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アシタの風

@ashita-book.bsky.social
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おもに読書記録と感想。 緑内障により2003年頃より全盲。 読書はKindle図書をiPhoneの視覚障害者向けアシスト機能「ボイスオーバー」で読み上げさせる方法で月間10冊程度を。

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アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 22h
鬼葛島の殺人 三日市零 #読了 変人&特殊能力学生コンビが活躍する謎解きゲームシリーズ第2弾。 前作[魔女の館の殺人]に続き今作でも、目で見ることが必要な=耳で聞くだけでは相当に理解困難な問題がいくつも出され、何度も繰り返しその箇所を聞いてみたり問題文面を画像解析アプリにかけてみたりもしたものの、全くと言っていいほど歯が立たず。 それ以外のいわゆる殺人トリックや犯人の動機、無人の孤島に集められたそれぞれの人間模様については興味深く楽しめたために、あくまでも個人的事情ながら全てを楽しめなかったのは少し残念。
0300
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 02/10/2026
桜の花が散る前に 伊岡瞬 #読了 占いと謎解きがモザイクのように絡まった、これまで読んだことがないようなあるようなの短篇集。 互いに淡い恋心を秘めながら、亡き恩人の意志を果たすため庇護する者、庇護される者の立場に徹するビンボーカメラマンと美人占い師。 読み進めプロ探偵並みのカメラマンの謎解きにはなるほどと思うものが多いものの、事件の端緒以外の箇所での占いの関与がほぼなく、個人的には少々消化不足。 可能であれば二人の[これまで]と[あれから]もじっくりと読んでみたいなと。
0400
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 30/09/2026
沖晴くんは死神と笑う 額賀澪 #読了 かつて死神との取引により怒哀嫌の感情と命を交換した[らしい]沖晴。 そんな彼が転勤先の仙台で出会ったのは同じ過去を持つ万智。 読み進めながらどうも出処の不明な物語背景が多すぎると疑問に思っていたら、読後に6年前に出た前作があると知り納得したり唖然としたり。 それでも一度は失った感情を取り戻した先達として、同じ過去を持ち続ける彼女と心の奥底で向き合おうとするその姿を、久しぶりに純愛ドラマを観るような気分で堪能。 これは早速、その全作を読んでみないと。
0360
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 30/09/2026
2026年9月の読了は26冊でした。 他に ○ 幼年期の終り /アーサー・C・クラーク ○ 水面の弔花 /アン・クリーヴス も読み始めたものの何故かいつも睡魔が襲い、何度かトライ後に敢えなく断念。 読み通せる本とそうでない本。 果たして違いはどこに。
2026年9月に読み終わった本(読了順)
○ MAZE 新装版 神原恵弥シリーズ /恩田陸
○ 望郷 /湊かなえ
○ 玉磨き /三崎亜記
○ クレオパトラの夢 新装版 神原恵弥シリーズ /恩田陸
○ ほうかごがかり /甲田学人
○ 同じ星の下に /八重野統摩
○ 沈黙 /遠藤周作
○ 仮装身分捜査官 一条汐莉 ラスト・パラダイス /鳴神響一
○ 団地のふたり /藤野千夜
○ 神様 /川上弘美
○ 銀河ホテルの居候 あのときの夕日を胸に /ほしおさなえ
○ 奈良県道73号線沿いの集落について /しゃとう
○ 海がきこえる〈新装版〉 /氷室冴子
○ 殺意はないけど /乃南アサ
○ 音のない理髪店 /一色さゆり
○ 世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない /林伸次
○ 感染領域 /くろきすがや
○ 夜明けのはざま /町田そのこ
○ 藍色時刻の君たちは /前川ほまれ
○ ブラック・ベルベット 神原恵弥シリーズ /恩田陸
○ もっと悪い妻 /桐野夏生
○ 猫を処方いたします。6 /石田祥
○ イライザは救いたい お梅は呪いたい /藤崎翔
○ ワセダ三畳青春記 /高野秀行
○ 異邦人 /カミュ
○ 光 /三浦しをん
1500
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 29/09/2026
光 三浦しをん #読了 津波により壊滅した故郷の島で奇跡的に生き残った少年少女3人のその後。 歳月を経て如何にそれぞれの時間、それぞれの人生を歩もうとも、確かにあの頃は同じ光を見上げ、同じ未来を夢見ていたと信じ続け、あの時の誓いを果たそうとする市役所勤めの[俺]。 しかるに最後に高級ホテルの客室で告げられる真意真実がどこまでも虚しく哀しく響く。 最後まで光がその姿を見せることのない、まるで重く何かが残るような一冊。 てっきり3.11が題材と思っていたのが、2006初出、2008刊行ということで、その意味でもびっくり。
