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安田

@ccyasu.bsky.social
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審神者・プロデューサーちゃん・賢者様・監督生 字書き(くりつる、時々その他) wavebox.me/wave/kmbtzjmzmzd8ohov www.pixiv.net/users/2827613

PostsRepliesMedia
安田 @ccyasu.bsky.social · 17/09/2026
久しぶりの日差し また明日からしばらくお預けの青空…ずーっと梅雨みたいな天気
青空と白い雲が少しと緑の芝生と山の木々
100
安田 @ccyasu.bsky.social · 08/08/2026
お供やりたかったけど暑くてなんもしてる余裕なかった 白と黒の七夕飾り
010
安田 @ccyasu.bsky.social · 08/08/2026
これはセバスさんの七夕くりつるとコラボ
020
安田 @ccyasu.bsky.social · 08/08/2026
繋がってる笹にある小さいやつがそれ ぬいサイズ
仙台七夕飾り
大きな笹飾りと一緒に小さいサイズの笹飾りがある
010
安田 @ccyasu.bsky.social · 08/08/2026
七夕飾りと、こもちたち こもちの頭の上にあるやつは遠近法ではなくもともと小さいやつ
仙台七夕飾りと小さいもちマスの鶴丸と大倶利伽羅
110
安田 @ccyasu.bsky.social · 06/08/2026
小学生たちが折った鶴で作られた飾りは毎年大人気 キラキラしてて綺麗
172
安田 @ccyasu.bsky.social · 06/08/2026
仙台七夕だよ〜
仙台七夕の吹き流しの写真その1仙台七夕の吹き流しの写真その2
伊達政宗の絵や漢詩があしらわれている仙台七夕の写真その3
小学生たちが折った鶴の吹き流し
とてもキラキラしている
183
安田 @ccyasu.bsky.social · 05/07/2026
鶴丸国永の叶わない願い(くりつる)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「ひらいて赤ブー 2026/07 鶴丸国永の叶わない願い」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 願いは短冊に書けば叶うのだろうか。あれは決意表明だという話も聞くが、決意したところでどうにもならないことはどうしたらいいのだろう。
「お淑やかな儚げ美人になりたい…!」
「は?」
 心の底から漏れ出た大倶利伽羅の「は?」は、なかなかに効く。そういう反応だろうなと覚悟はしていたが。
 鶴丸は先日萬屋街で見かけた、己の同位体のことを思い出す。その鶴丸国永は女性体で、小さくてふっくらしていて、目はぱっちり、まつげバシバシ、胸がボン、腰がキュッとしていて尻がボンとしていた。買い物ついでに聞こえた会話によると、不具合により練度が上がるのが遅く、顕現して日が経つのに未だ戦場にはほとんど出られていないらしい。早く強くなりたい、と伏し目がちに呟かれた声はまるで消え入りそうで、鶴丸はこんな個体もいるのかと大層驚いた。
「お淑やかな…儚げ美人に…」
「やめておけ。向いていない。というか無理だ」
 大倶利伽羅はいつも通り、取り付く島もない。大倶利伽羅の短冊には、今年も無病息災と書かれている。面白味がまったくない、と鶴丸は思った。戦場であんなに暴れているくせに、無病息災は無理があるのではないか。
「その個体はそう顕現したんだろう。あんたになれるはずがない」
 女性体ということもあってか、あの鶴丸国永は大層お淑やかだった。上品でふんわりしんなり、なにより全体のバランスがとても綺麗だった。頭のてっぺんからつま先まで、計算されつくされたかのような美人だったのだ。同位体であっても一瞬見惚れるほどに。
「同じ鶴丸なのに」
「諦めろ」
 鶴丸の筆の先は、さっきからずっと短冊の上で踊り続けている。願えば叶うなんて嘘っぱちだが、努力すれば少しは近付くことは出来るんじゃなかろうか。無理か。お淑やかな儚げ美人は無理か。
「詐欺だと言われるだけだ」
「ぐっ…」
 儚げ詐欺とか言われているのを、鶴丸だって知っている。自分は特に、元気いっぱいだしご飯はもりもり食べるし、足を広げて座るし着物の裾がびらびらしていても気にならない。儚いという言葉からはほど遠いところにいる自覚もある。
 それでも夢を見てしまう。叶わぬ願い。短冊に書いても誰も叶えられそうにない、もしかしたらの世界を。
「お前は短刀みたいに走り回って泥だらけになって、どんぶり飯をおかわりして太刀のくせに自分で銃をぶっぱなしているのがお似合いだ」
 やってみたら出来ちゃったので、個性ということにして鶴丸は懐に拳銃を入れて出陣している。陸奥守吉行とはいい拳銃仲間だ。自分の性に合っているのが一番、ということで、審神者は政府になんとか許可を取ってくれた。それを無碍にはしたくない。なにより自分がそうありたい。太刀でありながら拳銃を使いながら出陣し、昼でも夜でもお構いなしの、おおよそ通常の鶴丸国永から外れている自分が、けっこう好きなのだ。
 しかし、それとこれとは別である。対極だからこそ、そうなってみたいのだ。無理なことは分かっているけれど。
「いつものお前が一番いい」
「…。へいへい」
 短冊に筆を滑らす。相思相愛。
 筆を置いて、鶴丸は大倶利伽羅にどっしり寄り掛かった。己の大倶利伽羅に可愛いと思ってもらえれば、それでけっこう、満足だった。
032
安田 @ccyasu.bsky.social · 02/07/2026
最近手に入れたキラキラ 可愛い
ヤングオイスターのボンボンドロップシール、普通サイズとミニサイズよるねこボンボンのボンボンドロップシールの拡大キラキラショット
000
安田 @ccyasu.bsky.social · 18/05/2026
この前食べた美味しいもの
牛タン定食の写真の牛タンアップ
040
安田 @ccyasu.bsky.social · 07/04/2026
幸せの厚み(伯仲)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「ハッピーパンケーキ(伯仲)」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

「パンケーキが食べたい。ふわふわで分厚いやつ」
 と、山姥切長義が言ったので、山姥切国広は厨で格闘していた。卵、ヨーグルト、粉。そんなに真剣に気合を入れて作るものなのかな、とその様子を見ていた長義は思った。
 パンケーキが食べたいと言ったのは数日前のことだ。疲れていたのだ。なんか甘くてこってりしたものをたくさん腹に詰め込みたい、そんな気分だった。ちょうど年度が切り替わるタイミングで、事務作業に駆り出されていた長義も業務を終え屍のように部屋に戻り、ほとんど独り言のつもりで呻いた言葉を国広が拾ったのだった。
 労いだから、と国広は作業のすべてをひとりで請け負うと言って聞かず、長義は座ってその様子を見ている。卵、牛乳の代わりだろうヨーグルト、粉。不器用なのか器用なのか分からない国広の手つきは、見ていてちょっと危なっかしい。卵が潰れるのではないかと少しひやひやしたが、意外と割るのは上手だった。ちょっと使いすぎじゃないかと思うほど卵を割り、ヨーグルトを豪快に入れ、混ぜる。粉を入れ、更に混ぜる。かなり大きいボウルを使っているおかげで零れることはないけれど、分量はどうなっているのか少し疑問だ。一度も計量していない。
「お茶くらい俺が淹れるけど、何がいい?」
 本当に少しも手出しさせてくれないので、長義は茶を淹れることにした。黙って見ているだけというのも性に合わない。国広はホットプレートから目を逸らさず、フライ返しをぎゅっと握りしめて「なんでもいい」と言った。それが一番困る、と思わなくもないが、すべて自分のために写しがやっていることだと思えばそれでもまあいいかと思えてくる。実際、想定内だったので長義は棚を眺めて適当な茶葉を幾つか選んだ。焼き上がりのタイミングに合わせて茶を淹れることなんて造作もないことだ。
