吾の方に押して寄越す。
「ふふ、いちばん大事だと思ってるよ」
 にこにことそう言われてしまえば、毒気も疳の虫も逃げ出してしまう。
 ちょっとだけ悔しくてぐしゃりと頭を掻くと、
「あらら、男前が台無しだ」
 と、額に落ちた髪を指先で救い上げた。
「しん……!」
「ハイハイ、それはお家でやってね」
 顳顬に千切った湿布を貼り付けたこはるが背中を丸めて台所へ。
「お父さんたら1丁前にスランプなんですって」
 言いながら吊り戸だなを開けて、
「カップ麺、二つしかないわ」
 と、困ったようにこちらを見るものだから強引に肩を掴んで立ち上がる。
「オレらは大丈夫です!」
「あらあら、お構いもしないで」
 やかんに水を注ぐこはるに、
「また、ご都合の良いときに伺います!」
 とだけ、言って真吾をぐいぐいと押して台所を出た。
 玄関で並んで靴を履きながら、つい口から溢れる。
「……今日はずいぶんと大盤振る舞いじゃねえか」
「うーん、期末が仕舞って余裕ができたかな?」
 先にからり、と引き戸を開けて振り返った。
「しばらく、放ってたからおへそが曲がらないようにね」
 逆光でうかがえない表情を覗こうとたちあがると、するりと外に出てしまう。
「ほらほら、お家が待ってるよ」
 後ろ手に戸を締めて、すぐに背中を抱き締めた。「わーがままは、おとこのーつみー」
 歌いながら泡だらけのスポンジを動かすと、グラスがみるみる透明感を取り戻す。
「へへ……」
 流すとぴかぴかになったグラスを水切りカゴへ置いて、難敵である茶渋のついた湯呑とカップに挑む。
「あーの、スニーカーはもおすーてたかいー」
 腕に力が入ったせいで歌の調子が外れたけれど、沁みついた汚れが落ちたのに口元が緩んだ。
「帰って来ないと思ったら、こんな所にいやがった」
 勝手知ったるなんとやらで、いつの間にやって来たのか戸口で二世が呆れ顔。
「こんな所って、実家だよ」
「違えよ、家でだってキッチンに立たない癖に」
「縄張り意識の強い誰かさんが入れてくれないだけだって」
 そう言い返すと、右眉と口の端だけ跳ね上がった。
「……今日、寄って来るって言ってねえぞ?」
「メールはしたよ」
 そう澄まして言うと慌ててデニムの尻ポケットからスマホを取り出す。
「ね?」
「……悪かったよ」
「お茶でも飲む?」
 きれいになった茶碗を布巾で拭ってそう言うと小さくなった椅子に二世が腰掛けた。
「ん」
021
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 28/03/2025
いつか書いてたシンデレラぱろっぽいの 少し二埋風味になった🙌 #きまぐれにうも
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 ││ビビビッ
 静かな室内に呼び出し音が響き、ドレスのポケット? から慌ててテレパシー電話を取り出す。
「もしも……」
「おなかが空いたんだモン!」
 挨拶も告げずに百目の大声が響いた。
「悪魔くん、食料は手に入った?」
「捕まったりとかしてないわよね!」
 幽子にナスカも心配そうに言ってくるのに、ヨナルデが割り込む。
「家獣とユルグはとっくに戻ったのに何をしておったんだわさ?」
「……立派な図書室があって、つい」
「オレらがこんなにひもじい思いをしてるってのに!」
「悪かったって、やたらと広くてパーティ会場がわからなくってさ」
 こうもり猫の恨み節にそう言い訳するとユルグの涼やかな声が告げた。
「別れた中庭から西のほうがずいぶん賑やかだったな」
「バウ! バウー!」
「わかったよ、西のほうね」
 電話を仕舞って読みかけの本を小脇に抱えて図書室を後にした。
 
「やい、ベルゼブブ!」
 広間を見渡せる一段も二段も高い玉座に胡坐を掻いた大福の様に丸々した王子がそう言うと、その裏で寝転がっていた従者がやる気なく立ち上がる。
「なんですかい、二世の坊ちゃん」
「オレはいつまでこの妖獣大決戦を見てりゃあいいんだよ?」
 ため息交じりにそう言うと、あくび交じりに答えが返った。
「ふぁああ、そりゃ坊ちゃんのお妃が決まるまででしょうね」
「妃って言ったか?」
「メフィストの旦那の話を聞いてなかったんですか?」
「お前、よく見ろ! そもそも、人型の奴のが少ねえのに何を選べってんだよ!」
 ロープと結界の張られた広間の中でまだ立っているのは肌の色も手足の数も個性的な面々で。
「どういう基準で選んだんだよ!」
「旦那と坊ちゃんと喧嘩しても勝てそうなのを厳選しましたぜ?」
 言いながらどこからか望遠鏡を二本取り出すと、一つは二世に押し付けて広場を覗き込む。
「えーと、人型、人型、あそこの壁際の控えめなコはどうです?」
「……芋虫仙人が寝てるじゃねえか、無理に連れて来るなよ」
「じゃあ、活きがいいのっと中央で大乱闘の姉妹はどうです? 一人は獣だが、のこり二人は二足歩行ですぜ?」
「いや、片方は犬面だしもう一方は角があるぞ……」
「角なら坊ちゃんもあってお似合いですよ」