0470
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 28/09/2026
異邦人 カミュ #読了 以前に読んだとある小説でその存在を知った1954年仏作品。 本来責められるべきアラブ人への殺人だけでなく実母への扶養懈怠や実母の告別式翌日の恋人との刹那等、無関係の事実により司法による裁定が進められ、運命が決定づけられてゆく主人公。 果たして自分が法規範、道徳規範の異なる異国に迷い込んだ異邦人なのか。 それとも彼らがそうなのか。 少分量の割には邦訳文がなかなかに読みづらく、途中何度も挫折しそうに。 果たして暫くの時を経て再読すれば、作者の示したかった真意にもう少し近づけるだろうか。
1470
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 27/09/2026
ワセダ三畳青春記 高野秀行 #読了 相互さんの投稿で知った著者の最新作を読むつもりがいまだ電子版が出ておらず、それではと代わりに手に取った著者が早稲田の安アパートで過ごした11年間。 アフリカや東南アジアなどこれまで読んだ辺境紀行に比べるとさすがに国内が舞台の今作は、などと思っていたのがとんでもとんでも。 果たしてそこにあったのは治外法権宜しく早稲田に佇む海よりも大きな心の大家さんが治める愛すべき辺境だった。 しかし人間、あれこれ考え悩まなくとも、贅沢さえ欲しなければそれなりに図太く生きていけるものだなと。
0450
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 25/09/2026
イライザは救いたい 藤崎翔 #読了 人々を不幸にする筈が何故か幸せにしてしまうお梅ちゃんシリーズ最新巻で今作の主役は人々を幸せにする魔法の少女として登場したキャラクター人形。 が、お梅を師匠と仰ぎつつ孤軍奮闘努力しつつもまさかまさかのオーマイガ事実の発覚で結果は何とも微妙なものに。 けれどもではその人たちが不幸になったかといえば長い夢から覚めることができたり本当の自分に気付けたりとむしろ真の幸せを得たような。 いつものことながら読み手の先入観をうまく利用した大逆転劇には唯々唖然茫然。 ちなみにSiriの元になった技術の名前がイライザらしい。
0400
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 24/09/2026
猫を処方いたします。6 石田祥 #読了 やっとのことで辿り着いた悩める[患者さん]に薬ならぬ猫を処方する京都の何とも不思議なクリニック。 お目付役の激オコ助手千歳さんがいなくなり、おとぼけニケ先生はますます大暴走。 がしかしそれでも先制と猫の合わせ技によりそんな患者の悩みは見事に何処かに胡散してしまい、後には肩から力を抜いて自然体に戻った彼らの姿が。 待ちに待った[最後の]患者さんも現れ物語はいよいよ最終局面へ。 とは思いつつも、ますます深化するニケ先生のおとぼけに、まだまだ波乱がありそうな。
0450
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 23/09/2026
もっと悪い妻 桐野夏生 #読了 実は初めての著者作品。 6篇それぞれ心に何かを抱えた男や女が登場し、まるで趣味の絵画でうまく作品が描けたと思ったら最後に筆先から絵具が垂れてしまったような、そんなまさに最後に汚点が付いたストーリーが展開する。 がしかし、思わず同情したくなるような輩からタイトル通りの相当に悪いヤツまでいろいろ登場しながら、どの面々もが心底から憎めないのが何とも不思議。 これは果たして、作者の筆力でもあり、実はそれが表層に現れているかどうかだけで誰もが彼であり、彼女だからなんだろうなとも。
0420
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 22/09/2026
ブラック・ベルベット 恩田陸 #読了 類稀な各種能力と女性言葉を操るスゴ腕プラントハンター神原恵弥が主役のシリーズ第3巻。 トルコを舞台に、ターゲットの通り魔死から始まる真相探しの展開は各地の名所旧蹟巡りもあり旅行記のような気分も味わえるも、第1巻から読み通しているにも関わらず登場する面々と主人公の関係がよく分からず、それがずっとモヤモヤと。 途中にいくつもまるでSFのような物質や化学薬品、場面設定が登場する展開はもはやハチャメチャに近いものの、それでも最後まで飽きずに読ませるのは著者のなせる技だろうか。
0390
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 21/09/2026
藍色時刻の君たちは 前川ほまれ #読了 小羽、航平、凜子の3人は共にそれぞれ精神疾患の家族を抱える同じ高校に通ういわゆるヤングケアラー。 学校生活を送りながらも、終わりも小休憩もないもう一つの[役割]を担う3人の日々に、簡単に同情することなど許されない無情感が募る。 そして時代は2011年、舞台は宮城県の海沿いと聞けば、後に3人、そしてそこに住む人々を待つのは。 手放したい、だけどこれからも見守りたい。 長くケアを続けてきたからこその複雑な思いに、果たして自分たちはどのような手を差し伸べることができるだろうか。
