僕は昔見た同潤会アパートの一室を思い出していた 個人用にコンパクトに機能的に設えられた生活の器 その豊かさの程度がドラスティックに更新されることがなければ十分であり、一定の魅力を放ち続けるはずだったかたち その想定がうまく行ったところ行かなかったところがあることを後世の僕は知っているけども、改装と最適化を繰り返した居室よりも「その時そうだった」想定を凝らして提出されたばかりのすがたにはっとした これはそれに似ていると思った 儚さとは違う まだ見ぬ豊かさを提示し、それを上回る豊かさに取って代わられる果敢さのすがただ 僕はそういうものを好ましく思う