 にっこりと笑われて思わず杖を振り上げたところへ、なんとか重い扉を開けた真吾がよたよたと入ってきた。
「お前ってヤツは……人型! 人っぽいのが来たぞ!」
 渡りに船と従者のマントを引っ掴んで一路、真吾の元へと飛んで行く。
「わ! なに?」
 目の前に急に現れた二人にびっくりして尻もちをつくと、右足を二世が左足をベルゼブブが掴んで引っ張るものだから魔法のドレスがめくれ上がった。
「こっちの足はホンモノみたいだな」
「こっちもほんもので、しっぽもなさそうですぜ!」
「ちょっと、やめてよ!」
 脇に抱えたままだった革装の古文書の背を全身全霊の力で、狼藉者たちの頭へ振り下ろした。
「ほんとに、失礼なんだから!」
 ぷりぷりと怒って腕を組むと、シルクハットに古文書めりこませた二世が真吾の肩をがばっと掴む。
「なあ! お前、人間か?」
「そうだけど」
「名前は? オレはメフィスト二世ってんだけど!」
「……埋れ木、真吾」
「真吾ねえ……なあ、オレの妃になってくれ!」
 
021
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 11/03/2025
何が書きたかったかわからない、いつものおとなのできてるふたり+百目ちゃん この世界線の百目ちゃんは中華料理屋に下宿しながらやっと受かった大学に通っています(謎の設定) #きまぐれにうも
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「ただいま」
 仕事から帰宅すると、今朝は眠り込んでいた二世がリビングのラグに転がっていた。
「おう、おかえり」
 テレビから真吾に向き直るとスィッチを切る。
「別に見ててもいいのに」
 なんとなくコートのままソファに腰を下ろして、自分で持ってきた郵便受けの中身を広げる。
 色とりどりのダイレクトメールを捲っては重ねていく。
「マンションなんて二つも買えないっていうのに」
 洒落た室内写真のはがきを重ねて今度は目立つ蛍光色のはがきを取り損ねた。
「なに?」
「これ、クリーニング屋の会員クーポン付なんだぜ?」
 横取りしたはがきをテレビの脇の状差しへ納めながら二世が呟く。
「今月いっぱいか、コートを出すには早いがこたつ布団を出しちまうか」
「え、ちょっと早くない?」
「言っても、真吾だって休みの日にちょこっと入るだけだろ?」
「それでもあるとなしでは随分違うんだってば」
「最後にスイッチ入れたのはいつだよ」
 言いながら布団を捲ると、暖かい空気が裸足の足首を撫でた。
「うそ、日曜から電源入れっぱなし?」
「バカ言うな、昼に掃除機をかけたときにプラグを抜いたんだぞ」
 そんなことを言い合ってると壁とこたつの間が膨らむ。
「ちょ、なに……?」
「……あ、わすれてた」
 慌てる真吾の横で二世が間の抜けた声を出した。
「うるさいんだモン……」
 そう呟いたのはみっちりボディに成長した百目で。
「オレが悪魔界に詰めてたんで真吾の晩飯を持ってきてくれたんだ」
「うん、下宿先の中華屋さんで悪魔くんの好物を作ってもらったんだモン」
「オレが戻ってたから追加でなんか作るから久しぶりに三人で食べようと待ってたんだった」
 言いながらキッチンへ向かう二世の背中に声を掛けた。
「こんなにおっきい子を忘れたの?」
「ちっとうたた寝して夢と混ざった!」
「なんだよ、それ?」
 笑いながらこたつに入ろうとして、百目に止められた。
「手洗いうがい、コートも脱ぐんだモン」
「はーい」
 洗面所を出ると室内にゴマ油のいい香りが漂っていて、思わず腹の虫が騒ぎ出す。
「コート!」
「わかってるって!」
 短い廊下を渡ってクローゼットのある寝室へ。
 横目に見えるベットは少しごちゃっとしていて、合鍵を預けてある百目に急襲されたすがたが浮かんで笑いをかみ殺す。
 コートを吊るして居間に戻ると、二世が鍋をこたつに置いた。
「かさ増しの冷凍野菜とシーフードミックス炒めとレンジでできる麻婆豆腐」
「疲れてるのにありがとう」
 そう言って腰を下ろすと、
「インスタントのが変なお店より美味しいって趙さんも言ってたモーン」
 と、笑いながら百目が取り皿やら箸を並べる。
「餃子に青椒肉絲に天津飯にチャーハン、春巻きってどんだけ持って来たんだよ」
「余ったら朝ごはんになるんだモン」
 料理が並んだこたつに百目と二世も腰を落ち着けると、互いに目で伺って手を合わせた。
「はい、いただきます!」「ただいま」
 仕事から帰宅すると、今朝は眠り込んでいた二世がリビングのラグに転がっていた。
「おう、おかえり」
 テレビから真吾に向き直るとスィッチを切る。
「別に見ててもいいのに」
 なんとなくコートのままソファに腰を下ろして、自分で持ってきた郵便受けの中身を広げる。
 色とりどりのダイレクトメールを捲っては重ねていく。
「マンションなんて二つも買えないっていうのに」
 洒落た室内写真のはがきを重ねて今度は目立つ蛍光色のはがきを取り損ねた。
「なに?」
「これ、クリーニング屋の会員クーポン付なんだぜ?」