0380
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 20/09/2026
夜明けのはざま 町田そのこ #読了 街の小さな家族葬専門葬儀社が舞台のそこで働く面々が主役の連作短篇。 タイトルに含まれる[はざま]という言葉に読む前から[生と死]という言葉だけは重ね合わせることができたものの、読み進めてなるほど、そこにはそれぞれが葬儀社の一員として、はたまた喪服を脱いだ一人の人間として抱え、悩み苦しむ[理想と現実]や[自身と誰か]など、おおくの[はざま]が。 久しぶりに体験した読んでいることを完全に忘却してしまうほどの没入感。 果たしてこれこそがかつて[52ヘルツのクジラたち]で本屋大賞を受賞した著者の筆のなせる技なのかも。
0401
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 19/09/2026
感染領域 くろきすがや #読了 バイオ&ミステリーが主題のこのミス大賞優秀賞受賞作。 九州で畑地のトマト苗が赤化枯死する奇病が発生。 時を合わせ今度は調査を始めた助教の友人で腐敗しないトマトを開発していた研究員が自殺体で発見される。 幾度となく困難が降り掛かる展開はなかなかの手に汗モノだが、如何せんあまりに専門的過ぎて生物どころか理系一般が苦手な自分は暫し沈思黙考する羽目に。 思えば同様の事態は現実にも十分起こり得て、その意味では物語以上の恐怖に。 果たしてその時世界は、反目、協調、如何なる反応を取れるだろうか。
0360
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 18/09/2026
世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。 林伸次 #読了 タイトルが気になり何となく手に取った凡そ不思議という言葉しか思い浮かばない15の短篇。 それぞれが限られた、ほんの一瞬、ほんのワンシーンの物語で、そこであるようなないような、ひたすら曖昧な世界が展開される。 心に残ったのは誰もが自分の将来を決めておく必要がある世界を描いた[他人の人生は決められない]。 その世界では如何に自分が、そして世界が変わろうとも、人は予言通りに動くことを[強制]される。 そう考えると我々の人生は未確定だからこそ面白いのかも。
0370
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 17/09/2026
音のない理髪店 一色さゆり #読了 美術関連作品の多い作家さんだけに最初は少し視野を広げた新分野ぐらいに思っていたのが、著者の祖父が日本のろう者で初めて理髪店を開業させた当のご本人と知りびっくり。 現在でさえ厳然とした差別が残る中、いわゆる産めよ増やせよが声高に叫ばれ、その生まれた人間の存在意義が国家に奉祀する労働力であり殺傷兵器だった時代、それらになり得なかった彼らに対する差別は如何ばかりだったか。 誰ひとり取り残さない。 よく上の方から聞こえてくるこの言葉。 果たして言うは易しのこの言葉がこの国で実現するのはいつの日か。
0390
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 16/09/2026
殺意はないけど 乃南アサ #読了 確かに殺意は感じないものの、読み進めるその手にひしひしと伝わってきたのはそれらを遥かに凌ぐ悪意と害意。 中学、高校を共にし、やがてそれぞれの夢に向かい羽ばたいて行った仲良し女子4人組。 しかし当時最も取り柄のなかった[あの子]の、芸能界入りという逆転劇を機に、均衡を保っていた4人の微妙な関係が狂いを見せ始める。 笑顔と共に社会の端に追い詰められてゆくターゲット。 あらためて、生きたまま無きものにされることは、時として命を奪われることより残酷なんだなと。
0420
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 14/09/2026
海がきこえる〈新装版〉 氷室冴子 #読了 何かのお薦めで目にし手に取った初めての著者作品。 恥ずかしくも読後初めて著者が既に亡くなられていることを知る。 うーん、というのが正直な想い。 もちろん南国高知を舞台にまさに青春を謳歌するという言葉がぴったりの時間を満喫する少年少女の姿はどこまでも眩しいが、酸いも甘いも社会の端っこをある程度経験してしまった身からすると、すべてがこの地球とは異なる座標軸の何処かで起きていることのような。 半世紀前にこの書に出会っていれば思いも違っただろうか。
0360
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 14/09/2026
奈良県道73号線沿いの集落について しゃとう #読了 なぜかKindleの歴史・地理関連書籍一覧に名前があり、実体がホラーと知らず心ならずも手に取ってしまった一冊。 とある廃集落で行方不明となり、無事の帰還後も奇行を繰り返す数多くの[遭難者]。 自治体名や管轄警察署名は微妙に変えてあるものの、舞台は地元の奈良県で、実在する大字も過去に何度か訪れたことがあるだけに、リアリティーも加わり予想以上に恐怖度が上昇。 まだまだ暑さが続く折、読後は周囲の温度が少し下がったような。