 パンケーキが食べたいと言ったその日、結局長義は厨に残っていた食パンに割った板チョコを乗せて焼いて食べ、少しだけ欲を満たした。なんかふわふわしたものと甘いもの。疲れていたし何の用意もなかったので、そんなものだ。だがそれからずっと、やっぱりパンケーキが食べたいとなんとなく思っていたのだ。そしたら、これだ。写しがパンケーキを作るという。ヨーグルトを使うと分厚くなるんだ、と得意げな顔をして長義を座らせ、真剣な面立ちで良い匂いを充満させている。なんかもう、たまらない気分だ。
 透明のティーポットに茶葉を入れ、高くから湯を注ぎ、茶葉が踊るのをじっと見つめた。ホットプレートから皿に移されたパンケーキには、国広がこれでもかというほどホイップと果物を飾り付けている。チョコソースもカラースプレーも、勿論シロップも。
「…さすがに高カロリーと言わざると得ないが」
「どうせ太らないだろ。出来たぞ」
 ふわふわで分厚い、三枚重なったパンケーキ。思ったよりかなり本格的だ。
「お前のは?」
「先に食べてていいぞ。これからまた焼く」
「ひとりで食べさせる気か? いいから皿を持ってこい」
 それに茶も冷めてしまう。せっかく綺麗に抽出できた、この透き通って香りもいい長義特製ブレンドの紅茶だって、ふたりで飲むからこそなのに。
 パンケーキにナイフを入れ、そっと切り分けていく。まん丸のそれは、真っ二つに。一刀両断、とまではいかないが、なかなかうまく切れて綺麗な半月になっていた。国広が持ってきた皿に半分を乗せ、ホイップも果物もその隣に盛り付ける。紅茶は綺麗なティーカップへ。いつものマグカップでは、少々味気ない。
「うん、いいじゃないか」
「あんたの労いだったのに」
「なら猶更だ。自分だけ食べるのでは落ち着かない。それにほら、断面もいい」
 長義が思い描いた、ふわふわで分厚い、がそこにあった。甘いものはいくらあってもいい。美味しい紅茶、それと写し。充分すぎる。
「では、頂きます」
「頂きます」
 作業台の脇で手を合わせる。シロップはびたびたに、ホイップはべったりと。たまにはいいだろう。
 欲が満たされていく。ふわふわと、厚みと、甘さと、写し。幸せの味。
131
安田 @ccyasu.bsky.social · 05/04/2026
くりつる 春が咲く
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「#ひらいて赤ブー 2026/04」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 なんてことはない、小さな箱が鶴丸の前に置かれた。アクセサリーだな、ということは分かる。意味は分からない。
「やる」
 大倶利伽羅は、いつもの通り言葉が少ない。くれるらしい。どうも、と箱に手を伸ばした。特にラッピングされているわけでもなく、リボンがついているわけでもなく、ただアクセサリー用の箱に入れられたのだというだけの、何か。
 蓋を開けると、薄桃色の金属の花が三輪、並んで咲いていた。手に取ってひっくり返してみる。このような形はどこぞの店頭で見たことがある。加州や乱なら正確な名前を教えてくれただろうが、生憎ここには言葉少なの大倶利伽羅だけ。
「耳飾りか?」
「いやーかふ、らしい」
「かふ」
「耳に引っ掛けるやつだ。穴はなくていいし、強く挟むこともない」
 前に鶴丸がイヤリングで耳を赤くしてしまったことがあるのを覚えていたのか、大倶利伽羅は耳に優しいものを選んできたらしい。じわりと胸の奥が熱くなったのを感じたが、やはり意味は分からない。
「…何か祝い事とかあったっけ」
 忘れてたとしたら申し訳ない。が、大倶利伽羅は首を横に振った。別に何も。
「…先日、脇差たちに拉致られて映画鑑賞会に参加させられた」
「拉致」
「アニメ映画の。突然歌ったりする」
「突然歌う」
「帽子屋と兎と鼠が、いや鼠は寝ていたが、茶会で歌を歌っていた。なんでもない日万歳、と。妙に耳に残る」
「はあ」
 誕生日は年に一日だけ、でも誕生日ではない、なんでもない日はそれ以外全部。なんでもない日も祝ってしまえば、年中祭りなのだと。
「今日はあんたのなんでもない日だから、その祝いに。…それとも何かあったか?」
「いや、ない。…多分…」
「まあ、そういうわけだ」
 どういうわけ? 分からない。が、なんでもない日もおめでとうと言うのは、確かにいいかもしれない。なんてことはない日々を過ごせることも、めでたいことに違いはない。
「ありがとう。これはどうやって引っかければいいんだ?」
 手に取ったそれは鈍く輝いていて、時々かちんと煌めいた。
 大倶利伽羅はそっと鶴丸の手からそれを取り、鶴丸の左耳に触れた。やわやわと耳たぶを触られる感触が、なんだか居心地が悪いような、いいような。
「できた」
 耳に何かくっついている、だが痛みのない不思議な感覚。手を伸ばして鏡を取り、耳を写して見た。きらきらの桜が咲いている。
「綺麗だ」
 呟いた言葉は同時に重なり、思わず見合わせた目も同時に重なった。金色の眼が輝いている。春の景色だな、とふと思った。
053
安田 @ccyasu.bsky.social · 22/02/2026
モ もう帰るだけだからということで、鳥竜田トマトガーリック 美味しかったよ〜
010
安田 @ccyasu.bsky.social · 16/02/2026
バレンタイン伯仲 ※cpあるようなないような、どっちつかず左右特になし 本科呼び・同室設定
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「2026バレンタイン伯仲」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

「はい、もう過ぎたけど」
 山姥切長義に重厚そうな固そうな箱を手渡され、山姥切国広は思わず目を見開いた。どう見ても高級チョコレートだった。
「ん、お前チョコ嫌いだっけ?」
「いや、好きだ。大好きだ。ありがとう。ちょっと…びっくりした」
「何で」
 チョコの祭典の日はもう過ぎた。長義も国広も、政府の催し事に参加していたので忙しかったのだ。言い訳といえば言い訳、だが気になっていたのも事実だ。あげるあげないはともかく、気持ちの上ではともかくではないが、それはそうとして、厨から立ち込める甘ったるい匂いだとか、限定品のチラシだとか、そういうものが気になっていたは、いた。いたが、忙しかったのだ。
「もらえるとは思っていなかった…」
「え、何で。あげるよ。遅れたけど」
 長義は心底不思議そうだ。何でと言われても、と国広は黙り込む。当日にもらえなかった。だからもう、そういうものはないのだと思っていたのだ。不本意ではあるが、多分、少し期待していた己を自覚する。自分だって忙しくて当日までに何も用意することが出来なかったというのに。なんとなく、長義はどれだけ忙しくても、そういうことをきちんとするものだと思っていたのだろう。ただの思い込み。或いは傲慢。
「あー、俺は…俺はだな、その、すまん。桁が違うと思う…」
 無造作に部屋の片隅に置いたままだったエコバッグから、国広は中身を取り出して机に並べた。どれもそこらで年中買える、だが国広が好きなチョコ菓子。
「本科、よく忙しいときにこういうチョコ菓子を食べていたから…、あと、催事に行く暇がなかった」
 本当は国広も、いつだって買えるようなものではなく、いかにも山姥切長義に似合いそうな美しいチョコを買いに行きたかったけれど、本当にそんな余裕がなかったのだ。任務優先、当たり前のことではあるので別にそれはいい。しかし、長義がこれを用意出来たということは、自分にも出来たはずだ。そう、思ってしまった。
「通販」
「……通販?」
「そう。ネット通販。お前は俺よりだいぶ先輩なのに、未だにそういうのに疎いんだね」
 便利に使わないとね。そう言って長義は笑った。
「俺だって自分の目で見て買いたかったよ」
 忙しかったのはお互い様だろう? 