 横取りしたはがきをテレビの脇の状差しへ納めながら二世が呟く。
「今月いっぱいか、コートを出すには早いがこたつ布団を出しちまうか」
「え、ちょっと早くない?」
「言っても、真吾だって休みの日にちょこっと入るだけだろ?」
「それでもあるとなしでは随分違うんだってば」
「最後にスイッチ入れたのはいつだよ」
 言いながら布団を捲ると、暖かい空気が裸足の足首を撫でた。
「うそ、日曜から電源入れっぱなし?」
「バカ言うな、昼に掃除機をかけたときにプラグを抜いたんだぞ」
 そんなことを言い合ってると壁とこたつの間が膨らむ。
「ちょ、なに……?」
「……あ、わすれてた」
 慌てる真吾の横で二世が間の抜けた声を出した。
000
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 26/02/2025
昨夜、缶チューハイ1本でべろんべろんになって書いた謎時空の謎話 埋さんなら僕が残る、と言うと思うので解釈違いなんだけど カテゴライズできないなぁ #きまぐれにうも
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以下は本文の内容です。

「2月ってのにあったけえなあ……」
 手持無沙汰な二世がぷかぷかと浮かんで猫間障子を開けると、どこからか散った梅の花弁が通り過ぎた。
「外は風流だってのによう」
 子供の見た目にそぐわぬ哀愁を漂わせて、部屋の中央に置かれた座布団を眺める。
「ほら、こっちも風流だよ」
 くりくりと猫のような大きな目の少年が桜に幕と菊に盃の描かれた小さな札を示した。
「花見で一杯ってね」
「こいこいじゃないから役はつかんぞ、山田」
 少年の右手から鋭い声が飛ぶ。
「もう、松下くんてばわかってるって」
「ふん」
 松下と呼ばれた山田よりさらに年若い少年の細い指が少なくなった山札から1枚を捲った。
「坊主で三光だな」
「さすがぼっちゃん!」
 松下の右脇に控えた眼鏡の男がガマガエルのような声で囃すのに、
「めくりだからそれも役にならないよね、メフィスト」
 と、ふてくされたように言うと山田の後ろに寝そべった悪魔が屁で応えた。
「これで、六〇点だから買ったも同然だな」
 唇の端を上げて老獪に笑う松下の左脇に正座したスーツの青年が疲れ果てたようなため息を吐く。
「次は埋れ木くんだよ」
 山田がそう促すと、青年の横に座った緑の肌の百目が幼い声をあげた。
「悪魔くん、頑張るんだモン」
「ちぇ、僕らも悪魔くんなんだけどねえ?」
 松下、次に悪魔の横で足を投げ出した橙色の肌の百目を見遣るも両方から釣れない鼻息が返る。
「二人とも二〇点札取っててすごいなあ」
 のほほんと笑った真吾の膝先には五点札と十点札が数枚と俗にいうカス札が並んでいた。
「まあ、勝敗は最後までわからないからな」
 余裕しゃくしゃくの松下に促されて捲ると、紅葉に札が舞うそれで。
「あれ、これで青短とええと猪鹿蝶が揃った……?」
「よっしゃ! これで帰れる!」
 飛んで戻った二世がごちゃっとしていた札をきれいに並べて意気揚々と手を出した。
「四〇点ずつ寄越せよ!」
 悔しそうに札を投げて寄越す松下、一方の山田は手持ちの札を隠そうとしたのを百目から取り上げられた。
「……メフィストの旦那のもとに行ける!」
 真吾と真吾の間でロープでぐるぐるに巻かれたベルゼブブが涙を零す。
「……こき使ってやろうと思ったのに」
 親指の爪を噛みながら立ち上がった松下が成人男性二人を率いて部屋を出た。
「なんで関係ねえのに来たんだよ、お前は」
 百目に言われて立ち上がった山田が眠ったままのメフィストを蹴りつける。
「うちにもいたら便利そうじゃない? 起きてってば!」
 それでも起きないのを百目と引きずって部屋を後にした。
「大丈夫?」
 自由の身になったベルゼブブが真吾を拝む。
「坊ちゃんのとこでも山田んチでもきっと苦労する羽目に決まってる! 埋れ木悪魔くん、本当にありがとうございます!」
 真吾に抱き着こうとするのを引っぺがして二世が口を開いた。
「なんかこう、時空の狭間に落ち込んだらぼうっとしてきたところへ三方からお呼びがかかって……」
010
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 26/02/2025
いつものおとなでできてるふたりです 年齢操作 悪魔くんのお仕事をがんばる埋さん #きまぐれにうも
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以下は本文の内容です。

「うう~ん、ごりごりな気がする」
 言いながら資料のない方の手で首筋から肩を揉む真吾に隣を歩く幽子がくすり、と笑った。
「難しい顔してるからよ」
「だって呂洞賓が何度も済んだ話を混ぜっ返すんだもの」
 溜息吐いて今度は首を回しながら何人は入れるかわからないような会議場を出る。。
「有休、もう少ないから今日中に片付けたいんだけどなあ」
「まだ、続くんだモン……?」