0290
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 12/09/2026
銀河ホテルの居候 あのときの夕日を胸に ほしおさなえ #読了 軽井沢の静かなホテルで大切な人に、そして未来や過去の自分に思いを認めるそんなシリーズ第5弾。 今作では若くして逝った先代社長、そしてそんな夫の意志を継いだ現社長の[かつて]が明らかに。 時に何十年という時間も何千キロという距離も飛び越え、あの時伝えられなかった、或いは今も伝えられない思いを誰かに届けてくれる手紙。 たぶんそこにはインクや紙などといった物質を超越した不思議な力が隠れているのかも。 しかしますます謎が深まるのが山小屋に住む居候室長。 いったい彼は何者ぞ。
0300
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 11/09/2026
神様 川上弘美 読了 不思議な出会いが主題の著者の作家生活デビュー作を含む9つの短篇。 同じマンションに引っ越してきたクマに誘われてのハイキングにバイト帰りに貰った梨に追てきた梨大好き妖精。 そんな不思議な存在との穏やかで優しい毎日が、まるでパステル画のようなどこまでも優しいタッチで描かれる。 最も心に残ったのはやはり作家デビューのきっかけとなった表題作。 クマが人間社会での生活に疲れ主人公に別れを告げるシーンが哀しい。 なぜならたとえどんなに姿形や生活習慣が違っていても、二人は心を通わせた最良の隣人、最良の友人だったのだから。
0480
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 10/09/2026
団地のふたり 藤野千夜 #読了 一向に緩むことのない猛暑や年老いた親のことなどで心身共に疲労が積もりつつあった時に何となく目に留まったそんな一冊。 果たして頁の先に流れていたのは冷たくもなく爽やかでもないのにとにかく心の底から安心して脱力できる唯々緩やかで優しい空気。 こういう作品を読むとついつい考えてしまうのが幸せって何だろう?お金って何だろう? しかしそういうことを考えること自身が既に彼女たちの人生の歩み方から外れてしまっているのかも。 読後の頭の中に緩く緩く流れていたのはサウンドオブサイレンスではなくケセラセラ。
0460
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 08/09/2026
仮装身分捜査官 一条汐莉 ラスト・パラダイス 鳴神響一 #読了 あぶないあぶない。 もう少しであやうくインゴットなる純金商品に手を出すところだった。 などと読み手である自分もが思わずそうなってしまうほどの甘美な人生サクセスストーリーが眼前でひたすらしつこく披露され、また一人また一人と悪の毒牙に捕縛されてゆく。 捜査官の汐莉が今回潜入したのはそんないわゆる煽り商法で顧客を騙し財産を捲き上げてきた悪徳会社。 今回は身に危機迫るシリアスシーンもありこれまで以上に興味深く最後まで。 今後も彼女の活躍が楽しみなところ。
0400
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 07/09/2026
沈黙 遠藤周作 #読了 自分にとって著者は遠い昔、TVのCMで美味しそうに珈琲を嗜んでいた人物。 そしてそれから半世紀を経て初めてその著作に接したのがこの作品。 人間として取り扱ってくれる者に会ったから。 [私]が手紙に遺したこの言葉で、これまでずっと思考の中にあった何故に彼らはその命に代えてまで信仰を貫いたのかとの疑問が、まるで雲間から陽光が射したように見事なまでに氷解。 信徒の辛苦の上に神の沈黙を考え続けてきた[私]、そして著者は、やがてそこに祈りなどを超越した真の光を見たのではと感じたのだが、これは果たして凡人故の浅慮だろうか。
0600
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 06/09/2026
同じ星の下に 八重野統摩 #読了 初めての著者作品。 児相職員を名乗る男に見知らぬ住居に拉致監禁された中学生の沙耶。 しかしそこで彼女を待っていたのは虐待とネグレクトが支配する生家とはあまりにかけ離れた穏やかな空気が流れる毎日だった。 犯人との奇妙な同居生活の中で初めて愛に溢れた誰かの思いを感じ、自分を照らす星を見上げることができた少女。 だが現実には万人を等しく照らすそんな星を見上げることもできず、何よりそんな星の存在さえ知らず生を終える虐げられた者は多い。 この世界は悲しいくらいに不平等だ。 そんな少女の言葉が重く響く。
0330
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 05/09/2026
