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稲田一声(いなだ・ひとこえ)です。第15回創元SF短編賞受賞作「喪われた感情のしずく」をよろしくお願いします(紙魚の手帖vol.18に掲載。短編単体の電子書籍も販売中)。「モーフの尻尾の代わりに」もよろしくお願いいたします(紙魚の手帖vol.24に掲載)。ご依頼などありましたら東京創元社までご連絡ください。 17plus1.hatenablog.com

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17+1 @17plus1.bsky.social · 04/07/2026
7月5日(日)に秋葉原で開催される文芸即売会「 #辺境有機体 」にて、同人誌の新刊『鶏の祈り永久に』を販売します。 とある町の住民だけが記憶を維持したまま同じ五日間を繰り返すようになってしまったという、ループものの短編SFです。 表紙と1章の終わり、2章の冒頭を公開します。
同人誌『鶏の祈り永久に』の表紙。白い表紙の中央に夕方の町並みの写真。『鶏の祈り永久に』サンプル(20ページ目。1章の終わり)

日間よりも前のできごとなのだ。五日間で何をしようが、ループ直前に起こってしまったことは絶対に回避できない。もう取り返しがつかない。そう、容易に推測できた。
 結局、ループの原因は分からずじまいだった。
 ループ内でさまざまなできごとを改変しても、遠く町の外へ逃げ出しても、自ら命を絶っても、この世への心残りをなくそうとしても、どうしてもループを抜け出すことはできなかった。
 そしておれたちは、ついに認める。
 このループする世界を受け入れるしかないということを。
 要は、脱出を諦めたのだ。

          *

「ごめんな。父さん、どうしてもここから抜け出せないみたいなんだ」
 楓のぽかんとした顔を、おれは掌で包み込む。『鶏の祈り永久に』サンプル(21ページ目。1章の終わり)

 すると、おれの両手に楓の頬がすっぽりと収まってしまった。
 なんて小さな、なんて愛おしい頭なんだろう。
「お前が立派な大人になるのを、この目で見たかった。でも、もう無理なんだ。本当に、ごめん……」
 おれは、巣久井町で起きていることを楓に話した。楓に信じてもらえるか分からないし、次のループになれば楓の記憶は失われると分かっていたけれど、それでもきちんと話しておくべきだと思った。
 愛する息子の成長を見届けるのを断念したことを、どうしても本人に謝らなければならなかった。
 『鶏の祈り永久に』サンプル(22ページ目。2章の冒頭)

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 諦めから、巣久井町の新しい歴史がはじまった。
 ループを自然の摂理として受け入れることにした巣久井町の住民が最初に決めたのは、一週間が木曜からはじまり月曜で終わる新しい暦を作ることだった。まずはそこから生活のリズムを立て直そうと考えたのだ。ループする期間に合わせて、五日で一週間、六週で一ヶ月となるようなカレンダーが制作され、週の頭に家々に配られた。毎週印刷し直しになるものの、三十日ぶんの枠が記されたカレンダーを用意したほうがしっくりくるとのことだった。
 伝聞調になっているのは、おれは暦作りには関わっていないからだ。巣久井町暦で数えて五年前、この町で起こっていることをすべて楓に話したループの時点で、おれは町内会の有志メンバーから抜けていた。そのころにはワタルくんに反発する派閥が中心となっていたこともあるし、ループからの脱出を諦めた以上、メンバーでいつづける意義があまり感じられなかった。
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17+1 @17plus1.bsky.social · 19/09/2025
井上宮『骨の子供』 額賀澪『小説家デビュー1年目の教科書』 を買いました
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17+1 @17plus1.bsky.social · 11/08/2024
【お知らせ】 第15回創元SF短編賞受賞作「喪われた感情のしずく」が、『紙魚の手帖 vol.18』に掲載されています。 うなじの金属製の孔に一滴垂らし、人工の感情を身にまとうコスメティック〈オーデモシオン〉にまつわるお話です。よろしくお願いいたします! www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784...
ぬいぐるみのくらりと『紙魚の手帖 vol.18』