 その目が物語っている。それでも自分で選んだことに変わりはない。お前のことを考えながら選んだよ。
「ちなみに自分の分も買ってあるから、それはお前が好きに食べていいからね」
「えっ……、お茶を淹れるから一緒に食べようとこれから言おうと思ってたのに」
「珈琲ならもらう」
「もちろんだ。…なあ、俺の好きに食べていいんだったら、やっぱり本科と箱を開けるところからやりたい。俺はこれの中身を見ていない。本科は知ってるんだろうが」
 ふむ、と長義は少しだけ考える素振りを見せて、いいよ、と頷いた。多分、最初からその気だったのだとその瞬間に分かった。自分は今一つ、こういうことになると遅れを取ってしまう。顕現が先であれ先輩であれ、やはり本科にはかなわない、といつも思う所以だ。苦い気持ちでもある。
「ところで、国広、お前は山と里はどっち派?」
「戦になりそうなこと聞かないでくれ…。茸は笠の部分が好きだし、里は食感が好きだ」
「ふふ、だろうと思った」
「珈琲淹れてくる」
 長義は上機嫌に手を振った。多分、同じなんだろうな、と思うとなんだか少しくすぐったい気分だった。
000
安田 @ccyasu.bsky.social · 29/01/2026
くりつる企画2026年1月お題 ころころ 三郎目線です #くりつる企画
164
安田 @ccyasu.bsky.social · 12/01/2026
みゅ〜じっくで奏汰くんゲットして嬉し
000
安田 @ccyasu.bsky.social · 12/01/2026
こっちに載せてなかったけど、無事に歳を取ってました
250
安田 @ccyasu.bsky.social · 31/12/2025
うち本丸の立ち上げ当初、光忠が複数の鍋いっぱいに宮城雑煮を作って歌仙ちゃんを困惑させていたのも懐かしいですな(脳内の思い出)
040
安田 @ccyasu.bsky.social · 31/12/2025
くりつる企画12月お題 雪・見つめる・『隣にいられますように』 合わせ技! 2025年もありがとうございました、来年もどうぞよしなに #くりつる企画
054
安田 @ccyasu.bsky.social · 31/12/2025
遅ればせながらお迎え おみくじやろうね
010
安田 @ccyasu.bsky.social · 29/12/2025
これは出過ぎな厄災
000
安田 @ccyasu.bsky.social · 29/12/2025
お食事会でした 玉手箱の中身は美味しいごはんたち
010
安田 @ccyasu.bsky.social · 29/12/2025
年内ラスモス 海鮮かきあげ
010
安田 @ccyasu.bsky.social · 26/12/2025
おふとん伯仲 ※cpあるようなないような、どっちつかず左右特になし 本科呼びです タイッツーから再掲
021
安田 @ccyasu.bsky.social · 25/12/2025
遅ればせながら得ました 頭にお星さまの飾りつけてるみたいで可愛い
010
安田 @ccyasu.bsky.social · 25/12/2025
べ〜しっく10連です、やったね
000
安田 @ccyasu.bsky.social · 24/12/2025
今朝のかわいかったお庭
000
安田 @ccyasu.bsky.social · 24/12/2025
光るもみの木にまだ到達してません みんな課金で交換してるのかと思ってた
010
安田 @ccyasu.bsky.social · 24/12/2025
くりつる企画12月のお題 冬至(長い夜) #くりつる
153
安田 @ccyasu.bsky.social · 21/05/2025
小満(くりつる)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「小満 2025/05/21」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 初夏の日差しが眩しくて、鶴丸は深く帽子を被りなおした。本日は晴天、畑仕事をするには少し暑い。早いところ済ませてしまって、日陰で涼みながら氷菓子でも食べるのがいい。
 畑には所々、小さな苗が植わっている。支柱が建てられた一面の畑は、まだ緑が少なくどこか異様だ。ここが野菜でいっぱいになる頃には、すっかり真夏になっているだろう。収穫は楽しみだが、夏の暑さはどうにも苦手だった。かつて炉の灼熱から生まれたというのに、ままならないものである。
「よく育つといいね」
 当番でもないのに暇さえあれば畑にいる桑名江が、畑を見渡してそう言った。本当に楽しそうに畑仕事をするものだといつも思う。
「今年は随分とこだわりがあったみたいだし」
「すまんな、無茶を言って」
「僕は楽しいよ。新しい品種がどう育つか、どんな味の違いがあるのか、楽しみなことだらけだ」
 今年の苗を植える前に、鶴丸は審神者に一つ相談事をしていたのだった。品種を増やしてみたい。広い畑に人数分の野菜を育てるのは至難の業で、だから難しいことではあるけれど。それでも、出来るうちにやってみたいことがある。
「トマト、たくさん成るといいね」
「あぁ」
「大倶利伽羅が好きなやつ」
「……。あぁ」
 何度か季節を巡ってきたが、冬の頃にふと大倶利伽羅が言ったのだ。あの時あの店で買ったトマトは美味かった。普段は手に取らない品種のものを、ただふと手に取ってみたのだろう。そんなことを聞いたのは初めてだったので、その品種についてなんとなく調べ、なんとなく覚えておき、なんとなく今年は植えてみたいと思ったのだ。
「僕ら、いつまでこんな生活できるか分からないんだから、なんでもやってみたらいいいよ」
「だよな」
「大地はいつでもここにあるし、多分放っておいても野菜はいくらか育つだろうけど、それを食べる僕らは今しかいないし」
「放っておいても育つかな」
「いくらかはね。まあでも、手入れは大事だよ。何事も」
 肥料を足したり、水やりをしたり、雑草を抜いたり、虫に食われない工夫をしたり。
「美味しいトマトを大倶利伽羅に食べてもらうためにも、当番はさぼらないでね」
「分かってるよ。今年はちゃんとやるさ」
「いつもやってよ」
 風が少し冷やりとするのが救いだ。まだ暑い日差しをうらめしく思いながら、鶴丸は気合を入れて足を踏み出した。
010
安田 @ccyasu.bsky.social · 05/05/2025
立夏(くりつる) #くりつる企画 立夏(青空)+きらきら(少々)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「立夏 2025/05/05」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 強い西風が吹いている。この時期にはよくある風だ。雲は瞬く間に流れていき、地上には晴れと曇りが交互に混じった。
 鶴丸の羽織がその風にはためいて揺れるのを、大倶利伽羅は後ろから眺めていた。無言で歩いていくそこは、田んぼの畦道だ。一面に苗が植えられ、水面がきらきらと瞬いている。生命の息吹とはこういうものだろうかと思わせる、それは美しい光景だった。
 刀を手に握ったまま、鶴丸はすたこら畦道を歩いていく。時折滴る血が地面を濡らし、大倶利伽羅はそれを踏みつけながら後ろに続いた。植え付けが始まった水田に被害が出なくてよかった、と思うようになったのは、実はここ数年のことだ。それまでは、戦であればそういうこともあろうという認識でしかなかった。本丸で暮らしていくうちに、歴史を守ることは人の生活を守ることなのだと思い知っていったのだ。
 時間素行軍は殲滅したが、ここにはまだ戦の気配が残っていた。あとはこの時代の人間の問題なので、自分たちは介入しない。足元の悪い畦道を進むのは、ここが近道なのと、最後の見回りを兼ねてのことだった。
 鶴丸の怪我は思ったより深く、だが手を貸すことはしなかった。というより、道が細くて並ぶことが出来ない。背負われるほどの傷ではないからと鶴丸はさっさとひとりで歩いていき、大倶利伽羅は殿よろしく後ろをついていくのみだ。殿といっても、他の仲間たちとは別行動なのでただの後ろ前だが。
 以前にもこのあたりに、別の季節に来たことがある。今よりもう少し前の季節で、田んぼの向こうには桜が立ち並んでいるはずだが、今はただ緑の深い山が広がっているだけである。秋には確か、山が疎らに赤や黄色に染まっていたはずだ。冬はそこら中が雪まみれで、歩くのにも苦労した。
 鶴丸はどの季節でも、山や花を見ては綺麗だなあと笑っていた。桜は見事なものだったし、紅葉もまた美しい。水が張られた一面の田んぼだって、強風に煌めく水面の美しさといったらない。山の緑はあまりにも眩しく、青空はまだ少し薄い。
 前を歩く鶴丸は、どんな顔をしているのだろう。痛みに歪んでいるか、それとも景色に見惚れて微笑んでいるだろうか。未だ血を滴らせながら、だが決して田には落とさないように踊るようにとんとん歩いていく鶴丸の顔を、大倶利伽羅は想像するだけである。