「百目は半分夢の中なのだから、疲れることもないんだわさ」
 追いついたヨナルデが真吾の肩を突いた。
「なあに、いいこと? 悪いこと?」
 苦笑しながら立ち止まった真吾に秀でた額を掻いて告げる。
「八仙人側も会議を終わらせたいらしく、呂洞賓を下げるとの申し出があったのだわさ」
「お、いいことじゃん!」
 ぱちりと指を鳴らした真吾を新たな溜息が迎えた。
「李鉄拐を出すので妖虎を呼べと、言いだしたのである」
「……飲み比べでもする気か」
 がっくりと落とした肩を幽子と百目が労う様にぽんぽんと叩く。
「それで、どうするんだわさ?」
「仕方ないから呼ぶけど、絶対にノンアルね! 飲酒厳禁!」
「わかったのである」
 哀愁漂う背中を見せて会議場へ戻るヨナルデを見送って、休憩所として誂えられた応接室へと向かった。
 桃の花が咲く春霞の庭園を抜けて小さな朱塗りの橋を渡って離れへとたどり着く。
 きい、と微かな音を立てて戸を開けると、いつもの礼装の二世と妖虎が茶を飲んでいた。
「真吾」
 恋人を見てわかりやすく顔を輝かせた二世の元へ足取り軽く近づく。
 それに合わせるかの様に長椅子の二世が茶碗を傍机に置いて、組んでいた足を揃えた。
「君、いつ来たの? 任務は?」
「さっき来たところで、任務は終わったから学者に報告にきたんだ」
「へえ」
 軽やかな声に誘われるように隣に腰を下ろすと、真吾だけに聞こえるように囁く。
「真吾の顔を見にきたのがいちばん、だけどな」
「う……っ」
 張りのあるテノールにくすぐられて耐え切れずに思わず立ち上がった。
「妖虎! 君、いつ来たの? 誰かが呼びに行ったはずだけど?」
「ふむ、おそらく行き違いになったであろうな」
「じゃあ、学者に教えて来るんだモーン」
 走り出しそうな百目を真吾が止めた。
「多分、妖虎が来るまで休憩だからもうちょっと休みたいよ」
「ふふ、上等なお茶と桃まんもあるわよ」
 幽子が蓋を上げた蒸籠から漂う甘い香りに釣られて百目がそちらへ寄って行く。
「すぐにお茶をいれますからね」
 会議の疲れを見せずに支度をする幽子に申し訳ないと思いつつ、再び腰をおろすとやけに隣からの視線が気になった。
「……なあに、二世?」
「いや、そっちに座ったかと思っただけ」
「あっちのソファの方が良かった?」
 饅頭を頬張る百目のほうにも一組あるのを示すと、ゆるく首を横に振って自身の膝を指す。
「こっち」
「……ない! 絶対に、ない!」
「そうか?」
「だって、ここ……」
 真っ赤になって何か言おうとしたところへ、ヨナルデが飛び込んで来た。
「妖虎! 持ってるだけじゃなく電話に出るんだわさ!」
「ほほ、失敬失敬」
「さっさと会議をおわらせるのである!」
「もうちょっと休みたいんだモーン」
「……吾輩は2週間ぶりに学校に帰りたいのである!」
 大きな瞳から涙を迸らせて訴えるものだから真吾も重くなりつつなる腰を上げる。
「遅くなっても帰るから、先に戻ってて」
 振り返りざまにそれだけ言い置いたのへ、ひとつ頷いて残りの茶を飲み干した。
 
「真吾」
 なんとか今日のうちに帰宅して軽い夜食と風呂を済ませた真吾をリビングで待っていた。
 先に済ませて寝間着の二世が組んでいた足をゆっくりと解いて揃える。
「ここ」
 言われて湯上りだけでなく頬が熱くなったが、さすがに二度も断れずそっと膝に腰を下ろした。
 襟元のタオルを取るとまだ湿り気の残る髪を拭う。
「このままじゃひでぇ寝癖になんぞ」
 言いながら使っていたタオルを真吾の膝に投げると、首の付け根を掴まれた。
「ひゃうっ」
「すっげえ固くなって、会議中も辛かっただろう?」
「ん、集中してるときは気にならないんだけどね」
 そう答える真吾のわきの下を左右から掴む。
「痛っ! 痛い、そこ!」
「筋肉ってのは繋がってんだと」
 ぐいぐい揉んだとおもうと今度は肘から肩までをやんわりとほぐしていく。
「首っていうか、目がすげえ疲れてるだろ?」
「ぐえ……うん、タブレットが少し眩しかったかも」
 溜息と舌打ちが同時に聞こえて思わず身を竦めていると、腰を掴んでくるりと回された。
 向かい合いになった真吾がこてん、と首を傾げる。
「今度はどこを……んっ」
 最後まで言わせずに二世が自分のそれで真吾の唇を塞いだ。
「強いて言うなら、ここか?」
 べろりと一舐めしてから、真吾の胸の中央を突く。
「ふうん、ほんとうに?」
「証明ならいくらでもできるぜ?」
 真吾の問いに満面の笑みで応じたのが眩しくて、自然と口角が上がった。
「じゃあ、してみせて」
031
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 22/02/2025
原作軸で最終回の後の話 こうもり猫はなんとなくこう自分より下?には優しいし面倒みが良さそうなので 何年かしたら、組織的活動してほしいなぁという話 #きまぐれにうも
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以下は本文の内容です。

「おっと、戻ってきたようでやんすね」
