架空兵器、妄想がはかどるよね。
俺は、息を潜めてカメラのファインダーを覗き込んだ。地下格納庫の薄暗い照明の下、黒光りする巨大な “何か” が鎮座している。俺はフリーランスのジャーナリスト、ムラサメ。戦後史の闇、幻の兵器計画を追い続けて、もう15年になる。
「…これは…?」
「ラーテだ」
そんなことは見ればわかる。しかし陸上巡洋艦計画はエンジン開発に失敗して破棄されたはずだ。
男はニヤリと笑った。
「そう、一度は頓挫した計画だ。マテリアルX…。肝はあの超素材さ。主機の出力は優に2.5倍に跳ね上がり、車体は格段に軽量化された。無敵の移動要塞だよ。これは」
…なんてな。