「わからん」
「おまえね……」
「仕方ないだろう?中華を統一したとて、法がこの国を治めたとして、理性と感情が一致することは難しい。理性で感情を御すれるなら、俺はおまえをこうしてこの腕に抱いていることはなかった。だがおまえを抱き、歓ぶ己を俺は好ましいといまでは思える。だから感情のままに動く者たちを俺は否定できない」
いままででは有り得なかった。素直にテンへの愛を、世間的には不義を重ねることをホンは良しとした。互いの立場がふたりを遠ざける分、会えない時間が愛を育んだようにホンの声はやさしくてテンは小さく笑う。
「ホンは変わったね」
「厭うか?」
「ううん、大人になってもっと惚れ直したってこと」