 こうもり猫の傍まで飛んで来たこうもりが嬉しそうに鳴く。
「キーッキッキ」
「宝玉は?」
「キーッ」
 広げた手のひらにころりとビー玉ほどの大きさの瑠璃色に光る玉を落とした。
「ご苦労様、少ないがカミさんと子供にな」
 小さな包みをこうもりの足に括り付けると、当人は入ってきたときよりいそいそとこうもり猫の洞窟を後にする。
「なあ、何をわたしたんだ?」
 石筍に腰掛けて見ていたメフィスト二世が久方ぶりに口を開いた。
「ちょっとした食いもんですよ、寒い時期は果物なんて口に入らないですからね」
「へえ、意外と面倒見がいいんだな」
 二世の言葉に大仰に肩をすくめてからため息をひとつ。
「あっしらが黒悪魔をバンバン倒してるから、使い魔をやってたこうもりやら黒猫やらが食い扶持をなくしてるもんでね」
「そりゃあ……」
「まあ、奴隷並みにこき使われるのから解放されて喜んでますがね」
 口ごもった二世の前にさっと手を出す。
「てなわけで、まずは先立つものをいただけませんかね?」
「ほらよ」
 内ポケットから金貨を数枚受け取るともう一方で持っていた宝玉を手袋に転がした。
「毎度、まあちょっとでも貯めておかないといけないんでね」
 どこからか出した小袋にちゃりん、ちゃりんと落とし込んでから二世に向き直る。
「で、小銭をつかってまで隠し撮りしたのはいかがでやんしょ?」
「変なことを言うな! 悪魔くんの様子が見てえだけだよ!」
 口先では起こりつつも手の上で撫でると宝玉が光り、岩壁に像を結んだ。
 やたらと縦横に揺れていたそれが止まり、並んだ窓のひとつにぐんと寄る。
「学校か」
「そのようで」
 広げた教科書でも黒板でもなく別の窓から外を眺める少年の姿が大写しになった。
 栗色がかった癖毛のしたの目はどこか眠たそうだが頬の張りが健康状態の良好なことを示す。
「元気、そうだな」
 胸を撫で下ろす二世の隣に腰掛けて映像を眺めていると、真吾の隣で机に突っ伏して眠っていた百目の頭にチョークが飛んだ。
 焦って椅子から転げ落ちるその姿に他の生徒たちと一緒に笑う姿にさすがのこうもり猫も懐かしさが募った。
 すぐに授業が終わったのか席を立つ生徒たちに混じって貧太ら友人が真吾の元へとやって来ては去る。
 真吾も一息つくと机の脇に下げられた袋を机に置いて、おもむろにシャツを脱ぎ始めた。
「体育ってヤツ……」
「み、みみみ見んな!」
 真っ赤になった二世が宝玉と壁の間でぴょんぴょんと、跳ねる。
「アンタ以外にそんなの喜んで見たい奴はいやせんぜ?」
 心底呆れたように呟くのをよそに二世が宝玉を懐へ仕舞い込んだ。
「喜んでなんかねえ! プライバシーっのがあんだろ!」
「それにしてもそんな宝玉、どっから見つけてきたんで?」
「ん……? オレが水晶だなんだに細工したんだが?」
「は……?」
「本当は学校の魔眼みてえに自分で飛んで中継させてえけどなかなか上手くいかなくって、博士にも相談してんだけどよう」
 学校嫌いで勉強嫌いの二世がそんなことをしていたのに思わ目を丸くする。
「こう、霊波たがなんだかが上手く……」
 小さな玉を片手にぶつくさ言う二世にため息と共に吹き込んだ。
「飛んで会いに行っちまえば、すぐでやんしょ?」
「馬鹿言うな! あんな事言っておいてどの面下げて!」
 また真っ赤になって蒸気を上げる二世を横目に、しばらくは小遣い稼ぎが続くと算段をするこうもり猫でした。「おっと、戻ってきたようでやんすね」
 こうもり猫の傍まで飛んで来たこうもりが嬉しそうに鳴く。
「キーッキッキ」
「宝玉は?」
「キーッ」
 広げた手のひらにころりとビー玉ほどの大きさの瑠璃色に光る玉を落とした。
「ご苦労様、少ないがカミさんと子供にな」
 小さな包みをこうもりの足に括り付けると、当人は入ってきたときよりいそいそとこうもり猫の洞窟を後にする。
「なあ、何をわたしたんだ?」
 石筍に腰掛けて見ていたメフィスト二世が久方ぶりに口を開いた。
「ちょっとした食いもんですよ、寒い時期は果物なんて口に入らないですからね」
「へえ、意外と面倒見がいいんだな」
 二世の言葉に大仰に肩をすくめてからため息をひとつ。
「あっしらが黒悪魔をバンバン倒してるから、使い魔をやってたこうもりやら黒猫やらが食い扶持をなくしてるもんでね」
「そりゃあ……」
「まあ、奴隷並みにこき使われるのから解放されて喜んでますがね」
 口ごもった二世の前にさっと手を出す。
「てなわけで、まずは先立つものをいただけませんかね?」
「ほらよ」
 内ポケットから金貨を数枚受け取るともう一方で持っていた宝玉を手袋に転がした。
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春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 18/02/2025
年齢操作 中高年の埋さんに夢をみております こう落ち着きと柔和さが増しましで同居してるのに十二使徒、特に二世が相手だと言葉とか若返って稚気がでちゃうと嬉しい☺ #きまぐれにうも