(以下は『紙魚の手帖 vol.18』表紙の見出し文)
紙魚の手帖 Genesis

【選評】第15回創元SF短編賞
第15回創元SF短編賞受賞作 稲田一声「喪われた感情のしずく」

今年も! 夏のSF特集
新連載スタート! 彩瀬まる
赤野工作/阿部登龍/斧田小夜
飛浩隆/松崎有理/宮澤伊織
レイチェル・K・ジョーンズ 佐田千織訳

対談 代島正樹×小浜徹也
解説記事 古沢嘉通
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17+1 @17plus1.bsky.social · 18/05/2024
2024/05/19「文学フリマ東京38」の告知と『CALL magazine』vol.5再配信のお知らせ - きずひとつないせみのぬけがら 17plus1.hatenablog.com/entry/2024/0... #文学フリマ東京38 第2展示場つ-10【V&R BOOKS/鴨川エッチ研究会】の新刊『ドンキー・アーカイヴ 第二回配本』に短編小説を寄稿しています。 📷135枚の写真による記録📸 「三秒」 🐀しゃべるネズミのゆかいなお話💢 「ニューサウスウェールズの怒れるネズミ」(再録) また、覆面競作企画にて四つに分裂しました。どういうこと?
『ドンキー・アーカイヴ 第2回配本』の表紙稲田一声 第15回創元SF短編賞受賞 記念企画
覆面競作:「稲」「田」「一」「声」

 何匹かのロバたちがかつて在籍していた京都大学SF・幻想文学研究会という文芸サークルには、覆面競作という蛮習がありました。それは、暇を持て余したぼんくら大学生たちが三題噺を書き、匿名で見せ合って、作者を当てる……というものでした。
 一見のほほんとした大学生たちによるゆるやかな恒例行事のように見えますが、実態はひどいものでした。別の会員の作風を真似をする、お題とは全く無関係な「フェイク」作品を二作目三作目と入れてみる……などなど、ルール無視野郎の出現が後を絶ちませんでした。覆面競作は、限界まで煮しめられた人間関係と無限にして無為である時間のみが可能とする、闇のゲームだったのです。
 さて、モラトリアムを放逐されて数年が経ち、覆面競作からも遠ざかって久しいロバたちでしたが、稲田さんの受賞を知り、なぜかぼんくら筋が突然うずきはじめたのです。
「お祝いをするなら覆面競作しかない」「覆面競作をやろう」「そうだそうだ」
 ……もっといい祝い方があったのではないでしょうかと思いますが、入稿前にそんなことを言っても仕方がありません。それに、私(暴力と破滅の運び手)は差配を担当することになり、不覚にも心がうきうきとしてしまったのです。デスゲームの主催者ってことですからね。キッズの羨望の的になっちゃうな。
 というわけで、あなたたちには目撃者にはなっていただきましょう――闇のゲームのはじまりです。

【概要】
参加者四人に「稲」「田」「一」「声」という四つのテーマを渡し、2000字程度の掌編を書いていただきました。
【参加者(敬称略)】
稲田一声、坂永雄一、春眠 蛙、千葉 集
【あそびかた】
誰がどのテーマで書いたものかを当て、騎士の誇り(愛と汚辱と死)を手に入れましょう。
【こたえ】本書のどこかにあります。目次
三秒 稲田一声
ニューサウスウェールズの怒れるネズミ 稲田一声
東寺のブックオフ
夏を知らぬ蝶たちは 暴力と破滅の運び手
アトリエの膝 ふじみみのり

稲田一声 第15回創元SF短編賞受賞 記念企画
競作:「稲」「田」「一」「声」
蛙地獄
タクシー稲
百万回
スティーボ・オーバークランクのクリスマス・スペシャル
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17+1 @17plus1.bsky.social · 14/05/2024
創元SF短編賞受賞記念として、フラッシュフィクション専門週刊誌『CALL magazine』にて稲田一声「印刷物一覧」をネットプリント再配信していただいております。ありがとうございます! 稲田一声「印刷物一覧」 ファミリーマート/ローソン/ポプラ/ミニストップ用ユーザー番号:239TY8FFCR 1回20円(白黒/A4) 配信期限:6/1 19:00まで (本文はこちらのInstagramでも読めますが、仕掛け的にネットプリントがおすすめです) www.instagram.com/p/CoANmCmhUgW/
複数の印刷物、Hitokoe Inadaの文字
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17+1 @17plus1.bsky.social · 13/02/2024
うちにも届きました!
暴力と破滅の運び手さん主催の同人誌《ドンキー・アーカイヴ》vol.1の紙版と、それを持つ手
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