Reposted by エヌコ
『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』読了。
すでに数多いトーベ・ヤンソンの伝記の中でも、祖国フィンランドの美術史家(生誕100周年回顧展のキュレーター)である著者が書いた点が画期的な一冊。日本では透明化されがちなトーベの政治的(というか反ファシズム的)な側面や、性的マイノリティとしての生についてもしっかりした言及がある。根本的には反骨の人である。
だからこそ、トーベの創作業の中でも最も浮世離れしていると言えそうなムーミン谷の世界が、彼女の人生を決定づけるような知名度を得た(得てしまった?)ことは、ある意味で運命の皮肉とも言えるが、それもまた芸術や世界のままならなさであり、奥深さなのだろう。