ほうかごがかり 甲田学人 #読了 いわゆる学校の怪談が主題の久しぶりの電撃文庫。 まだまだ暑さが残る中、どれ熱冷ましに怪異モノでもと軽い気持ちで手に取ったのが、これがなかなか。 加えて単なるコワイもののゴリ押しではなく、放課後係として[選抜]されてしまった7人の[今]や[これまで]がうまく人間ストーリーとして引き出され、気付けば少年少女の成長物語として最後まで。 しかし自分が小学生だった遥か半世紀前には自分の通っていた田舎の学校ではこんな怪談話は存在していなかったと記憶しているのだが、果たして都会の学校ではどうだったのだろうか。
0380
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 03/09/2026
クレオパトラの夢 新装版 恩田陸 #読了 先日読んだ[MAZE]に続いての神原恵弥シリーズ第2弾。 今回の舞台は北海道の夜景で名高い某H市。 当地で暮らす双子の妹を訪ねた米薬品会社のドラッグハンター恵弥は、いつしか秘匿された謎の物質をめぐる騒動に巻き込まれてゆく。 作品にも出てくる同地を襲った昭9の大火は以前に災害史で読んだことがあり、焼死や水死、凍死による夥しい数の死者との記載に全身が震え上がった記憶が。 モデル並みの美男子ながら女ばかりの家族に女性言葉に[矯正]されてしまった恵弥のウィットに富んだ台詞や会話も面白く、今作も興味のうちに最後まで。
0430
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 02/09/2026
玉磨き 三崎亜記 #読了 ひたすら先祖から伝わる石玉を磨き続ける廃れ行く地域の伝統工芸。 通勤客や所用客が利用する同じところに戻ってくるだけの通勤用観覧車。 そんな凡そ現実には存在し得ない諸々が、とあるルポライターの取材記録の形で語られる。 もちろん虚構であることは十分に理解しながら、そこはこれまで数々の不思議ワールドを生み出してきた著者。 読みながらも気付けばそこには、もしかして世界のどこかにはなどと考えている自分が。 6篇の中では通勤用観覧車が主題の第2話が最も心に。 思わずもしこれが実際にあれば世の中はもう少し優しくなれるのにと。
0480
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 02/09/2026
スマホで自分のように画面が見えず表示されている内容を合成音声で読み上げてくれる特殊ツールを使っている者の場合、気になるのがアプリのアップデートやWebサイトの改変。 極端な場合、それまで何の問題もなく読み上げていたのが、まったく読み上げなくなったりする場合も。 そして今回また、よく利用している某会社からWEBサイトリニューアルのお知らせが。 実施は来週で、この会社はこれまでもアクセシビリティーにはかなり配慮してくれているので、たぶん大丈夫だとは思っているのだが、ついつい心配に。 果たしてこれも、いわゆる年のせい?
0230
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 01/09/2026
望郷 湊かなえ #読了 瀬戸内のとある島が舞台の6つの短篇。 かつて島に暮らしていた者、今も島に暮らす者、そんなそれぞれの[これまで]と今が、やがて明らかになる衝撃の事実と共に語られてゆく。 自分もいわゆる田舎の出身で、その閉鎖的かつ保守的な風土が肌に合わず[都会]に出てきたことから、島外に出た者、島外に出たいと思うも叶わなかった者の心情は十分すぎるほどよく理解が。 明かされる真相に驚嘆驚愕しながら、ある者の心に涙し、同時にその風土に怒りを覚えながら最後まで。 久しぶりに遭遇したいろいろな意味で激しく心を揺り動かされた作品。
0380
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 31/08/2026
MAZE 新装版 恩田陸 #読了 古来より内部に侵入した多くの人間を呑み込んできた荒野に建つまるで豆腐のような外形の謎の構造物。 フリーターの満はかつての同級生で外資系薬品メーカーで働く恵弥の誘いでそんな[人喰いトーフ]の秘密を探るチームに参加する。 それまで共にまるで迷路のような内部を探索していた夫や友人、部下が忽然と姿を消すという、かつてよく流行った[魔のバミューダ海域]のような展開に、何か裏があるとは思いながらも読みながら背中に冷たいものが。 やがて幾人かの犠牲の上に明らかになる真実。 果たして振り返ってみればこれこそが真の恐怖だったんだと。
0390
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 31/08/2026
2026年8月の読了は25冊でした。 最も心に残ったのは、戦前の学年誌編集員名簿に祖母の名前を見つけた主人公が、雑誌の辿ってきた歴史を探る「百年の子/古内一絵」。 あらためて自分たちは、大きな流れ、大きなうねりが生じている時こそ、立ち止まって自分の頭で考えることが大切なんだなと。
2026年8月に読み終わった本(読了順)

○ ラウリ・クースクを探して /宮内悠介
○ ハウスメイド3 最後の秘密 /フリーダ・マクファデン
○ さよならの保険金 /額賀澪
○ なごり歌 /朱川湊人
○ 崩れゆく絆 /アチェベ
○ 五つの季節に探偵は /逸木裕
○ 名もなき本棚 /三崎亜記
○ 古本食堂 新装開店 /原田ひ香
○ どこよりも遠い場所にいる君へ /阿部暁子
○ ははのれんあい /窪美澄
○ 忍ぶ川 /三浦哲郎