044
安田 @ccyasu.bsky.social · 20/04/2025
穀雨(くりつる)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「穀雨 2025/04/20」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 風が生温く、雲が広がっている。蓋のように覆われているせいで熱気が逃げず、少し歩いただけでもほんのり蒸し暑さを感じた。もうそんな時期になっているのだな、と大倶利伽羅は畑に向かいながら思った。
 本丸の畑は増える刀剣男士に呼応するように段々と拡張され、今や結構な広さの農地だ。人手があろうとも手作業だけでは到底足りず、数年前からトラクターが導入されている。当番の手も他より多く、食べるばかりとも言っていられない刀たちでいつも忙しない。
「鶴丸、」
「よう伽羅坊。手伝いに来てくれたのか」
 トラクターで畑を耕していた鶴丸が手を振る。そうではない、と大倶利伽羅は首を振り、鶴丸の元に駆け寄った。
「雨が早まるらしい。今日の作業はこれまで。機械は濡れないうちに撤収を、とのことだ」
 今日は夕方から雨になるから、昼過ぎまでには畑の作業を済ませるはずだった。まだ途中だろうが、こればかりはどうしようもない。
「雲次が来てから、天気予報の精度が上がったな」
「小屋に戻れ。俺は向こうにも伝えてくる」
「これに乗っていったほうが早くないか? ついでに耕せるし。伽羅坊も乗るといい」
 広い畑に対応するように、トラクターは南海太郎朝尊により改造に改造を重ねられ、今や二人乗りが可能だ。とはいえ、大倶利伽羅はいつも一人用のものを使っているため、この大きさのものには乗ったことはない。
「いや…、」
「伽羅坊は大きいのは乗らないんだっけ。なら猶更、運転してみるといい。俺がちゃんと知らせるから。な?」
 答えを待たずに、鶴丸は運転席からさっさと退いてしまった。どうぞ、と言いたげな笑顔に大倶利伽羅は黙り、仕方なく運転席に乗り込んだ。同じトラクターではあるのだし、多分そこまで勝手は違わないだろう。
「…なんだ」
 視線を感じて問いかけると、鶴丸の満面の笑みとかち合った。嬉しそうな、少し照れたような顔だ。
「いや、君とこうして並んで乗り物に乗るのって、なんか楽しくて」
「…トラクターだが」
「トラクターでも、だ。俺たち、乗り物に乗って出掛けたりしないだろ。映像で見て、ちょっといいなと思ってたんだ」
「……。出発するぞ」
「おう」
 がたん、と音を立てて、トラクターは揺れながら動き出した。思った以上に馬力があるな、と大倶利伽羅はハンドルを握る手に力を込めた。操作自体は難しくないが、大きさが違うとなかなか動かしにくい。
 黙って運転する大倶利伽羅の隣で、鶴丸は「もう雪は降らないだろうなあ」とか「水やりの手間が省けてよかった」とか、飽きることなく喋っている。時々トラクターを止めては作業をしている当番の者に作業中止を伝え、また畑をゆっくり進んだ。雲の色が少しずつ濃くなり、風が冷たくなってきて、畑を一周してトラクターを小屋にしまう頃には、周囲はすっかり靄がかかっていた。もうあと幾らもしないうちに、雨は降ってくるだろう。
「運転、ありがとな」
「別に」
「俺が車庫入れ苦手なの分かってて、代わってくれたんだろ。まったく可愛い奴め」
「……。別に」
 鶴丸は機嫌がいい。余程トラクターの助手席というのが楽しかったのだろう。本丸には車も自転車も必要ないのだから、それも分かる気がしないでもない。大きな音を立てて揺れながら走る車に並んで乗るのは、まあ悪くはなかった。
「降られる前に戻るぞ」
「泥を落としたらおやつにしよう。ちょっといい茶菓子が手に入ったんだ」
 どこそこの個数限定で、と話しながら足取りの軽い鶴丸についていく。遠くで雷の音が鳴ったような気がした。
010
安田 @ccyasu.bsky.social · 04/04/2025
清明(くりつる) #くりつる企画
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「くりつる企画(4月)清明 2025/04/04」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 春の陽気に近付いているとはいえ、海辺の風は少し肌寒い。漂う磯の香りを浴びながら、鶴丸は海を眺めている。重たい装束が揺れるほど、今日の風はいつもより強かった。
 波間が煌めくのを見やりながら、大倶利伽羅は鶴丸の後姿を見つめていた。風で装束がぱたりと揺れ、髪もさらさらと舞い、海はちかちかと瞬く。日差しは暖かく、風は少し冷たい。磯の香りが強すぎて花の香りはしなかったが、春の花が枝や花壇を飾っていた。
「こんなにいい天気で気持ちのいい場所なのに」
 鶴丸が呟いた。じっと眼前を見据えている。
「風情のない奴らだよなぁ…」
 青い空と青い海、そしてあちこちに緑色の小さい島が浮かんでいるこの景色に、似つかわしくない暗雲が立ち込みはじめていた。急に風が冷たくなった気がする。遠くに響く雷鳴は、すぐに咆哮に変わるだろう。
「さっさと片付けて、花見でもしてながら帰りたいもんだな」
「まったくだ」
 海の煌めきは消えることはない。春の風でも冬の風でも、同じように波は揺らいでその度に瞬く。ただ、鶴丸が同じ風に揺られて同じように煌めくのは、春だけだった。大倶利伽羅が、この季節に鶴丸と出陣するのを密かに楽しみにするほどに。春の日差しが似合う男なのだ。多分、本人はそんなこと思っていないだろうけど。
「では行くか」
「あぁ」
 この景色を守り、人を守り、歴史を守り、ひっそりとしたこの時間を守るために。大倶利伽羅は今日も、鶴丸の隣を駆けていく。
022
安田 @ccyasu.bsky.social · 20/03/2025
春分(くりつる) #くりつる企画
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「くりつる企画(3月)春分 2025/03/20」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

「暑さ寒さも彼岸まで…」
 空を見上げて、鶴丸が呟いた。ほとんど呻き声に近いといってもいい。暖かいのは結構なことじゃないかと大倶利伽羅は思う。昨日は冬の最後の足掻きとばかりに雪が降ったが、今日は麗らかな日を予感させる陽気で心地いい。木々も芽吹いてきているし、蕾は赤らんでいる。そのうち花見も出来るようになるだろう。
「もう寒いのはおしまいか」
 名残り惜しそうというより悔し気なのは何故だろうか。冬の間は寒い寒いと言い続けていたのに。
「まあ仕方ないか。春は春でいいものだ」
 どすんと大倶利伽羅の背に頭突きをして、鶴丸はため息をついた。背中が地味に痛いのでやめてほしい。鶴丸の言いたいことは分かっている。去年も一昨年も、その前も同じことを言っていたからだ。
 寒くなくなったら君の布団に潜り込む理由がなくなってしまう。
 年中ひっついてくるくせにそんなことを言うものだから、大倶利伽羅は部屋に冷房をつければいいだろうと返したのだった。馬鹿なことを言ったと毎年思い出してはいたたまれなくなる。
「朝晩はまだ冷える。油断するなよ」
「分かってるさ」
 それでも昼間は随分と暖かくなるだろう。夜だって、今ほど冷えることもない。少し薄い布団に変えて人肌で暖を取るくらいで、多分ちょうどいいはずだ。
011
安田 @ccyasu.bsky.social · 05/03/2025
啓蟄(くりつる)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「啓蟄 2025/03/05」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 寒の戻りで昨夜から降り続いていた雪が、そこそこの積雪となり庭を白く覆っている。早朝はまだ更に雪が降り続いていたが、朝餉を取っているうちに霙に代わり、風呂掃除を終えた頃にはすっかり雨となっていた。庭の雪はまだ残っていたものの、水分を含んでどさりと落ちる音がしており、このまま降り続けば日暮れを待たずにすっかり溶けてしまいそうだった。
「残念だったな」
 庭を眺めていた鶴丸の隣に立ち止まり、大倶利伽羅も同じく庭を見つめた。そろそろ冬も終わりかと思っていたこの時期に雪が降ることは、そういえば昔もあった気がする。この本丸は審神者の出身地である東北の地の設定がされているので、天候はそれに左右されるのだ。懐かしいといえば懐かしい気候だった。
「雪遊びは出来そうもないな」
「おや、付き合ってくれるつもりだったのかい?」
「まさか。あんたを引っ張り上げる役目を思い出しただけだ」