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「うわっとと!」
 雪道をのたのた歩いていた真吾が不意に叫んで車道に出た。
「どうした、おい!」
 長い腕を伸ばしてなかなか捨ててはくれないくたびれたコートの襟を掴んで引き戻す。
 深夜とはいえ日本と違い制限速度なんてものがあってないような伯林で車道に出るのはうまくない。
「なにやって……!」
 文句を言おうとした二世のシルクハットに水っぽい雪がべしゃり、と落ちた。
「……さっき、襟足に水が落ちてきてさ」
 ずれた眼鏡を戻しながら申し訳なさそうに真吾が言う。
 それには答えずに憮然として脱いだハットを振ると載っていた雪が真吾の顔に飛んだ。
「つめた……さすがに酷いよ」
 情けない声の真吾に飛び寄ってチーフで濡れた額や頬を拭う。
「悪い! 仕返しとかわざとじゃねえから!」
「むう」
「ほら、とりあえず眼鏡を外せ!」
 掴み取ったそれを真吾の手に押し付けて、僅かに赤い頬の皺の隙間まで拭い取った。
「髪も濡れちまって、寒くはねえか?」
「ちょっと寒い」
 聞いた途端に抱え込んで飛び上がろうとする二世の腕を叩いて止める。
「こう寒くちゃ湿気ったまま飛んだら凍えるって」
 苦笑する真吾の肩をやんわりと抱き寄せた。
「建物側はオレが歩くし、マントがちっとは風除けになるだろ」
「まあ、あったかいしね」
 珍しくその言動を許された二世の頬がだらしなく緩んだ。
「……君ってば、男前が台無しだよ」
「真吾にだけ、そう思われてりゃいいんだよ」
「つるっとした顔しちゃって」
 皺ひとつない頬を撫でると、その滑らかさに真吾の指が傷をつけそうで慌てて引っ込めた。
「真吾が許してくれるなら、同じ年ごろになるぜ?」
「いいよ、メフィストと見分けがつかなくなりそうだし」
「だし?」
 心なしか弾んだような声に苦笑で応える。
「なあ、言ってくれねえとわかんねえだろ?」
「……いちばん、いい君を見ていたいからね」
 ぼそぼそと言うのを閻魔の地獄耳もかくやとしっかり聞き取った二世が、真吾を抱き上げた。
「ああ、もう真吾はかわいいなあ!」
「かわいくない! もちょっとでおじいさんだから!」
「オレがいいんだからいいんだよ!」
 その場で踊り出しそうな二世の腕から逃げたくてもがっしりと抱え込まれていて。
「急いで帰って、久しぶりに一緒に風呂に浸かろう!」
「やだ! 飛ぶな! 緯度が日本とは違うんだよ!」
 深夜も弁えずに叫んだところでつま先が地面を離れた。
「寒い! 耳が千切れる!」
「ちっとばかし我慢してくれって」
 そう笑うと真吾をすっぽりと頭からつま先までマントで包んで、速度を上げた。
 
042
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 17/02/2025
唐突に結婚したの小噺 なので年齢操作+サシにガールフレンド(出てこない)がいます #きまぐれnewwyも
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 唐突に結婚したの小噺
 
「ここ、かぁ」
 両開きの重厚な扉をサシペレレが突く。
「とっとと済ませて帰りましょうよ」
 そう言った鳥乙女の言葉に頷いて、三人の中で体格、膂力、魔力が優る二世が前に出た。
「開けるぞ」
 白い手袋が押し広げると微かな地響きとともにすんなりと開いて返って怪しむ。
「いる?」
「ちょっと、待て……ん?」
 人一人分開いたそこにハットごと頭を突っ込んだ二世がそのまま入った。
 それに続いた鳥乙女が二世の背中に鼻をぶつけてしまう。
「ちょっと、なに突っ立ってんのよ!」
 ぐいぐい押してできた隙間からサシペレレが覗き込むと真っ暗な室内の奥の方が白々と灯りがともった。
「なに、なに……うわ……っ!」
 灯りの下にあるものに思わず声をあげると、反対から鳥乙女も首を伸ばす。
「は? へ? ええ……!」
 驚きよりも困惑の色の濃い声を上げてしまった。
 それもそのはず、ぼんやりと照らし出された寝椅子の上に悪魔くんである真吾がしどけなくもたれているのだから。
 白く輝く肌はたよりなげな羅を一枚羽織っただけでおもわず鳥乙女は視線を動かして二世を伺う。
「え、ちょっと……!」
「これはヤバいかもって、おっとと!」
 苦笑しながら寄りかかっていた背中が動いた。
 ズカズカと大股で灯りのほうへと近づく。
 潤んだ瞳に上気した頬、艶やかな唇が開く。
「メ……」
「魔力、火炎放射」
 恋人の名を紡ぐ前に寝椅子ごと豪華に包まれた。
「こっわあ……!」
 サシペレレがそう言って再び苦笑する頃には塵ひとつ、床にはない。
「……オレの真吾は、そんな顔しねえ」
「ぷっ、オレの真吾ですって!」
 しかめっ面の呟きに鳥乙女が吹き出した。
「間違っちゃねえだろが!」
「えー、それでいつから家出してるだっけー?」
 思わず振り上げた杖を避けて、空中から揶揄う。
「えっと、もう十日はボクん家にいるよ」