○ これが最後のおたよりです /大崎梢ほか
○ ぼくたちの告白 /高森泉
○ 滅茶苦茶 /染井為人
○ 風の港 再会の空 /村山早紀
○ 11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~ /砥上裕將
○ 百年の子 /古内一絵
○ くるり駅でさよならを 猫と珈琲と向日葵の家 /高橋由太
○ 消えていく日に /加藤千恵
○ ホテル・カイザリン 電子再編集版 /近藤史恵
○ 情熱の砂を踏む女 /下村敦史
○ 隣人 新装版 /永井するみ
○ オリオンは静かに詠う /村崎なぎこ
○ 教科書には、載せられない!? 君に綴る5つのパロディ /恩田陸ほか
○ 山月記 /中島敦
0490
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 30/08/2026
山月記 中島敦 #読了 先日手にしたアンソロジー本で初めて知った夭折の作家による1942年発表短篇作。 旅の役人袁参が峠で出くわした一頭の猛虎。 果たしてそれは過大な自負心ゆえ役人の地位に甘んじ切れず、それではと詩人として名を成そうとするもそれも叶わず遂には山野に身を投じたかつての友李徴の成れの果ての姿だった。 自嘲と覚悟と共に我が身を振り返る今や異類となったかつての友の声が美しい言葉で綴られてゆく。 誰もが持つ自尊心と羞恥心にどう折り合いを付け、人の世といかに交わっていくか。 僅か十数頁の作品が問うものは大きい。
0480
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 29/08/2026
教科書には、載せられない!? 君に綴る5つのパロディ 恩田陸ほか #読了 5人の作家の手によりあの名作が大変身! パロディとは付くもののなかなかどうして、いずれ劣らぬ読ませる作品揃いで、どれも感心感嘆しながら最後まで。 その中でも第3話の[山月記]が最も心に。 読んでの素直な感想はこのまま堂々教科書に載せてもいいのでは。 ということで気になりついでにそのまま原作の[山月記/中島敦/1942]を読了。 詳細は別読了感想に譲るとして、なるほど夭折の原作者もプロなら、それを膨らませた斜線堂有紀さんもプロだった。
0400
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 27/08/2026
オリオンは静かに詠う 村崎なぎこ #読了 重度難聴でろう学校に通う咲季がふと入ったカフェで見つけたのは百人一首が書かれた歌集。 そこで彼女は詠まれた上の句を聞き競技者が下の句を奪い合う競技かるたの存在を知ることに。 前代未聞の手話を用いた競技かるたに果敢に挑戦する彼女の姿と共に、両親にろう者を持つCODAなど、[聴こえない世界]と関わってきた面々の[これまで]が語られてゆく。 彼女の成長もさることながら気になったのは関西人には何かと馴染みが薄い北関東の一情景。 紹介された歌だけでも近くの地名が幾つか出てきた百人一首と宇都宮の縁にびっくり。
0390
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 26/08/2026
隣人 新装版 永井するみ #読了 新聞の、印刷会社が始めた絶版書籍に再び光を射てる新手法紹介記事で存在を知った2010年に49歳で早世の作家による小説推理新人賞受賞作。 綴られているのはいずれもが、衝撃とまではいかないまでも予想外の結末が待つ表題作を含む6つの短篇。 ただ文章の長さも関係しているのか個人的にはまるでレストランで食事を終えた直後に退席を求められたような余韻を楽しむ暇がなかった印象を受け、少々消化不足に。 著者は他にも多くの作品を遺しているようで、どれまた近いうちに別の作品も。
0370
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 25/08/2026
情熱の砂を踏む女 下村敦史 #読了 いや凄かった。 まさか猛牛相手に赤布をヒラヒラ振るだけかと思っていたかのスペインの闘牛がこんなに奥深く迫力あるものだったとは。 事実、闘牛士と猛牛とのまさに命を賭けての対決シーンでは、作品が遥かスペインに渡り闘牛士となっていた兄の事故死に疑念を抱いた妹が真相を探るミステリーであることを忘れ、気付けば闘技場の一観客に。 動物愛護の観点などから国の内外より厳しい目も向けられており必ずしも磐石とはいえないその存在。 何とか動物の生命を奪わない形での存続ができればいいのだが。
0430
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 24/08/2026
ホテル・カイザリン 電子再編集版 近藤史恵 #読了 どれもがあり得ない結末を抱えた7つの短篇。 その中ではやはり老舗ホテルでの二人の女性の出会いをきっかけに物語が展開してゆく表題作が最も心に。 筆者こそがなせる技なのか内容云々登場人物云々に関係なく7篇すべてで言葉によって紡がれる世界がどれも美しく、まるで一片の悪意もが存在しないかのよう。 読了感想で多くが支持していた紙書籍版収録の[金色の風]が本版では未収録なのが少し残念。
0400
アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 22/08/2026
消えていく日に 加藤千恵 #読了 それぞれの特別な日をひとりで過ごすことになった女性が主役の9つの短篇。 何かを失い何かに別れを告げ、それでもまた前に向かって明日に向かって歩みを続けるそれぞれの姿が描かれる。 自らも経験ある、これ以上ない衝撃や喪失感に苛まれながらも気付けばそれらを記憶の中の過去のひとつとしてそれからの[今]を生きる自分。 果たしてこれらは時間の経過がなせる技なのか、今は亡き父親の口癖だった[時が全てを解決する。]との言葉を久しぶりに思い出した。 9篇の中では隔世の感を覚えながら旅立つ女性が主題の表題作が最も心に。
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アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 21/08/2026
くるり駅でさよならを 猫と珈琲と向日葵の家 高橋由太 #読了 さよならを言えずにいなくなった人と会える小さな街が舞台のシリーズ第2作。 白黒ねこに誘われローカル線の名もなき駅に降り立った人や動物が、どこか懐かしさを感じる駅から続く小さな商店街で、会いたかった人と再会を果たす。 今作では美味しそうな団子とぶっきらぼうな言葉で訪れた人に[帰還]を促すおばさんの素性など、何となくもが明らかに。 読み終わり心に浮かんだのは10年前に16歳で逝ったお嬢がこの名もなき街で皆と仲良く元気に遊ぶ姿。
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アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 20/08/2026
百年の子 古内一絵 #読了 学年誌創刊百年企画なる部署に配属させられた大手出版社勤務の主人公。 ある日そんな彼女は戦前の編集員名簿に祖母の名を発見する。 描かれるのは戦時色強まる中で心ならずも翼賛に迎合していった戦前戦中と新生日本の下、再スタートを切った戦後のそれぞれの時代の学年誌の姿。 自身も幼少期はこの学年誌を愛読していただけにその頃を懐かしく思いながら、そしてそこに子供達を人間兵器化する文言が並んでいたかつてを想像しながら読む。 多くの犠牲の上に戦後を迎えた彼らが最も恐れた戦前への回帰。 果たして我々はそれを守れているだろうか。
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アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 20/08/2026
11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~ 砥上裕將 #読了 前作[7.5グラムの奇跡]時よりゆっくりだが確実に力をつけ大きく成長した主人公の姿が描かれる。 眼の大切さ、見えることの大切さについては十分過ぎるほどよくわかっているつもりだけに今作でも前作同様、登場する面々に早くその大切さに気付いてほしい、早く明るく美しい世界を取り戻してほしいとの願いを込めながら祈るように読む。 科学技術の発達により自分のような全盲者でもある程度は眼の見える者と同様に暮らせるようになったものの、それはあくまでも最低限のこと。 どうか皆様、眼を大切に。
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アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 18/08/2026
風の港 再会の空 村山早紀 #読了 頁を捲りつつ気付いたのはいつも以上に物語に深く没入してしまっていた自分。 そしてそこに広がっていたのは4年前に読んだシリーズ前作同様、奇跡と光に抱かれた、どこまでも優しい[魔法]の世界だった。 しかし著者の描く情景は、氷のうさぎから白猫の毛一本、果てはしんしんと降る雪粒までまるでインクの代わりに光が出てくるペンで書かれたかのように全てが光り輝き眩しい。 争いや憎しみなどで地上に多くの涙が溢れる今、せめて物語の中だけでもこんな優しさに包まれた世界があってもいいのでは。
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アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 17/08/2026
滅茶苦茶 染井為人 #読了 誰もがコロナという未知の世界でもがいていた中、広告F、高校生、LH経営者という何の関係もない3人が踏み出してしまった転落人生。 まるで競うかのように、より速く、そしてより大胆に転落の道を滑り下りてゆくそれぞれの姿が、章毎に主役を代えながら語られてゆき、やがて思わぬところで。 どれもが自業自得といってしまえばそれまでだが、辿りに辿れば遠因にはコロナがあり、その意味では3人もまた被害者なのではと。 まだまだ罹患者数、死者共に多い中、過去の事象と位置付けてしまっている自らの慢心を戒めながら、興味深く最後まで。