 毎年、雪が積もると鶴丸が雪に埋もれるのは恒例のことである。白に同化してみたくなるのだという。何年経っても人の体は寒さに耐えられるようには出来ていないということを鶴丸はすっかり忘れるようなので、そのたびに大倶利伽羅が雪の中から引っ張り上げては温めてやるのが常だった。夜のうちにそんなことを鶴丸はやらなかったので、今年はもうその役目はないだろう。
「この景色も今年は見納めかな…」
 庭を彩る白は、真っ白で眩しいほどだった。日差しがなく反射しないので、これでもまだ見やすいほうではある。枯れた木々はまるで白い枝のようになり、常緑樹にも白が映える。積雪の朝にしか見られない光景なので、これを楽しみにしているものは多かった。大倶利伽羅もまた、そのうちのひとりである。いつもと同じ景色が一変するのは、なかなかどうして、面白い。
「なあ、伽羅坊」
 鶴丸が大倶利伽羅の手を取り、その上に自分の手を重ねた。ぴたりと寄り添って腕と腕が密着する。大倶利伽羅の褐色の肌に鶴丸の白い肌が重なり、それはくっきりとした色合いを見せた。庭の景色と同じように。
「はは、これなら年中見られるな!」
「……ふ、」
 まるで大発見かのように鶴丸がはしゃぐので、つい笑ってしまった。枯れ枝の雪と見紛う重なり方をしていては、その上から手を握るわけにもいかない。
 鶴丸が手を離さず庭を眺め続けるので、大倶利伽羅も庭に目を移した。静かな雨音が聞こえる。雪は少しずつ溶け、枝から滴り落ち、雪がまたどさりと落ちていった。
000
安田 @ccyasu.bsky.social · 05/03/2025
春コミ無配 ポスカ文学メーカーキャンペーンに申し込みさせていただきました 不備がなければあります こちらは後日公開予定です
000
安田 @ccyasu.bsky.social · 18/02/2025
雨水(くりつる) #くりつる企画
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「くりつる企画(2月・雨水) 2025/02/18」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 このまま暖かくなっていくと思っていたのに、と大倶利伽羅は庭を眺めて思った。粉砂糖を散らしたような庭模様だった。とうに過ぎたと思っていた寒波が、再びやってきたというのだ。いくら冬とはいえ、もう春を待つばかりと思っていたらこれだ。
「難しい顔だな」
 つん、と大倶利伽羅の頬を突いた鶴丸が、まん丸な目を少し細めてそう言った。どこか楽し気である。ふくら雀のように厚着で丸くなった姿を見て、大倶利伽羅は再び庭を見た。鈍い光が差してはいるが、かえって寒そうに見える。
「暦のうえでは、暖かくなる頃合いだとか聞いた」
「天気ってのはうまいこといかないもんだよなあ。珍しいな、伽羅坊がそういうのを気にするなんて」
 春が近付いてくると言われれば寒波が襲い、真冬に沈んでいくと言われれば季節外れの暖かさをもたらしたりもする。どうにもならない自然現象に振り回されるのは、今は生き物としてここにあるからだろう。
「…あんたのようだと思って」
「俺?」
「何もかも、ままならない。思い通りにはいかないし、おおよその決まり通りにもいかない。ある程度の予測はついてもその通りにはならないし、なるときもある。先週まではこのまま春になるかと思ったのに、今日からまた真冬だ。雪も降らないかと思っていたがこの有様だ」
 埋もれるほどの積雪にはならなさそうだったが、雲はまた太陽を覆い隠している。ひゅう、と鳴る風はまた雪を運んでくるだろう。散らされた粉砂糖は、一面のクリームになるかもしれない。
「あんたに似ている」
「へえ、驚きをもたらしていると思うと嬉しいもんだが」
「いらん」
 はは、と鶴丸は楽しそうに笑い、大倶利伽羅の頬に口付けた。にやりとした顔をしているが、大倶利伽羅にしてみればこれは予測の範疇だ。驚いた顔をしなかったのが不満だったのか、今度は唇に嚙みつかれる。これもまた、まあまあ思った通りではあったので、大倶利伽羅もやんわりと噛み返して至近距離で目を細めた。鶴丸の不満気な顔は、なかなか好きだった。
「では行ってくる」
「気を付けてな。重傷になって帰ってきたらぶん殴るぞ」
「自分のことを顧みてから言ってくれ」
 今度は噛みつかずに、そっと口付けた。任務での時間は本丸時間とは違うので、大倶利伽羅にとってはしばらくの別れになる。どの時代のどの季節でどう過ごそうとも、帰還すればまたこの寒さの続きからだ。そう思うと気が滅入るようではあったが、もう一度くらい鶴丸と雪を見るのもいい。春はその先、またいずれ。
042
安田 @ccyasu.bsky.social · 13/02/2025
ハッピーバレンタイン~(くりつる) (バレンタイン+爆発) Xの企画ものだけど一応タグつきでこっちにも #くりつる企画
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「くりつる企画(2月・バレンタイン+爆発) 2025/02/13」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 どうせなら、悪い予感より良い予感のほうを当てたい。と、大倶利伽羅は最近思うようになった。鶴丸の機嫌がいいときは、ろくでもないことのほうが多いのだ。判断がつかない程度の場合も勿論ある。今はどちらなのか、大倶利伽羅には今一つ分からなかった。
「一緒に食おうぜ」
 皿に並べられた小さくて丸いチョコは、どう見ても手作りだった。一口大の茶色い塊が六つ。菓子の祭典だったか、それともチョコを食べて健康を促進するのだったか、或いは全然別の何かだったか。刀としての意識が薄れていた頃の知識は、どうもあやふやだ。
「…あんたが作ったのか」
「光坊と一緒にな」
 それなら、と少し安堵した。燭台切光忠は本丸の三大料理番長のうちのひとりだ。監督がいたのならば大丈夫だろう。それにいくら鶴丸とて、食に関することであまりにも突拍子な悪戯は仕掛けてこないだろう。
「あからさまにほっとするなよ」
「するだろ」
「しかし! そんな君に朗報だ。実はこの中に一つ、大当たりがある。それを引いたら互いになんでも言うことを聞く。というのはどうだい?」
「……大当たり?」
 辛子や山葵でも仕込んでいるのだろうか。ついさっき、悪戯はないだろうと思ったばかりだというのに。あっさりと打ち砕かれた己はまだまだ甘いということか。
「ちなみに味は全部同じだ。それに包丁のお墨付き」
「なら何が当たりなんだ?」
「それは食べてみてのお楽しみということで」
 鶴丸はにこやかに、大倶利伽羅に皿を差し出す。お先にどうぞ、ということだろう。少し形が不揃いではあるが見た目は同じ、味も同じとなれば中に何か入れているのだろう。酒や果物でも入っているのかもしれない。
 燭台切と包丁藤四郎がついていたとなれば、そうそうひどいことにはならないだろう。ならば、と大倶利伽羅は手前の一つを手に取り、少し見つめてから口に入れた。小さいものなのでそれは一口で収まり、歯を立てればぽろりと崩れた。どうやら外側がコーティングされていて、中央にも別のチョコがあったようだ。少し柔らかいそれを嚙み砕くと、口の中でぱちぱちと音がし始めた。何かが弾けて口の中を跳ねている。
「どうだい?」
「…悪くはない」
 以前、こういった弾ける飴を食べたことがある。砂糖を雲のようにふわふわにさせた菓子に混ざっていた、口の中で溶けるときに軽やかに跳ねるものだ。それをチョコに混ぜたのだろう。チョコ自体は少し苦めの味がして、大倶利伽羅の好みの甘さだった。こういった調整と手腕はさすがと言ったところか。
「それじゃあ、俺も一つ」
 ひょいと一つ口に摘み入れ、鶴丸はご機嫌だ。散々味見もしただろうに、単純にこういうものが好きなのだろう。味はすべて同じだと言っていたが、鶴丸はもう少し甘めのほうが好みだったはずだ。大倶利伽羅の好みの味で作ったのだろうことは想像に難くない。
「で、当たりとはどんなものなんだ」
 二つ目はふたり同時に口に入れた。一つ目と同じ味だし同じ食感だ。見たところ鶴丸にも変わった様子は見られず、当たりは残り二つのうちのどちらかなのだろう。鶴丸は大当たりと言っていたが、このチョコのどこにそんな要素があるのか。聞いても答えはないと思っていたが、鶴丸はふむと唸ってあっさり口を開いた。
「実はな、この弾ける飴を十倍にしてある。楽しそうだろう?」
「……は?」
 楽しいことは黙っていられない、といったふうで、鶴丸の目が輝いている。十倍と言ったか。
「何が」
「ん?」
「何が十倍なんだ?」
「弾ける飴だ」
「そんな量入るのか、この大きさに」
「量じゃなくて威力だ。こう、ばーん、と」
「威力…」
 口の中で弾けるこの食感が、十倍。
 あぁ、やはり悪い予感というのは当たるものなのだなと、大倶利伽羅は頭の片隅で思った。良い予感だけ当たってほしい。
「それは爆発では?」
