ユルキア
「お手をどうぞお姉様」
跪いた長髪の毛先をチラと見遣り、なんでそんな事を気にしてしまうのかと自分でも不思議だ
差し出された手はあの頃と違い、手袋で覆われている。少し傷が残ってしまったと言っていたあの子はもう私に気安く話しかけてこない。
自分の影が、その子に差しかかる
「嫌よ」
だって、私が欲しかったのはあなたの事だもの。あの頃の貴女は無礼者でなんでも雑で、顧みることもなくただ真っ直ぐ。真っ直ぐ私のことを見たわ。
「……それは」
嫌。イヤよ。貴女さえいれば安心出来た私の臆病が他人行儀の貴方が、どうして。
「どうして今更…………」
泣いてしまう。泣いてしまうのが悔しくて。また止まらない