 困ったように笑いながらサシペレレが答えた。
「彼女も呼べないし、そろそろ帰って欲しいんだけどね」
「ウチはダメだからね! こうもり猫を毎晩呼び出すのも止めて欲しいんだから!」
「そもそもなんで悪魔くんと喧嘩したんだっけ?」
「してねえ! 喧嘩なんかしてねぇ……」
 語尾を弱めながらがっくりと大股でしゃがみこむ二世。
「……お互い、ひさびさに同じ時間に帰ったからよう」
「うん」
「疲れてんのわかってたけど、嬉しくってしつこくしたら」
「うん、それで」
「……しばらく、放っておいてって怒られた」
 そう言ってがっくりと頭を落とした。
「……それで、帰って来なかったの?」
 柔らかな声に問われてため息混じりに返す。
「そりゃあ、これ以上は真吾に嫌われたくねえし」
「ふうん、じゃあ怒ってなかったら?」
「飛んで帰るに決まって……んん?」
 思わず顔を上げると、覗き込むような榛色の瞳が。
「真吾! 何でいるんだ……!」
「我輩もおるのであーる」
 隣にしゃがみこんだ真吾の背後からヨナルデの大きな顔がのぞいた。
「後から悪魔くんと学者が合流するって言ってたろう?」
「言ってねえし! 聞いてねえ!」
 サシペレレに怒鳴りつける二世の肩を真吾が突く。
「ねえ、まだ帰って来ないの?」
「だって、真吾が……」
「怒ってなかったし、待ってたって言ったら?」
「そりゃあ」
 ぐう、と言葉につまる二世を見下ろしていた三人がため息を吐いた。
「馬に蹴られたくはないのだわさ」
「任務も終わったんだし帰りましょ」
「ボクは久しぶりにガールフレンドと……」
 三々五々つぶやきながら歩くのを真吾を抱えた二世が凄まじいスピードで追い抜く。
「またねー」
 木霊する真吾の声に笑って見えくなったのに手を振った。、
042
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 27/01/2025
年齢操作を含みます 映画デートがしたかっただけなのに #きまぐれにうも #文庫ページメーカー sscard.monokakitools.net/pagemakers…
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「大人と……こどもを1枚ずつ」
 繋いだ手の先に思わず口ごもるも、カウンターから朗らかな声が返った。
「それでしたら親子券がポップコーンもついていてお得ですよ?」
「う……っ」
「どうしたんだよ、真吾」
 いつもと違って真吾の昔のニット帽を被った二世が見上げるのと係員の笑顔を何往復かしてから財布を開く。
「……おやこ、券でいいデス」
 
「なあ、どうしたんだよ?」
 出来立てのポップコーンを口に放り込んでいる帽子の登頂のポンポンをなんとなく揉む。
「それ! やめろって!」
 小さく叫んで真吾と距離を取った。
「角に当たったらどうするんだよ!」
「それは……ごめん」
 それだけ言って空いていたベンチに腰を下ろすと警戒しているのか、拳2個分だけ空けて二世も隣へ。
「シアター、入らねえのかよ?」
「まだ前の回が終わってないよ、結末だけ先に見たいの?」
「ちっとも」
 そう言ってポップコーンを頬張ったところを突く。
「ねえ、僕らってどんな風に見えるのかな?」
「……さっきの気にしてんのかよ」
 それだけ言ってまた次を口に入れる前に早口で返した。
「他人なんか気にしてんなよ」
「でもさ、兄弟はまだしも親子って、ちょっとショックでさ……んぐ」
 続けて泣き言をと開いた口にポップコーンが押し込まれる。
「今の格好でコイビトって言われたら捕まるぞ、真吾が」
「だよね~」
 差し出した手に乗せられたそれを放り込んで奥歯で噛むといい音がした。
「……君、昨夜みたいに大人の姿にだってなれるんでしょ?」
「なれるけど、この形りのがチケット安いし」
 そう言ってぐいと口元を曲げる。
「しって、他にも?」
「……格好悪いけど、夕べに魔力諸々使い過ぎた」
 そう言ってにんまりと笑うのを見て、真吾の方が耳まで赤くなった。
「半分は真吾がもっととかしつこ……ッ」
「黙って! 本当に条例で捕まるから!」
 口元を押さえる手を引っぺがしたのをべろり、と舐めて上目遣いに笑う。
「パパぁ、ポップコーン食べたら喉が渇いちゃった」
「ぐう……ジュース、買ってあげるから!」
「チュロスもたべたいなあ~!」
 鼻歌混じりにそう言われて、渋々と財布を取り出した。
「……全然、得にならないじゃないか」
032
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 15/01/2025
昨日、今日にてイベント前に予約頂いた方+αへの発送完了いたしました🙌 包材調達の関係で残りの注文分も今週中には発送できればと思っております🙇 BOOTH在庫以外は配達事故や不良品交換用のもので余れば5月に持込で再版予定はございません🙇
022
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 14/01/2025