「別に頭が砕けたりはしないぞ、ちゃんと南海先生と大慶に監修してもらったからな」
「なお悪いじゃないか。先に言え」
 燭台切と包丁の名前だけで信じた己が馬鹿だった。自分は甘すぎる。別に南海太郎朝尊も大慶直胤も、悪気があるわけではないのは重々承知している。彼らはただ、研究が好きなだけなのだ。それは分かっている。分かっているがしかし。ここは戦場ではないのだし、死なねば安いなどと言いたくはない。ただチョコを食べるだけなのに。
「ほら、最後の一つずつ、せーので食べるとしよう。どっちがいい?」
「…大当たりを引いたら言うことを聞くのだったな」
「おう。なんでもいいぞ」
 なぜ大倶利伽羅が当たりをひく前提で話すのか。皿に残った二つを眺め、大倶利伽羅は一つを手に取った。鶴丸が残りを手に取り、にやりと笑う。
「それではいただきま、」
「仕方ないからなんでも聞いてやる。先に確認しなかった俺の落ち度だ」
 す、と同時にチョコを口に入れた鶴丸の、その口に手に取ったそれを押し込んだ。二つのチョコを一度に口に入れることになった鶴丸が、驚きの目で大倶利伽羅を見つめた。口がぽっこりしていて栗鼠のよう、なんてことがふと思い浮かぶ。すまない、さすがに骨は拾おう。
「か、からぼ」
 ぱちぱちどころではない、ばちばち、ずどん、どかん、という音が響き、大倶利伽羅はそっと目を逸らした。手入れ部屋は使わせてもらえるだろうか。
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安田 @ccyasu.bsky.social · 03/02/2025
立春(くりつる)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「立春 2025/02/03」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 鶴丸が布団から出てこない。寒い朝だった。頭まで布団をひっかぶり、猫のように丸くなっている。
「おい、そろそろ起きろ」
 布団の上からぺちんと叩いても、鶴丸は呻くばかりで顔を出しはしなかった。部屋の暖房は先ほどつけたが、鶴丸が出てくるほどの暖かさにはまだ少し時間がかかりそうだった。
 ひとりで朝食に向かってもいいのだが、そうするとあとで絶対に文句を言われる。というか、不貞腐れる。なんで置いてったんだ、なんて、いつまでも布団から出てこない己のことは棚に上げるのだ。一緒に食べたいのだと言われると、ならば早く起きろと言いたくもなるが、どうしてもその言葉をいつも飲み込んでしまう。だから待つしかない。
 部屋にある湯沸かしポットで、茶を淹れた。緑茶の粉を湯呑に入れて湯を入れるだけの、簡易的なものだ。湯呑が冷たいせいで茶はすぐに温くなるが、これはこれで便利だと最近思うようになった。鶴丸が猫舌気味で、熱いものは少し冷めてからでないと飲めないからだ。手で持つのにも丁度いい。
 茶を飲みながら、落花生の殻を割った。ゆうべ、豆まきで撒いたものだった。最初に本丸で豆まきをしたときに、審神者が購入して寄越したのが落花生だったのだ。どうやら地域性があるだとかで、掃除も楽であるし、この本丸の豆まきはもっぱら落花生だ。
 ゆうべの鶴丸を思い出す。毎年そうであるが、今年も張り切って豆を撒いていた。というより、ほぼぶん投げていた。力の限り、太刀の強さで投げられたら鬼もさすがに怖かろう。ぼりぼりと食べながら口の中に残る豆の欠片を茶で流し込み、布団を見やるがまだ動きはなかった。積雪のときは早起きするくせに、ただ寒いだけの朝にはとんと弱い。
「鶴丸、そろそろ朝食に行きたいんだが」
 寝起きに落花生では少し物足りないし、やはり食指は動かない。贅沢なものだが、本丸にいるとどうしても朝食には白米に味噌汁が恋しくなる。すっかり人間のような生活に慣れてしまったことにはあまり目を向けないようにして、最後の豆を咀嚼した。鶴丸にようやく動きが見え、布団の先っちょから銀のひかりが漏れてきた。それでもまだ、頭の半分だ。
「茶を淹れてやるから起きろ」
 冷たい湯呑に粉を入れ、湯を注ぐ。揺らめいた湯気はすぐに薄くなり、鶴丸が布団から顔を出す時には茶も飲み頃になるはずだ。部屋もだいぶ暖かい。まったく、立春の朝だというのに文字通りの春とはいかないものだ。
「置いてくぞ」
 そんなことされないと鶴丸は分かっているだろうが、これは最後の掛け声のようなものだ。発破をかけているだけだと、ちゃんと分かっている。だからもう、顔を出すだろう。俺の期待に応えないことはないのだ。期待。ただ寝起きを待っているだけだが、これはこれで鶴丸が裏切ることはない。
「……おはよう、伽羅坊…」
 全然早くないが、声を出しただけマシなほうだ。ようやく出てきた鶴丸は、布団の奥で縮こまっていたせいで寝巻がゆるゆるに着崩れている。寒いのはそれのせいじゃないだろうか。髪は寝癖がひどいし、瞼はまだ重そうだ。それでも見惚れるほど、鶴丸はいつでも腹立たしいほど美しかった。俺の目はもうすっかりおかしいのだろうといつも思う。
「お茶ありがとうな」
 温くなった茶に役に立たなさそうなほど弱い息を吹きかけ、鶴丸はゆっくりと茶を飲む。それが喉を通るのを隣からじっと見つめ、明日はタイマーで部屋を暖めておこうと決めた。
010
安田 @ccyasu.bsky.social · 20/01/2025
大寒(くりつる)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「大寒 2025/01/20」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 冷えた廊下に立ち、鶴丸は庭を見つめた。はあ、と息を吐くと、それはうっすらと白い靄になってすぐに消える。先日まではもう少し真っ白だったのに。
 雲がかかっていて、朝日はまだ庭に差してこない。少しの雲間から覗く空は薄青いが、まだ明るいとは言い難い。はあ、ともう一度息を吐く。今度は白くすらならなかった。
「おい」
 眠たげな声と共に、肩が一気に重たくなった。保温性の高い膝掛けを簀巻きするように鶴丸に巻きつけ、大倶利伽羅はいい加減にしろと続けた。
「寒さが緩むとはいえ、朝は冷えるに決まってるだろう」
「悪い、すぐ戻るつもりだったんだ」
 年始早々、任務に忙殺されていた日々が一段落つくので、今日は久々に一緒に出掛けることになっていた。本丸の裏にある山間の氷瀑を見に行こうと言っていたのだが、どうにも大寒だというのに冷気はどこかへ行ってしまったらしい。空気の冷たさを体感しようと少し部屋を抜け出したのだが、思わぬ温かさに廊下に長居してしまったのだ。
「この前まで、あんなに寒かったのにな…」
 肌を切り裂くような、とはよく言ったものである。実際、乾燥した冷えた日には唇の端や手の甲にうっすら傷がつくほどだった。冷凍庫で冷やされるのはこんな気分だろうかと思うほど、冷気は肌に刺さるのだと知ったのは人の身ならではだ。それが今日はまったく感じられず、冬だから寒いのは当然とはいえ、どこか温かみを感じる。これでは滝もいつも通り流れているだろう。
「これからもっと寒くなるだろう。また計画を立てればいい」
 この本丸は、いつぞやの時代のいつぞやの場所、やや北のほうの山の麓に建っていると聞く。詳細は誰も知らない。鶴丸と大倶利伽羅にとっては、割と馴染みのある寒さだった。大倶利伽羅のいう通り、この地の冬はまだまだこれからだろう。ちょうど滝が凍る頃に、また非番が重なることを祈るばかりだ。
「仕方ない。今日は…、そうだな、映画でも見に行こうか。君、何か見たいのあるんじゃなかったっけ」
「あんたも気になるのがあると言っていたな」
「ふふ、じゃあ二本立てといこうか」
 実は昨夜から、そんな気はしていたのだ。おそらく滝は凍っておらず、この計画は持ち越しになるだろう。萬屋街にある映画館では、よくいつぞやの時代の映画を上映していて、鶴丸も大倶利伽羅もその上映案内を見入っていたのを互いに気付いていた。というわけで、予定調和の予定変更を、鶴丸はただ体感して確信していたのだった。
「あんたはまず寝巻から着替えろ。厚着をしろ、厚着」
「君だって半纏羽織っただけじゃないか」
「部屋にはすぐ戻る」
「俺もそのつもりだったのに」
「戻ってこなかっただろう」
「ぐう」
「ぐうの音を人力で出すな」
 はあ、と息を吐く。やはり白くはならないし、まだ庭に朝日は差さない。冬の朝だから寒いのは当然だが、それでも今日は軽口を叩ける程度には暖かいのだ。
「行くぞ」
 大倶利伽羅にひかれる手だって、今日はどこも痛まない。傷を作るのは本位ではないが、あの冷たい朝の空気が少しだけ好きなことは黙っていることにした。
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安田 @ccyasu.bsky.social · 05/01/2025