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アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 16/08/2026
ぼくたちの告白 高森泉 #読了 とある小学校で起きたベランダからの女子児童転落不審死。 やがて警察の捜査の甲斐なく事件が迷宮化に差し掛かった15年後、内容が酷似した小説が何者かによりネット上に発表される。 読み始めは児童が事件解決に奔走する少年探偵団的展開を予想していたのが途中からはなかなかの本格的謎解きに。 ただ自らの読解力不足もあり各所に張り巡らされた伏線が殆ど見つけられず読後はまるでこの作品が選出された[このミス/隠し玉]のまさに隠し玉により塁上で憤死した野球走者の気分に。 どれまたいつの日かゆっくり再読吟味してみるかと。
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アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 15/08/2026
これが最後のおたよりです 大崎梢ほか #読了 11人の女性作家が描くさまざまな形で遺されたタイトル通りのラストメッセージ。 感動、驚嘆、驚愕いろいろあれど、どれもがさすがと思えるものばかり。 その中でも個人的には愛猫への遺書が主題の[猫への遺言/柴田よしき]が最も心に。 アンソロジーの醍醐味といえば意図せず初めましての作家さんの作品に出会えること。 個人的にはそんなきっかけからファンになることも多い。 今作でもそんな初めての方も幾人かおられ、またゆっくりと紐解いてみようかと。
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アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 14/08/2026
忍ぶ川 三浦哲郎 #読了 1960年第44回芥川賞受賞表題作を含む全7篇。 苦学生の主人公が東京深川の料亭で奉公する若き女中と出会い故郷の東北で祝言を挙げるそれまでが、セピア色という言葉がピッタリの風合いで描かれる。 数年前に亡くなった母方の叔母が作品にも出てくる近くの木場の木材問屋の生まれで、空襲で廃業して疎開してきたという経歴の持ち主だったため、なぜか思い出したのはいつも優しかった叔母の顔。 収録続篇にも続く[その後]については、時代のせいと言ってしまえばそれまでだが、価値観的に相容れない部分も多かったような。
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アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 13/08/2026
ははのれんあい 窪美澄 #読了 一人の男と女の出逢いから始まったとある家族が歩んだ日々。 そんな家族の毎日が、前半は後に母親となる妻の視点で、後半は二人の間に生まれ高校生となった長男の視点で語られる。 描かれるのはそれぞれに小さな、そして大きな変化が生じてもなお柔軟に形を変え姿を失わない、決して個人を抑圧、排除するのではなく個人の自由や幸福追求を静かに優しく見守る緩やかな集合体である家族。 思うにそれぞれが自由や幸福を得ての初めての家族であり、今作では著者の描く家族の姿に大いに共感。 しかし長男がいい人すぎる。
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アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 12/08/2026
どこよりも遠い場所にいる君へ 阿部暁子 #再読 新聞の夏休み読書フェア紹介記事で久しぶりに名前を聞き、2018.2以来8年ぶりに再読。 島の不思議な言い伝えが残る入り江で倒れていた少女を救った島の高校に通う和希。 やがて彼女をめぐる謎が解き明かされてゆくのと時を合わせるかのように二人は互いを意識し次第に惹かれてゆく。 時の壁の前に互いを深く思いながら離れてゆくしかない、またそれを黙って見送るしかない二人の気持ちが何とも切ない。 久方ぶりの青春恋愛ストーリーにそういうこととは全く縁のなかった遥か半世紀近く前を懐かしく振り返る。
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アシタの風 @ashita-book.bsky.social · 09/08/2026
古本食堂 新装開店 原田ひ香 #読了 神田神保町の小さな古書店が舞台の心もお腹もご馳走様のあったかストーリー。 おっ、第2弾!と勢い込んで読み始めたものの、僅か数年前の読了ながら前作の内容を殆ど思い出せず、自らの記憶力の減退を再認識。 それでも次第に記憶を取り戻しながら、[守る]ことから[変えてゆく]ことへ小さな、だが勇気の必要な一歩を踏み出した二人の日々を急逝した元店主になったかの気分で祈るように読む。 もちろん今作でも紹介される地元の名店の料理はどれも美味しそう。 思い出すのは初めて行った数十年前のあの心躍るような古書店の並ぶ街並み。
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