一昨日は大阪にてお声掛けなど大変ありがとうございました🙇 ばたばたしておりましたが昨日よりBOOTHにアンソロやら新刊やら追加して再開させて頂きました ご興味ありましたらよろしくおねがいいたします🙇 haru000317.booth.pm
041
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 12/01/2025
設営など終わりました よろしくおねがいいたします🙇
002
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 10/01/2025
週末のイベントのお品書きです。 新刊は成年向け二埋アンソロ「おとなのにうも♡ぶっく」と10月に発行したオメガバパロの続きです。 イベント後に残部を通販よていですm(__)m haru000317.booth.pm
012
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 01/01/2025
1/12発行予定 の おとなのにうも♡ぶっく サンプル的なものになります A5 130P¥1000 R-18 (BOOTHでは匿名配送料¥370が別途必要となります) haru000317.booth.pm/items/6448707 今回は再版なしの売り切りとなります、よろしくお願いいたします🙇
042
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 24/11/2024
@okazukkohal.bsky.social 先生! 先程ありがとうございました! とんちきラーメンタオルいりませんか? (押し売り気味ですみません)
110
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 22/11/2024
とんちきたおる☺
086
Reposted by 春(にゃうも)1/12て14b
理想郷計画総本部 5/3東6の02a(89年版二埋) @utopia.operation.jp · 21/11/2024
今後、Xでの投稿はRPと返信に特化する予定です。 現在の拠点候補は以下のとおり。 詳細は引用元のツリーをご覧ください。 【理想郷計画総本部Web】 utopia.operation.jp 【Xfolio】 xfolio.jp/portfolio/om... 【bluesky】 ※2024/11/21~ 独自ドメインになりました! bsky.app/profile/utop... 【翡翠SINGS】 kawasemi.cloud/@operation_u...
utopia.operation.jp
理想郷計画総本部
理想郷計画総本部・千年王国計画(オペレーションミレニアム)
021
Reposted by 春(にゃうも)1/12て14b
理想郷計画総本部 5/3東6の02a(89年版二埋) @utopia.operation.jp · 17/11/2024
#アニメ悪魔くんF35周年同時視聴 劇場版第2弾『ようこそ悪魔ランドへ!!』いつ観ようアンケート x.com/Operation_om... ブルスカまだアンケート機能ないから……💧
x.com
x.com
013
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 17/11/2024
大人向けにうも♡ぶっくの案内ページへ参加者さまを追記させていただきました。 なにか間違いなぞございましたらお手数ではございますが一方願います。 また、週末まで参加者様募集しております。 よろしくお願いいたします。
065
春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 14/11/2024
いつもの大人でできてるふたりのぐだぐだ ウォーターマークアプリのおためしかねて #きまぐれにうも
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春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 10/11/2024
こっちならひと少ないから言えるんだけど こっそりおじちゃんのふわふわお尻に釘付けになってました、昨夜 毛の生えてる動物のお尻はだいたいかわいい
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春(にゃうも)1/12て14b @haru000317.bsky.social · 09/11/2024
1/12のインテック大阪にて大人向けのにうも♡ぶっくを企画しております。 参加者さまを募集しております。
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