小寒(くりつる)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「小寒 2025/01/05」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 今朝はよく冷えた。いつまでたっても布団から出るのが億劫で、外が明るくなってきた頃合いにようやく鶴丸は目を開けることが出来た。寒さには慣れているかと思ったけれど、人の身は存外そうでもないのだ。
 布団の中から手を伸ばし、枕元に置いてある端末を手繰り寄せた。寝転がったまま薄目で画面を確認する。いつもの確認事項を横目に流し、そこにある大倶利伽羅の文字で少し目を止めた。遠征中。帰還予定時刻は今日の十六時。
 正月も三が日を過ぎ、そもそも時間遡行軍が休まない以上本丸も休めるわけがないのだが、とにかく通常業務は滞りなく行われている。大倶利伽羅は昨夜から遠征に出ていて、鶴丸はひとり湯たんぽを抱えて布団に潜ったのだった。
 とにかく寒い朝だった。じわじわと染み入ってくる冷たい空気が肌に入ってくるようで、目を開けることは出来ても布団から出るのはやはりまだ億劫だ。大倶利伽羅がいれば突撃しに行くのに起きてやらんこともない、とか言い訳をつけて自分を騙すことも出来ようが、いないのではどうしても騙されてはくれない。今日は何の仕事も割り当てられていないし、ありていに言えば暇だった。
 寒さには慣れていると思っていた。冷たさと置き換えてもいい。暗い土中とも言える。冬の間はとくにそうだ。土とて水分があれば凍るのだ。それを冷たいと鋼の時分は認識していなかっただろうが、それでも暗い冷たさは鶴丸には慣れたものだった。そのはずだったのに。
 これからまだ寒くなるというのに、ひとりではどうにも寒くていけない。大倶利伽羅がいれば。こんな寒い朝には暖を取らねばならないじゃないか。これからの寒い朝も夜も、なんなら昼間でもいいが、とにかくまだ続く冬には側にいてくれないと。
 端末を適当にいじりながら、誰にともなく悪態をついた。審神者の采配が不満というわけでは勿論ないので、ただの我儘な言いがかりなのは分かっている。人の身とは身勝手なものなのだ。短い人間人生の中で、鶴丸が学んだことのうちの一つだった。
 とはいえ、どうにもならないことは分かっている。大倶利伽羅は夕方までいない。それまで何をして過ごそうか。帰ってきた大倶利伽羅に何をしてやろうか。夕方なのだから、なんやかんやですぐ夕餉の時刻だし日も暮れる。夜も冷えるみたいだから、何か温かいものを夕餉に要望しようか。いっそ厨の手伝いを申し出て、好きなものを用意してやればいいのでは。
 目をかすめていった文字を思い出す。芹乃栄。せりすなわちさかう。ふと思いついたことではあったが、とてもいいことのように思えてきて鶴丸は一つ気合を入れた。そうと決まればまずは厨へ申し出て、新鮮な芹を手に入れて、鍋の材料も買い出しに行かねば。
 夕方までは時間があるが、早いとこ起きてしまおう。このナイスアイディアを誰かに聞いてもらわねば。それから部屋を掃除して、晴れるようなら布団を日に当てて、部屋を少しでも暖めておくのだ。
 今日も寒い日になるだろう。それでも暖かく過ごせる日々であることを、鶴丸はようやく思い出した。
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安田 @ccyasu.bsky.social · 31/12/2024
「早く来い」(ほのぼのver)(くりつる未満)
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安田 @ccyasu.bsky.social · 21/12/2024
冬至(くりつる)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「冬至 2024/12/21」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 日が短い季節は、時間との勝負だ。最近はすっかり冬の寒空が続いていたが、久々に晴れてしかも暖かいというので、朝から本丸は忙しかった。
 洗濯は何度もされ、日が当たる場所は臨時に物干し場となった。屋根の上には布団が並べられ、畑の隅に積まれていた枯れ枝や葉も片付けられた。そうこうしている間に太陽はてっぺんまで昇っていて、もう昼食の時間なのかと大倶利伽羅は空を仰いだ。青い空が眩しい。
「午後からは何をするんだっけか」
 朝から本丸中の廊下を磨いていた鶴丸が、疲れたような声で問いかけてきた。熱いラーメンを啜る合間に、南瓜を切って小豆を煮る、と大倶利伽羅は答えた。大鍋で作るので、結構な作業量のはずだ。
「そっか、冬至南瓜だったな」
「今年は汁粉も作ると聞いた」
 とろとろの汁粉には正月に餅を入れて食うばかりだと思っていたが、今年はそれを南瓜でも作るらしい。確かに、バリエーションがあっていいかもしれない。
「伽羅坊は南瓜好きかい?」
 白い内番着に染み一つ作らず、カレーラーメンを器用に食べながら鶴丸が問うた。
「…普通」
「小豆は好きだよな」
「普通」
「俺のことは?」
「……。普通」
「チッ」
 この流れでそれ以外言いようがないだろう、と内心思わずにはいられない。言いたいことも言わせたいことも分かるけれど。
「俺は南瓜も小豆も伽羅坊も好きだぜ」
「そうか」
「チッ」
「いいから黙って食え。厨仕事の前に布団を片さないと」
 冬の昼間は短い。あっという間に日は傾くし、陽光の温かさもすぐになくなってしまう。風に乗って小雨や霙が降ってくることもあるだろう。
「冬至って、夏至に比べると昼間の時間が五時間くらい短いんだってさ。すごいよな、五時間て」
「あんた、その分は布団に籠れるからそれはそれでいいと言ってたよな」
「冬は割と好きだぜ」
「あとで言ってやる」
「えっ」
 冬の昼は短く、やることは山積みなのだ。鶴丸の欲しい言葉なぞ、手隙のときにいくらでも言ってやれる。昼が短い分、夜は長いのだし。
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安田 @ccyasu.bsky.social · 17/12/2024
中古で見つけたのでつい買ってしまった 欲しかったん…
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安田 @ccyasu.bsky.social · 13/12/2024
「早く来い」(不穏ver) くりつる x.com/ccyasu/status/186721212098061…
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「「早く来い」 2024/12/13」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 真っ黒い伽羅坊がいた。目の前、ほんの数歩のところでこちらに手を差し出している。
「早く、来い」
 伽羅坊はこんなに黒かったっけ。確かに、真っ白い奴ではなかったけれど、こんなに闇のような色をしていただろうか。
 何かがおかしい気がする。これはいつだ。今日は何。前にもこんなことがなかったっけ。前って、いつ。
「早く。鶴丸」
 聞きなれた声だ。…本当にそうだっただろうか。聞きなれた。伽羅坊はいつ顕現したのだったか。俺はいつから戦っていたのか。
 でも伽羅坊が早く来いと言う。ならば行かなくては。待ってろ、今行く。今、その手を。…手、を。
「鶴丸!」
 声は後ろから聞こえた。聞きなれた声だった。伽羅坊の。空気が切り裂かれる音がして、一閃、真っすぐに進んでいった。そうして突き刺さったのは黒い伽羅坊の胸元。じわりと広がるどす黒い赤。赤い。伽羅坊は瞬く間に赤く染まっていく。
「早く来い!」
 後ろを振り向くと、己の刀を投げたのだろう伽羅坊がそこにいた。血塗れ泥まみれ、ぼろぼろだ。紫色の煙に包まれている。腕の龍が抜け出して暴れているのだ。
 なあ君、伽羅坊、君の龍はそんなんだったか。そいつは本当に龍なのか。身体も大きいし爪も大きいし、というか足の数がなんだかやたら多いような気がするし、鱗はびっしり逆立っている。君もなんだか、肌がぼろぼろだと思ったら鱗が生えているじゃないか。
「つる、まる…」
 苦しそうな声がして、また前を向いた。今にも倒れそうな黒い伽羅坊は、突き刺さった刀をぎゅうと握りしめている。ぼたぼたと血が落ちて、地面からは煙が上がって。…君の血は酸で出来ているのだっけ。そんな特殊個体だったっけか。
 おかしい。どちらの伽羅坊もなんだかおかしい。これは何だ。今はいつだ。前にもこんなことがなかったっけ。俺は何かを忘れているのか。それとも最初から覚えていないのか。そもそもどうしてこんな戦いをしているんだ。敵はどこだ。敵は、…誰だっけ。
 足元がぐらぐらする。真っすぐ立っていられない。伽羅坊、俺はどうしてしまったんだと思う?
 何かを忘れている気がする。これではない気がする。なんだかおかしい気がしてしょうがない。なんだっけ。俺は何をしていたんだっけ…。
 早く来い。鶴丸。
 そうそう、その優しい声が俺の伽羅坊だったよな。君は、どこに。





 ばたん、と大きな音がして、体の左半分に痛みを感じて、俺は思わず目を閉じた。
「おい、どうした」
 焦ったような伽羅坊の声。ひやりと冷たい板に手をついて、目を閉じたまま身体を起こした。くそう、頭を打った。
「大丈夫か」
「あぁ、なんでもない」
 …冷たい、板。そう、板だった。俺は縁側に座っていたのだった。戦装束ですらない、いつもの内番着で、だ。何故だか分からんが横に倒れたらしく、ここは本丸で、縁側で、よく晴れていた。血の匂いなんて少しもしない。
「何でもないなら早く来い」
 伽羅坊は縁側に座ってなくて、少し先に立っていた。俺に手を差し出している。…なんだっけ、前にもこんなことがなかったっけか。今はいつだ。これは何だ。…本当に、今が正しいのか。
「買い物に行くんだろう」
「…そうだっけ」
「本当に大丈夫か? 光忠に味噌を頼まれただろう」
「あぁ…」
 味噌。味噌を…、そうだ、味噌を買うんだった。だからこれでいいのだ。
 伽羅坊の手を取って、縁側から立ち上がった。くらりと少し頭が揺れたが、すぐに治ったから大丈夫だろう。大丈夫。ここは本丸で、今日は晴れていて暖かい。味噌を買いに行くのだ。
「なあ、伽羅坊」
 少し気になることがあるんだが。
「今日は、だいぶ留守が多いな」
 誰の気配もしないけれど。光坊に頼まれた味噌は、本当に光坊に頼まれたんだっけ。いつ頼まれたのだか、どうしても思い出せないんだが。
「何を言っている。ずっとそうだろう」
 ずっとそう、とは。俺たちの本丸は、だいぶ大所帯になったのではなかったっけ。いや、違うか。違う。もともと少ないままだった。数少ない仲間たちと、なんとかやってきたんだった。そうだった。
「行くぞ。早く来い」
 今行く。行くよ。君がいるならどこにでも。…ここがどこでも、まあいいさ。そういうこともあるだろう。
 あぁ、でも、…今はいつなんだっけ。いつから出陣していないんだっけ。審神者の気配もないこの本丸に、いつからいるんだっけか。
010
安田 @ccyasu.bsky.social · 07/12/2024
大雪(くりつる)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「大雪 2024/12/07」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 しんとした朝だった。障子の向こうは薄暗い。早朝、厠に起きた鶴丸がいつまで経っても帰って来ず、大倶利伽羅は布団の中でのそりと目を開けた。
 日の出がめっきり遅くなり、晴れた日には幾らか感じられる明るさも、曇っていればいつまでも薄暗いままだ。今日は曇っているのだろう。ぽっかり空いた布団の中が妙に軽く感じられ、大倶利伽羅はぐっと身を丸めて目を閉じた。温もりはまだ残っている。
 一つ、二つと深い息を吐いた頃、ようやく障子の開く音がした。瞼の裏の明るさはあまり変わらない。とん、と閉じる音がして、それから布団がすっと持ち上げられた。冷たい空気と共に、冷たい身体が入ってきた。一体何をしていたのやら。
「雪が降ってたぜ」
 鶴丸の手はひやりとしていた。その手を温めるように緩く握り、大倶利伽羅は目を開いた。鶴丸の目が輝いている。
「…雨でなく?」
「小粒だが雪だった。まあ、すぐ止みそうではあったがな」
 雨音がしなかったので、曇りだとばかり思っていた。雪なら確かに音はするまい。布団から手を伸ばし、手探りで暖房器具のボタンを押した。すぐ止むだろうとはいえ、日差しで部屋が暖まるまでは寝ていられないだろう。
「あんた、雪が好きだな」
 毎年そうだった。鶴丸は雪にはしゃぐ。先に雪が降り積もる山を眺め、あれがここまで降りてくるのはいつになるだろうといつも指折り数えて待っている。本丸に雪が積もるのはまだ先だろうが、もうそろそろ本格的に冬支度をしないといけない。
「君はあんまり好きそうではないな」
「動きにくい」
 何をするにも動きが鈍る。雪に隠されたその下に、何があるとも知れない。雪景色は綺麗なものだが、鶴丸のようにあそこを走り回る気にはなれなかった。部屋の中から眺めるのが精々だ。
「でも楽しかったろう、去年の雪合戦。短刀たちの本気っぷりと言ったら」
「それを言ったら、あんたら太刀連中の大人げなさもなかなかだった」
「俺たちに大人も子供もないだろ」
 雪合戦は、実のところいい訓練でもある。鍛錬の一環として、去年は何チームかに分かれてかなり本気の合戦をしたのだった。今年もそんなことが出来るくらい積もるのだろうか。ゆっくり到来するそんな雪の季節が、今日、やってきたのだ。
「庭の山茶花が咲いてるうちに、少しくらい積もればいいな。あの景色はなかないいが、花が先に散ってしまう」
 紅葉の終わった葉と一緒に、花びらも少しずつ落ちているのを大倶利伽羅も見た。庭の木々は段々と枯れ枝ばかりになっており、咲いている花も減っている。花に雪が積もる景色は確かに美しいが、こればかりは自然のものなのでどうにもならないだろう。
「早く、積もればいいのにな…」
 鶴丸はうっとりと目を閉じた。いつの間にか布団の中の冷たさはなくなり、鶴丸は温かい。体温が入り交じり、同じ温度で溶け合っている。この温もりを感じられる冬の朝が、大倶利伽羅は少しだけ、好きだった。
 雪が積もる頃になれば、もう少しこの体温を感じていられる時間は伸びるだろう。あまり降り積もってほしくはないが、多少の寒さなら妥協してやらないこともない。そんなことを思いながら、大倶利伽羅もゆっくりと目を閉じた。
011
安田 @ccyasu.bsky.social · 07/12/2024
ひらブー用画像のくりつる(再掲) これの続きを3月に本にするよ予告ということで
033
安田 @ccyasu.bsky.social · 27/11/2024
くりつる 雨の夜
030
安田 @ccyasu.bsky.social · 22/11/2024
くりつる(小雪) 花要素は入れられなかった
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「小雪 2024/11/22」、「安田@ccyasu」と記載されています。
以下は本文の内容です。

 本丸から見える山が、白い冠を戴くようになってきた。冬が近いのだ。あの白さが段々と山を包み込み、冷たい風が吹くようになると、やがてここにも雪が降るようになる。
 そんな季節の移り変わりももう幾度かを過ぎ、戦闘以外の日常生活にもすっかり慣れてしまった。今日はまだいくらか日差しが暖かく、大倶利伽羅は裏庭でひたすら薪を割っていた。体温が上がり、体感も上がり、首筋や額からはうっすら汗が落ちるほどだ。薪の使用頻度はそれほど高くないが、備えはあるに越したことはない。薪割りは鍛錬にも丁度よく、割と人気の当番だった。
「お疲れ、伽羅坊」
 ひょいと大倶利伽羅の前に現れた鶴丸は、珍しく洋装だった。淡いクリーム色の薄手のコートは、数日前に遠征と称した休暇に髭切と出掛けて行ったときの恰好だ。帰りは、もう少し後だったはず、と予定表を思い出す。
「まだ休暇中では」
 首にかけていたタオルで汗を拭いながら問うと、鶴丸は「それがさあ」と苦笑した。
「あいつ、無計画に土産を買うもんだから、荷物がいっぱいになっちまってな。そうしたら、弟に会いたくなったから帰るとか言い出して。絶対重たいだけなんだけど。一人旅してもよかったんだが、俺もこっちが気になっちまってな。帰ってきた」
 仲の良い兄弟だ、と大倶利伽羅も常々思っている。名前はいつも適当に呼ばれていたが、愛情がないわけではない。側にいなければ気になるのだろう。薪割をする前、膝丸はなんとなくぼんやりと空を見上げていたが、今ははしゃいでいるだろうか。
「遠征先よりも、ちょっと寒いな。冷えるようになったか?」
「日差しがなければ昼間でも寒さは感じる。山の頂上は雪が降っているようだし」
 大倶利伽羅が指さす方向にくるりと身体ごと向け、鶴丸は目を細めた。少し残っている紅葉はぽつぽつと小さく、もう枯れ葉と枝ばかりなのだろう。そのうち葉はほとんど落ち、そうしてそのうち、雪が降り積もるようになる。
「土産に折り詰めを買ってきたんだ。光坊と貞坊も誘って昼食にしようぜ」
 鶴丸がずっと持っていた、それなりに大きい袋を広げて見せてきた。ちらりと覗き込むと、秋の旬の時期にしかお目にかかれない文字が飛び込んできた。本丸でも燭台切光忠が作っていたことがあったが、そういえば今年はまだ食べていない。急に空腹が主張しだして、大倶利伽羅は単純な人の身をちょっとだけ疎ましく思った。薪割りがまだ途中だったのに。
「手を洗ってくる」
 腹が減ってはなんとやら、作業は午後に回すことにした。どうせすぐに必要になることもないだろう。
「鶴丸、」
「んー?」
「おかえり」
 最初に言うべき言葉を言ってなかったのを思い出す。突然の帰還に少し驚いてしまったせいで、疑問が先に出てきてしまったのだ。
「おう、ただいま!」
 手が汚れているせいで、抱き寄せられないのが少し残念である。鶴丸は大倶利伽羅の隣に並び、共に歩き出した。
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安田 @ccyasu.bsky.social · 16/11/2024
こないだ病院ついでに散歩してきたときの 見学会とかやってるのね
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